暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

個性

2019年06月23日 | 古民家

 その辺に落ちている石を生活に使うとしたら・・・

漬物を漬ける時の重り・・・?花壇の境として・・・?踏み石として・・・?

庭に育つ雑木を生活に使うとしたら・・・

落ち葉や枝は焚きつけとして・・・大きく育てば、小屋や住まいの一部に・・・

稲藁や麦藁を使うとしたら・・・

屋根葺き材として・・・焚きつけとして・・・縄や草履の材料として・・・

身の回りにある物を利用して・・・ほぼタダで手に入る素材を利用しての暮らし・・・

お手軽な暮らしではありません・・・手間も時間もかかり・・

とても質素な生活ではあっても・・・・そこには遊び心もあり・・・より良く使えるようにと・・・

工夫や知恵が集まり・・・今風に言えば・・・アートが生まれていました・・・。

蔦を編んだ籠・・・・竹や薄い剥ぎ板で編んだつづら・・・・

絹や麻を機織りで編んだ生地・・・・

素材の準備から下ごしらえ・・・・気の遠くなる編み込みの時間・・・

ただ同じように編み込むのでは無く・・・蔦の自然の色で模様を造ったり・・・

擦り減りそうな部分は、編みを多くしたり・・・

実用の中の工夫と・・・造り手の個性が生きる仕上げになっていきます・・・。

棟梁が家造りをする上で心掛けるのは・・・

関わる職人さんがいかに気持ちよく・・・安全に仕事が出来て・・・

これから住まい手となる家族が・・・安心して暮らせる住まい造りが出来るかです・・・。

山の育成と同じで・・・・住まい造も・・・・自分が育て・造り上げた木材、住まいが・・・

この先、50年・・・100年・・・200年と・・・・自分がいなくなった先を考えてのお仕事・・・・

次の世代に残す仕事が・・・・恥ずかしくないように・・・その気持ちが大きかった時代がありました・・・。

せっかく残された文化を・・・・ないがしろにしてしまえば・・・

自分達の・・・子供・・・孫には、その考え方も・・・想いも伝える事が出来なくなってしまいます・・・。

使われる事が無くなりつつある大切な文化は・・・外から来る大勢の目で見られ・・・

その価値が見直されてはいますが・・・文化を残すのは・・それを受け渡された我々で・・・

気付かされた事に感謝し・・・・これからも繋いでいかなければならないと想います。

コメント
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