暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

仮の住処

2020年07月23日 | 古民家

 梅雨の長雨が、ホロリと降り続く中・・・自然の成長は目に見えて早く・・・

顔もおぼろげな、甥や姪の変わり果てた成長ぶりに驚くように・・・

ひっそり育ち、たくましく生い茂る雑草を見ていると・・・生ける物がいなくなった土地は・・・

案外、自然によみがえるのは簡単で、人の暮らしなどあっという間に飲み込まれてしまうのだろう・・・

わがもの顔で歩いているようで・・・もろい社会の姿を見ている気がします・・・。

フツラフツラと苔むした道路脇の壁や・・・橋の欄干に・・・うっそうとした木々の森・・・

わずかばかり差し込む日の光に息をして・・・・光を蓄えた緑の敷布は・・・

人が立ち入るのを拒んでいるようで・・・それでいてとても清々しく高貴な感じがします・・・。

杉や檜の森・・・人の手が入り、健康的な森にも、温かさや安堵は覚えますが・・・

手つかずの神秘の森には・・・手を触れてはいけない、守らなければいけない大切な時を感じます・・・。

数百年もその場を見守って来た大木を伐採する時、人は敬意をもって挑みます・・・。

住いの一部に井戸があって、致し方なく塞ぐ時・・・感謝の意味・この先も大切に思う気持ちを込めて・・・

お祈りをするのと似たように・・・。

人が育てて来た暮らしは・・・心の中で、時間と共に積み上げて来た習わしや言葉に多くの魂が宿り・・・

見守ってくれますが・・・

そんな事さえも・・・無かった事にしてしまうほどの自然の力・・・

みんな・・・その恩恵を少しだけ頂きながら・・・

仮の住処として、今がある事を忘れているのかも知れません。

 

 

 

 

 

コメント (1)
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