暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

蜃気楼

2021年07月29日 | 古民家
 陽炎が、めまいのように降りて来る青空の下・・・
黒い道がどこまでも続く車の流れの景色よりも・・・
蜃気楼が映画のように映る・・・遠い海の向こうの方が、いくらか軽やかに思えて・・・
暑い夏の時間は消えないけれど・・・
自然が残してくれた不思議な世界が・・・今も昔も変わらないように見えて・・・
映る高層ビルの蜃気楼は・・・時代を映しています・・・。

古い瓦の下は、土が敷き詰めてあって・・・
その下には、杉皮が敷かれて雨漏れなどしないような造りになっています・・・。
重たい瓦屋根が地震に弱い・・・そんな言葉は土葺きと言われる伝統構法の事を言っているようで・・・
釘やネジで固定していく今時の瓦葺きは、風で瓦が飛んでしまったり・・・
地震で落下しにくい施工になっています・・・。

屋根が大きく重たい・・・揺れる構造の伝統的建築は・・・
日本の気候や地域の暮らしに合わせた住まい造りです・・・。
瓦の重さは、ゆっくり揺れて力をいなし・・・
瓦が落ちるのは・・・揺れながら少しづつ重さを調整しています・・・。
人の暮らしが変わり・・・自然は大きく変わらない様で、なんだか時代に引っ張られてしまい・・・
変えられてしまった自然に合わせて・・・瓦が釘止めになってしまい、伝統の構法が嫌がられてしまう・・・。
蜃気楼に映るビルの影は・・・人の暮らしが自然を変えてしまった姿なんでしょうか。



コメント
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