暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

国産材

2018年05月09日 | 古民家

 国産材の木材は値段が高いので、安い外国材を使って建物の値段を安くしています・・・

そんな考え方は間違っている事を、多くの人に知られていないのが建築業界・・・

林業界の現状です・・・

仕組みとして・・・山を持っているオーナーさんは自分では山を管理できないので・・・

森林組合や林業家さんに山を管理してもらい、伐採した木材が売れれば・・・

伐採・搬出などの経費を差し引いて、残った部分の利益から収入を受け取ります・・・

以前は木材が高く売買されていたので、経費を引いても一定の収入は出ていましたが・・・

今では木材の販売価格も下がり、作業手間・燃料費など経費が高くなり・・・

赤字になってしまうので、山のオーナーさんに収入は無く・・・山を持っていても・・・

何の為に山を持っているのか・・・次の世代に受け渡す事が負担になる仕組みになってしまいました。

健康な山とは、いろんな種類の植物が育ち・・・多様性があること言いますが・・・

人が手入れしなくても、自然に循環してそれぞれの植物・樹木が育まれている山を言います・・・

人が手を入れてしまった山は、下草狩り・間伐・枝打ちなど・・・手間を掛けることで健康的な山になります・・・

何もしないと・・・生い茂った樹木で日が遮られ、薄暗い山になり・・・下草も育たなくて・・・

樹木の生長も悪く、根の張りも弱く、健康的な木にはなりません・・・

そうなると、土砂崩れが起きたり・・・倒木が増えて川に流れ出たり・・・災害の助長になります・・・

健康な山は災害に強くて、綺麗で自然豊かな川を造り・・・綺麗で健康な川は栄養豊かな水を海へ送って・・・

プランクトンや海藻が育ち、それを餌とする魚が健康的に育ち、海を豊かにしてくれます・・・

循環型の社会がそこに出来て・・・食物連鎖が無理なく出来上がっていきます。

同じ気候で育った材木を、同じ環境での住まい造りで使う・・・それが当たり前で、良い住まいとなります・・・

急斜面で育った日本の木は、強度や・乾燥度合い・・・木目の綺麗さなどでは精度が安定していない場合もあります・・・

それを工夫して加工・調整して良い所を引き出すのが、大工さんの技術です・・・・・

今ではそんな力を発揮する機会も場所も・・・そんな住まい造りの家も少なくなっています・・・

日本の山を・・・川を海をもっと元気にするために、もっと国産材を使って良い山造りをしていきたいです。

それが、すべての産業に生かされる事で、健康的な木材で造った住まいが、次の世代にも受け継がれて・・・

循環型の仕組みが元に戻っていくのだと想います。

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