暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

軒下

2022年08月20日 | 古民家
 思わぬ小雨の時・・・チリリと日除けにも・・・
軒が深い訳は数知れず・・・思わぬ出会いに広がる時を造り場所でもある・・・。
長雨で水に浸かる場所では・・・軒下に船がぶら下がり・・・
木でこしらえた梯子は・・・大抵どこのお宅でもあったような気がする・・・。

大きな頭を持ち上げる・・・バランスの悪そうな、伝統的な木造建築・・・
しっとりと感じる日本の四季に暮らせば・・・権力ばかりでも無い伝統工法の意味が、ほんの少しだけ解るような気がして・・・
安らぎや安心は・・・千年も過ごす大樹の下にも似た住まいのような気がする・・・。
緑が目の前に映るだけで・・・ザラついた町の景色が変わり・・・
黒くて固いアスファルトに、雨上がりの懐かしい香りが踊って・・・
むせ返る熱気の草いきれと土の感触は・・・今ではどこの庭先でもあるような想い出では無くなってしまいました・・・。

あぜ道を歩いて・・・フラリ風が穂をそよぎ、足元も朗らかに遠くを見れば・・・
ハサハサと首を垂れ始めた実りの秋は、いつの間にか後ろまで詰め寄られて・・・
まだまだ麦藁帽子の影を、足元に落としていると思っていたのに・・・
道路の向こうに案山子の影を見つけると・・・夕焼けもなんだか穏やかな顔に見えて来た・・・。
黄金色の地平線が見え始める頃には・・・軒下の縁側に、冬支度もいそいそと・・・
日本の四季は・・・意外と忙しいモノなのかも知れない。





コメント
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