暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

消える

2020年07月16日 | 古民家

 ザラザラと動きの悪い扉を引いて・・・温かくムワリと鼻を癒す、わずかに感じる石鹸の香り・・・。

キシキシと冷える体も・・・人恋しさを感じる寒空も・・・

扉の向こうは、華やかな別世界で・・・老いも若きも無防備な姿をあらわにしながら・・・

屈託ないよもや話しに・・・他愛のない世間話がウロウロしています・・・。

今は見る事も少なくなった町の銭湯・・・社交場として、地域の拠り所として・・・

多くの暮らしを支えて来ました・・・。

異世界ともいえるほどの装飾や小物が置かれて・・・不思議を醸し出していますが・・・

張り出した軒の出に、見上げるほどの大きな瓦屋根・・・立派で堂々とした唐破風の姿を見れば・・・

暖簾をくぐる前・・・すでに心は銭湯の世界に浸かっているいるのかも知れません・・・。

軋む床板も・・・見上げるような折り上げ格天井も、今では伝統の技術で・・・

湯舟の向こうに浮かぶ景色は・・・長年培って来た技術で仕上げられた手仕事・・・。

アナログに温かさや、やさしさを感じるのは・・・そこにたどり着くまでの時間や心の大きさが必要だから・・・

おぼつかない手元や不安の中から・・・ようやく自分の想いを見せられるまでの道のりが必要です・・・。

人が積み上げて来た時間の大切さが・・・少しづつ消えてしまっているような気がします。

 

 

 

 

 

 

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