暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

2019年07月14日 | 古民家

 ギッギッ・・・ギッシ・・・・パキン・・・

夕食を終え・・・1日の終わりが近づく頃・・・昼間の喧騒も静まり・・・

自然の営みもそろそろ身を潜め始める頃・・・

まどろむリビングに聞こえて来る・・・・住まいを支える木材の声・・・・

自然に乾燥させた木材は・・・・自分が持つ水分を環境に合わせて自然に調整します・・・・。

時間が経過して、少しづつ乾燥も進みますが・・・空気中の湿気を吸湿発散しながら・・・・

力を蓄え・・・これからの長い年月に耐えうるように強度を増して行きます・・・。

ある人は・・・こんな音が毎日聞こえて、建物に欠陥があるのでは・・・?

梁の亀裂が延びてきているようで・・・割れてしまわないか心配・・・・と、そんな言葉を投げかけて来ました・・・。

・・・・心配する言葉や・・・余計な仕事を増やさないようにする為に・・・木材を高温で乾燥させます・・・・。

そうすると、干からびた木材は艶も無く・・・肌触りも悪く・・・本来、時間と共に強度が増す、自然の営みは出来なくなります・・・。

適度な油分と適度な水分を調整しながら・・・100年・・・200年と住まいを守る・・・

長い時間住まいを守る木材を育てるには・・・・時間や手間の掛かる下仕事が必要で・・・

利益や・・・・時間短縮・・・・効率優先の流れが、大切な仕事を忘れさせてしまいました・・・。

お母さんのやさしい手のひらがお腹をさするだけで・・・痛かったお腹が・・・スッと楽になり・・・

お父さんの大きな手のひらで抱きかかえられると・・・・フワッと安心感が生まれます・・・。

・・・本来持つ生命力を生かした木材は・・・しっとり吸い付くような木肌になり・・・

時にはやさしく・・・時には強く・・・硬く・・・心地良い刺激となって・・・心を癒してくれます・・・。

自然の力に耳を傾けて来た暮らしが失われ・・・・木の声がどんな意味を持つかも忘れてしまった暮らし・・・

生きた木材が奏でるいろんな声を聞きながら・・・過ぎ行く日々を豊に暮らすことが出来たらと想います。

 

 

 

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