暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

材料として

2020年09月12日 | 古民家
 手と足を互い違いに・・・器用に動かして・・・
ムッと足先に力を入れて・・・両の手は強くも弱くも無い、いい塩梅で揉み手は動いて・・・
シャリシャリと、手の平から生まれる荒縄は・・・暮らしのあちこちに使われ
て・・・
農作業にも・・・身に着けるモノにも・・・住まいを造る材料としても・・・
土壁の土には、細かく切った藁が入る時もあれば・・・麻を入れる時もあ
り・・・
屋根を葺く材料は、茅だけでは無く・・・稲藁や麦藁が使われたりもして・・・
近くで取れて、安価で大量に手に入る物を工夫して、大切に使っていました・・・。

地産地消で暮らせるなんて贅沢な暮らし・・・だと言われそうですが・・・
近くにあるモノでしか生活出来なかった場所は、決して裕福では無く質素でつつましい暮らしな訳で・・・
でも、それがどんなに幸せで貴重な時間だと気付くには・・・とても長い年月を必要としました・・・。

水に洗われたり、乾いたりを何度も繰り返すと・・・木や藁などは腐敗してしまい、白蟻もいそいそと訪れて来ます・・・。
住いは、水や湿気を嫌うので・・・風通し良い住環境が、快適で長持ちする空間造りになって・・・
人も心地よい暮らしが手に入るのを知っていても・・・
自然の素材の姿も見えない・・・風の姿も見れない住まいでは・・・
住いが喜ぶ住環境が解りにくくなってしまいました・・・。
使い続けられた道具や素材が見せる美しい姿は・・・時間と共に暮らした証として、やさしい姿をのぞかせてくれています。








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