暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

様式

2018年05月31日 | 古民家

 歴史の流れはまったく違っているようで、よく見ると意外な接点があったりします・・・

石の文化・木の文化の違いや・・・乾燥した気候・湿気のある気候・・・

暑い寒いもそうですね・・・全く違う生活様式になりそうですが・・・

格式高い「和」の造りとして「書院造り」があります・・・立派な造りの床の間と思ってください・・・

安土桃山時代に生まれて、室町時代には完成していたといわれていますが・・・

その後、時代のすべての和風建築にはその造りが影響されています・・・

床の間・床柱・違い棚・付け書院・・・・それらがセットになっています。

実用的か?と思うと、今では想像出来ませんが、その当時は書院で手紙を書き・・・

床の間には瀬戸物・花・掛け軸などを飾って・・・違い棚にもさまざま形があって・・・

そんな造りが当たり前の時代でした。

時間が進むと、「数奇屋造り」のようなシンプルに・趣向を凝らして・・・

見た目ではなく・・・物事の内面を磨いて来訪者を喜ばせたり、楽しませる・・・

先日も書いたように、茶人の精神・茶の湯の精神と言ったものを表すような造りになってきます・・・

一般庶民のように・・・生活に根ざした暮らしに合わせるようになって来たのですね・・・

欧州などでも、王様・貴族・・・そんな人達が国を治めていた時代・・・

家具や室内のデザイン・・・洋服もそうですが・・・凝った装飾・・・重たい作り・・・

動きづらいけど美しく見えるような、見た目を良く見せる時代でした。

椅子でも、細かな彫刻、宝飾を組み込んだり・・・ウエストを細く見せる極端なコルセットや・・・

大きく張り出したスカート・・・レースやフリルの付いた襟裳元や袖・・・

実用的ではない様子を思い浮かべると・・・

江戸時代、家老などのお偉い方が長い袴を引きずりながら歩く姿を思い出します・・・

動きづらさ・・・着心地は西洋のそれと、同じでは無いかと思うくらいです・・・

動物の中にも、求愛の為の飾り・・・威嚇の為の進化した部分・・・

邪魔にならないのかな?と思える体をした種類がいます・・・

動物のが本来持っている習性・・・習慣とは人も鳥も昆虫も変わらないのかな・・・・

そう思うと、人が時代ごとに造り上げてきた多くのものに、国も人種も変わりは無く・・・

同じ考え方をするのだな・・・と思うと・・・

今まで以上に多くのことに、幅広く興味を持って見れる気がします。

 

 

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民具

2018年05月30日 | 古民家

 水まわりの設備に、毎年新しい機能が付け加えられて新商品として発表されます・・・

それは設備に限らず、車や家電製品・・・携帯電話もそうですね・・・

目新しい物を発売しないと、古い商品は価格を下げないと売れなくて・・・

あまり下げすぎると・・・利益もそうですが、原価割れしてしまい・・・

何の為に売っているか解らなくなってしまいます・・・・。

そこまでの変更や、画期的な新機能が付いた商品でなくても・・・

外観の違い、操作方法の変更だけで新製品として価格を少し変えて販売するそうです。

古民具があります・・・町の史料館などに行くと農耕器具のあれこれ・・・

地域によっては養蚕の道具もいろんな種類が展示してあります。

和服から洋服に変わった事で使われなくなった民具では・・・

衣桁(いこう)着物を掛けるL字型の形で兆番が付いたものでたためる形もあります・・・

古い温泉旅館にはまだ置いてあるかも・・・

入れ物として使われていましたが・・・これも収納の変化で使われなくなりました・・・

長持(ながもち)着物などの衣類をしまっておいた入れ物で、取手が付いて持ち運びしやすいようになっています。

葛篭(つづら)通気性があって湿気がこもらないようになっていて、衣類などを入れていました・・・

個室が当たり前の間取りになった住まいでは、使われる事のなくなったもので・・・

屏風(びょうぶ)祭事などで舞台の後ろに飾られたり、仕切りのように使われる事もありました・・・
 
衝立(ついたて)も和室を真ん中で仕切っったり・・・
 
建物の入り口から奥が見通せないような目隠しの役割もありました・・・
 
暮らしぶりが変化して、直接火を見るような生活はなくなりました・・・
 
危険だとか、手間がかかるなどの理由はありますが・・・
 
今も形を変えず、使われ続けている物もあります・・・基本がしっかりしている物は進化しても・・・
 
本来の形は崩れる事は無いのだと思います。
 
工夫され丁寧に造られて、使い続けられて来たものは・・・
 
世に生まれた時、すでに完成したものだったでしょう・・・
 
変わることの無い大切さを知る、良いお手本だと想います。

 

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2018年05月29日 | 古民家

 庭がある家なんて・・・さぞかし立派な住まいなんでしょう・・・

首都圏で自宅をお探しの方でしたら、立地やその坪単価で見ても・・・

庭付き一戸建てが夢のようだと思う方も多いと思います。

「坪庭」は豪邸にあるとものだと思われるかも知れませんが・・・

京都の間口が狭くて、奥行きがあるような「うなぎの寝床」の住宅事情から生まれた空間の一つです・・・

奥が深いと風通しも悪くて・・・太陽の光も届かなくてそんな環境を改善するための空間です・・・

「中庭」とも呼ぶそうですが、季節の草花や垣根を工夫して見た目にも華やかな場所として・・・

趣向を凝らす「場」としても使われています。

同じ庭でも建物の入り口から裏口まで通る土間を「通り土間」・「通り庭」と言います・・・

お店であれば、手前の部分の土間は「店庭」と言ったり「前庭」と言う場合もあります・・・

土間は「三和土」で仕上げてあるのが多いのですが、現代はコンクリートやタイルで・・・

土間を表現している事も多くて・・・新しい使いで工夫されています。

小さい庭でも大きい庭でも、その表現をどのように楽しむかで、暮らし方が豊かになると思います・・・

日本の侘び寂は細やかな気遣い・・・来訪者をどのように楽しませるか・・・自分はよく解りませんが・・・

茶の湯の精神と言われます・・・・(見た目と内面を表すと言いますが・・・)

そんな心持ちでいろいろ見て見ると、違った感性が沸いてくるかもしれませんね。

 

 

 

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移住

2018年05月28日 | 古民家

 地方へ移住しよう・・! 田舎に引っ越そう・・・!!

Uターン・・Iターンが、以前にも増して取り上げられているようで・・・

情報社会や交通の拡充など・・・仕事の変化で場所を選ばず出来る事情や・・・

自然や暮らしにゆとりを求め・・・充実した人生を送りたいと願う人達が増えたのですが・・・

その現実は想像を超えてとてもシビアな現状があります。

誘致を企画する行政さんが悪いのではありません・・・多くの人は、そもそもの考え方に甘さがあって・・・

地域のコミュニティに入っていくのは、TV番組のように簡単に築けるものではありません・・・

子供の頃からの地域の繋がり・・・親や親戚・・・地域にごとに変わる冠婚葬祭・・・風習・習慣・・・

いろんな祭事への参加・・・

大げさに言えば・・・「よそ者」が受け入れられる儀式・・・・・?

島国を差別する訳ではありませんが・・・排他的な地域で無くても、どの地域でも当然ある事です・・・

体験移住や、お試し体験など・・・自治体の取り組みもたくさんありますが・・・

移住後のアフターケアがどこまで出来るのか・・・?

自立した生活が出来るまでの、支える体制があるのか・・・?

そもそも移住を望む人の考え方は、どこまで固いものなのか・・・?

移住プランに無理は無いのか・・・?

1・2年生活して地域に根付いたり、地域に信頼されたり・・・

自分の意識も変わっていくなんて、そんな簡単では無い・・!

移住などで苦労した方のお言葉です・・・

古民家ブーム・移住ブーム・・・自分の想いだけでうまく行かない事もあるのですが・・・

続ける事で伝わる想いもあります、のっかるだけの行動には十分慎重に、十分すぎる注意を致しましょう。

(自戒の言葉でもあるんですけど・・・)

 

 

 

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住む

2018年05月27日 | 古民家

 狩猟型の住まいを持つべきか・・・・?

農耕型の住まいを持つべきか・・・・?

解りやすい言い方では・・・賃貸か? 持ち家か?です。

ある程度その場所で暮らしたら、新しい町や別の地域で暮らす・・・家を持たない方々・・・

仕事や生活の基盤を考えて、その土地に終の棲家を購入して暮らす・・・家を持つ方々・・・

どちらが正しいとも・・・どちらが経済的かも、人それぞれの住み方次第・・・暮らし方次第です。

賃貸とは少し違う違狩猟型の、欧米風の暮らしは・・・古い住宅を購入して・・・

リフォームしながら建物の価値を上げて、購入時より高く売って・・・次の住まいを探して移り渡る・・・

日本では中古をリフォームしても、新築当初より大きく値が上がる事はありません・・・

建物の評価価格は築年数から算出されるからです・・・

築100年もするような「古民家」は・・・・ただ同然・・・・

高度成長期の時代にはゴミのように扱われて事もあります・・・

最近ようやく、今では再現する事が難しい技術や伝統を大切に守ろうと、そんな声も聞こえてきて・・

古民家ブームと言われています。

それでも空き家問題が深刻化して・・・その対応に行政が手をこまねいていて・・・・

どこに相談してよいのか?・・・次の世代に苦労をかけないようにと・・・

自分の代で解体処分するほうが良いだろう・・・そう思い・・・解体される古民家もたくさんあります・・・

本当に価値のあるもの・・・価値は無くてもその家族にとっては宝物のような想い出・・・

伝統工法の住まいは、借り物でも、持ち家でも・・・

次の世代に住み継いで行けるだけの懐の深い建物です・・・

人が住んで・・・暮らす事で、建物の価値は下がる事無くその想いは続いて行きます。

 

 

 

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