折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

「浅草はこうでなくちゃ」 という風景

2023-04-16 | 郷愁的東京

賑わいを取り戻した浅草寺。

 


   浅草寺(東京都台東区)2023.04.08 14:42   Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (55㎜  f/5.6,1/160sec,ISO640)   

 

先の週末、久しぶりに訪れた浅草でのこと。

仲見世通りから浅草寺まで見渡す限りほとんどが外国人。

六本木ほどのアウェー感はないものの様々な言語が飛び交っている。

以前から外国人に人気の観光地ではあったが、

欧米人の数もさることながら、アジア人の数の多さに驚いた。

円安もあるが長期のデフレ傾向で日本全体が「安い」のだろうな、と思ったりもしていた。

それはそれとして「人も風景」。

浅草寺の境内から見下ろす光景に惹かれた次第だ。

 

そして、人込みを避けて逃げ込んだ先が「神谷バー」。

というか「いっぱいだろうな」と待つつもりで訪れたものの

空いていて拍子抜けしたのだが。

 

とりあえずはデンキブランとチェイサー代わりの生ビール、

そして、以前から食べたかったエビフライを注文。

予想通りの「洋食」だった。

途中、となりの席に欧米人らしき人がやってきて

デンキブランを一口飲んだが、それだけで早々に店を出て行った。

ちょうどその時、近くの席にいた人と目が合って笑いながら交わした言葉が

「どうもお気に召さなかったようだね」

どうやら、この場所だけはもうしばらく古きよき日本を保って行ける。

そんな気がしたのである。

 

 

 

 

 

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国立新美術館

2021-09-12 | 郷愁的東京

二年ぶりに国立新美術館へ行ってきた。

ミッドタウンの交差点から近づくと

突然、森の中に大きな空を映しこんだような建物が現れる。

美しい曲面が連続するガラスカーテンウォールは

一度見ただけで目に焼きつくほど印象的だ。

いつもなら、入館前と入館後にその外観を撮るのだが

今回、この建物の美しさをさらに認識したのが内観。

吹き抜け部に立ち上がる巨大な円錐形の柱だった。

 

  国立新美術館(東京都港区)2021.09.05  13:27   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/30sec,ISO125

 

ただ美しさだけで眺めていた鉄とガラスの建物外観が

巨大なコンクリートの柱を包み込む皮膚のように思えてきた。

これまでは建物が大きすぎて、総体としてとらえきれていなかったが

二階から吹き抜け部を眺めてみるとそれがよくわかる。

外観と内観の関係性にようやく気づいたことで

この建物が持つデザインの奥深さをあらためて認識した次第だ。

 

  国立新美術館(東京都港区)2021.09.05  12:05   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/30sec,ISO400

 


デビューから40年余り。

メンバー変遷を繰り返し、不遇な時代もあったようだが

彼らが持つ圧倒的な熱量はずっと変わらない。

 
    On The Soul Side Of Town    Tower of Power

 

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Tokyo Sparkly Night    By空倶楽部

2020-01-19 | 郷愁的東京

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


東京での仕事を終えて、ふと立ち寄った東京駅。

帰るまでにはまだ少し時間がある。

幸いにもこの時期にしては寒さも和らいでいたので、

しばらく周辺を散策してみることにした。

周辺の整備も終わり、行幸通りからは景観を阻害するものもなく

広く東京駅を眺めることができる。

ところが、周辺には高さが100メートルを超える

高層のビルが何本も立ち並んでいて、

せいぜいで30メートル余りの東京駅は

煌々と輝くビルの明かりに埋没してしまうのでは...

と思わないでもなかった。

けれども、その心配は一瞬で消えた。

RICOH  GR  DIGITAL3  f6.0mm F1.9 ( F6.3, 5Sec, ISO100)        2020.01.16 18:50   東京丸の内

 

ライトアップされた煉瓦造りの駅舎が周辺のビルのきらめきを

従えるかのように堂々と浮かび上がっている。

その姿はまさに千両役者。

日本一、いや世界でも類をみない美しい駅舎だろう、と

あらためてこの景色に見入ったのだった。

 

 

 

 

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東京 Slow Life

2019-09-21 | 郷愁的東京

六本木での話題が続く。

しかも...「らしくない」話。

 

      

        Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/320sec,ISO100) 

 

二科展の顛末は前回触れたが、

国立新美術館の開館時間は午前10時。

2時には美術館を離れなければならない事情があったので

その間を有意義に使いたい。

それでまず考えたのは昼食時間の節約。

館内や周辺の食事場所は混みあうことが予想される。

だから、開館前に「腹ごしらえ」をしっかりとしておきたかった。

とはいえ、ことさらアテがあるわけでもない。

それで六本木へ向かう地下鉄の中で、

ミッドタウン付近の「朝食」で検索したところ

「ブランチをゆっくりとれる」というふれこみの店がヒットした。

つまりは朝昼兼用、もってこいだ。

 

ミッドタウン裏手にあるその店をに入ったのは 

開店時間の9時を少し回った頃だった。

ところが。

近郊ではかなり知られた店なのだろう、

すでに窓側のイス席はほとんど埋まっている。

「ここで...」と、案内されたのは店の真ん中の暖炉前の席。

四方がイス席に囲まれてはいるが、

店内が広く見渡せるゆったりとした空間だったので

居心地は悪くなかった。

 

そして...。 

メニューに目を通す。

ブランチの種類は豊富でどれもおいしそう。

少し迷った挙句、

私は「サーモンのタルタルとアボガド+ポーチドエッグ」

家内は「ノルディックサーモンのマリネ+目玉焼き」を注文したのだが

さらに、それぞれの料理にフレンチトーストが2枚ついてくる。

あとでわかったことだが、そのフレンチトーストが店の看板メニューとのことだった。

バターの香りがする生地が

ほんのり甘いミルクをたっぷりと含んで

たしかに美味かった。

       

       

 

入店時に、「在席時間は2時間までとさせていただいています」と案内され

朝昼兼用とはいえ、「そこまでの長居は…?!」と思ったのだが

この料理なら休日の朝をゆっくりと楽しむことも悪くない。

また、すこし贅沢かとの思いもあったが、

「これも朝昼兼用なら...!」と大いに納得できたのである。

 

さて...。

思いもかけず、そんなゆったりとした朝から始まった日。

二科展での芸術鑑賞を終えた後、ミッドタウンで家内の買い物にお付き合い。

意外だったが、三連休にもかかわらず、人出は少なめ。

そう長い時間ではなかったが、

ミッドタウンの中での「新しい風景」探しなど

のんびりした時間を楽しんだのである。

 

       

 

ところで...。

今回の二科展で興味深かった展示のひとつが「組み写真」。

考えてみればブログの構成に通じるところもある。

それで、柄にもない記事を

六本木の風景とともに組み写真風に構成してみた次第だ。

少しでもSlowな心持ちを感じていただけたなら、うれしい限りだ。 

 

 
  In My Life  The Beatles

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東京「新」風景

2019-09-16 | 郷愁的東京

 

東京国立新美術館

 

 

見慣れた建物のはずなのに

ただ無造作にカメラを向けるだけで

ファインダーの中で魅力的なフォルムとなり

そして、訪れるたびに新しい風景となる。

ここは、そんな不思議な場所である。

 

 

 

※ご訪問ありがとうございます。

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武蔵野の小道から

2018-12-24 | 郷愁的東京

学生時代のたわいない所業を思い出しながら、雑木林沿いの小道を歩き始めていた。


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   F5,1/32sec,ISO-130

友人との待ち合わせで、初めて降り立った東京郊外の私鉄駅。

駅の建物を出ると、すぐそばまで雑木林が迫っていて、その奥を眺めればうっそうと木々が繁っている。

さらに、駅のコンコースから遊歩道が整備され、雑木林の奥へと続いている。

「武蔵野だ!」 一瞬に心がときめいて、

約束の時間までかなり早く着いたこともあり、すこし歩いてみようと思いたったのだ。

 

 

都会にあこがれて東京の大学に進学したくせに、一方でビル街に垣間見える自然にも惹かれる。

そんな矛盾した思いのひとつが武蔵野への憧れだった。

東京に出て間もない頃だったと思う。

何かの雑誌で、当時の国鉄武蔵野線沿線には、武蔵野の面影を色濃く残す景観が残っていることを知った。

車窓からの景色を思い浮かべ、気持ちは逸ったものの、

西東京の府中から、浦和など東京に隣接する埼玉を横断して千葉の松戸まで、

都心からの移動も含めると100Km近く電車に乗ることになる。

つまり、当時の学生にとってはかなり高額な運賃が必要となるわけだ。

ところが、その記事にはその運賃を超格安にする裏ワザ的利用方法も記載されていて、

そのワザを使えば、ひと駅間分の料金(当時は30円)で武蔵野の景観を楽しめるとあった。

解説によると、駅間の運賃はその最短距離で定められるものだから、

どこを経由しようと、改札を出ない限り、その料金が適用される…という規定を利用すればよい、というのだ。

それを鵜呑みにした私は、水道橋駅で30円の切符を買い、隣の御茶ノ水駅へ武蔵野線を経由して向かうことにした。

水道橋駅から御茶ノ水駅へは、総武線の千葉方面行に乗れば、ひと駅なのだが、

まずは逆方向の三鷹方面行きに乗り、その後、中央線に乗り換え西国分寺駅を目指した。

そして、西国分寺駅で武蔵野線に乗り換えて、

目的だった沿線に広がる武蔵野の景観を存分に楽しみながら新松戸へと向かう。

新松戸からは常磐線に乗り換えて、その後、山手線、総武線と経由して御茶ノ水駅に至る。

途中、車掌が来たら、「なんて言おう」などとビクビクしながら、

2~3分で着く距離を、やがて半日をかけて移動したのだが、

金は無くとも時間ならたっぷりある学生にしかできないこと、

いや、今なら、学生すら興味も持たない奇妙な所業だったのかもしれない。

 

そんなことを思い出し、苦笑しつつ歩いた武蔵野の小道。

雑木林が揺れるたびにさす木漏れ日が眩しい午後のひとときだった。

 


 

The long and winding road  / The Beatles

2013年にリリースされたNaked バージョンから


The Long And Winding Road (Naked Version / Remastered 2013)

「赤裸々な...」とあえてこだわったシンプルなバージョン。

ストリングスなど過度なアレンジを除いたシンプルな演奏がかえって心に沁みる。

 

 

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置きざりにできなかった光景 2017東京 冬

2018-01-05 | 郷愁的東京

昨年12月にプライベートで訪れた東京。

道すがら撮った写真が相当数残されていて、

その何枚かは記事に関連づけて投稿した。

一方で大半がお蔵入りする運命であり、

それらをヒマにまかせて眺めていたら、

なんとなく、そのまま仕舞いおくには忍びなくなってきた。

そこで、そのいくつかを脈歴なく掲載することとした次第だが、

そのタイトル、題して「置きざりにできなかった光景」。

多少なりとも気にとめていただけたならうれしい限りである。

  

 


ご紹介した写真、振り返ってみれば気ままな散歩のシーン。

そこで今回の「折にふれての選曲」は、

どこの局だったか、東京の街を散歩するテレビ番組のバックに使われていたこの曲を。


The Doobie Brothers   Listen to the Music  

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東京 冬枯れの風景

2017-12-17 | 郷愁的東京

東京、冬枯れの表参道

この時期、プライベートで東京へ出かけることが年中行事となっている。

月に数回、仕事で上京していて、

どうかすると、金沢にいるよりも東京にいるほうが多いこともある。

自分にとっては珍しくもない東京だが、

プライベートで常用の一眼レフを携えてということになると

見慣れた場所も格別の風景となる。

さらにこの時期を選ぶには理由があって、それは天候である。

12月に入ると北陸の降水確率は9割前後、

四六時中、冷たい雨か雪が降っている。

また、たとえ降らないとしても厚い雲に覆われて陽がさすことはほとんどない。

それに比べて東京は一日中青空が広がり、

それも快晴であることが多い。

週末を利用したわずかな時間といえども

それが大きな気分転換になるのであり、

この気持ち、北陸人なら誰もが理解するところだと思う。

 

それで今回の東京、師走の風景を何回かにわたって紹介することとしたい。

ただし、なにぶん緩慢なブロガー。

賞味期限切れとなって「お蔵入り」という事態も過去よくあった話。

できるだけ12月中に投稿したいとは思っているが、

保証の限りではない。悪しからず。

ということで今回は表参道付近から。


 

師走の東京といえば当然ながら街はクリスマス気分。

そこで、以前よく聞いたケニー・ロギンスのクリスマスソングを探してみた。


Kenny Loggins - The Bells of Christmas

ケニー・ロギンスの楽曲もさることながら、

スライドショー仕立ての画像がすばらしい。

完封負け、しかもコールド、大敗である。

 

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隅田川 灯ともし頃

2017-04-26 | 郷愁的東京

晴海通り、勝鬨(かちどき)橋からの隅田川夕景。

この日の東京の気温は7月上旬並みの26度

勝どきにある事務所で仕事を終えた後、

ふだんなら、宿泊先へ早々と引き上げるのだが、

せっかくの陽気だからとそぞろ歩きを始めたところ、

出会ったのがこの夕景だった。

 

さて、タイトルの「灯ともし頃」。

読んで字のごとく、日が暮れて、灯りをともしはじめる頃をいう。

薄簿の空と街の灯りを映す隅田川を眺めていたら、

ふと、この情緒豊かな言葉が浮かんだわけだが、

普段の会話で使われることはないし、

それどころか、若い人は「ヒトモシゴロ」という語感に違和感を覚えるかもしれない。

かくいう私も、十代の頃、この言葉が出てくる歌を聞いたものの、

どんな文字が充てられるのか、またその意味がなんなのか、

理解したのはずいぶんと後になってからだった。

その歌、同年代の方ならアレかと思いあたるかもしれない。

軽快なベンチャーズサウンドに乗せて山内賢と和泉雅子が歌う「二人の銀座」がそれで、

「灯ともし頃」は歌詞の冒頭に出てくる。 

「二人の銀座」 和泉雅子、山内賢 

この頃の日本にはきっと悪い人はいなかっただろうと思わせるほど

若い二人の掛け合いがなんとも微笑ましい映像である。

 

ついでながら、銀座はこの辺りから近い。

勝鬨橋を渡り終えたところは築地。

左に築地の場外市場、右に石造りの荘厳な築地本願寺を眺めながら

晴海通りをさらに進むと、やがて歌舞伎座が見えてくる。

ここから、和光のある銀座四丁目交差点は目と鼻の先。

さらに足を延ばせば、数寄屋橋交差点、JR有楽町駅へ至る。

この間、勝鬨橋からだと徒歩で20分といったところで、

オトナの散歩を楽しむにはもってこいの道中、

「一人の銀座」を楽しんだ次第である。

 

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「明るい街角で」...師走・代官山にて

2016-12-27 | 郷愁的東京

師走、東京そぞろ歩きの第二弾は代官山にて。

 

旧山手通り沿いの瀟洒なカフェ。

主要道にそって高層ビルが林立する東京の風景を思うとこれだけでも異質な雰囲気だが、

なんと、そのカフェの前に大胆にもポルシェが2台並んで路上駐車!

このおかまいなしのスロー感こそ、ハイソ、セレブご用達の街だから許される(?)所業といったところかもしれない。

代官山の魅力はいろいろとあるのだろうけど、

自分としては、建物から受ける圧迫感や息苦しさがないことがいちばんだと思っている。

つまりはヒューマンスケール。

中低層の建物群が視界からはみ出すことなく、

建物のプライベートスペースと緑を残したパブリックスペースが巧みに織り交ざりあい居心地のよい空間を形成している。

街並み全体に共通するこの建築手法は、この街の代名詞となったヒルサイドテラスから始まっているといい、

世界的な建築家、槇文彦氏が手掛けた建物群ヒルサイドテラスがこの街の行く末を大きくを変えたことは

建築を志す人の中では有名な話。

ヒルサイドテラスは、それ以降様々な設計者により計画された建物にも大きな影響を与えていて、

TSUTAYAが計画したT-Siteにしても同様だと思っている。

 

広い敷地内に分棟された書店やカフェ、専門店などの建物群が雑木林と遊歩道で一体化されている。

おそらくは、「ヒルサイドテラスは知らないが、T-Siteは知っている」人も多いのではないかと思う。

 

さて、そんなT-Siteの一画にあるカフェ「IVY PLACE」ですこし遅めの朝食を。

案内してもらった外のテラス席にはパラソルヒーターも用意されているが、

この日の陽ざしは充分に暖かく、ヒーターなしでも開放的なスペースを快適に楽しむことができた。

朝7時からの朝食メニュー、その充実度は抜群でもちろんアルコールもOK、

フルボトルのワインリストまで持ってきてくれる念の入れよう。

(朝からそんなに飲むわけないやろ!)

 

恥ずかしながらそんな朝食メニューをご紹介。

しいたけ、まいたけ、ホウレンソウ、フェタチーズのフリッタータ (見た目よりかなりのボリュームがあった)

 

スモークサーモン、イクラ、サフランクリームのカンパーニュタルティーヌ (パン生地と食べるサーモンがなかなか美味)

 

分不相応な贅沢朝食からスタートした東京での休日。

さらに、次回「空倶楽部」編 へと続く。


さて、冬晴れの陽ざしの中でこの曲を連想した。

スタンダード・ナンバー 「明るい街角で On the Sunny Side Street」をシンディ・ローパーのバージョンで。

Cyndi Lauper   On the Sunny Side of the Street

アップテンポで元気なアレンジが、底抜けに明るくておきゃんな彼女のイメージにぴったりだと思った。

 

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