一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

プロ野球マンガの危機

2021-01-31 00:14:00 | プライベート
あれは数年前、旅先でのネットカフェでのこと。マンガ「あぶさん」を読んでいたら、妙なことに気が付いた。球場のスコアボードが映っているコマで、両軍のスターティングメンバーに、外国人選手の名前がなかったのだ。現代のプロ野球では助っ人選手の協力は不可欠。日本人だけのメンバーはいかにも不自然だった。
あとで分かったことだが、水島新司はあぶさんで外国人選手を主役にした回を描いた際、それが肖像権侵害にあたるとかで、当該選手から莫大な慰謝料を請求されたらしい。外国はこういうことがうるさそうである。
たしかこの回は私も読んだ気がするが―あるいは私が勝手にイメージしただけかもしれないが―、あぶさんが該当選手の悩みを聞いてやる話だった気がする。
もとより水島新司は、日本人選手がこぞってメジャーリーグに行くのを苦々しく思っていた。これを機に、自身のマンガから外国人選手を一掃したのであろう。
これがいつごろの話だったか分からないが、少なくとも2000年よりは前であろう。
だがコトはそれだけに留まらなかった(あるいは、この話のほうが先だったかもしれない)。今度は日本プロ野球機構が、マンガでの肖像権を主張したのだ。要するに、マンガの中に実在のプロ野球選手を登場させるのなら、カネを払えということである。
これもずいぶんな話である。パ・リーグがまだ不人気だった1970年代、マンガという媒体で各選手を紹介し、全国区に押し上げたのは水島新司の功績である(ちなみに大人は「あぶさん」、子供は「プロ野球カード」でパ・リーグの選手を勉強した)。よって選手間では、あぶさんに載ることが一流選手の証明になっていた。本来ならプロ野球機構は、水島新司に頭が上がらないはずなのだ。
しかし小学館は面食らっただろう。連載打ち切りもあり得たが、あぶさんはビッグコミックオリジナルの看板作品であり、編集部も水島新司に「いつまでもあぶさんを続けてほしい」と言っていた。よって小学館はあぶさんを継続させることとし、猶予期間が明けたのち、肖像使用料を払ったのであった。
しかし住みにくい世の中になったものだ。かつて石ノ森章太郎はマンガを「萬画」と表記し、あらゆる事象を表現できるのが萬画です、と宣言した。だがこの件のせいで、プロ野球のような庶民的な題材が、マンガ化不可、になってしまったのだ。
昨今は電子コミックや書籍が大当たりで、毎年紙の書籍を侵食している。だが水島新司のマンガだけは、電子化されていない。これも、肖像権の問題があるのかもしれない。こんなことではもう、今後プロ野球マンガは現れない。
いや、コトはそれだけではなくなるかもしれない。たとえば私たちがプロ野球選手の似顔絵を描いて、ネットに上げたとする。それさえも肖像権料を請求してくるかもしれない。
だけど似顔絵には巧拙がある。上手い人が請求され、下手な人が請求されない、では不公平だから、似顔絵アップは一律禁止になるかもしれない。
これはオーバーではない。昨今は政府が、コスプレをやるにも著作権云々とか言い出している。コスプレを自由に発信できない時代が来るかもしれないのだ。
まあいいか。プロ野球もコスプレも、それらが原因で人気が尻すぼみになるのなら、それも運命である。
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西山奨励会三段の三段リーグ

2021-01-30 00:30:45 | 将棋雑記
第68回奨励会三段リーグは前節までに12局が終わり、注目の西山朋佳三段は8勝4敗で7位につけている。詳細に記してみよう(○数字は順位)

②井田明宏三段 9勝3敗
⑳三田敏弘三段 9勝3敗
①横山友紀三段 8勝4敗
⑫柵木幹太三段 8勝4敗
⑬齋藤優希三段 8勝4敗
⑱高田明浩三段 8勝4敗
⑲西山朋佳三段 8勝4敗
㉔川村悠人三段 8勝4敗

8勝以上はここまで。
前節の前まで1敗と2敗だった三田三段と横山三段が前節で連敗し、俄然ダンゴ状態になった。西山三段は最上位と星1つの差なので、実質1.5ゲーム差。もちろん逆転の可能性はある。
西山三段の以降の相手を記そう。

2月7日(日)㊱福田晴紀三段(7勝5敗)、㉗田中大貴三段(6勝6敗)
2月21日(日)⑫柵木三段(8勝4敗)、⑱高田三段(8勝4敗)
3月6日(土)②井田三段(9勝3敗)、⑦徳田拳士三段(6勝6敗)

西山三段と上位者との直接対決は3局あり、柵木三段と高田三段に勝てば、順位を逆転できる。ただしこれで負けると、一気に離されてしまう。とにかくこの2名には勝っておきたい。
また大野八一雄門下の二者とは当たっていない。もし当たっていたら、私は堂々と西山三段を応援するので、気まずいことになっていた。
大野七段門下のM三段は、2月6日に横山三段、柵木三段と当たる。M三段に今期昇段の可能性はもうないが、順位を1つでも上げるために、この2局は絶対に勝たねばならない。ぜひ援護射撃をお願いしたい。
ほかの上位陣は、今後星のつぶし合いがほとんどない。ただしその分、負け数が多くなる可能性もあるわけだ。
第58から第67回までの四段昇段者は、次点2回2名を含め、22名。その勝敗は、

16勝2敗…1名
15勝3敗…3名
14勝4敗…8名
13勝5敗…5名(次点昇段1名を含む)
12勝6敗…5名(次点昇段1名を含む)

で、平均13.5勝である。
また、13勝以上を取って昇段できなかったケースは、西山三段自身の14勝を含め、9回ある。14勝者(西山三段と服部慎一郎三段の2名)には、もちろん次点が付いた。
14勝者が出たときの13勝者や、13勝者が複数出たときの後者には次点が付かないが、通常13勝を取れば、次点は取れるとしたものだ。
今期はダンゴ状態なので、昇段の勝ち数が低くなる可能性がある。これは下位の三段にも逆転の可能性が出るわけで、それが西山三段にどう影響するか。いずれにしても、西山三段が次点を持っているアドバンテージは大きい。13勝すれば、四段に昇段できるのではないか。
とにかく、やるっきゃない。
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川上七段の順位戦復帰の目を考えるSeason2(13)

2021-01-29 00:40:46 | 目を考える
フリークラス脱出を目指す川上猛七段は、22日に第47期棋王戦予選を谷合廣紀四段と戦い、敗れた。では、成績を記してみよう。

■2019年度(2020年1月31日から)
1月31日 第70期王将戦一次予選1回戦 ○及川拓馬六段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選1回戦 ○中田宏樹八段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選2回戦 ○井出隼平四段
2月17日 第70回NHK杯トーナメント戦予選決勝 ○杉本和陽四段
3月10日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦1回戦 ○瀬川晶司六段
3月25日 第70期王将戦一次予選2回戦 ●中座真七段
3月30日 第33期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦2回戦 ●窪田義行七段
(5勝2敗)

■2020年度
6月1日 第92期棋聖戦一次予選1回戦 ○渡辺正和五段
6月1日 第92期棋聖戦一次予選2回戦 ○高橋道雄九段
6月or7月 第70回NHK杯トーナメント本戦1回戦 ●増田康宏六段
7月17日 第14回朝日杯将棋オープン戦一次予選1回戦 ○上野裕和六段
7月17日 第14回朝日杯将棋オープン戦一次予選2回戦 ○長岡裕也五段
7月30日 第92期棋聖戦一次予選3回戦 ●北島忠雄七段
8月29日 第62期王位戦予選1回戦 ●八代弥七段
9月2日 第29期銀河戦予選1回戦 ○松本佳介六段
9月2日 第29期銀河戦予選決勝 ●佐々木勇気七段
9月11日 第69期王座戦一次予選1回戦 ○石川陽生七段
9月18日 第14回朝日杯将棋オープン戦一次予選3回戦 ○中村太地七段
9月18日 第14回朝日杯将棋オープン戦一次予選決勝 ●飯島栄治七段
10月2日 第69期王座戦一次予選2回戦 ●八代弥七段
10月31日 第6期叡王戦七段戦1回戦 ●八代弥七段
11月24日 第34期竜王戦ランキング戦5組1回戦 ○渡辺正和五段
12月18日 第71期王将戦一次予選ぶら下がり1回戦 ○上野裕和六段
12月22日 第34期竜王戦ランキング戦5組2回戦 ●高野智史五段
1月6日 第71期王将戦一次予選1回戦 ○高見泰地七段
1月22日 第47期棋王戦予選1回戦 ●谷合廣紀四段
(10勝9敗)

今年度の対局予定は以下の通り。

第71期王将戦一次予選2回戦 中田宏樹八段or長岡裕也六段
第34期竜王戦ランキング戦5組昇級者決定戦 島朗九段or本田奎五段
第71回NHK杯トーナメント戦予選

「30局以上でいい所取り.650以上」は15勝11敗になり、フリークラス脱出まで「あと6連勝」に後退した。
今年度の残り対局は、最大で竜王戦1局、棋王戦1局、NHK杯3局(+本戦1局)である。だが全勝する可能性は少ないので、今回をもって「Season2」は終了とする。
フリークラス脱出まで年数的に余裕があると思っていたが、タイムリミットの2023年3月まで、2年余りしかなくなってしまった。月日が経つのは早い。
中村太地七段や高見七段など、手ごわいところに勝って、勝率も5割以上。それでも現役生活が危ぶまれる。どうも理不尽に思えるが、それが順位戦だ。
次年度に入り、また川上七段に順位戦復帰の目が出てきたら、「Season3」として再開したい。
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2020年・長崎旅行7

2021-01-28 00:32:26 | 旅行記・九州編
(25日のつづき)

そろそろ長崎駅に近づいてきたので、私はバス会社に電話をし、福岡行きの予約を取った。
長崎駅に着いた。この駅舎が洗練されたデザインで、九州の中で最も好きかもしれない。でも数年後に長崎新幹線が開通したとき、この駅舎はどうなるのだろう。







その反対側にあるバスターミナルに入る。チケットは2620円だった。ネット購入とかすればもっと安くなるのかもしれないが、その方法が分からなかった。
15時15分、スーパーノンストップ便に乗った。乗客は多くもなく少なくもなく、ソーシャルディスタンスは十分に取れている。
私は高速バスに乗ると一安心する。私の観光は誤算続きで失敗ばっかりだが、高速バスは別だ。目的地に着くまで明らかに「プラス」であり、マイナス要素はほとんどない。
匠寛堂でいただいたカステラを食べる。底のザラメがサクサクして、美味い。ああ、これはここで食べないで、親に味見してもらうほうがよかった。
17時20分、バスは天神バスターミナルに着いた。今年は博多どんたくが中止になったので、福岡は初上陸だ。
とりあえず、福岡市役所西側ふれあい広場の「TENJIN CHRISTMAS MARKET」に向かう。まだ日が暮れてないので雰囲気が出ていないが、今年もここに来られたことの僥倖を感じる。とりあえず入場は後回しだ。
小腹が空いたので、何か入れたい。ウエストのうどんが食べたくなったので辺りを散策する。いつもはぶらぶらしているとどこかで目に入るのだが、こういう時は見つからない。
やたら規模が大きいうどん屋があったので、妥協してそこにする。が、そこがウエストだった。
ごぼ天うどん(390円)を頼む。天かす無料で、ネギはかけ放題。うどんはやわらかくて、コシのある讃岐うどんとは対照的だが、これはこれで美味い。
大いに満足して表へ出ると、すっかり夜の帳が下りていた。が、便意を催してきた。
とあるデパートに入りトイレに駆け込むと、なんと子供用の便器があった。こんな小さな便器を見たのは初めてで、その配慮に大いに感心した。





そのデパート前のストリートでは、ここでも定番のクリスマスイベントをやっていた。
私は改めて、市役所前のクリスマスマーケットに行く。現在ゲートの前には列ができている。コロナ禍なので入退場を別々にしているため、この渋滞が生じた。
私も入場したが、中は簡易的な酒場なので、私のような下戸はおよびでない。装飾を愛でながら、早々に退場した。
しかし……。この程度の滞在なら東京と長崎の往復でもいいが、福岡に来ないと九州に来た気がしないのだ。ただ、来年あたりは決断するべきかもしれない。











市役所前から博多駅前行きの100円バスがあり、たまたま次のバス時刻が近かったので、それに乗った。ただこのバスが予想以上に迂回して、博多駅までだいぶ時間を要してしまった。多少の時間はかかるのは構わないが、車内は途中から満員になり、気分が悪くなってしまった。
博多駅前に着いた。今度は「HAKATA CHRISTMAS MARKET」である。例年と同じライトアップで、懐かしい。人出は覚悟したほどではなく、コロナの影響もあったのだろう。
いまは博多駅ビルの大スクリーンに地上の観光客が映っている。ある箇所に留まるとそこにいる人が映るらしく、そこも列を作っていた。
飲食スペースは柵が張られ、入退場が1ヶ所に限定されていた。ふだんはアーティストが歌うステージも、今年はないようだ。













周りではグッズが売られているが興味はないので、時間をつぶせない。ここも何十分もいられるわけではなく、私は駅構内のHAKATA Daitosに行ってみる。
ここでは昨年「能古うどん」を食べたが、今年はその辺りがすべてラーメン屋になっていた。
少し場所を移すと因幡うどんがあった。ここのうどんも美味いので、入る。さっきはごぼ天だったので、今回は丸天うどんだ。今日はうどん3食目だが、何を食べようと私の勝手なので、構わない。
若干満腹感はあったが、丸天うどんも美味しくいただいた。
帰りの飛行機はANA274便・福岡発21時25分である。ちょっと早いが、19時50分の地下鉄で、空港に向かった。
しかし福岡空港の土産物売り場は20時で閉店だった。手荷物検査場を抜けたところはまだ営業していたので、適当なお土産を買う。
274便は座席ごとに順番に搭乗する形だった。私は14Aだったので、一番手に搭乗だ。
だがその席は、脱出用非常口の隣だった。あまり飛行機に乗った気はしないが、前方は広い。そしてANAも機内誌は置いていなかった。でも、機内オーディオは機能しているだろう。私はいただいたイヤホンを用い、音楽を楽しんだ。

かくして1泊2日の長崎旅行は、これにて無事に終わったわけだが、翌日私は、大変な間違いをしていたことに気付く。ANA搭乗券の半券を見たら、座席が「18A」になっていたのだ!
いけねぇ、行きが14Aだったからそれが頭にあり、違う席に座っていた。14と15の席は、もし非常脱出があった際に協力しなければならず、搭乗時にその誓約をする。しかしいま思えば、客室乗務員が私にそれを説明するとき、ややブランクがあった。
14Aは空席という情報だったのに、おかしなオッサンが着席していたので、怪訝に思ったのかもしれない。
旅も妙に慣れてくると、飛行機の座席番号すら確認しなくなる。こうしたミスは、あらゆる状況で起こりそうである。自戒したい。
(おわり)
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石本さくら女流二段は、女優の真瀬樹里に似ている

2021-01-27 00:42:46 | 似ている
日付変わって今日1月27日は、石本さくら女流二段の22歳のお誕生日。おめでとうございます。
その石本女流二段は、女優の真瀬樹里(まなせ・じゅり)に似ていると思う。
真瀬樹里は1975年1月1日・東京都生まれの46歳。父は千葉真一、母は野際陽子というサラブレッドである。幼稚園から高校まではから高校までは雙葉学園に通学した。
1994年、映画出演を果たし女優デビュー。同年テレビドラマにも出演した。以後、テレビを中心にコンスタントに出演を続ける。
2017年秋、テレビ朝日「トットちゃん!」に野際陽子役で出演したが、母親に瓜二つだったという。
また2019年12月放送のテレビ東京「超名門セレブ女子校同窓三人娘の5万円旅」では、同じ雙葉学園OGのかたせ梨乃、いとうあさことともに1泊2日の5万円旅に挑戦した。
真瀬樹里は「千葉真一と野際陽子の娘」という枕詞が付くのが残念だが、それも勲章と割り切って頑張るしかない。今後の活躍も楽しみである。
石本女流二段と真瀬樹里は、笑った顔と目元が似ていると思う。ガンバレルーヤ・まひるに似ている気もするが、気のせいだろう。

石本女流二段は2016年10月デビューだが、その年度は別にして、2017年度からは毎年12勝以上を挙げている。昨年の倉敷藤花戦で中井広恵女流六段が挑戦権を獲得し話題になったが、その相手は石本女流初段(当時)だった。
昨年12月に勝ち星累積で女流二段に昇段したが、3年9ヶ月での昇段は見事である。
まさに若手のホープで、現在は「西の石本、東の山根」といってもよい。勝敗予想をしていて迷った場合、石本女流二段に○を付けておけば間違いない。
女流順位戦は現在3勝0敗である。同じ3勝の上田初美女流四段とは、次の4回戦で当たる。勝てばほぼA級当確だ。頑張ってください。
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