暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

せつなさ

2023年03月09日 | 古民家
 立派な古民家が色を消して・・・威厳ある土蔵が色を失う・・・。
骨太で・・・厳つい姿は解体が終わるまで続いて・・・
立ち姿がいなくなると・・・カラリと広がるその場所が、意外に広く・・・
想えば狭くも感じてしまい・・・巷で見かける住まい作りとはまるで違う・・・
住まい造りが一生に一回の大きな事業と言われる意味が、手に取れる時間になる・・・。

筋骨隆々と・・・職人の立ち姿は勇ましく・・・
体一つで何事も成す姿は・・・どの職業を見ても、美しく振る舞いが整っている気がして・・・
物売りに・・・飛脚・・・問屋の丁稚に、髪結いの仕草・・・。
伝統と言われると・・・敷居が高いと思うけれど、そのままの暮らしが繋がり日々の仕草になるように・・・
伝統文化は・・・ずいぶん昔の庶民の暮らしで、誰もがそこにいた証の過ごし方なだけで・・・
特別でも無い手間暇の・・・当たり前の暮らしだった・・・。

自家焙煎や・・・ミルで豆を挽いて贅沢な時間をむさぼる・・・。
ドリップが面倒だとか・・・もっと安く手軽にと、インスタントが生まれてはみたけれど・・・
豊かさを求めて・・・特別な時間を探して、アナログな時間へとネジを巻いている・・・。
余裕が無ければ・・・古民家の暮らしに向かおうとは思えなく・・・
余裕は持てなくても・・・心に豊かさを保てるなら、廻りにも人にも目が届き・・・
幅広く、目配せが出来る暮らしになるような気がする・・・。
古民家や田舎の暮らしに切なさは見えるけれど・・・追いかけられる切なさでは無く・・・
人や自然に気付く、やさしい切なさが・・・漂っているような気がする。


コメント
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