暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

技術

2018年06月30日 | 古民家

 船大工は船を造る専門の大工さんです・・・

宮大工は社寺仏閣を造る専門の大工さんです・・・

橋を造る人を橋大工とは言いませんが・・・特殊な技術が必要だったと思います・・・

古くは、洪水などで橋が流される事が度々あって・・・

再建する時は、再び壊れる事の無い工夫を凝らした技術を取り入れていったようです・・・

そんな技術は、時に構造美としてすばらしい姿を見せてくれる橋になります・・・

お寺の大きな屋根の荷重を支える工夫で「斗」(ます)や「肘木」(ひじき)で組み合わされる「斗栱」(ときょう)・・・

と言われる木組みがあって・・・それらに装飾が施された「雲斗」や「雲肘木」などもあります・・・

荷重を分散させて軒を大きく張り出す工夫でもありますが・・・

それが日本の屋根組の特徴にもなっています・・・。

衣食住と・・・人間には無くてはならない大切な営みの部分ですが・・・

農家さんも漁業関係の方々も、仕事の環境なのか・財政的な難しさなのか・・・

次の時代を継ぐ世代が育っていません・・・特にお米農家さんは大変な状況です・・・

お米を作っても赤字・・・・作るだけ赤字になっているようです・・・

その他の作物で何とか帳尻合わせが出来ているようですが・・・こんなことがいつまで続くのでしょうか・・・?

日本の繊維業界にそこまで詳しくありませんが・・・

一部のブランド化戦略で活気付いている地域もありますが・・・

質が良くても少しだけ高価になるとたちまち売れなくなるのは・・・飲食業も建築の世界も同じです・・・

ブランド化したお米が売れている現状もありますが・・・どこもブランド米になってしまっては・・・

本末転倒になってしまいます・・・。

職人に対する尊敬の念が薄くなっているのも・・・職人自身が誇れる仕事と感じて打ち込めているか・・・?

自信を持ってお施主様に見てもらえる仕事内容なのか・・・

誰でも住まいが手に入るような国にはなりました・・・多くの人が喜ぶ事だと思いますが・・・

そんな仕組みが、職人の技術を低くしてしまったのかもしれません・・・

農家の方が農薬や農耕機械を使う事で、重労働から開放はされましたが・・・

本来の造る喜び・・・育てる喜び・・・食を支えていると言う誇りが持てなくなって来たように思えます。

(少しづつ、志を持って新しい業界に入ってくる若者もいます)

高気密高断熱の住まいでの生活と・・・古民家の隙間だらけの生活と・・・

たいていの方が、暮らしてみたいと思うのは快適装備で、暑さ寒さ知らずの・・・省エネ住宅だと思います・・・

綺麗ごとと思われるかもしれませんが・・・環境にやさしく・・・

人にやさしい生活が求められているのも現実で・・・これからもっと大切になる考え方です・・・・

多くの業界が舵取りを迫られる時がそろそろ来ているのではないかと想います。

 

 

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表現

2018年06月29日 | 古民家

 不得的多数の人が集まる場所には、安心・安全の規則があって・・・

消防や避難の為の設備や表示を取り付けたり、設置の義務を負います・・・

非常事態が起きた時、その施設から安全に誘導する為の標識や表示も必要になります・・・

危機管理はすごく大切です・・・

その対応力とは、いざと言う時にどうのように対応出来るかです・・・

大手企業や行政の方々の対応の遅れや・・・対応の意識違いで・・・

大きな問題となる話題も、ここ数年で耳にする事が多くなっています・・・

その危機管理とは相反するのか・・・その表現がうまいか下手なのかは解りませんが・・・

日本の歴史的建築物や・・・文化財と言われる物に対するその表現はお粗末な気がします・・・

(自分がもっと上手に出来る訳でもないので勝手な意見とお思い下さい)

すばらしい建物と景色の間に、消火器が置いてあったり・・・

火気厳禁・・・ゴミ捨てるな・・・・そんな言葉と原色の表示が立派な庭の一番手前にあったり・・

施設の説明看板の方が展示してあるものより、さらに立派だったり・・・

見せ方や表現がヘタクソだと良く言われます・・・最近はデザインや色合いなど・・・

その町や地域に合わせた表現をうまく生かせている気もしますが・・・行政さんが考える動きは・・・

見る人や・・・受け取る側の意識に立った柔らかな表現は出来ていない気もします。

大学のお偉い方が古民家のような文化的資産を残そうとすると・・・

なんでも文化財にしてしまいます・・・そうすると・・・

大して予算組みがされない補助金頼りのお、粗末な管理しか出来ず・・・

見る側の満足度は考えない展示方法になってしまいます・・・(個人的な感想です)

結局・・・管理出来ないまま朽ちてしまい・・・解体される運命をたどり、悲しい結末となります・・・

「反面教師」・「過去の事例を糧にする」・・・・柔らかな頭を養う環境造りが必要だと想います。

 

 

 

 

 

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生命

2018年06月28日 | 古民家

 真の闇を体験した事はあるでしょうか・・・・?

以前もそんな問いかけをしました・・・光が少しでも無いと、人の目に情報は入ってきません・・・

闇が深い時代に、お化けや妖怪類の話が多くあったり・・・迷信的な言い伝えが残るのも・・・

そんな真の闇が日常の生活にあったからなのだと思います。

蝋燭の光や行灯しかない・・・囲炉裏での生活を思えば・・・夜中に用を足しに行く時・・・

少しの物音や動きに、子供が恐れをおぼえるのも致し方ないのでしょう・・・

すべて物には魂が宿ると言います・・・・動物に命があるのも・・・草木に命があるのも同じ・・・

山や川・・・そう言ったすべてのものに命が宿っている考え方があります・・・

八百万神・・・いろんな神様がいるのと一緒にしてはいけないのかもしれませんが・・・

人はよりどころを求めて、いろんなものを崇拝してきた習慣もあります・・・

命をいただくとは・・・・動物や植物を食べると言うことです・・・

一昔前のように、ニワトリを家で絞めて食べる事は無いと思いますが・・・

そのやり取りがあるので・・・命の大切さを意識して・・・

残酷だと思う行為は、人が生きる為に必要な行為だと感じる事が出来ます・・・

住まい造りで大切な材料の柱や粱も・・・そんな命をいただいて建てられていきます・・・

木材としての材料と考える人がほとんどだと思います・・・それでも・・・

森に入り・・・育った環境を肌で感じて・・・伐採されるまでの管理や手入れの大切さを知って・・・

木が伐採される現場を見て、体験して頂ければ・・・その壮厳さや厳かな空気が感じられると思います・・・

50年~100年と森を守って来た命を頂いているのだと思う事が出来ます。

身近にあったもので、幼い頃からの習慣だったものが当たり前では無くなってきています・・・

住まい造りを通じて、そんな習慣造り・・・環境造りのお手伝いが出来ればと想います。

 

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価値

2018年06月27日 | 古民家

 時計や車・・・・同じシリーズや同じ車種でもグレードがあります・・・

性能や装備などが違って・・・オプションの機能が初めから組み込まれていたり・・・

使われている素材が違ったり・・・・

男性の方でしたらご理解頂けると思いますが・・・

一番良いグレードにあこがれて、無理してでも買ってしまう・・・悲しい男の性があるかと思います・・・

使わない機能だったり・・・見栄えが少し違うだけだったりするのに・・・変なところにこだわりがあるんですね・・・

住まいにもいろんなグレードがあります・・・特に住宅メーカーさんは、規格のプランを用意していて・・・

(そうでは無いメーカーさんもあります)

仕上げの材料も数種類から選んで・・・今ならキャンペーンで〇〇㎡分グレードアップの床材が選べます・・・

そんなお得感を歌い文句にしています・・・・

ここ数年の耐震問題や地震に対する意識から・・・建築の基準も大きく舵が切られた気がしますが・・・

頑丈な入れ物をいかに作るか・・・その素材には、木材をどのように加工したら有効に使えるか・・・

そんな考え方で・・・燃えにくい木材・・・金属のような木材・・・

乾燥で収縮しない木材を作る努力をして・・・そんな木材のような国産材を使うと・・・

補助金がもらえる・・・環境に配慮した住まいになる・・・そういした付加価値を付けて売り込みをしています・・・

合掌造りの住まいでステータスだったのは・・・

大きな荷重を支える粱に使う曲松を、何本使って建てる事が出来るかでした・・・

長い年月、急斜面にしっかり根を張って、風や雪に耐え・・・丈夫に育った・・・

けど癖のある曲松有効的に使う意味もありました・・・

地域で育った材を地域で使う・・・地産地消の意味もあります・・・

数十年も数百年も森に生きて・・・森を育ててきた貴重な木を伐採して住まいの一部として使わせて頂きます・・・

それが贅沢であり・・・その材を違う形で有効利用する移築や再利用も・・・以前は多く行われていました・・・

高級品・・・贅沢品・・・見た目の部分・・・仕上げの表面だけのステータスではなくて・・・

無骨で地味なものがどれだけ贅沢なのか・・・「木」の本当の良さ・・・

その使われ方の意味など・・・奥の深さをもっと知ってほしいです・・・・

そんなこだわりを知ってから・・・住まい造りを始めてほしいと想います。

 

 

 

 

 

 

 

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2018年06月26日 | 古民家

 ここ数年・・・「打ち水」が夏の風物詩になるかと思いましたが・・・

あまり広がらなかったような気がします・・・

そもそも、日中にコンクリートやアスファルトに水を撒いても、暖められた水が蒸発して・・・

余計に蒸し暑くなってしまいます・・・

「打ち水」は・・・夕方太陽が落ちた後・・・

撒かれた水が少しづつ気化熱で地面の熱を奪って・・・温度が下がっていきます・・・

植木の花に水を撒くのも・・・サンサンと太陽が降り注ぐ時に撒いては・・・

植木がタイヘンな事になってしまいます・・・それと同じでしょうか・・・?

家の廻りも土だらけで・・・雑木林もあって・・・舗装道路もそこそこの時代・・・

雨は川にも流れますが・・・地面にも浸透していって・・・

夕立があって・・・自然と打ち水の効果が行われていました・・・

土が見えなくなった今では・・・「排水リスク」などと言う言葉も出てきて・・・

温暖化で降雨量が増えて・・・1級河川で洪水が起きる確率は・・・

今世紀末では4倍ほどになるようです・・・

雨樋の水は下水に流してはいけない地域があって・・・(最近は多いです)

それは・・・川に流れる水を規制して洪水を抑制しようと言う考え方からです・・・

空き家が多くて・・・これからも、もっと増えていくのが目に見えているのに・・・

雑木林を造成して・・・里山のような場所を切り開いて・・・

建売や住宅地が建ち続けています・・・・・

山を守って・・・里山を残して・・・雑木林を大切にする事が・・・

排水リスクを防ぐきっかけになります・・・抑制になります・・・

住宅の雨水の処理に規制をかけるのも解りますが・・・

もっと大事な部分を忘れている気がします・・・根本が見えなくなっている気がします・・・

目先だけ見据えず・・・既得権やしがらみを考えなければ・・・もっといろんなものが見えて来ると想います。

 

 

 

 

 

 

 

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