暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

空気

2021年12月19日 | 古民家
 コキコキと頭の上に響く声は・・・チリリと張りつめた空気と陽だまりの暖かさ・・・
福の神か、貧乏神か・・・古い佇まいには、目に見えない物の怪もひそんでいるみたいで・・・
それなのになんだか微笑ましくて、恐れをあまり感じないのは・・・
悪戯も、しあわせも・・・些細な繰り返しで・・・
子供みたいに少し可笑しくて・・・思わず微笑んでしまう空気が良いのだと思う・・・。

切り出した木材は・・・山にそのまま寝かされ、数か月あとに4mほどに切り分け・・・
山から降ろされて・・・そのまま積み上げられ・・・数か月・・・
程よくして、皮を剥かれて・・・製品に近い板状に製材され、数か月・・・
井桁状に積まれ、自然乾燥されて行きます・・・。

元気な木材に育てられるには・・・1年近い時間を掛けてゆっくりと乾燥されて・・・
それでも、大きな梁や柱材は・・・季節ごとにコキコキと声を上げ、部屋の中で呼吸をしながら・・・
流れる空気を受け止め・・・100年も200年も暮らしを守ってくれています・・。
人が育つ時間を短くする事が出来ないのと一緒で・・・省ける事は何も無い・・・
もしあるとしたら・・・それは、何か大切な落とし物に気付かず、成長してしまうかも知れません・・・。
やさしく微笑む空気は・・・何処にでも必要なんだと思います。

コメント
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