一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

よいお年をお迎えください

2016-12-31 20:09:00 | プライベート
2016年も早いもので今日1日。私は定跡通り「NHK紅白歌合戦」を楽しんでいる。
今年は父が緊急入院したり、それがもとで会社廃業の話が出たりで、ハッキリ言って仕事どころではなかった。いや違う、仕事をするしかなかった。
だが、おのが未来を考えながら作業をしていると気が滅入るばかりで、ホントにイヤになった。
そんな荒んだ気持ちをいくぶんか慰めてくれたのが、10月1日から文化放送で始まった「ミスDJリクエストパレード」である。これは私が浪人時代に愛聴していたもので、それが30余年の時を経て復活したのだ。DJも当時と同じ千倉真理さんで、以後、これを聴くのが週末の楽しみになった。
番組はここまで14回放送。私は第3回から聴き始めたが、当然毎回リクエストをした。その結果、今日も含めて3回もコメントを読まれる光栄に恵まれた(リクエスト曲はかからず)。いずれもつまらない内容だったのだがそこはそれ、私がオールドリスナーということで、真理さんが情けをかけてくれたのだろう。
なお、今日読まれた内容は、私が毎年年賀状に書いている「一公の10大ニュース」のこと。「ミスDJ復活」を第9位にしたのだが、こんなことなら5位ぐらいにしておくんだった。
あの時ああしておけば…は私の代名詞だが、それが大晦日に起こったわけだ。
真理さんは10大ニュースすべてが知りたいふうだった。とりあえず私は、文化放送に年賀状を出したのだった。
なお、ラジオ界では現在「Radiko」というサーヴィスがあって、過去1週間の番組がPCやスマホで聴ける。読者の皆さまもここにアクセスすれば、私の文面が聴けます。

さて、来年は私にとって激動の年、試練の年になる。一日一日をしっかり生きていこう。
今年も当ブログを御愛読、ありがとうございました。皆さま良いお年をお迎えください。
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もし自分が疑いを掛けられたら

2016-12-30 23:05:20 | 将棋雑記
昨日の続きになるが、第三者委員会の調査結果が出ても、私が三浦弘行九段をグレーに見ていることについて、怪訝に思う読者もいると思う。
例えば、である。私がアマの将棋大会に出て、そこで不自然な離席があり、あらぬ疑いを掛けられたとしよう。
いやアマ大会は持ち時間が短いからな…。まあ、私が棋士だったらと仮定してもいい。
その時、現在の私の棋友は、私の無実を信じてくれるだろうか。
8割は潔白を信じてくれるだろうが、残りの2割は信じてくれなそうな気がする。
ブログの読者はどうだろう。こちらはもっと支持率が下がると思う。
その後第三者の証言がありシロになったとしても、何人かは私を疑ったままだと思う。
ちなみに、私がもし痴漢の疑いを掛けられたら、全員が「やっぱり…」と納得することだろう。
閑話休題。私は不正をしていなければ、ブログで無実を訴える。やっていたら、潔く認めるか、ダンマリを決め込むか…それはその時になってみないと分からない。
つまり、いったん疑いを掛けられたら、それを100%払拭するのはむずかしい。何人かは、疑惑を抱いたままなのだ。
今回の三浦問題の場合、私がその後者に入ったのである。
だから日本将棋連盟は、三浦九段を告発するのなら、裏付けに裏付けを重ねて、然るべき措置を取らねばならなかった。
棋士は手を読むのが仕事なのに、理事会は今回の件で、3手の読みすらできなかった。いや、読んだのだろうが、トンチンカンな読みをした。
ただし理事会にはまだ救いがある。おのれが悪手を指したことに、まだ気づいていないということだ。
これはある意味、仕合わせなことである。
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三浦問題を考える

2016-12-29 22:32:40 | 将棋雑記
今日、録画しておいた「第42回将棋の日in静岡」を観たのだが、観客の中にミスター中飛車氏の顔があった。
中飛車氏が静岡まで行くはずがないから他人の空似だろうが、その後に今度はOsa氏その他の顔も映って、これはさっきの中飛車氏も当人だと思った。
驚いた。静岡あたりなら東京の人も行くんだねえ。私はまだまだ甘い、と痛感した次第。

   ◇

「三浦問題」について、26日に第三者委員会の調査結果が公表された。結果を書くと、三浦弘行九段の行為は「黒とは認められず」。すなわち疑わしきは罰せず、で白となった。
その報告書を私は詳細に読んでいないのだが、ソフトとの一致率も、飛びぬけて高くはなかったとのこと。
さらに竜王戦の久保利明九段戦でも、三浦九段は長時間の離席はなかったらしい。
かように調査結果は三浦九段に有利なことばかりで、私はあんぐりとしてしまった。渡辺明竜王は、こんな脆弱な状況証拠で告発をしてしまったのか!?
いやいやそれはないだろう、「三浦九段クロ」たる根拠があって、告発をしたんだろう!? そしてその主張を、理事会と読売新聞は受け入れた。納得したから、挑戦者変更という暴挙にも賛同したんだろう!?
三浦九段は将棋ペンクラブの集まりにたびたび参加してくれて、私が応援する棋士のひとりである。だが、だからシロと信じていたかというとそうではなく、やった可能性は十分あると思っていた。そしてそれは現在でも完全に拭われていない。それは繰り返すが、渡辺竜王捨て身の告発があったからだ。これを聞けば、誰だって「三浦九段クロ」と思うのではないか?
それがシロってあんた、そんな結末ってあるのかよ!
世間では、竜王戦七番勝負はスマホの持ち込み禁止が決まっていたのだから、渡辺竜王が告発をせず、三浦九段と戦って勝てばよかった、という。
だがそれは違うと思う。もし三浦九段がスマホを使って挑戦権を得たなら、三浦九段が七番勝負に出てきてはいけないのだ。それを渡辺竜王は許せなかった。だから竜王として告発した。その姿勢は買う。
だが、確たる証拠もなしに告発したのなら大問題だ。
しかも理事会と三浦九段の会合の時、理事会が「竜王戦七番勝負は中止になった」と告げて三浦九段を休場に追い込んだというのだが、本当なのかこれ!?
理事会が「三浦九段クロ」を前提としていたようで、やり口が汚すぎる。警察が冤罪をこしらえる過程にそっくりではないか。
今回の告発は、週刊誌に三浦九段のカンニング疑惑が掲載されそうになり、それで理事会と渡辺竜王が先手を打って挑戦者を替えたとされる。
だが、日本将棋連盟や渡辺竜王が棋士のプライドを信じていれば、週刊誌の記事にビビらずとも、粛々と七番勝負を進めていればよかったのである。それで将棋ファンは十分味方になってくれた。だけど理事会は、棋士と将棋ファンを信じてくれなかった。
とにかく今回の結果報告では私の想像を越えるやりとりがボロボロ出てきて、私は混乱を抑えきれなかったのである。
理事会は三浦九段への救済措置として「A級残留」を約束したが、三浦九段がいちばん被害を受けたのは竜王戦である。こちらの挑戦者の権利はどうしてくれるんだ、という話だ。何しろ七番勝負に出れば、負けても1,590万円の賞金が出る。竜王を奪取すれば4,320万円の賞金になり、次期の七番勝負の賞金も保証される。順位戦より、竜王戦の方が重要なのだ。
ところがこちらは「タイトル戦が完結したのでそのまま進める」とのこと。
そりゃねーよ。もう次期のトーナメントが進行しているとはいえ、あまりにも理不尽である。
あとは連盟が金銭的補償を行うしかないのだろう。しかし将棋連盟だっておカネはないし、どこまで身銭を切ってくれるかだ。
しかも理事会のペナルティは減俸のみ。私は谷川浩司会長が首を差し出すのは当然と考えていたから、これもズッコケた。
三浦九段の金銭的被害より少ないって、そんなバカな話がありますかね。
ホントにもう、谷川会長がこんなに自分に甘いとは思わなかった。

ああそうだ、この機会に私の持論を書いておこう。

「棋士と一般人の違いは何か?」

答えは、「棋士は一般人より将棋が強い」。これだけである。それ以上でも以下でもない。
世間では、棋士は頭がいい、人格的にも優れている、と考えている人が多いと思う。でも、それは違うと思う。
棋士は将棋が強い以外は、一般人と何ら変わらない。人格的にオヤ?という人もいるし、サラリーマンにしか見えない人もいるし、あんた棋士という職業があって良かったね、という人もいる。
もちろん人格的に優れている人もいるが、それは一般人と同じ比率と思う。
今回の騒動は、告発したら棋士の社会的地位が失墜することは容易に予想できる。一般人なら、告発せずに済ませられないものか、秘密裏に解決できないものかと考える。それがどうしてああいう展開になってしまうのか、私にはとんと分からぬ。
ただ申し訳ないが、私の三浦九段に対する心象はグレーのままである。やはり一度貼られたレッテルはそう簡単に剥がせない。私は三浦九段と話してみたい。正直もう、よく分からない。
ともあれ私は将棋連盟に失望したわけだが、不幸中の幸いは、将棋は棋士が発明したものではないということだ。つまり私たちは今まで通り、ふつうに将棋を楽しめる。それだけが救いだ。
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2016年最後の大野金曜教室(4)

2016-12-28 21:02:45 | 新・大野教室

第3図以下の指し手。▲7九角△2六角▲4四歩△4二歩▲2四歩△同歩▲2二歩△3三桂▲5三金△2三銀▲3五歩△3四銀▲同歩△2三玉▲3三歩成△同玉(第4図)

左の佐藤―Hat戦は、佐藤氏の勝ち。若手強豪をほふるのだから、佐藤氏も鍛えが入っている。
第3図で▲6九歩△4六飛成▲4三金打△4一玉▲4四金引とする手はある。しかし、金2枚を投入して角を取りに行くのはダサイと思った。
それで▲7九角と引いたのだがU君に△2六角と逃げられ、急に指し切り筋が濃くなってしまった。しかもこちらは▲7九角が飛車に睨まれ動けない。
▲2四歩~▲2二歩は苦し紛れで、△3三桂では△3三歩ぐらいでも負けだった。
それでも△2三銀に▲3五歩と打って、ややおもしろくなったと思った。続く△2三玉も一手パスみたいな手だが、これは▲3三歩成を限定させた手と思う。
△3三同玉には何かあると思ったのだが…。

第4図以下の指し手。▲4五銀△3七角成▲6三金△4五飛成▲5二金△3一飛(投了図)
まで、U君の勝ち。

この局面で秒読みが始まっていることに気付いた。時計を見るとU君のそれは7分以上も残っている。私が時計を押し忘れたとは思わないが、ずいぶん差が開いていて、早指しの私にしては珍しいことだった。それだけ集中して考えていたのだろう。
その秒に追われて私は▲4五銀と打ったが、根元の桂を取られて万事休した。
私は遅ればせながら▲6三金だが、△4五飛成とこちらのカナ駒を取られてもうダメ。最後は情けない局面で投了した。

感想戦。「オレの方が良かったんじゃない?」
と私。どうもU君との対戦ではこのパターンが多い。
私はすぐに「▲4五銀のところで▲6三金」を主張したが、それもすぐに私が負けた。要するにこの局面はもう、どうしようもないのだ。
U君の要望もあり、初手から並べ直す。U君のこの姿勢は学ぶべきところだ。
序盤はU君も優勢になる順があったが、まあこんなところ。

第2図の△3三金寄が問題で、ここは△4四同金が良かったようだ。以下▲同銀△同角で、▲3五歩には△同銀があるからまだこれからの将棋。また△5五歩▲4三歩成△同金と進める順もあったようだ。とにかく▲2六飛が△5三角に間接的に睨まれているので、先手もそう無茶はできない。

また途中図で▲2四歩には、U君は△4四角を考えていたという。以下▲3五歩△同金▲同角△同角▲3六飛△2四角▲2五歩△4二角▲4三歩△5三角▲4二金(参考1図)でどうか。

これはこれで難しい戦いだが、どこかで▲2三歩成△同金を利かせる手もあるし、少なくともこちらを選ぶ価値はあったと思う。
私が最も検討したかったのは第3図である。本譜の▲7九角がダメダメだったから、代わる手は▲6九歩しかない。以下△2六角は▲5五角が嫌味なので△4六飛成だろうが、▲4三金打△4一玉▲4四金引。ここでU君は△3三歩を示した。
ここで先手の指し手が分からなかったが、U君は▲4五桂(!)を示す。以下△3四歩▲5三桂不成△3一玉▲6一桂成△4四竜▲6二成桂△5四銀▲5二成桂(参考2図)でどうか。

これは次の▲5三角が厳しく、先手にも楽しみがある。
しばらくして佐藤氏が検討に参加、さらに大野八一雄七段も加わってくれた。その検討が多岐に渡ったのだが、そのほとんどが「第3図から▲6九歩で先手も指せる」というものだった。一例を示せば、上の変化△3一玉で△5一玉でも、▲6一桂成△同玉▲5三金△6二銀▲5四歩…である。
ただ、▲6九歩を打たない変化だと先手陣がもろく、大野七段も呆れてしまって、
「なんで▲8九玉にしたのかなあ…。大沢さん、矢倉は飛車を切る将棋なんだから▲8八玉にしないとダメだよ!」
と吐き捨てたのだった。
私にしては珍しく、長く感想戦をやってしまった。時刻は午後10時になり、これにて今年の大野教室は終了。
最後はみなで軽食を摂りに行った。いろいろ迷って、U君はここで帰り、私たち(大野七段、W氏、Og氏、Fuj氏、Shin氏、Hat氏)は、駅近くのピザ屋(ファミレス風)に入った。
ファミレスは久しぶりで、妙に懐かしい。ほとんどがセットメニューを頼み、舌鼓を打った。食後は例によってバカ話。私は仕事上の不満をぶちまけ、Fuj氏は交友関係の不満をぶちまける。
2時間はあっと言う間に過ぎ、気が付いたら日付が変わっていた。
今年は大野教室の料金改定があり、それが理由ではないが足が遠のいてしまった。来年も行く回数は少ないと思うが、対大野戦の角落ちを勝率4割、チャイルドブランドと互角の勝負、を目標に頑張りたい。
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2016年最後の大野金曜教室(3)

2016-12-27 01:16:54 | 新・大野教室
U君は最近アマ五段に昇段したが、それは将棋会館道場で、24勝2敗の成績を収めたかららしい。まさに想像を絶する成績で、五段昇段の価値はある。今日は大野八一雄七段に平手で勝っているし、教室で最も勢いに乗っているチャイルドブランドといえよう。
U君とは洋間の隅で対局を始めたのだが、少し暗い。それで和室に移り、佐藤―Shin戦と並んでの対局とした。
持ち時間は「15分・30秒」。私の先手で▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩。ここから相矢倉になった。U君は大野七段とも矢倉戦が多いが、本局の出だしは後手が作戦負けになると思う。
私は左美濃から右四間飛車を考えたが、あれは腰掛銀だった気がする。が私は▲5六歩を突いてしまったから、もうダメだ。ふつうに矢倉に組んだが、行きがかり上二段玉になり、むしろこっちが作戦負けになってしまった。
U君は△7五歩▲同歩△同角。U君はこの指し方が好きだ。私は▲6五歩とし、盛り上がる。そういえば以前もU君とこんな将棋を指したことがある。
左の佐藤―Hat戦は相居飛車だが、Hat氏が得意の右玉を指している。みんな個性が出ていておもしろい。
私の局面。6~7筋の折衝が一段落し、お互い玉の整備に入る。しかし▲8九玉~▲7八金はしくじった。当然▲8八玉と寄るところで、今はいいが▲7九の角がどいたら、いつでも王手で飛車を打たれてしまう。先日のNHK杯で羽生善治三冠がこの囲いをしたのが頭に残っていて真似をしてしまったのだが、あれは対振り飛車の囲いで、しかも▲7九に銀がいた。本局、この8九玉型が命取りになるような気がした。

第1図以下の指し手。▲4六歩△同歩▲4五歩△3三銀▲4六角△3五歩▲2六飛△3四銀▲5五歩△同歩▲同銀△5四歩▲4四歩(第2図)

▲4六歩はちょっと危険だが指してみた。△同歩▲4五歩にU君は△3三銀と引いたが、強く△4七歩成▲4四歩△同金はなかったか。しかし以下▲2四歩△同歩▲同角ぐらいで後手がダメか。
とにかく私は▲4六角と気持ちよく出た。通常ならこれで指しやすいが、▲8九玉型の懸念材料がある。ホントにこの手に後悔し始めた。
U君は△3五歩~△3四銀。私はここで戦っては勝てないので、▲5五歩から戦線を拡大した。

第2図以下の指し手。△3三金寄▲3五歩△5五歩▲3四歩△同金(途中図)

▲4五銀△4四金▲同銀△同角▲3六飛△2七銀▲3二飛成△同玉▲3四金△4九飛(第3図)

△3三金寄は弱い気がした。まあ代わりの手も読んでないが、ありがたい気がしたのは確かだ。
私は▲3五歩と取りこんで銀取り。以下お互いに銀を取ったが、このやり取りは私に分があると思った。
△3四同金(途中図)に私は▲4五銀とかぶせたが、△4四同角まで進んだ時、失敗に気付いた。
▲4五銀の前に▲2四歩△同歩の突き捨てを入れるべきだった。それなら△4四同角の時、▲2四飛の十字飛車で先手が勝つ。まあこうはならないにしても、一本▲2四歩は入れておくべきだった。この辺りが、矢倉を指しなれていない弊害といえようか。
▲3六飛に△2七銀が意外に痛かった。この銀は遊び気味になるが、飛車を取りに来た実戦的な手だ。
これに▲3四飛は△4三銀で固くなるので飛車を切ったが、ついに相手に飛車を渡してしまった。
▲3四金の角取りに△4九飛が飛んできた。これに対する応手が明暗を分けた。

(つづく)
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