6月 10日

2024-06-10 05:19:20 | Weblog
                            額の花・額紫陽花





                     




          額の花ひすいの花粉葉にこぼれ          沢木欣一


          寡婦たりし母が好みし額の花           栗田やすし


          よろずやの間口一間額の花            雨宮民子


          額の花咲きあふれたり土管坂           鳥居純子


          雨雲の走る坂道額の花              塩坂恵子


          額の花路地を狭しと佃島             ころころ





                     




                     




          よく撥ぬる流の鱒や額の花            阿波野青畝


          水よりも土が濡れゐて額咲けり          草間時彦


          眼を病みし片くらがりや額の花          鷲谷七菜子


          きらめきは風の木洩日額の花           稲畑汀子


          僧恋うて僧の憎しや額の花            橋本多佳子


          額咲いて鋏おもたき女かな            石田 波郷




                




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6月 9日

2024-06-09 06:07:24 | Weblog
                                青柿





               




          本棚に青柿二つ子規祀る             栗田やすし


          青柿に陶器の固さありにけり           河原地英武


          柿青し分教場に紙芝居              岸本典子


          青柿の転げ落ちたる音二つ            玉腰成子


          青柿の落ちて転がる陶干場            関根近子


          青柿や石垣粗き山の家              橋本紀子





                



          青柿に囲まれし家豆腐冷ゆ             細見綾子


          城守る青柿ばかり会津なる             杉本 寛


          隠し子のごとき青柿伊豆も奥            岡本 眸


          青柿の家に集る無尽講               瀧澤伊代次


          あひびきの影の別れて青柿落つ           石川桂郎 


          駄菓子賣る茶店の門の柿青し            正岡子規





                     




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6月 8日

2024-06-08 05:58:53 | Weblog
                         梅干す・干梅・梅漬





                




          梅漬ける甲斐あることをするやうに        細見綾子


          梅を干す鵜籠の厚き板渡し            栗田やすし


          梅漬くる藻屑混ざりし能登の塩          都合ナルミ


          塩噴いて母の梅干古りにけり           関根切子


          梅一斗干し上げし夜の深眠り           森 妙子


          駅弁やまづ梅干をひとかじり           奥山ひろ子





                




          梅干の指匂わせて詩人たり            沢木欣一


          梅漬けて紅き妻の手夜は愛す           能村登四郎


          バス停の椅子に梅干す檜原村           荒川優子


          梅を干す笊に筑波のきつね雨           弦巻淑子


          干梅をほめてつまみぬ配達夫           中嶋笑子


          悪心きざす夜の干梅のきつい匂ひ         菖蒲あや





                




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6月 7日

2024-06-07 05:25:21 | Weblog
                         溝浚へ・堰普請・どぶさらへ




            溝浚えとは 溝の流れをよくして、蚊などの発生を防いだり、悪臭を消すためなどに、溝や用水路の底の
            汚泥を取り除くこと。どぶさらえまた又農家では、田に水が行き渡るように田植え前に溝の泥をあげ
            周辺の草を刈った。 [季] 夏。






                




          紺屋町藍の匂ひの溝浚ふ             下里美恵子


          スコップの音をちこちに溝浚へ          藤田岳人


          溝浚へ終りてよりの長話             市原美幸


          割烹着の女医の出てゐる溝浚へ          内田陽子


          ざりがにが目を剥いてゐる溝浚へ         加藤ゆうや


          溝浚へ赤子生まれし話など            谷口千賀子





                




          ほろびにし螢がにほふ溝浚へ            福永耕二


          背なの子の首の落ちさう溝浚            辻 桃子


          溝浚へ見かけぬ顔の交りをり            河本遊子


          溝浚へ加勢の雨となりにけり            稲畑汀子


          いつ越して来しひとならむ溝浚へ          鷹羽狩行


          溝浚ひはじめての水ほとばしる           能村登四郎





                




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6月 6日

2024-06-06 05:55:10 | Weblog
                         月見草・待宵草・大待宵草





                




             ツキミソウとマツヨイグサは同じマツヨイグサ属に属する別種の植物です。
             そして、ツキミソウとマツヨイグサには以下のようなはっきりとした違いがあります。
             ◇ツキミソウ
             一年草(二年草)/花は純白(時間が経つとピンクに変化)
             ◇マツヨイグサ
             多年草/花は黄色(後に赤く変化)
             文学作品に登場する「月見草」や「待宵草」は、必ずしも本当のツキミソウやマツヨイグサを指す
             わけではないのは言うまでもありません。
             本当はマツヨイグサなのに、「月見草」と書かれていることもありますよ。




          織娘帰る鉄道沿ひに月見草      沢木欣一


          月見草茎震はせて花ひらく      栗田やすし


          色深し波荒き日の月見草       下里美恵子


          月見草足裏に痛き川原石       菊山静枝


          月見草白き一輪夕暮るる       今泉久子


          夜泣きの子あやす声あり月見草    榊原昌子





                




          姫路城待宵草と暮れのこる      鈴鹿野風呂


          月見草ふれて行かねばならぬ道    稲畑汀子


          月のまはり真空にして月見草     正木ゆう子


          帰らざる人を待宵草と待つ      川口咲子


          月見草湾を距てて山灯る       中村草田男


          少し酔ひ待宵草に手をふれぬ     菖蒲あや





                 




                      




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6月 5日

2024-06-05 06:05:56 | Weblog
                        浜木綿・浜万年青・文珠蘭・はまゆう




          浜木綿の簪ゆれて海青し             細見綾子


          浜木綿に雨走り来る岬かな            下里美恵子


          浜木綿や補陀落渡海船出の地           平松公代


          浜木綿咲く神社に祀るくじら石          嶋田尚代


          浜木綿や握る切符の潮湿り            幸村志保美


          浜木綿や開けつ放しの蜑の家           山本法子





                     


                      印度浜木綿




                     


                      あふりか浜木綿




                    




          浜木綿やひとり沖さす丸木舟           福永耕二


          貯木場にも入口に浜おもと            右城暮石 


          少女まづ脚みづみづし浜おもと          香西照雄


          浜木綿や日暮れて湯の香町に濃き         上村占魚


          身を裂きて咲く浜木綿と思ひけり         雨宮きぬよ


          印度浜木綿の花の向くところほつかり月      加藤秋邨





                




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6月 4日

2024-06-04 05:32:25 | Weblog
                        六月の黄色い花(表紙は苦瓜)





                     


             未央柳・美容柳・金糸桃・美女柳<季ー仲夏 オトギリソウ科>



          又きかれ未央柳とまた答へ          星野立子


          糠雨に少し乱れし美女柳           安斉君子


          子規庵の庭に明るし金糸桃          市原美幸


          そよ風と遊べる未央柳かな          加藤ゆうや





                     


             金糸梅. <三夏 . オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木>



          金糸梅明るき雨となりにけり        中村姫路





                     


             春菊 <三春. しんぎく/菊菜/高麗菊. キク科 >



          春菊が咲いてともかく妻で母         池田澄子


          春菊の大きな花は黄が褪めし         高野素十


          春菊や袋大きな見舞妻            石田波郷


          春菊の香や癒えてゆく朝すがし        古賀まり子






                     


             麒麟草 <ベンケイソウ科に属する多年草< 季=夏>



          帰省子のみやこ恋しき麒麟草        森 澄雄


          ブルドーザーの惰眠錆噴く麒麟草      伊丹三樹彦


          漂へる石工一団麒麟草           水野真由美





                     


             弟切草・小連翹 <オトギリソウ科オトギリソウ属の多年生植物 >



          弟切草日照雨に金の蕊張れり         山田春生


          山の日や弟切草の長睫毛           瀬藤もと子


          漂へる石工一団麒麟草            水野真由美






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6月 3日

2024-06-03 05:02:54 | Weblog
                       目高・緋目高・白目高・目高捕り





                




          赤目高針のごとき子生れたり           細見綾子


          石臼の目高に足せり日向水            栗田やすし


          大甕は唐三彩や目高棲む             国枝隆生


          朝市やペットボトルに目高売る          奥山ひろ子


          塵のごと浮き沈みせり目高の子          沢田充子


          石臼に目高遊ばせ蕎麦処             後藤邦代





                




          一ひらの花にあつまる目高哉           正岡子規


          めだか散り少しは見ゆる池の底          桂 信子


          目高孵る塵のごときが飛びちがひ         野澤節子


          初目高二つの影の始めより            百合山羽公


          緋目高と思ひてゐたりあらし山          岡井省二


          一時に目高が向きを変へし水           後藤比奈夫





                




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6月 2日

2024-06-02 05:21:28 | Weblog
                     さくらんぼ・桜桃・桜桃の実・チェリー





                




          故郷の味と母云ふさくらんぼ           栗田やすし


          桜桃の枝を介護の手土産に            長谷川雅子


          小さき手が数へて分けるさくらんぼ        熊谷タマ


          エフエムの正午の時報さくらんぼ         奥山ひろ子


          アメリカ産ダークチェリーの悪女めく       小長哲郎


          あめ色の古き腰籠さくらんぼ           近藤文子





                




          桜桃の艶におどろく夜学生            沢木欣一


          桜桃を父が買ひ来し誕生日            細見綾子


          さくらんぼ笑で補ふ語学力            橋本美代子


          一つ食べ一句考へさくらんぼ           稲畑汀子


          校庭や乳歯が抜けてさくらんぼ          三橋鷹女


          若き日を食らふが如しさくらんぼ         林 翔





                





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6月 1日

2024-06-01 05:36:01 | Weblog
                            梔子の花・花山梔子





             今日から六月旧称では水無月の始まりです 実際の季節とは1~2か月の違いがありそうです 
             さて山梔子の花 本州の中部以南に自生する常緑低木で、高さは一~三メートル。庭木として多くの
             園芸種があり。六月~七月、枝先に香りのいい白色の六弁花を咲かせ、夜にはさらに香りたつ。果実が
             熟しても口を開かないことから、「口無し」の名がついたともいわれています。





                


                  八重くちなし




          梔子の花や帯屋の長暖簾             河原地英武


          梔子の渦にとどまる昨夜の雨           伊藤範子


          舞稽古終へ梔子のよく匂ふ            大島知津


          梔子の香によみがへる母の顔           牧田 章


          夜の公園梔子の香の濃いかりけり         山下 護


          くちなしの香りほのかや小町塚          服部鏡子





                     




          山梔子の花の晴間へ乳母車            中村汀女


          地震の中山梔子の香のはげしさよ         石田波郷


          くちなしの逢魔が時をしろじろと         下村梅子


          錆びてより梔子の花長らへる           棚山波朗


          風生れ来るくちなしの花の中           入江雪子


          秘めし忌や花梔子は雨ごもり           古賀まり子





                     




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