折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

湖北菅浦 冬景色   By空倶楽部

2023-12-19 | 近江憧憬

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


今回の空倶楽部は蔵出し写真で参加。
            

11月中頃からこのところまで週末の予定が立込んでいて撮影に出ていない。

それで空倶楽部用の写真を過去のフォルダに探していたところ

一昨年12月の菅浦の写真に目が留まった。

「菅浦コラージュ」とフォルダ名が付けられていて

保存されていた写真もコラージュの常用サイズ(600×400ピクセル)となっていたから

ブログ掲載するつもりで準備していたのだろうけど

機会を失ってそのままになってしまったようだ。

いずれにしても2年経って日の目を見たという次第だ。

さて、この週末は雪の予報。

この記事を書きだす前までは家でのんびり過ごすつもりでいた。

けれども雪だからこそ見ることができる景色もある。

すこしだけ早起きをして琵琶湖に向かうのも悪くないな、と思い始めている。

 

 

 

 

 

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朝霧の風景 By空俱楽部

2023-11-29 | 近江憧憬

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


夜明け前の余呉湖。


         余呉湖(滋賀県長浜市)2023.11.26  6:03am     Sony α7S2   FE2.8 16-35 GM

 

前日の夜、思い立って夜明け前の余呉湖に向かうことにした。

翌朝の予報は快晴。外気が冷えて湖面に朝霧が立ち込めるはずだと思ったからだ。

しばらくネイチャー写真に向き合っていなかったことも心を逸らせていた。

午前3時に金沢を出て、余呉についたのが5時30分。

案の定、暗闇の中でもわかるくらい朝霧が漂っている。

しかも、空には満天の星。絶好の撮影日和だ。

幸ににして釣り客の姿も疎らで画角に入り込むことも無さそう。

しばらくは手持ちで辺りにカメラを向け、イメージを整えた後で、

三脚をかかえて朝霧の濃いほうへと湖畔の道を進み、

明るくなり始めた方角にカメラを据えた。

その時である。カチ、カチ、カチと連続した鈍い金属音とともに

湖上に灯りの点が走った。

漁場に渡された桟橋に灯りが点いたのだ。

思わず腕時計に目をやったところ時刻は6時。

漁場の営業が始まる時間だ。

人気を感じない朝霧の風景を撮ろうと思っていたので

一瞬にしてその目論見は消し飛んでしまった。

余呉には随分と通っていたから、桟橋に灯りが点くことを知らないわけではなかったのだが

この時間帯の撮影は久しぶり、このことをすっかり忘れていたのだ。

この他にもうっかりしていたことがいくつもあった。

たとえばネイチャーに欠かせないフィルター類を忘れたこと。

そのせいで星空や昇る瞬間の朝日など絶好の撮影機会を断念した。

さらに足元の防寒も充分でなく、長時間の撮影に耐えられなかった。

往復300キロ近い遠征にもかかわらず軽率だったと猛省し、

備忘として残すことにしたのである。

 

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湖北菅浦 「何もない」風景

2023-03-12 | 近江憧憬

久しぶりに訪れた湖北菅浦。

     菅浦(滋賀県長浜市)2023.03.11 10:34am  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM 

 

季節ごとに様々な表情で出迎えてくれる菅浦だが

この時期は拍子抜けするほど何もない。

いや、あえて出迎えてくれたといえば、

湖畔の八重桜の枝にわずかに膨らんだ蕾くらい。

その枝越しに静かに寄せる琵琶湖の波を眺めながら

ふと思い出した映画のワンシーンがあった。

それは菅浦がロケ地となった「男はつらいよ」の第47作「拝啓 車寅次郎様」で

寅次郎(渥美清)がマドンナ役の典子(かたせ梨乃)に出会うシーンだ。

 

典子は都会に住む主婦で写真が趣味。細々と貯めた小遣いで撮影の旅に出ることを生きがいにしている。

菅浦の湖畔で撮影を楽しむ典子に寅次郎が声をかける。

 寅次郎: ナニ写すんだい? 水ばっかりで何もありゃしねえじゃねえか。

 典子 : 何もないからいいのよ。 ただ水と光だけ。

 寅次郎: へえー。 そういうもんかねえ。

 

そう、水と光だけ。

けれども、その中には

向き合った人だけにしかわからない空気の香りや季節の気配、

そして穏やかに流れる時間が潜んでいるのだ。

 


まだ3月も前半というのに、この日の陽気は4月中旬並みだったとか。

その陽気に誘われて。そしてあり余る時間をふんだんに使いながら

湖北、越前海岸と撮影旅を楽しんできた。

その道中、車内に流れたロイ・オービソンの艶やかな声が

旅の終わりまで心に残った。

A Love So Beautiful Roy Orbison

 

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琵琶湖日和

2022-12-14 | 近江憧憬

ドラマティックな写真を望むなら

多少荒れた天気、そして朝夕が良い。

そんなことは百も承知でいるのだが

それにもかかわらず、好天というだけで出かけてしまうことがある。

撮影意図などほとんどない。ただただカメラを持って穏やかな休日を過ごしたいだけ。

家人に言わせれば「カメラ中毒」なのだそうだ。

この日にしてもそう。この時期、貴重な晴れ間をめがけて琵琶湖へ向かった。

そんな「ノー天気」な週末カメラマンが出会った冬枯れの景色。

 

ここは私にとっての「空撮り基地」のひとつ。

季節ごとに移り変わる琵琶湖の表情を眺めてきた。

私以外にも三脚を立てたカメラマンが何人もいるのだが、

広角レンズを空に向け、無造作にシャッターを切っているのは私ぐらい。

ほとんどのカメラマンのお目当ては水鳥たちで、

大口径の望遠レンズでシャッターチャンスをうかがっている。

 

その中のおひとりの姿が気になった。

この日の陽気と穏やかな時間の流れを背中で代弁しているように感じたからだ。

そして、私の後ろ姿も「こんな風だったらいいな」と羨んだりもしていた。

そう、琵琶湖日和を存分に楽しむように。

 

 

 

 
Strange Weather Glenn Frey

 

 

 

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湖東三山深緑巡り

2022-06-12 | 近江憧憬

湖東三山を一日で巡った旅。

いずれも山間の古刹で、時には先が見通せない急な石段の道も。

息があがることもあったが、それでも深緑の風景を存分に楽しむことができた。

西明寺、金剛輪寺、百済寺と印象に残った写真をすでに掲載しているが

さらに、足を止めて見入った光景をまとめてご紹介。

多少なりとも深緑の瑞々しさを感じていただけたなら幸い。

         

この深緑が紅葉に置き換わったら...と、

今から、秋が待ち遠しい。


  
      Love On The Wing - Jesse Colin Young

 

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百済寺 深緑に埋もれて

2022-06-04 | 近江憧憬

湖東三山、百済寺の深緑。


  百済寺(滋賀県東近江市)2022.05.21 13:21  Sony α7S2  Planar 50㎜ F1.4  ZA SSM(f/2.8 , 1/60sec , ISO125) 

 

琵琶湖の風景に惹かれて、ここ10年、二月に一度は滋賀県を訪れているが

湖東三山を訪れるのは今回が初めて。

百済寺という名前も知っていたが、長く「くだら」と思い込んでいた。

古代朝鮮半島にあった国を連想していたからだ。

あらためて調べてみると、創建は聖徳太子。

ということは法隆寺や四天王寺などと同時代。古刹中の古刹である。

ただ、法隆寺などと異なるのは、修行、学問の場という趣をほとんど感じないことだ。

百済寺に関わる方のお叱りを受けるかもしれないが、

古刹には違いないが、まずは「景勝の地」との印象が残ったのである。

高台に昇ると、かつては多くの伽藍が立ち並んだであろう広大な敷地が目に入る。

さらには遠く琵琶湖を見渡すことができる風景は圧巻だ。

安土桃山時代に当時の日本に関する文献を多く記した宣教師ルイス・フロイスもこの地を訪れ、

その景色の見事さを「地上の楽園」と称したという。

あながち、私の「景勝地」印象もずれてはいなかったのかもしれない。

 


   百済寺(滋賀県東近江市)2022.05.21 13:21  Sony α7S2  Planar 50㎜ F1.4  ZA SSM(f/5.6 , 1/60sec , ISO100) 

 

その百済寺の深緑にどっぷりと埋もれてきた。

この木々が秋になると真っ赤に紅葉するのだという。

次の機会にはその真っ赤な紅葉に埋もれてみたいものである。


一日で湖東三山すべてを巡ったわけだが、

予想以上のアップダウンの激しさ。

ふくらはぎがパンパンになるなど

数日は足腰全体が筋肉痛だった。

けれども、それを差し引いてもこの景勝を巡る価値はあった。

一方で、寄る年波。

秋に訪れるときは、念のため二日がかりとしておこうかな。


  Diana Ross & The Supremes    Ain't No Mountain High Enough

 

 

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青葉降る古刹 金剛輪寺 

2022-06-02 | 近江憧憬

湖東、金剛輪寺


   金剛輪寺(滋賀県愛荘町)2022.05.21 10:43  Sony α7S2  Planar 50㎜ F1.4  ZA SSM(f/2.8 , 1/60sec , ISO500) 

 

息を切らして長い石段を登りつめたところ

頭上から小雨とともに降ってきた青葉。

湖東の古刹に静かな夏の到来を感じた瞬間だった。

 
    Phil Collins - I Wish It Would Rain Down 

 

 

 

 

 

 

 

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国宝のある風景 西明寺

2022-05-24 | 近江憧憬

深緑の風景を求め、湖東三山、西明寺へ。

  
  滋賀県甲良町 2022.05.28 8:52 Sony α7S2  Planar 50㎜ F1.4 ZA SSM (f/5.6 , 1/80sec , ISO100) 

 

三重塔、そして本堂と堂々たる古刹ぶりに圧倒された.

それもそのはず、いずれも国宝、しかも三重塔は指定第一号と知って

ますますその風景に納得した次第だ。

鎌倉時代の建築だから、やがて八百年、

そのままの姿を現在に伝えていることになる。

しかし、その歴史は平たんではなかったと思う。

最大の危機は織田信長が比叡山を焼き討ちにした折。

比叡山傘下にあった西明寺も焼き討ちの標的となったらしいが

本堂周辺は山深く位置しているため、からくも焼失を免れたとのことだ。

とかく、歴史的建造物は戦禍はもちろん、天災や失火など消失のリスクを抱えているから、

この創建当時の姿は奇跡の光景と言える。

 

さて、この景色に圧倒されたのにはもうひとつ理由がある。

見せ方の「しかけ」にやられたのだ。

寺院は本堂や塔、講堂といった建物で構成されていて、参詣の起点は山門となる。

ところが、だ。

西明寺には、ふたつある国宝にも劣らない重要文化財の二天門がある。

それにもかかわらず、本堂への参詣はその門を通らせない。

参詣客は蓬莱庭という名勝庭園を回遊した後、わき道から山を登り、

本堂の左手から、うっそうとした木々の中を通り抜けてこの景色に至る。

つまりは、突然に景色が開けて、三重塔が現れるのだ。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」でもないが、

これは、感動を増幅する「しかけ」として、建築や風景の設計でよく使われる手法だ。

それにまんまとやられたというわけである。

寺院関係の方が狙って仕掛けたものか、単なる偶然なのか

そこまではわからないが、この光景が強い印象として残ったことは確かだ。

 

この日は終日小雨模様。時には大粒の雨が落ちてくることもあった。

そんな中、カメラ機材をかばいながらも、湖東三山すべてを巡ることができたのは

最初にこの光景にであったからこそではなかったか、と思ったりもしたのである。


深緑の季節。

この日、車中で聴いていたのが、

ジェシ・コリン・ヤングのさわやかなファルセット。

 
  Sunlight    Jesse Colin Young

 

 

 

 

 

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湖北菅浦、光の春

2022-02-26 | 近江憧憬

この日、気温こそ真冬そのものだったが

久しぶりの日差しに誘われて湖北、菅浦へ。

毎年、この時期になると、「光の春」を探しに出かける。

撮影テーマのことを言っているのだが、

それはとりあえず置いて菅浦のこと。

 

 


                                                  Sony α7S2   F2.8G/70-200㎜

琵琶湖は、北に向かって狭まるにしたがって

いくつかの岬と入り江による複雑な地形を造り出す。

そのひとつ、葛籠尾岬(つづらおさき)の入り江に開けた集落が菅浦だ。

空気が澄んでいたせいか、対岸の比良山系が間近に迫る。

いつも思うのだが、このあたりの琵琶湖の水は

大津あたりに比べると群青ともいえるほど濃い。

その濃い水の色から立ち上がる雪の山肌が明るく青空に映えて

冬山とは言え春の様相を感じたのである。

 

 


                                                 Sony α7S2   F2.8G/70-200㎜

入江に沿って車一台がやっと通れるほどの

道の両脇に細長く民家が点在している。

その集落を包み込むように葛籠尾崎の林が迫る。

「隠れ里」とも呼ばれた菅浦独特の景観だ。

 

 


                                                  Sony α7S2   F2.8G/70-200㎜

湖岸にせり出す八重桜。

このあたり一帯は桜の名所でもあり

とくに4月の中頃からはこぼれるような八重桜が湖岸を彩る。

枝先が少し赤みがかって見えたりもしたが

蕾がすこし膨らみ始めていたのかもしれない。

 

 


                                                  Sony α7S2   F2.8G/70-200㎜

さて...。

あらためて、「光の春」のこと。

何年か前に、新聞のコラム欄で知ったのだが、

ロシアでは2月のことを「光の春」と呼ぶ。

彼の地に限らず、北国での2月はまだまだ真冬。

毎日のように雪は降るし、時にはたいへんな雪害をもたらすこともある。

だが、次第に陽が長くなって、明るさを取り戻していくことを

春への希望を込めて「光の春」と呼ぶのだそうだ。美しい言葉だと思う。

そして、この日の菅浦。

琵琶湖の水はまだ寒々と感じたし

残雪もかなりあった。

けれども、明るい日差しの中、

菅浦のそこかしこで「光の春」を感じたのである。

 


 
 ぼくたちの失敗/森田童子

学生時代をなつかしく思い出す春の歌だ。

けっして明るい歌詞ではないけれども

その内容とは裏腹に、春への希望を感じる曲である。

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余呉 冬の夜明け By空俱楽部

2022-01-29 | 近江憧憬

湖北、余呉湖の夜明け。


  余呉湖(滋賀県長浜市) 2022.01.22  07:52   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (33㎜ ,f/3.5,1/400sec,ISO100) 

 

鏡湖と呼ぶ人もいれば、日本のウユニ湖と形容する人もいる。

いくらなんでもウユニ湖は大げさだろうと思っていたが、

その朝は「それもまんざらでもないな」と思えてきた。

それほど、空の映り込みが美しかったからだ。

 

 

 

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

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