折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

金沢城 雪化粧  By空倶楽部

2018-01-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

昨日の日曜日。

居すわった寒気がようやく抜け、金沢は久しぶりに降水のない一日となった。

とはいえ、真冬日から解放されたというだけで青空が広がったわけでもなく、

週間天気予報によると、この後はふたたび雪模様、

気持ちは小休止程度にしておいて、大雪に対する警戒はまだまだ続きそうだ。

しかしながら、この地にあって「降らない」ことは絶好の撮影チャンス、

雪の金沢中心街へと出かけることにした。

21世紀美術館周辺から兼六園、そして金沢城とカメラ片手に散策したのだが、

兼六園側から眺める金沢城にふと新鮮な気持ちで見入ってしまった。


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/400sec,ISO100) 

金沢に住んでいて、雪に覆われた金沢城を新鮮に眺めるというのもおかしな話だが、

そもそも金沢人にとって金沢城はあたりまえの存在、

ましてや冬の足元の悪い中、散策に出かけるなど、

よほどのことがない限り考えもしない。

したがって、我々にとって雪の金沢城は観光客同様に珍しい。

しかもここしばらくは暖冬続き、これだけ雪の残った週末はいつ以来のことか思いだせないくらいで、

それもあってより新鮮に感じたのかもしれない。

ともあれ雪化粧した金沢城、その姿を誇らしく感じた次第である。


数々の映画音楽で有名なイタリアの巨匠、

エンニオ・モリコーネの美しい楽曲をヨー・ヨー・マの演奏で。

 
 La Califfa - Yo Yo Ma ( Ennio Morricone )

 

 

 

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越前水仙 冬の凍て土に咲く花

2018-01-21 | 花歳時記

例年に比べるとすこし遅めかもしれないが、

越前海岸の水仙が見ごろを向かえていた。


 Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/500sec,ISO400)  

 

越前海岸の切り立った断崖にそって水仙は群生する。

そこへ冬の北陸特有の海からの強い風が吹く。

その風は、時には雨や雪をともなって容赦なく水仙に吹きつけるのだが、

大きく揺れながらも、風をものともせず凛と咲く可憐な花にこころを揺さぶられ、

自身の心情を重ねる人は少なくないはずだ。

これまで幾多の文学者がその時の心情を作品の中に書きとめているが、

ふと目を止めた石碑に刻まれた福井県出身の作家、水上勉の文章がこころに響いた。

 

  旅は孤独を味わわせる 

  と同時に、かみしめる孤独から勇気を培うものだと私はかねがね思っているが、

  越前岬ほど私に人生を考えさせた場所はないようである。

  黒い断崖に風が吹きすさび、

  その丘に、なぜ、あのような花が咲くのだろう。

  黄色い水仙であった。

  冬の凍て土に花が咲くのだ。

 


 
山中千尋 Live In New York ~So Long~  

※コメント欄閉じています。

 

 

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ふるさとの山に向かひて By空倶楽部

2018-01-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

居座った寒波がようやく抜けた日曜日。

朝のうちはまだ雪雲が残り、風も冷たかったものの、

次第に天候は回復し、午後からは快晴の空が広がった。

待ちに待った貴重な冬の空。

その理由はこの光景に出会いたかったからだ。

 
Sony α99  G 70-200㎜ (f/8,1/500sec,ISO400)  


石川県加賀市、柴山潟越しに仰ぐ白山。

冬のわずかな晴れ間にだけ真っ白に雪化粧した姿を見せてくれる。

おそらくは「白山」としか名づけようがなかった姿、

そして、その神々しさ、霊峰と呼ばれる由縁でもある。

子供の頃は単に馴れ親しんだ眺めでしかなかったが、

ふるさとを離れたある時期からというもの、

冬の白山は特別な光景へと変わっていった。

その頃、冬の帰省のたびに白山を眺めてつぶやいた歌が...

    ふるさとの山に向かひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな

ふるさとを離れた石川啄木が思い描いた岩手山の情景と伝えられるが、

自分にとってのそれは白山だった。

いや自分だけではない。

進学や仕事でいったんふるさとを離れた友人知人に聞くと

一様に白山に対する思い入れが強くなっていったそうだ。 

つまりは石川県人、とりわけ加賀地方にに住む人々にとっての白山は

懐かしくも、そして「ありがたい」存在なのである。


もう10年以上も前だったろうか、

井上靖の小説「氷壁」をNHKがドラマ化し、

その主題歌がこのFar Away(彼方の光)だった。


  Libera  Far away

神々しいヒマラヤの山々の映像にかぶさって流れるボーイ・ソプラノ。

その澄んだ歌声が印象的だった。

 

 

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陽だまりの中で

2018-01-16 | 愛犬生活

4日間降り続いた雪。

金沢での積雪は62センチを記録したのだとか。

その大雪を降らせた寒波がようやく抜けた朝。

いつもの定位置で日向ぼっこを楽しむかのん。

ここしばらく散歩もままならない、かのん。

「いっそ、このまま春になってくれたらいいのに...。」


 

この光景を眺めていて、

ふと思い出した五輪真弓のデビュー曲。


 五輪真弓  少女

ものすごい新人が現れたと驚いたことを覚えているが、

1972年の作品というから、

それももう45年も前のこと。

 

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いつか見た青い空

2018-01-13 | 折にふれて

1月12日、金沢の積雪は46センチ。

久しぶりの大雪に市内を中心とした交通は大渋滞、

急を要しない仕事はキャンセルし、

午前中は職場あげての除雪、午後からはデスクワークが中心となった。

久しぶりと書いたが、以前の金沢ならこれくらいの降雪は当たり前、

確かに交通量は多くなっているが、

それよりも、暖冬に慣れて雪に備える意識が希薄になったことが

都市機能そのものを弱体化させているように思えてならない。

 

いきなり毒を吐いてしまったが、悪いことばかりでもない。

今日は週末とあって、町内のあちこちでは家族総出で除雪する姿が...。

各家庭とも敷地と自宅前の道路を除雪するのが雪国の習わし。

自然と除雪コミュニティのような連帯感が生まれ、

隣同士はもちろん、通行人も含めて「お疲れさま」、「ご苦労さま」と声をかけ合う姿は、

当事者のひとりながら微笑ましい。

ともすれば、地域コミュニティが希薄になりがちな昨今だが、

除雪の声がけが縁で「ご近所さま」意識が深まることも少なくない。

 

もうひとつ良いことがあった。

除雪が一段落して見上げた空が...。

雪雲の間から青い空がのぞいている。

雪国に住んだことがある人ならわかってもらえると思うが、

季節の大半が厚い雲に閉ざされる冬。

雲の合間からのぞく一瞬の青空になんとも言えない爽快感を覚えるのだ。

こんな空を眺めると思いだす言葉がある。

子供の頃の大雪の日。

何日も家から出ることができず、学校にも行けなかったので、

おそらくは三八豪雪の記憶ではないかと思う。

ふとラジオの番組から「いつか見た青い空」という言葉が聞こえてきた。

その言葉が、そのとき窓から見えた、雲の切れ間の一瞬の青空にかぶり

子供ごころに鮮やかな印象として残ったのだ。

ずいぶんと後になってから、

「いつか見た青い空」はシドニー・ポアチエ主演の映画「A Patch of Blue」の邦題であることを知った。

映画そのものは、人種差別を背景とした盲目の白人少女と黒人青年のはかない恋を描いたもので、

冬の青空とはまったく関係がない。

が、初めて聞いてからというもの、この時期の青空へのあこがれを映す言葉として、

この年になっても忘れることができなくなったのである。

 

さて...。

明日は今年に入って初めての「晴れ」予報とのこと。

ひょっとしたら、「初日の出」を拝めるかもしれない(苦笑)

そして、堂々と満天の「青空」を撮りに出かけようと思う。


「太陽の当たる場所」 スティービー・ワンダー


Stevie Wonder - A Place In The Sun

 

 

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あおなみ線 ささしまライブ駅界隈   鉄写同好会

2018-01-11 | 鉄道写真

毎月11日は「鉄写同好会」の日。

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


名古屋駅からあおなみ線でひと駅。

ささじまライブ駅の駅施設と直結する形で新しい街「グローバルゲート」がオープンしている。

 

再開発事業で誕生したこの街は

商業施設やオフィスゾーン、

学校やコンベンション施設、

ホテルなどの都市機能がコンパクトに集約し、

まるで近未来都市のような趣を漂わせている。

一方で、それぞれのゾーンや建物はゆったりとしたパブリックスペースでつながり、

街路樹や花壇、また壁面緑化などふんだんな緑とともに、

気持ちにも目にもやさしい空間を構成している。

...ところで、マヌケな話があって、

建物や構築物など特殊緑化を専門とした仕事をしていて

その視察が目的だったにもかかわらず、低層階にある屋上庭園を見逃してしまった。

じゅうぶんに調べないまま訪れたので迂闊としか言いようがないのだが、

その修景がどれほどのものか、ぜひもういちど訪れてじっくりと見てみたいと思う。

 

さて、今日は鉄写同好会の活動日。

実は、もう一度訪れたいと思った理由が他にもあって、

それは、ここが「鉄道写真」というジャンルでも興味深い場所だということだ。 


RICOH GR DIGITAL3   f/5,1/640sec,ISO64 

ささじまライブ駅プラットホームからの光景だが、

遠く高層ビルが建ち並ぶのが名古屋駅周辺で

そこに、あおなみ線、JR関西線(写真手前の茶色の車体)、近鉄名古屋線(写真奥の黄色い車体)、

さらに東海道新幹線の各路線が集まっていく。

かなりの広角でないとその様子を一つの画角に収めることはできないと思うが、

先に記したグローバルゲートの低層階屋上など、

必ず「お立ち台」があるはずだと確信している。

そして、次はそのお立ち台から、

「青い空のもと高層ビル街に向かって収束する4本の路線と4つの列車」

そんな写真を撮りたいものだと、

興味深々でこの光景に見入っていた次第である。


前回の記事に続き、60年代のなつかしい曲「トレイン」 


The Train - 1910Fruitgum Company

 

 

 

 

 

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断続する空 2018元日   By空倶楽部

2018-01-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、今月のお題は一月一日の空。

この日の金沢は予報通りの冬空。

西高東低の気圧配置が日本列島を覆うと

縦に細かく並んだ等圧線に沿って大陸から日本に向かって強い北風が吹く。

この風が日本海を渡ることで大量の水蒸気を含み、

そして、列島の山岳地帯にぶつかることで日本海側に雨や雪を降らせる。

さらに、湿気をすっかり落としてさっぱりした風は「からっ風」となって

関東など太平洋側の地域に吹き抜ける。


前置きが長くなったが、それで金沢の一月一日の空はこうなった。

 
Sony α99  Distagon 24㎜ (f/5.6,1/160sec,ISO100)  


自宅近く、金沢工業大学のキャンパスから眺めた空だ。

北陸の冬空をもう少し解説するが、

西高東低の気圧配置を気象写真で眺めると、

日本海上はおびただしい筋状の雨雲に覆われている。

実はこの状態が写真とも関係があって、

様々な厚みの雲が重なったり、わずかに青空がのぞいたり、

筋状の雲は日本海側特有の複雑な空を見せてくれる。


濡れた地面からご理解いただけるかもしれないが、

この写真は天候の合間を見て撮ったものだ。

陽がさしたと急いで出かけたのだが、

この数分後に空は真っ暗になり、間髪を入れずに猛烈な勢いでアラレが降ってきた。

「弁当忘れても傘忘れるな」...冬の北陸で出かける際の金言だ。

つまり、冬の北陸の天気はまったく予想がつかないわけで、

タイトル通り、まるで空が断続しているのである。


ということで、この日の気分はまさにこの曲「夢のカリフォルニア」。 


The Mamas & the Papas - California Dreamin'

木々の葉は枯れ果て

空は灰色に覆われている

そんな冬の日に散歩に出かけたのだが

もしロスにいたなら、どんなに安らいで、そして暖かかっただろう

こんな冬の日はカリフォルニアを夢みている

 

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置きざりにできなかった光景 2017東京 冬

2018-01-05 | 郷愁的東京

昨年12月にプライベートで訪れた東京。

道すがら撮った写真が相当数残されていて、

その何枚かは記事に関連づけて投稿した。

一方で大半がお蔵入りする運命であり、

それらをヒマにまかせて眺めていたら、

なんとなく、そのまま仕舞いおくには忍びなくなってきた。

そこで、そのいくつかを脈歴なく掲載することとした次第だが、

そのタイトル、題して「置きざりにできなかった光景」。

多少なりとも気にとめていただけたならうれしい限りである。

  

 


ご紹介した写真、振り返ってみれば気ままな散歩のシーン。

そこで今回の「折にふれての選曲」は、

どこの局だったか、東京の街を散歩するテレビ番組のバックに使われていたこの曲を。


The Doobie Brothers   Listen to the Music  

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戌年はやはりコイツから始めないと...

2018-01-02 | 愛犬生活

あけましておめでとうございます。

いつもコメントを寄せてくださる方、読者登録をしていただいている方、

そしてお立ち寄りいただいているすべての方、

心より感謝申し上げます。

そして、どうぞ今年もよろしくお願いいたします。


ということで戌年。

であれば、コイツから始めないと...

我が家の愛犬「かのん」。ミディアム・プードル、♀2歳。

そして、大の仲良し、孫のはる。もうすぐ4歳。

いずれも家内のスマホから拝借。多少のブレはご愛嬌ということでご容赦を。


 


Mr. Bojangles - Nitty Gritty Dirt Band

昔よく聴いたカントリーバンドのひとつがニッティ・グリッティ・ダート・バンドであり、

その代表作のひとつがこの「ミスター・ボージャングルス」だった。

実在したダンスの名手のことを歌った名曲で

カントリー系歌手以外も含めたくさんのカバーがあるのだが、

その中で最も知られているのが彼らニッティ・グリッティ・ダート・バンドのバージョンだと思っている。

そして、(回りくどいが)この曲が収録されていた名盤が「アンクル・チャーリーと愛犬テディ」。

以来、「犬」と聞くと連想する曲のひとつになったという次第。

 

と、こんな調子で今年も「折にふれての選曲」もよろしくお願いいたします。

 

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