暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

胸を抑えて

2022年02月10日 | 古民家
 初めて入る部屋でも無いけれど・・・大人の腰ほどの目線の高さが感じる、天井近くの薄ぼやけた写真の列は・・・
そのまま抜け出ては来やしないかと・・・ズキズキの胸を抑えて、今にでもラッパのように声が出そうな口を手でふさぎ・・・
薄暗い仏壇を横目に・・・並んだ和室を通り過ぎる・・・。

大きな住まいでも無いのに・・・和室ばかりが並ぶ間取り・・・
古い屋敷に、大概和室が並んで・・・大事なモノが片付けられていたり、ご先祖様が鎮座していたり・・・
お家の歴史を語るには格好の場所として・・・親戚・兄弟が揃えば、何かと重宝するのも、古い日本家屋の得意なところです・・・。

恐怖や大冒険でしかなかった田舎のお家や・・・
初めて遊びに行く・・・友達の農家のお屋敷がしっとりと立派で・・・
かくれんぼで迷子になって・・・トイレの帰りは迷路になって・・・
今ではあまり見かけない立派なお屋敷に・・・憧れよりも怖さが先走りして・・・
そんな町の姿が目に浮かび上がる場所も・・・ずいぶんと減ってきた気がする・・・。
多くの新築で、和室が姿を消して・・・ジオラマのような畳や障子の姿を目にしても・・・
胸を抑える感覚は無く・・・こ綺麗な和室に清潔感はあっても・・・
過ぎて行った体験は、元に戻る事は無いのかも知れない。


コメント
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