暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

文字の奥

2022年10月20日 | 古民家
 うねる字を見て思う時・・・達筆とはお手本で、うねった文字でも個性があれば芸術になる・・・。
それでも下手な文字に頭は垂れて・・・たまにしかお目見えしない祝儀袋やらなんやらに・・・
文字を配り始めると・・・我ながらの個性に渋い顔で微笑んで・・・
少しして見返すと・・・後悔が後頭部に浮かんで来る・・・。

しぶしぶ筆を取り出して、墨で文字をなぞる仕草は・・・
当たり前の様で面倒深く・・・鉛筆でさえも最近お目見えしないのに・・・
舌で湿り気を持たせながら・・・ソロリと芸術の端くれた文字を並べる・・・。
粋な暮らしと思いながら・・・普段からの行動とは思えなく・・・
画面に現れる文字の味気無さは・・・効率と読みやすさと汎用の便利さを感じさせても・・・
伝統の文化からは・・・遠く離れた表現になってしまう・・・。

古民家を解体すると・・・隠れた場所の梁や柱から、当時の書き込みがいくつも見つかり・・・
自分の名前や・・・築年数、休憩中の落書きだったり・・・
当時の人となりや・・・生活の一部を感じられる豊かな想像が浮かんで来ます・・・。
とある文章を転写・模写するよりも・・・コピーした方がきれいで正確でも・・・
文章に隠れた意味や・・・書き手の心は染み入らず、当時の面影を手に入れる事は出来ないように思う・・・。
映像や写真から受ける情報量は多けれど・・・正確な文字が画面には並んでも・・・
表の奥の・・・人の心が感じられるようにはならないのかも知れません。

コメント
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