暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

しのぶ

2022年08月28日 | 古民家
 片隅に座り込んでいる・・・真ん中にいるのに、あたかも隠れるように気付かれないように・・・
しのぶその姿に、いとおしさや愛着を感じるけれど・・・その生い立ちは悲し気な中に瞼を落として・・・
誰が伝えるでも無い・・・どこにでもあるような歴史が薄っすらと感じられて・・・
昔ばなしになりそうな優しいそのお顔に・・・時の流れはノッペリと映っている・・・。

小さな祠を愛しく掃除する姿も・・・最近では見る事も少なく・・・
顔の見分けも・・・文字を読めることも少ない風化したお地蔵様・・・に仏様・・・
何かの意味が生まれて祭られていても・・・道路の事情で移動して、住まい造りのわがままで移動して・・・
本当の意味を知るには動き過ぎて・・・読み解くには時間が流れ過ぎて・・・
この先、新しいご神仏が生まれる文化も伝統も無くしてしまった暮らしには・・・
地域を憂う心も・・・薄くなってしまっているのかも・・・。

木の文化は歴史の中に埋もれてしまい・・・石の文化は、儚くても残されて来て・・・
ただ、地域で守られなければ・・・そこに物語は生まれなく、引き継がれる熱も消えてしまう・・・。
時間と共に朽ちてしまう木は・・・時代に合わせて手直しや補修が行われて・・・
先人の技術を受け止めながら、その伝統を次の世代に伝えて行ける・・・。
そのやり取りに無駄を感じるのか・・・古臭い習慣だとあきらめてしまうのか・・・
本当に大切なのは・・・永遠に残る丈夫な文化では無く・・・
しのぶ暮らしに残る・・・儚く尊い文化なんだと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする