暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

やさしい目

2023年03月04日 | 古民家
 両手を開き、届きそうな板壁に・・・ドタバタと段差のある歩きにくい裏道も・・・
のぞき見みたいに窓を横切る、せわしない路地は・・・いつぞや懐かしい遊び場だった・・・。
なにも無くて贅沢な時間を過ごした若い時間に・・・遠慮をぶつける相手はいくらでもいて・・・
わがままとか・・・生意気だとか、誰もが通ってきた道を優しい目で素通りしていたのは・・・
その先に、未来を過ごした大人がいたからなんだと思う・・・。

ヒョロヒョロと・・・笛や太鼓の音が聞こえると、騒ぎ出す心は奥底に住み着いて・・・
自分が一番の・・・地元の勢い達が集まりだすと・・・
伝統や文化なんて幼心に必要はないけれど・・・無垢な笑顔が一番見たくて・・・
裸電球に照らされた・・・頬の艶に誰もが見とれてしまう・・・。

古民家に魅せられるのは・・・想い出や懐かしさだけで無く、自分が経験出来ない空気を運んで・・・
特別な事ばかりを追いかける興味に・・・見捨てられて来た時代を遡る好奇心が、揺さぶられているような気がしてくるから・・・。
見知らぬ時代を知っている世代は、遠くから眺めながら・・・手前の記憶に安心を覚えると・・・
恥ずかしいばかりの幼心で・・・景色は低くなり、町の様子を伺い始め・・・
背けていた欠片の暮らしを懐かしみ・・・古き良き大切さに、目を合わせるようになるのかも知れない。




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