折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

しまなみ海道  By空倶楽部

2022-11-29 | オトナの遠足

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


しまなみ海道、亀老山からの眺望。


     大島亀老山展望台(愛媛県今治市) 2022.11.04  10:47am    Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (40㎜  f/16,1/60sec,ISO100) 

 

一日中眺めていたい風景は空倶楽部のためにあるようなもの。

きっと、夜明けも夕景もきれいだろうな、と

見渡すかぎりの海と空に大人げなく大はしゃぎした次第。


兄妹家族の旅。「洋楽イントロどん!」で盛り上がった車内。

それぞれがyoutubeから好きな曲を流し、

曲名とミュージシャンを当てっこする。

青い空を眺めながら、妹のダンナが出題したのがこの曲だった。

 
Jeff Lynne - Mr. Blue Sky (Live in Hyde Park)

 

 

 

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紅葉のコンチェルト

2022-11-27 | 日常の中に

毎年この時期になると歩く道がある。

それは山中温泉の街はずれにあって

車の行き違いさえ難しい小さな道なのだが

そこに紅葉した木々がかぶさり

見上げるとまるで色とりどりの葉が降ってくるように美しい。

     

山中温泉には鶴仙渓というれっきとした紅葉名所があって

特に、この道の近くの『こおろぎ橋』には観光客が殺到する。

群衆の合間を潜り抜けるように名所の紅葉を楽しみもするのだが

みんなが同じものを見て、同じ感動を味わっているわけだから

味気なく感じたりもする。

それで結局は名もない道の紅葉、自分しか知らない場所に足が向くのだ。

 

      

その道を観光客が歩いたりもするのだが

立ち止まって紅葉を眺める人はほとんどいない。

つまり自分だけの紅葉、季節を独り占めしたような気持ちになるのだ。

     

この場所が気になる人のためにヒントを。

こおろぎ橋を過ぎると少し急な坂がある。

坂を登ることに気が急いてしまうかもしれないが

ぜひ、坂の途中で足を止め、振り返って

そして、周囲の木々を見上げてみて欲しい。

紅葉が降る景色に目が釘付けになること請け合いだ。

 

ついでながら...

こおろぎ橋付近と鶴仙渓の紅葉も参考までに。

     

     

 


この季節、確か以前にも紹介したが。

 
落葉のコンチェルト (Japanese Ver.) 弘田三枝子

アルバート・ハモンドのオリジナル『For the peace of all mankind』に

『落葉のコンチェルト』という邦題は無理がある。

晩秋という季節感を歌っているわけではないからだ。

一方でこの日本語バージョン。

オリジナルとはなんの関連もない歌詞を

弘田三枝子が情感込めて歌い上げることで

まぎれなく邦題通りの曲に仕上げていると思うのだが、いかが...。

 

 

 

 

 

 

 

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瀬戸内という風景 By空俱楽部

2022-11-19 | オトナの遠足

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


瀬戸内の夜明け。


     江の浜漁港(高松市庵治)2022.11.06  06:13am      Sony α7R3  FE24-70mm  F2.8 GM2 (f/5.6,1/80sec,ISO160) 

 

兄妹三家族で出かけた4泊5日の旅。

丹後、広島、四国と車で巡る中で、もっとも眺めてみたかったのが瀬戸内の景色だった。

とは言え、どの場所のどんな風景といった具体的なものではない。

頭の中に広がる「瀬戸内」を旅の途中で見つけてみたい、と勝手に思い込んでいたのだ。

瀬戸内へは何度か足を運んでいる。けれどもそれは写真を撮り始める前の話。

その折々に眺めた風景が記憶の束となってしまい込まれ

それが繋ぎ合わされて瀬戸内にイメージとなっている。

また、ひょっとするとそこには

『瀬戸の花嫁』の情景も加わっているのかもしれない、と思ったりもしていた。

ともかく、夢の世界を探すようなもの。今になってみると子供じみた所業だったと思う。

とどのつまり...。

鞆の浦、尾道、しまなみ海道、鳴門海峡などそれぞれにすばらしい景色に出会うことはできた。

だが、どれもが自分が思い描く「瀬戸内」とはどこか違っていた。

記憶が作り出した勝手な「瀬戸内」は見つからなかったのだ。

 

さて、旅を終えて写真の整理をしていた時、ふと一枚の写真に目が止まった。

旅の最後の朝。散歩の途中のこと。

捨て写真になるだろう、くらいの感覚でなにげなく撮った写真だ。

遠く島影が浮かぶ穏やかな海が広がっている。

近場では、何か養殖の生簀だろうか、小舟に乗った漁師たちがその合間を

忙しそうに行き来していた。

そこへ大型フェリーが意外なほど海岸近くを当たり前のように横切っていく。

それだけのもので地元の人にすれば日常的な景色でしかない。

けれども、こんな日常こそが探そうとした景色だったのかもしれないな、と

そのとき思えてきたのだ。

 

 

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安芸 鞆の浦

2022-11-16 | オトナの遠足

福山市鞆の浦。

汐待ちの港と言われるだけあって穏やかな風景が目に飛び込んできた。

 

 


  2022.11.03 13:09   SONYα7R3   FE24-70mm F2.8GM2  ( F5.6  1/320sec   ISO100)

 

「写真は引き算」という言葉がある。

被写体を絞れ、との例えだ。

もっともなこと、とふだんなら忠実にそれを守る。

けれども、ここ鞆の浦においてはそうは思わなかった。

目に入るものすべてが、人々の雑踏が、そして漁船が放つ油の匂いさえも

被写体になると感じたからだ。


  2022.11.03 14:13   SONYα7R3   FE16-35mm F2.8GM  ( F2.8  1/8000sec   ISO100)

 

晩秋には珍しい穏やかな午後。

陽に照らされた鞆の浦を目を細めながら眺めていた。


カントリーロックグループ ポコの名曲を。

季節外れのこの陽気。小春日和のことをかの国では『インディアン・サマー』と呼ぶのだとか。  

 
 Indian Summer   Poco

 

 

 

 

 

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丹後半島 伊根

2022-11-14 | オトナの遠足

舟屋が立ち並ぶ伊根の集落。


     2022.11.02  13:56   SONY α7R3   FE24-70mm GM2 (47mm  f8  1/125sec  ISO100)

 

イギリスに住む妹夫婦が帰国して兄妹三家族で旅行に出かけたのだが、

できるだけ日本らしいところを案内してやろうと最初に訪れたのが伊根だった。

初めて伊根を知ったのはやがて30年ほど前。

NHK朝の連ドラの舞台となった時だ。

それ以来、この風景が目に焼きつき、これで三度目の訪問となる。

年間30万人もの観光客が訪れるということで

最近いくつかのカフェや食事処が出来たようだが

あくまでもこの景観に配慮しながらのことなので

原風景ともいえる伊根の佇まいは変わらない。

重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)にも指定されている。

当然のことだと思う。


     2022.11.02  13:31   SONY α7R3   FE24-70mm GM2 (70mm  f2.8  1/1000sec  ISO100)

 

さて、伊根の舟屋を眺めているとひとつ心配なことが思い当たる。

船の出入りを容易にするため、舟屋は海に直結している。

冬、日本海に面した地方は北西の風に煽られた大きな波が一様に押し寄せる。

それで、ほとんど高低差もなく海に直結していて浸水しないか、という心配をするのだ。

江戸時代中期から舟屋は存在しているので、結論としては大丈夫と言うことになるのだが

そこには伊根の地形が影響している。

伊根は日本海に面してはいるが、大きくは若狭湾の中にある。

また、集落は南向きの入り江に面していて、外海への水路には青島という小島がある。

つまり西北の風は背面の山が防ぎ南からの波は青島が蓋をしている地形なのだ。

 


   2022.11.02  13:31   SONY α7R3   FE24-70mm GM2 (70mm  f2.8  1/320sec  ISO100)

 

伊根を眺めながら、妹夫婦は「東洋のベネチア」だという。

調べてみると「東洋のベネチア」なる場所は日本を含むアジア各国にある。

水と人々の暮らしが密接につながっている場所をいうのだろう。

ベネチアのことを「西洋の伊根」と言え、と二人をからかいながら

ずっと先の時代まで残したい原風景に見入った次第だ。

 

 

 

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凍れる音楽  大和路点描2022秋

2022-11-10 | 大和路点描

夜明け前の薬師寺。

    
     2022.10.16  5:13    SONYα7S2  70-200㎜ F2.8G (70㎜ f7.1 10sec  ISO1600 )

タイトルの「凍れる音楽」のこと。

明治初期に来日し、日本の美術を広く世界に紹介したアメリカ人哲学者。

アーネスト・フェノロサが薬師寺東塔の美しさを評した言葉として伝わっている。

その言葉の解釈も、そもそもフェノロサによる表現だったかについても諸説あるようだが

それはさておき、裳階(もこし)を挟む三層の塔に

音楽が持つ韻律にも似た美しさを感じることから

そう形容されることになったらしい。

当時、西塔は存在していない。昭和になって再建されているからだ。

ひとつが再建された塔だとは言え、ふたつの塔が並ぶ姿のほうが

さらに景色の韻律を高めるようで断然美しいと思う。

もし、フェノロサがこの光景を眺めたなら、なんと形容しただろうと

答えのないことを想像しながら、この光景を楽しんでいたのである。

 

そして。

さらに「凍れる音楽」の風景を引き寄せてみた。

    
                   2022.10.16  4:50    SONYα7S2  70-200㎜ F2.8G  (200㎜ f5.6 6.0sec  ISO1600 )

 

その美しさを間近感じていただけたなら幸いだ。


久しぶりの選曲。

のんびりと古都を眺めた気分に美しいメロディと韻律の整った歌詞を重ねてみた。

 
原 由子  花咲く旅路

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天使が舞い降りてきた By空俱楽部

2022-11-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、11月のお題は「夕焼け空」。

    
     三国港(福井県坂井市) 2022.10.08  16:57          SONY α7R3  E150-500㎜ F5-6.7 (150㎜ F11,1/60sec,ISO100)

 

三国港、突堤越しに広がった夕焼け空。

雲に隠れた太陽から漏れた光が放射状に地上に降り注いでいた。

薄明光線という現象だが、天に続く道が開けたように見えることから

天使の梯子、天使の階段、あるいは旧約聖書の故事に倣って「ヤコブの階段」とも呼ばれるらしい。

いずれにしても...。

夕刻の時間を楽しんでいた誰もがこの景色に歓声を上げた。

 

 

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室生寺 大和路点描2022秋

2022-11-01 | 大和路点描

 

宇陀、室生寺。

      

ごつごつとした石段を昇ってゆくと

うっそうとした木々の間から次々と伽藍が現れる。

いずれも斜面を切り開いた小さな平地に建造されたれたもので、

この山中の寺が修行の場であったことを物語っている。

真偽はともかく、役行者(えんのぎょうじゃ)や空海が創建したとの伝承にも頷けるというものだ。

この時期、紅葉には少し早かったが、

木洩れ日が織り成す風景は見応え充分だった。

      

自然と一体となった境内の佇まいからは四季折々の美しさも想像できるが、

そんな色とりどりの季節よりも興味を曳くのは厳冬だと思った。

雪に埋もれ色を失った光景から苦行の厳しさが

雰囲気として伝わって来るのでは、と想像したからだ。

そんな室生寺を胸に描きつつ、次に訪れるとしたら冬だな、と思った次第だ。

 

  

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