ザクッ、と刺すような車のヘッドライトが行きかう大きな道路も・・・
街灯も無く・・・むなしい排気音だけが響く山の奥深くの道路にも・・・
底なしの草むらの中では、数えきれないほどの虫達が何かを表現する様に・・・
七色の音を奏でています・・・。
ガチャガチャと楽しげに・・・ギリギリと悔しげに・・・
カチャカチャと忙しく・・・バラバラで節操無く奏でているようで・・・
静かに耳を澄ませば・・・引き込まれる不思議な音色は・・・一匹では小さな音でも
・・・数百匹・・・数万匹集まれば・・・車の排気音もかき消すほどの音になって・・・
真夏の闇夜の空に広がって行きます・・・。
竹で造られた籠の中に・・・鈴虫が一匹・・・ヒュリリリー・・・ヒュリリリリー・・・と・・・
儚げな音を聞きながら、夏の夜を過ごすのも悪くはありません・・・
人の暮らしが自然をどんなに追いやっても・・・たくましく生き抜いて・・・
変わらず訪れる夏の光景は・・・壊れやすくも、自然の強さを見せ付けられている気がします・・・。
緩やかに流れるような暮らしから・・・力強く突き進む暮らしになって・・・
人の繋がりの弱さが目立ってきたような気がします・・・。
支え合い生きる暮らし向きは、変わらないであってほしいと思います。