折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

金沢市大野 夕涼みの空 By空倶楽部

2017-07-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 


 

海の日、夕涼みがてら海を眺めに出かけた。

小松空港、JR金沢駅、そして金沢三番目の玄関口がここ金沢港だ。

海上輸送という点では、新潟や富山に遅れをとってきた金沢港だったが、

取り扱い貨物の増加、大型フェリーによる外国人の観光誘客に備えて、

今後、埠頭や港湾施設の整備が急ピッチで進められるという。

 

その一方、金沢港周辺には古い街並みが保存され、

そこに生活する人々の気質や伝統産業が今なお息づく一画もある。

そのひとつが金沢市大野である。

運河に沿って瓦屋根の街並みが続く大野。

ここが藩政時代から続く醤油の産地であることは金沢人なら誰もが知るところだが、

調べてみると、銚子、野田、小豆島や兵庫の龍野と並び、

江戸時代から続く五大醤油産地のひとつなのだとか...。

そして、大野には今も多くの醤油蔵があり、

港の風景とともに古い街並みに溶け込んでいる。

 

この日は梅雨の中休み。

朝から30度を超える猛烈な暑さだったが、

夕暮れ時ともなると、その暑さも多少和らいで

海から吹く心地よい風とともに、穏やかな黄昏空が大野の街並みを包み込んでいた。


アメリカの国民的歌手でカントリーミュージシャンのウィリー・ネルソンが

アイルランドの女性歌手、シネイド・オコナーと組んだ異色のデユエット。

Sinead O'Connor with Willie Nelson - Don't Give Up

まさに一日が暮れようとするとき、やさしい風景を眺めながら、そのしみじみとした曲調をふと思い出した。

 

Comments (13)

まつやで出すものは何でもうまい

2017-07-23 | 舌づつみ

その日、仕事を終えたらぜったいに行くと決めていた場所があった。

神田・須田町、蕎麦の老舗「まつや」である。

というのも、ついひと月ほど前に友人に誘われて初めて訪れたのだが、

そのとき食べた「もり蕎麦」の味が忘れられなくて、

東京出張の時はかならず行くと決めていたのだ。

最後の仕事を終えたのが赤坂見附。

そこから「まつや」のある淡路町駅までは地下鉄丸の内線一本で行ける。

夕方早い時間ならそう混雑もしないだろうと踏んではいたが、

それでも逸る気持ちを抑えながら地上への階段を急いでいた。

前回訪れたときは昼時、店の前まで人があふれていて、

合い席で小さくなりながら蕎麦をすすったのであるが、

今回の目的は「蕎麦」だけではない。

ここは食通として知られる池波正太郎氏が通った店としてもよく知られている。

「鬼平犯科帳」には、長谷川平蔵が酒のあてとして蕎麦をすするシーンが何度となく出てくる。

おそらくは「まつや」がモデルだと思うのだが、

「鬼の平蔵」のように粋に蕎麦と酒を楽しみたかったのだ。

 

午後6時前にもかかわらず、店内はすでに宴もたけなわ状態。

まずは日本酒を注文。

つけだしの蕎麦味噌をなめながら、ひと肌の燗酒をちびりと。

小さなお猪口なので、一合ばかりの酒にもかかわらず、

何度も継ぎ足せてなんとなく得した気分になる。

そして、お待ちかねの「もり蕎麦」。

薬味といえば白葱だけで、海苔はもちろん山葵もついてこない。

そばに七味唐辛子を直接ふりかけ、そして濃い目のつゆにくぐらせて口にはこぶ。

香り豊かな二八蕎麦に七味、そして受け継がれたつゆ。

この味の組み合わせと食べ方が新鮮でこの上なく美味いのである。

そしてまた、酒をちびりと。

思わず、鬼平のように「うめぇ」と言ってみたくなる(笑)

ところで、まつやにあるのは蕎麦だけではない。

蕎麦屋としてはメニューが豊富でうどんもあれば丼物もある。

天だねや焼き鳥などつまみも充実している。

しかし、その楽しみはさらに次回に取っておくとして、

最後に池波正太郎氏の「まつや」評を。

「まつやで出すものは何でもうまい。それでいて蕎麦屋の本道を踏み外していない。」

それがほんとうの老舗というものなのだろう。


折にふれての選曲。

「まつや」は初めてと書いたが、

実はこの界隈そのものには馴染みがある。

もう40年近くも昔の話、この近くにあった大学に通っていたので

当時の東京ではもっとも思い出深いところではあるのだ。

ところがである。

けっこう細い路地まで記憶しているにもかかわらず、

戦災を免れ、建築物としても歴史的遺産といえるこの一画がすぐ近くにあることは知らなかったわけだから、

今から思えばずいぶんともったいない過ごし方をしていたものだと思う。

さて、ノー天気に御茶ノ水界隈を闊歩してたあの頃、頻繁に聞いていたジム・クロウチの曲。

Jim Croce   I Got A Name

遅咲きの歌手として脚光を浴びたものの、

不慮の飛行機事故でわずか30歳で亡くなった彼。

日本での人気が急上昇したのは亡くなったあとのことだったと記憶している。

 

 

Comments (8)

夕暮れ空、雲のレヴュー  By空倶楽部

2017-07-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


梅雨前線が北へ移動するにつれて、不安定な大気状態が続く北陸。

週間天気予報はもちろん、時間ごとの天気からも目が離せないが、

この時期だからこそ見ることができる空の表情もある。

あたたかい大気と冷たい大気が入り混じって発生する様々な雲。

刻々と移り変わる雲の表情を眺めていて飽きない一日だったが、

夕暮れにはその空に飛行機雲も加わって、

この日最後の公演、雲オールキャストによるレヴューが始まった。


ひとりぼっちの夜にしないで...

センチな気分で夕暮れ空を眺めていて

ふと浮かんだ「折にふれての一曲」。

Eric Clapton   Don't Let Me Be Lonely Tonight

Comments (12)

夏の海とカレー、そして遠い日の話

2017-07-16 | 折にふれて

「海の日」が絡む三連休。

あまり気にとめてもいなかったが、「海の日」が施行されたのが1996年というから、すでに20年以上になるようだ。

「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う」のがその制定主旨らしい。

「海の日」だからというわけでもないが、この際、前から気になっていた海辺のカフェへ出かけることにした。

かつて、夏に出かける先といえば海。

それも家族総出で海水浴と相場は決まっていたものだが、その記憶も20数年も前のこと。

海水浴へ行かなくなったのは子供たちが成長し、しだいに親離れしたせいだが、

我が家に限らず、海水浴離れが進んでいるのは全国的な風潮のようでもある。

しかし、「海の風景は嫌い」というひとはほとんどいないはずで、

それが証拠に街から車で1時間以上もかかる立地ながら

このカフェは県外からの客も含めて大いに賑わっていた。

この日の北陸は広く太平洋高気圧に覆われて、最高気温はおおむね33度の予報。

それでも、この屋外席は涼しい海風のおかげか、30℃超えの暑さなどまったく感じさせない。

「これで寝そべることができたら、きっとすぐに昼寝してしまう」

かつて海水浴で楽しんだ「海の家」での昼寝。そんな居心地の良さをこの場所は感じさせてくれた。

 

ところで、海辺で食べるランチの定番といえばカレー。

しかも夏野菜とシーフードとくれば、これ以上に夏の海辺で過ごす気分を盛り上げてくれるものはない。

そういえば...。

こだわりというか、決めつけというか、これまで沖縄やハワイ、グアムなど海辺で食べるランチもほとんどがカレーだったような気がする。

地元でとれたイカにトマトやゴーヤなどの夏野菜、

それにかなり刺激的なルーが絡まって夏気分満載のおいしいカレーだった。

 

さて、そんな夏の海のひと時をのんびりと過ごしたのだが、

明るい陽に照らされた海を眺めながら、ふと思い出した光景があった。

冒頭にふれた子供たちとの海水浴の思い出、

そしてそれを成長記録として撮った写真の中の光景だ。

その写真は(もちろん当時はフィルム写真だったのだが、)

長女の結婚式の余興用にと頼まれて、

デジタル化したのだが、元データがコンピュータの中に残されているはずだった。

翌日の朝、一時間ほどあちこちと記憶をたどりながらフォルダーを探し回って、ようやくその何枚かを見つけることができた。

 

写真に記録された日付からすると27年前のこと。

波打ち際で兄と妹がはしゃぐ様子を、「海の家」で寝そべって

望遠レンズ越しに眺めていたのだが、このときの光景がついこの前の出来事のように蘇ってきた。

熱い砂の向こうに広がる青い海と空。

目を細めるほどまぶしい光景とは裏腹に海から吹く潮風が肌にここちよい午後の海だった。

この幼い長女もすでに結婚して、いまでは三歳になる子供の母親、

鮮明ではあるがかなり遠い日の記憶である。

かなり散漫な話になった。

ともかくも、しばらく写真を眺めながら、遠い日の情景になつかしく浸ることができた次第だが、

それも「海の日」の三連休がくれたご褒美、ただただ「海の恩恵に感謝する」ばかりである。

 


 

コミカルな前奏で始まるロバート・パーマーの代表曲。

極めて個人的な印象でしかないが、

開放感あふれる曲調と伸びやかな歌声は夏の海のイメージそのもので、

しかも遠い日のことを思い出させてくれる。

  

Robert Palmer- Every Kinda People

Comments (6)

夏、しらさぎが走る風景  鉄写同好会

2017-07-11 | 鉄道写真

毎月11日は「鉄写同好会」の日。

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


「余呉の様子はどうかな...」

晩秋から早春にかけての風景に焦がれて通った余呉も今はシーズンオフ。

そうは言っても、この土地のことはいつも気になっていて

琵琶湖へ出かけた帰り道に寄ってみることにした。 

というか、実はお目当てがあって...。

琵琶湖線、余呉駅を駆け抜ける特急「しらさぎ」。

そう...。

ここは湖北の山あいの地でありながら、鉄道ファンには知られた「聖地」でもある。

あらためての下見に訪れた次第だが、

午後の順光の中、「余呉の大カーブ」を疾走してくる列車を撮るもよし。

夏から秋にかけて、稲穂、コスモス、芒を背景に撮るもよし。

これからの季節が待ち遠しくなった。


 

Stand By Me   Ben E King

 

Comments (11)

梅雨の中休み 竹生島遠景  By空倶楽部

2017-07-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


梅雨前線が日本列島に横たわっているものの、

昨日7月8日は近畿から北陸にかけては梅雨の中休み。

晴れているといっても空一帯に薄い雲がかかっているのを見て、

それならばと、今月のお題「曇り空」を探しに琵琶湖へ出かけることにした。

確かに雲の多い天気ではあったが、時折り陽もさしてくる。

竹生島にかかった特徴的な雲に惹かれてこの写真を選んだものの、

「はたして、この空は曇り空か...」と、今でも自問自答している。

しかし、それはさておき、これも琵琶湖が魅せる風景。

 


 

第三高等学校(京都大学)のボート部員によって

この曲が生まれたのが大正6年(1917年)の6月。

つまり今年がちょうど100周年になるのだという。

金沢から遠出して、琵琶湖のすばらしい風景に出会ったとき、

「われはうみの子、さすらいの...」と、つい冒頭の一節を口ずさんでしまう。

何度聴いても、しみじみとした名曲だと思う。

加藤登紀子 琵琶湖周航の歌

Comments (7)

7月4日に...

2017-07-05 | 折にふれて

ようやく雨があがった。

金沢での降雨量は、降りはじめの6月30日から昨日までで260ミリだったとのこと、

金沢の年間降雨量が約2400ミリというから

一年の10分の一の雨がこの時期に集中したことになる。

金沢での集中豪雨による被害というと浅野川の氾濫が記憶に新しいが

調べてみるとそれも2008年のこと。

そんなに経っているのかという思いだが

災害の記憶というものは、それだけ生々しく心に残るものなのだろう。

いずれにしても今回の雨、この先まだ油断はできないものの「ようやく...」といった安堵の気分である。

そんな気分を蔵出しの雨上がり写真で代弁。

また、この場を借りて、各地からお見舞いの言葉をいただいたことありがたく、心から感謝申し上げる次第である。

 

ところで今日はアメリカの日付で言うと7月4日、独立記念日である。

なにかこの記念日にちなんだ曲は...と思いついたのが

「アメリカの祈り」 エルビス・プレスリー。

1973年ハワイで行われたプレスリーの慈善コンサートが人口衛星を中継し全世界に同時放送された。

もちろん史上初のイベントで、これ以上のエンターテインメントは後にも先にも聞いたことがない。

その映像を食い入るように見つめていたことを覚えているが、

中でも、背筋をゾクゾクさせながら聴いたのがこの曲だった。

Elvis Presley  An American Trilogy

 

現在、九州北部ではかつて経験がないほどの集中豪雨に見舞われているとのこと、

大過ないことを心からお祈り申し上げます。

 

 

 

Comments (12)

7月な気分

2017-07-02 | 日常の中に

雨上がりで向かえた日曜の朝。

込み入った仕事が続いた一週間。

その最後を締めくくったのが昨夜のヘビーな飲み会だったが

ふさぎこんだ気持ちは酒の力をもってしてもどうにもならないようだ。

そこで、自嘲気味に今の気持ちを吹き飛ばす写真を蔵出しした次第。

もう7月、さあ7月。


 

ストーンズがこんな曲を...?!

初めて聴いたときは、ウェストコーストあたりのカントリー系バンドかと思えるほど

彼らにしては異色なナンバーだが、自分的にはオススメ曲のひとつ。

The Rolling Stones - Wild Horses

Comments (13)