暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

体感温度

2018年04月30日 | 古民家

 日本は高温多湿で、夏の暑さと合わせて、湿気も多いので・・・

最近の異常な気温上昇もありますが・・・熱中症になりやすい環境になっています・・・

古くから夏の涼を求める工夫はたくさんあって・・・

どうすれば心地よく生活が出来るのかを求めてきました・・・?

風通しの良い間取りや、窓の配置・・・住まい造りの工夫がありました・・・

見た目や、感覚で求める涼として・・・水団扇や風鈴・・・水の流れる音・・・

そんな水を使って・・・夕方の打ち水や・・川床などで気化熱を利用した工夫もあります・・・

大きな森の中を歩くと、真夏の昼間でも別世界のような涼しさを感じられます・・・

緑のカーテンは、植物の葉で太陽の光を遮り・・・

水分が含まれた大きな幹や葉で熱を吸収してくれています・・・・。

家の廻りに大木があると、落ち葉や・虫・湿気が高くて・・・余計な手入れが必要なので・・・

安易に伐採して処分してしまいますが・・・

緑が深くなる春から夏は、太陽の日差しをうまく遮ってくれて・・・

秋・冬の時期は落ち葉となって、暖かい太陽の日差しを部屋の中に取り込みます・・・

自然の調整機能が出来ていました・・・

屋根の軒を深くする事でも、夏・冬の太陽の高度の関係で、日差しの調整が出来ます。

大切な物を保管する建物として「校倉造り」有名な建物は正倉院がありますが・・・

三角形の細長い材でログハウスのような造り方の建物です。

無垢の木が持っている調湿効果があります・・・(諸説ありますが)・・・

湿度高いとき、低いとき・・・木の収縮で隙間が開いたり閉じたりして・・・

湿度調節をしてくれるようです・・・

地球規模の環境変化もありますので、昔の生活を基準に考えてはいけませんが・・・

地域や条件を考えて工夫する事で、自然な環境での生活は出来ます。

ニワトリが先か?卵が先か?・・・・(たとえがチョッと違う??)

皆がそんな暮らしなら、快適な社会が造れますね。

 

 

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2018年04月29日 | 古民家

 土壁は藁と土を混ぜて、ある程度寝かせると粘り気が出てきて・・・

それが竹小舞や木摺にしっかりと食いついて・・・乾燥して固まり・・・

粘り気もあり強度もある壁になります。

藁を細かく刻んだり・土を練ったり・・・竹を伐採して・細かく裂いて・・・

藁を編んでひも状にして・・・柱と柱の間に竹を編んでいく・・・・

下準備にとても手間隙がかかります・・・

その後も、下塗り・中塗り・上塗り・・・しっかり乾いてから、漆喰で仕上げです。

その塗り方・乾燥・塗り厚・・・温度や湿度・・・経験と積み重ねた技術で、仕上がりが決まってきます。

自然素材のよい所は、調湿や空気の清浄化などもありますが・・・

使った材料が何度でも使えると言うことです。

乾燥した土は自然乾燥なので、砕いて練ってあげれば、また土壁になります・・・

むかしの建物は「木」と「土」と「石」で出来ていました・・・「植物」も使いますね・・・

それらは自然に返り・・・環境負荷も少なく・・・使い続ける事も出来ます。

育つ時間が長かったものほど・・・手間をかけて育て造り上げたものほど・・・

その後の付き合いは、一生のものになると想います。

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古くて新しい

2018年04月28日 | 古民家

 高度成長期・・・海外の精密で優秀な工作機械を輸入して日本で加工した製品は生まれてきました・・・

それは日本の技術の高さ、製品の良さを広めることになります・・・

時代は進み、もっと大量に、もっと安くと化学製品が生まれて・・・

もっと早く簡単に作れる工作機械が日本で作られて多くの人に使われるようになりました・・・

それは、高級品だった商品がお手ごろな値段で手に入るようになり・・・多くの人が豊かになったのだと思います・・・

無いものねだりはいつの世も変わらないもので・・手に入りにくい・・・貴重なもの・・・

昔から使い続けられている伝統的なもの・・・

あるドラマで取り上げられた足袋を縫製する機械など・・・熟練の方でないと使いこなせないけれど・・・

その製品には、手作りではの良さと魅力があります。

その機械はもう手に入りません・・・その他の生地を織る特殊な機械も海外製品で・・・

部品もすでに手には入りません・・・・

無骨な年代ものの機械とそれを操る熟練の技術が、当時の日本を支えていました・・・

懐古主義ではありません、それが新しいものとして求められています・・・

多くの人に、商品を平等に行き渡らせたい・・・そんな思いで作られた商品も大切な時期はありましたが・・・

本当に良いものを、長く使い続け・愛し続ける・・・高級ブランド品が名前だけでなく・・・

製品として愛され続ける意味は、そんな所にあると思います。

古民家ブーム・・・手に入らない部材を無骨な職人が伝統の技で造る住まいは・・・

今、新しいものとして見られているのでしょうか?物珍しさだけなのでしょうか?

 

 

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造り

2018年04月27日 | 古民家

 空き家=古民家・・・とは限りません。

古民家の定義は・・・伝統工法で造られていて・・・築50年以上で・・・などありますが・・・

使っている材料もさまざまで、造りも・細かな造作の納めもそれぞれなので・・・

多くの人がイメージする、太い柱に・大きな丸太の梁が表しになっている大きな屋根の家・・・

細かな細工の欄間や建具・・・凝った床の間や書院・・・

そんな建物ばかりではありません・・・

蔵に使われている木材も、太くて立派な材料は使われています・・・

それでも、ケヤキや栗のような高級な材は、あまり使われていません・・・

戦後、東京タワーが建設されているような時代・・・

皆が一生懸命で、多くの住宅が必要とされた時代の建物は・・・

当然、多くの材料が必要になるため・・・そこまで立派でなくても、とりあえずの・・・

それなりの材料が多く使われました・・・

伝統工法らしい建物で・・・築50年以上・・・そんな建物が空き家になっています・・・

その後の在来工法・プレカット材の建物も・・・築50年は過ぎています・・・

でも、それを古民家とは言えないと思います・・・それは造りも・材料も・技術も・・・

伝統工法とは違うからです・・・そんな建物も空き家になってきています。

表現が間違っている・・・不謹慎だ・・・と言われそうですが・・・

大きな震災後、被災した町をTVや実際その場所を見て・・・数年から数十年経過してみて・・・

災害があったようには思えないくらい町が蘇る姿を見ていると・・・

人の力はすごいな・・・技術ってすごいな・・・と思います(今でも復興が進まない部分もありますが・・・)

高齢化が進んで、子供が減って・・・住まいの数が今までのようには必要ではありません・・・

とりあえずの・・・それなりの材料はそんなに必要ありません・・・

立派な空き家を解体せず、有効に使わせて頂き・・・

多くの技術や工夫で、手間をかけて・・・気候風土に合った、それでいて快適に・・・

安心・安全に暮らせる住まい造りが出来るのではないかと思います。

伝統工法を今に生かす事は出来ると思います・・・。

当たり前だった技術が、伝統工芸になってしまわないような社会になれば・・・

日本らしい、キレイな町並みが戻ってくるのではないかと想います。

 

 

 

 

 

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不易流行

2018年04月26日 | 古民家

 観光とは、その国や地域にしかない珍しいもの・体験した事のない風習・壮大な景色・・・

おいしい食べ物・・・それらを体験する事が目的で行きます・・・・

米国や欧州は休暇と言えば・・・数ヶ月何もしないで家族で過ごす様ですが・・・

日本の方々(自分も含め)は、休暇も観光も一緒になっているのが現実です。

150年ほど前まで「ちょん髷」結っていた国です・・・

経済大国にもなっていますが・・・大切な観光資源は・・文化であり日本らしさです・・・

それは、古民家や歴史ある街並み・・・和食や和服・・庭園や多くの伝統工芸などです。

どの国にも伝統文化はあって、その継承は国を挙げて取り組んでいます・・・

日本にも技術を認定するような制度はありますが、それを継続的に守れるような仕組みにはなっていません・・・

特に派手な部分では無い、林業・農業・漁業は補助金制度はあるものの・・・

このままでは、成り立たない職業になりそうです。

ITや先進技術で特許を取得する事・・・M&Aで企業の体力増強を図ったりする事も大切です・・・

新しく発展する・向上していく・・・それは技術です・・・

古い伝統・継承すべき文化・・・それらを次の世代に残すことも技術が必要です・・・

「不易流行」(ふえきりゅうこう)と言う言葉を教えて頂きました・・・

変わらないものもありますが、時代と共により良く変えていく事も必要です・・・

失われる事が解っていても、目を背け・・目に入る派手な部分だけ欲する社会の仕組みだけではいけません・・・

変わる方向性の小さい「芽」がいろんなところに出来ています、あとは育てるだけです。

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