一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

私が考える新棋戦

2021-05-31 00:10:08 | 将棋雑記
このたび日本将棋連盟とサントリー食品インターナショナル株式会社から、「SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021」の創設が発表された。
この棋戦の目玉は、ファン投票による棋士選出だそう。藤井聡太二冠や羽生善治九段は黙っていても選出されるだろうが、あとはどうなるだろう。意外な人が選出されそうで、興味は尽きない。

さて私が新棋戦を作るとしたら、何になるか。
私は、引退棋士のみが参加できる「OB戦」としたい。
将棋ファンなら分かると思うが、棋士の引退は、棋力が大きく減退したから……という理由は少ない。順位戦から陥落し、10年の間に規定の成績を取れないまま強制引退、というケースが半分以上を占めると思う。
よって中には熊坂学五段のように、森内俊之竜王に勝ちながら翌年引退、というケースもある。だから引退棋士が現役棋士と戦っても、勝機は十分あるのだ。これはスポーツの世界とは事情がまったく異なる。これだけの実力がありながらレッスンプロに収めてしまうのは、もったいないではないか。
たとえば原田泰夫九段などは、「原田は引退してからのほうが強くなった」とつねづね語っていた。
また植山悦行七段も、「ボクは引退してからのほうが勉強しているよ」と真顔で語っていた。
大野八一雄七段にしても最新戦法に精通しているし、指導対局を受けても相変わらずの巧妙な指し回しで、衰えはまったく感じられない。
そんな引退棋士たちの真剣勝負を、いま一度見てみたいのだ。
これは人気投票でもエントリー方式でもいい。場合によっては中原誠十六世名人や加藤一二三九段ら人気棋士の雄姿を見られるし、いまや投資家に間違えられている桐谷広人七段、先ごろ電撃引退した橋本崇載八段、あと1勝が足りずに引退した中尾敏之六段、熊坂五段も参戦となる。まさに夢の棋戦ではないか。
思えばかつてはこの役目を、達人戦がかすかに担っていた。だが達人戦は途中から一流現役棋士が参入するようになり、棋戦自体も2015年に休止されてしまった。
植山七段や大野七段の教室に参加していてさびしいのは、対局後の自戦解説を聞けなくなったことである。棋士に教えを受けている以上、やはり対局を応援したいのだ。もう一度、あのやりとりを味わいたいのだ。
ただこのOB戦にも難点がある。若手棋士や現役人気棋士の参加がないので、華がないのだ。
そこに目をつぶれば、現役時代を彷彿とさせる熱戦が見られることを保証できる。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第1期女流順位戦最終戦の結果<C、D、G、H組>

2021-05-30 01:06:13 | 女流棋戦
28日は、第1期女流順位戦の最終戦のC組、D組、G組、H組が指された。
では、結果を記しておこう。

【C組】
①加藤桃子女流三段…7勝0敗
②甲斐智美女流五段…6勝1敗
③~⑤山田久美女流四段、藤田綾女流二段、宮宗紫野女流二段…3勝4敗
⑥~⑧上川香織女流二段、中村桃子女流初段、水町みゆ女流初段…2勝5敗

1位確定の加藤女流三段と2位確定の甲斐女流五段が順調に星を伸ばしフィニッシュ。だが3位以下が激戦で、順位が定まらなかった。
2人だと直接対決の結果で順位が決まるが、3人で本割1勝1敗だとややこしい。どうも、巴戦をやるようだ。
ところがこれが少しく厄介なので、私見では段位を尊重したい。すなわち③~⑤の場合、山田女流四段をシードとし、まず藤田女流二段と宮宗女流二段を対局させるのだ。これなら2局で済む。
巴戦で3人が1勝1敗だとまたやり直しである。そうなったらどうするのだろう。

【D組】
①西山朋佳女流三冠…6勝1敗
②香川愛生女流三段…6勝1敗
③武富礼衣女流初段…4勝3敗
④和田あき女流初段…4勝3敗
⑤カロリーナ・ステチェンスカ女流初段…3勝4敗
⑥山口恵梨子女流二段…3勝4敗
⑦長沢千和子女流四段…2勝5敗
⑧中倉宏美女流二段…0勝7敗

D組は西山女流三冠と香川女流四段が星を伸ばし6勝1敗。直接対決では西山女流三冠が勝っていたので、西山女流三冠のA級が決まった。極めて順当ではあるが、ギリギリだったともいえる。ここが女流順位戦の恐ろしさだ。

【G組】
①里見香奈女流四冠…7勝0敗
②鈴木環那女流三段…5勝2敗
③小高佐季子女流初段…4勝3敗
④竹部さゆり女流四段…4勝3敗
⑤船戸陽子女流三段…3勝4敗
⑥村田智穂女流二段…3勝4敗
⑦脇田菜々子女流初段…2勝5敗
⑧山口仁子梨女流2級…0勝7敗

G組は里見女流四冠が有終の7連勝。このクラスはほぼ実力通りに並んだ気がするが、小高女流初段の勝ち越しは見事だった。

【H組】
①中井広恵女流六段…6勝1敗
②中村真梨花女流三段…5勝2敗
③~⑤室田伊緒女流二段、北村桂香女流初段、和田はな女流2級…4勝3敗
⑥飯野愛女流初段…3勝4敗
⑦加藤結李愛女流初段…2勝5敗
⑧北尾まどか女流二段…0勝7敗

中井女流六段は天敵中村女流三段に屈したが、すでにA級入りを決めていたので問題なし。それにしても、来月52歳(失礼)になる中井女流六段がA級に入るとは、時代が遡ったようである。腕に歳は取らせない、ということだ。

さてこれでA級or本戦トーナメントの8名が決まった。正式に組み合わせは発表されていないが、仮にアルファベット順に組まれるとすると、こうなる。

伊藤沙恵女流三段(A組)VS加藤圭女流二段(B組)
加藤桃子女流三段(C組)VS西山朋佳女流三冠(D組)
渡部愛女流三段(E組)VS石本さくら女流二段(F組)
里見香奈女流四冠(G組)VS中井広恵女流六段(H組)

激戦を勝ち抜いてきた勇者だけあって、どの組み合わせも面白い。
そしてひとつだけいえることは、この8名の中から初代白玲が誕生し、優勝賞金1500万円を獲得するということだ。
ヒトが1500万円をもらって喜ぶ姿を見たって、こっちは面白くもなんともないが。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉田利勝八段、逝く

2021-05-29 01:17:59 | 男性棋士
吉田利勝八段が2021年5月23日、逝去した。享年87歳。
吉田八段は1957年、四段デビュー。第24期(1969年度)C級1組順位戦で好成績を残し、B級2組に昇級。以後、58歳で引退する1991年度までそのクラスを守った。
吉田八段は相掛かりの雄で、1982年ごろに▲1五歩△同歩▲1三歩から▲2四歩~▲6四飛を狙う攻めを開発した。後年塚田泰明九段が「塚田スペシャル」で一世を風靡したが、その原型はこの「吉田スペシャル」とされる。
吉田八段はしばし若手棋士も斬った。
第1図は七段時代、1990年1月12日に指された第3期竜王戦ランキング戦4組・森内俊之四段との一戦。

ここは吉田七段の勝勢だったが、△8四銀と詰めろで出たのが、良さそうな悪手。実はここで後手玉に即詰みが生じていた。すなわち▲5三銀成△同銀▲6一竜△同玉▲5三桂不成の順である。▲7五桂が8三にも利いていることに注意。
このとき森内四段は1分将棋。だが夕食休憩まであと少しだったので、勝負術に長けている棋士なら、第1図から▲5三歩△5一玉▲5二歩成△同玉の時間稼ぎをし、休憩に持ち込む。
ところが森内四段は焦り、▲5三桂成△同銀▲同銀成としてしまった。ここで夕食休憩になり、森内四段は前述の詰みに気付いたが、後の祭り。再び後手の勝ちとなった。
森内四段は一瞬のチャンスを逃したわけだが、そもそも吉田七段こそ、△8四銀と出るときにしっかり勝ちを読み切るべきだった。この早指しが森内四段にも伝播したとは、何という皮肉か。
敗れた森内四段は自己嫌悪に陥り、横浜の自宅まで走って帰ったそうである。
また吉田八段は、同年6月29日には、第49期B級2組順位戦2回戦で、羽生善治竜王と当たった。
吉田七段の先手で、相掛かりで始まった将棋は、中盤で千日手になった。
指し直し局も相掛かり。

その第2図で、吉田七段が△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛と1手パスしたのが、玄妙な手渡し。実はこれが吉田七段の得意技で、3回戦の脇謙二六段戦でも、同じ手順を踏んでいる。
本局は以下激戦になったが吉田七段が制した。吉田七段はこの期、最終的に3勝7敗だったが、この勝利が燦然と輝いたのは言うまでもない。
いっぽう羽生竜王は8勝2敗に終わったがこの1敗が祟り、順位の差で昇級できなかった。
羽生九段は五段時代の1988年・第47期C級1組順位戦でも、ベテラン剱持松二七段に負け、昇級を逸している。ベテランの順位戦に賭けるチカラは侮れないのだ。

さて吉田八段の生涯成績は389勝513敗(.412)。数字としてはパッとしないが、知られざる「吉田スペシャル」を開発し、王将リーグに入り、棋聖戦では挑戦者決定戦に進んだ。順位戦B級2組では晩年まで昇級争いに絡み、棋力に衰えはなかった。それでいて還暦前にスパッと現役を退いた。トータルで見て、幸せな棋士人生だったのではなかろうか。
心よりご冥福をお祈りします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤倉五段、引退を回避

2021-05-28 00:12:15 | 男性棋士
26日に行われた第34期竜王戦5組残留決定戦・島朗九段VS藤倉勇樹五段の一戦は藤倉五段が勝ち、5組残留を決めた。
実はこの1勝は大きかった。すなわち藤倉五段は2009年度の第68期順位戦C級2組でフリークラスに陥落し、現役の余命10年となった。そして2020年3月に半現役引退となったのだが、竜王戦は2006年の第19期に5組に昇級していたので、竜王戦規定により、最大2年の参加を許された。事情はやや違うが、桐山清澄九段と同じケースである。
そして今回藤倉五段は島九段に勝ったことにより、第35期の参加も可能になったというわけだった。

しかし藤倉五段も、早くにフリークラスに陥落したものだ。熊坂学五段の「伝説の3期」には及ばないが、藤倉五段もわずか7期で陥落した。すなわち藤倉五段の初参加は2003年度の第62期だが、3勝7敗でいきなりの降級点となった(余談だが、この期は大野八一雄六段が3つめの降級点を取り陥落している)。
C級2組はこの1つめの降級点がやっかいで、昇級(か陥落)しない限り、消えない。藤倉五段は、続く第63期、第64期と5勝5敗で、これがC級1組やB級2組なら降級点が消えたが、C級2組ではイレズミとして残った。この辺り、川上猛七段と同じケースである。そしてこれが祟り、藤倉五段は第68期の降級点で、陥落となったわけである。
藤倉五段の通算勝率は0.418。これを順位戦に嵌めれば降級点を取らない計算だがそこが順位戦の怖さで、棋士はみんなチカラを入れるから、どうしても順位戦に芳しくない棋士が現れてしまう。そのところ、藤倉五段は勝負弱かったと言わざるを得ない。
ただ棋士の中には、トーナメントプロよりレッスンプロのほうが似合うケースもあるのだ。その点藤倉五段は甘いマスクで、女性教室をやらせたら多くの生徒が集まると思う。実際藤倉五段は複数のこども教室を開いており、弟子に和田あき女流初段、和田はな女流2級がいる。
さて藤倉五段は、第35期竜王戦で4組に昇級すれば、まだまだ現役生活は伸びる。桐山九段の1000勝(あと4勝)と同じくらい道は険しいが、とにかく1局でも多く勝ってくれることを祈っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近見た夢(2021-04-30、05-09)

2021-05-27 00:35:40 | 
最近見た夢、といってもちょいと前のもので、しかもエントリ数も少ないが、ここらで記しておこう。
まず4月30日に見た夢。私は、自分が映っている写真をまとめ、ある人に見せることになった。それは各年の「8月12日」に撮影された1枚で、6年分(6枚)あった。
だが5枚目の8月12日の写真は、実は8月16日に撮ったものだった。
というところで、アラームで叩き起こされた。

続いて9日に見た夢。
渡部愛女流三段が女流王位を獲っていて、これは挑戦手合いの第2局だった。
私はその主催社の新聞記者だった。私は渡部女流王位にまつわる感動的な話を入手した。私はそれを将棋担当者に話し、できれば記事にしてほしいと思った。ひょっとしたらこれは夢かもしれないが、もしそうでも、その話をブログに書けばいいと思った。でも、ということは、この感動的な話は架空の世界のことになるが、フィクションとしても面白いと思った。
場所はどこかの体育館で、あたりには将棋ペンクラブのA氏もいた気がする。将棋記者は、部長級のひととその部下がいた。部長級の人に話すと、最初は怪訝そうだったがやがて理解してくれた。ただ、観戦記面に載せるスペースがないという。そこで私が、社会面のどこかへ掲載すればいい、と進言すると、部長級のひとも理解してくれた。
別の新聞記者が、記事を書く部屋がないと言うので、私は自宅裏にある旧工場を案内し、そこを自由に使ってくれていいと言った。
渡部女流王位の感動話の掲載が確定したので私はたいそう感激し、いま部長級氏はさっきの体育館で定額制の飲み会に参加していたが、その分を私が払うことにした。ところが傍らの女性に飲み代を聞くと、44,000円だという。私は部長級とその部下、2人分のおカネを払うつもりだったのに、彼女は自分も含めて11人分の料金を払ってもらうつもりだったのだ。
というところで、アラームの音で起こされた。


このあとも何日かは、記憶に残る夢は見ているのだ。だがそれを文面にすることさえ不愉快なのだ。
それと、ブログが全世界で閲覧できる以上、なんでもかんでも公開するわけにはいかない。
というわけで、今回はこれでアップとする。

あー、なんか疲れちゃったな。
もうどうでもいい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする