暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

揺らぎ

2020年11月13日 | 古民家
 薄青い空に浮かぶ、茅葺の屋根の上・・・スッと立つ名も無い花・・・
鳥が運んだのか・・・風で漂う綿毛の種が落ち着いたのか・・・?
葉を2枚広げて、茎の先にポツリと咲く花の色は・・・ぼんやり空に良く似合う・・・。
つまりに詰まった雨樋から・・・チラリと見えるか細い花は・・・
優雅に漂う茅葺屋根の花とは違って・・・疲れた佇まいと侘びしさが残ってしまいそうです・・・。

当時造られた箪笥や建具・・・火鉢にちゃぶ台・・・
同じように・・・同じ材料で、同じ技術で造ったとしても・・・
何故か軽く見えてしまう・・・
手加工と機械加工では・・・精密で正確な技術は変わらないとしても、緩やかな曖昧さや・・・やさしい感覚は手仕事には感じられ・・・
不協和音委ならない、適度な揺らぎが・・・古くから伝わる道具は持っていると思う・・・。

人の顔が左右対称ではどこか違和感が生まれるように・・・
人の手で加工された住まい造りには・・・丸みのある安心感があって・・・
時間を掛けて身につく、伝統的な技術は・・・費やした時間だけ、正確さの中に人しか出せない想いが残り・・・
古民家の佇まいが安心するのも・・・僅かな揺らぎがあるからで・・・
造られた当時よりも・・・暮らしの中で育てられ、魅力的になって行く・・・
そんな住まいに暮らしたいと思います。




コメント
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