暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

手仕事

2021年03月17日 | 古民家
 面長で白い顔・・・トッと筆を切れば・・・泣いているのか笑っているのか・・・
不思議で妖艶な日本人形が、命を頂く瞬間です・・・。
一生掛けても、理想の仕事は残せない・・・
伝統工芸に携わる人達の言葉は・・・単純になる作業ほど奥は深くて・・・
どんな立場の人にも言える・・・とても深い考え方です・・・。

単純な間取りの古民家は・・・田の字に和室は並び・・・
土間(ニワ)や座敷(オモテ)・・・広さや使われる素材は変わっても・・・
基本は変わらないで、伝統的な造りが決まっています・・・。
同じものを造り、毎日繰り返す作業だから・・・雨の日や晴れの日・・・
温度や湿度で仕上がりが変わってしまう・・・その原因を感じながら・・・
理想の仕上がりに近づける技術を造り上げようとします・・・。
だからこそ、自然相手のモノ造りに終わりは無くて・・・仕上がりの質感、色、精度・・・
工夫を重ねても・・・どこかで納得の行かない出来栄えに、同じようで同じじゃあない手仕事は繰り返し続きます・・・。

機械で作れば・・・同じカタチが出来たとしても・・・
自然に育った木材が、全部違う性格を持っていれば・・・同じ加工をするにも全部一緒でいい訳がありません・・・。
住いに命を与えるのは人や家族でも・・・その人や家族を守るのは住まいです・・・。
素材を知り・・・環境を見て、その時持てる技術を精一杯出し切る・・・
世代を超えて住み継がれる古民家だからこそ、こだわりのある技術が生まれたんだと思います。




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