一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

シナリオ「聖の青春」を読む

2016-11-30 23:28:32 | 将棋雑記
19日に公開された映画「聖の青春」は大ヒットのようである。もっとも私はおカネを出して映画を観る習慣がないので、テレビ放送でもない限り、観ない。
ところで今月の3日、上野TSUTAYAに入ったら、村山聖九段?に見つめられた気がした。
よく見ると松山ケンイチで、「聖の青春」の1カットが、雑誌「シナリオ」の表紙になっていたのだ。
「シナリオ」はその名の通り、映画のシナリオが2~3本掲載されている月刊誌である。私はかつて「映画釣りバカ日誌」掲載号を買ったことがあるが、おのが脳内で登場人物が生き生きと動き、とてもおもしろかった。
…というわけで今回、「シナリオ」最新号を購入した。
購入してもすぐ読まないのは私の流儀で、昨夜やっと読んだ。
改めて、「聖の青春」のシナリオライターは向井康介。監督は森義隆。
シナリオ本文の前に、自身による「創作ノート」が掲載されており、これがおもしろい。
かいつまんで紹介すると、プロデューサーの滝田和人から最初の連絡があったのが2009年暮。そして年明けに森義隆から原作本が送られてきた。この頃すでに映画化の話が持ち上がっていたのだった。
ところが肝心の資金が集まらず、映画化が暗礁に乗り上げた。そこに救いの手を差しのべたのがKADOKAWAだった。「角川会長が元奨励会員だった」らしいのだが、これは初耳。本当だろうか。
いま少し紹介を続けると、この時点で向井康介のアプローチもはっきりしていたという。いわく「病気ものにしない」「師弟愛と距離を取る」「泣かせにいかない」等々。
私はナルホドとニンマリした。ウェットからの脱却で、お涙頂戴モノが苦手な私は、これだけでもう、おもしろく読めると思った。
創作ノートは2ページだったが、この文を読むと読まないでは、映画(シナリオ)の見方がかなり変わると思う。
いよいよ本文を読む。三段組で29ページである。シナリオは必要最小限の描写しかしないので、読み手にかなりの自由が利く。自身が監督になって、シナリオを映像化するのだ。例えば村山聖役を本人にするも松山ケンイチにするも、私の自由である。
シナリオライターの長坂秀佳が「ドラマの出来の責任度はシナリオ50%、監督50%」と書いていた気がするが、「監督50%」は、読者自身の読み方にかかっている。

約1時間で読み終えたが、誤解を恐れずに書けば、とてもおもしろかった。村山九段の凄絶な後半生が、ギュッと凝縮されて描かれていた。ことに終盤の手術のくだりは、ドライに読んでいても、こみあげてくるものがあった。私は「聖の青春」の原作本を読んでいないが、シナリオでは村山九段の実像にかなり迫っていたと思う。
明らかに脚色、という箇所がいくつかあり、それが奏功しているとは思えなかったが、映画というエンターテインメント性を考えるとやむを得なかったのだろう。
あとは全体的に、羽生善治現三冠の存在感が大きかった。ヘタをすると、主人公を食ってしまった感すらある。とにかくシナリオの中の羽生三冠は(実物と同じく)カッコよかった。
ちなみに私の「村山九段変換率」は、本人8割、松山ケンイチ2割だった。森信雄七段は本人とリリー・フランキー半々というところか。村山九段の御母堂は存じ上げないので、竹下景子100%。活字から竹下景子の声が聞こえてくるようだった。
私のイメージと森監督の画がどのくらい一致しているか興味深いが、ひとつだけはっきりしているのは、もし私が監督だったら職権を乱用して、室谷由紀女流二段を友情出演させていたであろうことだ。
…というわけで、映画を観る予定がない人は、「シナリオ」を読んでみるとよい。税込957円である。
(文中一部敬称略)
コメント (2)
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北海道鉄道網、壊滅

2016-11-29 12:47:43 | プライベート
やや旧い話になるが、11月6日の読売新聞に、衝撃的なニュースが載っていた。
それは「北の大地 縮む鉄路」という見出しで、JR北海道が今月中に赤字線区の見直しを行う、というものだった。全路線の約半分にあたる1237キロが対象で、うち3線区の179.4キロは廃止を前提に協議することになるという。
具体的には札沼線(学園都市線)・北海道医療大学―新十津川47.6km、根室本線・富良野―新得81.7km、留萌本線・深川―留萌50.1kmの3線である。
しかも残り10線区のうち2線区も、廃止の可能性があるらしい。
JR北海道よ、これだけ路線を廃止して、まだ廃止をしようというのか!?
これを論じる前に、JR北海道(旧国鉄)が今までどれだけ鉄道を廃止してきたか、一覧を記しておこう。路線名、区間、営業キロ、最終運行日の順に記した。

胆振線 京極―脇方 7.5km 1970.10.30
根北線 斜里―越川 12.8km 1970.11.30
札沼線 新十津川―石狩沼田 34.9km 1972.06.18
函館本線 美唄―南美唄 3.0km 1973.09.08
千歳線(旧)上野幌―東札幌 9.3km 1973.09.09
函館本線 東札幌―月寒 2.8km 1976.09.30
函館本線 桑園―札幌市場 1.6km 1978.10.01
函館本線 近文―旭川大町 2.9km 1978.10.01
夕張線 紅葉山―登川 7.6km 1981.06.30
白糠線 白糠―北進 33.1km 1983.10.22
万字線 志文―万字炭山 23.8km 1985.03.31
渚滑線 渚滑―北見滝ノ上 34.3km 1985.03.31
相生線 美幌―北見相生 36.8km 1985.03.31
岩内線 小沢―岩内 14.9km 1985.06.30
興浜北線 浜頓別―北見枝幸 30.4km 1985.06.30
興浜南線 興部―雄武 19.9km 1985.07.14
美幸線 美深―仁宇布 21.2km 1985.09.16
手宮線 南小樽―手宮 2.8km 1985.11.04
胆振線 倶知安―伊達紋別 83.0km 1986.10.31
富内線 鵡川―日高町 82.5km 1986.10.31
広尾線 帯広―広尾 84.0km 1987.02.01
瀬棚線 国縫―瀬棚 48.4km 1987.03.15
湧網線 中湧別―網走 89.8km 1987.03.19
士幌線 帯広―十勝三股 78.3km 1987.03.22
羽幌線 留萌―幌延 141.1km 1987.03.29
幌内線 岩見沢―幾春別 18.1km 1987.07.12
松前線 木古内―松前 50.8km 1988.01.31
歌志内線 砂川―歌志内 14.5km 1988.04.24
標津線 標茶―根室標津 69.4km 1989.04.29
標津線 厚床―中標津 47.5km 1989.04.29
名寄本線 名寄―遠軽 138.1km 1989.04.30
名寄本線 湧別―中湧別 4.9km 1989.04.30
天北線 南稚内―音威子府 148.9km 1989.04.30
池北線 池田―北見 140.0km 1989.06.03(翌日より第3セクター「ちほく高原鉄道」として営業。2006.04.21廃止)
函館本線上砂川支線 砂川―上砂川 7.3km 1994.05.15
深名線 深川―名寄 121.8km 1995.09.03
江差線 木古内―江差 42.1km 2014.05.11
江差線 五稜郭―木古内 37.8km 2016.03.25(翌日より第3セクター「道南いさりび鉄道」として営業)
留萌本線 留萌―増毛 16.7km 2016.12.04

いかがであろう。全線廃止26路線、部分廃止5路線。よくこれだけ廃止したものだ。
国鉄全盛時には、路線網を書くだけで北海道の形ができる、と言われたものだった。それほど隅々まで、路線が発達していた。
ところが1970年代に国鉄が斜陽になってから、徐々に廃止が始まった。来たる12月5日に留萌本線の留萌―増毛が廃止になるが、これも加えると、実に1764.6km!! 東京から鹿児島中央までの新幹線距離が1463.8kmだから、いかに路線を廃止したかが分かる。
ことに国鉄からJRへの移行期での廃止が顕著で、1989年4月29日と30日の2日間では、408.8kmが廃止された。この直後の路線図を見た私は、北海道で戦争が起こったのか? とブラックジョークを飛ばしたものである。
私が初めて北海道の鉄道に乗ったのは1986年夏だが、それでもかなりの路線が残っていた。当時は周遊券もあったし、どこへ行くのも鉄道利用だった。それが今は見る影もない。
上に書いた通り、これだけ廃止すればもう廃止するところはないじゃないか、と言いたいところだが、JRはまだまだ潰す気らしい。いや実際北海道のJRに乗っていると、絶望的に乗客が少ないのが分かる。
その原因はいろいろある。まず、地域自体に過疎化が進んでいる。どんなに路線網が充実しても、住民の分母が小さければ話にならない。
次に、住民がマイカーを利用するようになった。何時間かに1本の列車を待つより、待ち時間ゼロのクルマを使ったほうが便利だ。
さらに、道路が整備されたのが大きい。そこに特急バスがバンバン走り、しかも早くて安く、ほぼ座れるからこちらを利用してしまう。
さらにこれは北海道特有だが、JRが負担する除雪作業費がバカにならない。JR北海道の鉄道料金は東日本と比べてやや割高になっているが、それでも割に合わない。
私自身も、JR北海道で使えるトクトクきっぷがどんどん廃止されて、今ではバス乗車に軸足を移しているのだ。
頼みの北海道新幹線も、どれだけ北海道に恩恵をもたらしたか、ハッキリしない。
というわけで、明るい話題がひとつもないのである。
話を戻して今回廃止意向の3線だが、個人的にはいずれも思い入れがある。
札沼線は当旅行記でも何度も取り上げた通り、私が全国で最も好きな路線である。
根室本線には「日本一長い距離を走る普通列車」が走っていて私も乗車したことがあり、この区間が廃止になれば、当然その列車もなくなる。
またその途中には幾寅駅があり、ここは1999年公開の「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台である。これは廃止を迎える路線の老駅長が主人公なのだが、架空の話が現実のものになりそうとは、皮肉な話だ。
留萌本線の恵比島駅は、1999年朝のNHK連続テレビ小説「すずらん」の舞台であった。私は企画列車「SLすずらん号」の初日に乗り、恵比島駅(テレビでは明日萌駅)の前で記念写真を撮ったものだ。それが道内時刻表に掲載されたこともある。
さらに書けば、12月5日に廃止される留萌本線の終着駅「増毛」も、映画「駅STATION」の舞台だった。
しかし、映画やドラマに取り上げられたからといって、現役で残しておくほどJR北海道は体力はない。慢性的な赤字に加えて、今年開通した北海道新幹線の赤字が天文学的に大きく、ローカル線なんかとっとと潰してしまいたいのである。極論すれば、在来線は函館―(海線廻り)札幌―旭川と、札幌―小樽の路線だけあればいいのだ。

冒頭の協議会だが、ネット情報によると、18日に行われたようである。その結果を知るのが恐くて私は確かめていないのだが、上記3線は、来年春のダイヤ改正時に廃止になるだろう。また残り2線も、早晩廃止になると見る。
そして残りの路線のいくつかは、経営が上下分離方式になるようだ。経営を別々にするということだろう。つまり「ちほく高原鉄道」や「道南いさりび鉄道」のように、第3セクター方式にするかもしれない。

廃止予定の路線が北海道路線網から消える図を想像する。いや、恐ろしくて、想像するのもイヤだ。
北海道の鉄道網はもう終わった。役目を終えたのである。
今となっては、札沼線、根室本線、留萌本線の乗車記を当ブログにアップできたことが、せめてもの慰めである。
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新橋で将棋(後編)

2016-11-28 00:06:09 | 将棋雑記
次はKaz氏対Ok氏である。手合いはKaz氏の飛車落ち。Ok氏は右四間飛車と定跡通りに進める。
対してKaz氏は△3三角と、やや変化した。私は一度も指したことはないが、これもある手である。

第1図以下の指し手。▲4五歩△同歩▲3三角成△同桂▲4五桂△同桂▲同銀△4四歩(第2図)

第1図から▲7七角~▲8八銀~▲8六歩~▲8七銀と待つ手もあるが、Ok氏は▲4五歩と仕掛けた。
ただ、△同歩に▲3三角成はどうだったか。単に▲同桂と取り、△8八角成▲同銀と、手順に銀を上げた方がよかったと思う。
Ok氏、桂を換わって、△4四歩に次の手は…。

第2図以下の指し手。▲5六銀△3七角▲3五歩△4八角成▲同金△3五歩▲1六角△2九飛▲3三歩△4二金左▲4三角成△同金右▲3二歩成△同金▲4一角△4二金寄▲6三銀△8二玉▲2三角成△7一桂▲7五桂△8五角▲8六歩△6三角▲同桂成(第3図)

壁を見上げると、将棋棋士の色紙が数点掲げられてある。席主も将棋に力を入れてはいるのだが、客が私たちだけではどうしようもない。これでは東十条のサロンと同じだ。
第2図で、私だったら▲5六銀と引くが、Ok氏は考えている。そこで私も考え直したら、ここで▲4四同銀はあるんじゃないか? 以下△同銀右に▲5六桂と打ってどうか。
以前蕨の宴会将棋で似た局面になった時、植山悦行七段がこの順を指摘したことがある。その席にOk氏もいたと思うが、憶えているだろうか?
Ok氏は▲5六銀。やはり引いたか。
続く△3七角にもOk氏は少考。ここはノータイムで▲4九飛だろうに、何を考えてるんだと訝ったら、Ok氏が▲3五歩と突いたのでズッコケた。
ここで飛車を渡したらダメだ。
Ok氏のネライは▲1六角で、平手戦ならよさそうな手だが、さして利いているとは思えない。Kaz氏が相手では余されてしまうだろう。
以下の攻めもいかにも強引で、第3図は下手敗勢。ここで上手に決め手があったのだが…。

第3図以下の指し手。△6三同桂▲4九歩△1九飛成
以下、Kaz氏の勝ち。

第3図でKaz氏は△6三同桂と取ったが、△8七銀▲同玉△7九飛成があった。これが金桂両取りで、下手収拾がつかない。
本譜はOk氏の▲4九歩がいい粘りで、勝負が長引いた。
Kaz氏は△1九飛成と取り、△4六香を狙う。本譜もそれが実現し、Ok氏も▲4七銀打と抵抗したが、最後は押し切られた。終わってみればKaz氏の快勝だった。
感想戦では、私が第2図での▲4四同銀、第3図での△8七銀を主張した。
まず▲4四同銀は、△同銀直▲5六桂△5五銀打でむずかしい形勢。ただ銀が入れば▲4一銀もあるし、指す価値はあったようだ。
また△8七銀は、Kaz氏があまり同意しなかった。

ここでもう帰ってもいいと思うのだが(ブログを書きたいのだ)、一公―Ok戦も指さねばならないらしい。それで、私の二枚落ちで指すことになった。
Ok氏は定跡を忘れてしまったようで、4筋の歩を伸ばしたはいいが、3筋の歩は突かず、▲4八飛と回った。まあこれも悪くはないが、定跡は▲3八飛からの二歩突っ切りや、▲5八飛の銀多伝を教えている。
もっとも私の指し方も雑だった。△5三銀を△6四銀と繰り出し、△6五銀から1歩を掠めたものの、その後の進退がむずかしい。案の定、△7五銀形の時に▲6五歩と角道を通され、この歩を取れないのは情けなかった。
本譜はOk氏の緩急自在の指し回しが光った。私は△4九銀と▲5八金に掛ける。しばらく放って味を持たせていたら▲6八金と逃げられた上、△4七歩成に(△5八とを防いで)▲5九歩と打たれ、負けを覚悟した。
Ok氏、前局の▲4九歩といい、ずいぶんと渋い手を憶えた。
以下は手堅く指されて完敗。とりあえず投了図だけ掲げておこう。

Ok氏はかなり強くなった。…いや私が弱くなったのか。

時刻は9時にならんとしている。明日(23日)は休みだしブログがなけりゃもう一局指していくのだが、私も連敗しているし、意気も上がらない。2人を説得して、これで散会とした。
帰り際、Kaz氏が席主に聞いていたが、「樹林」としては、今後は将棋棋士を招んでの将棋会も予定しているという。
個人的にも、今後将棋コーナーが増えてくれることを願う。
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新橋で将棋(前編)

2016-11-27 18:57:15 | 将棋雑記
今朝見た夢を記しておく。私は俳優の堺雅人とゲームをしていた。東京メトロの任意の2路線を選び、その駅名を交互に当てるというものだった。
2路線のうちのどちらかを当てられればOK。当たったらその路線を最大5駅進めて、相手はその駅を答える、というものだった。
ゲーム参加は2人のみでほかに見物人がもう一人いたが、それは分からない。
夢の中では堺雅人が滅法強く、正解後にマイナーな駅に駒を進めるので、私は全然分からない。
完敗したところで目が覚めた。

   ◇

22日に新橋での竜王戦解説会を見終わった後、私とOk氏、Kaz氏はぐずぐずしていた。
結局Kaz氏の意見を摂り、私たちは「将棋が指せる食事処」に行くことにした。
夜の新橋を歩くのは久しぶりで、私はサラリーマンになった気分だ。
飲んべえのOk氏は我慢ができず、カバンから缶ビールを取りだしてグビッとやっている。最近は蕨で宴会将棋をやっていないが、再開してもらいたいと思う。
食事処は駅から少し離れていて、とある雑居ビルにあった。表には「樹林」という看板が出ていた。Ok氏はもう1本飲んでいきたいとのことで、後から入店するという。
「樹林」は2階にあり、私とKaz氏は階段を上がりながら「食事をしながら将棋を指すなら、さんざん飲み食いして2,000円前後だったジョナサンはよかったね」という思い出話をした。まったく、Kun氏がよく語っていたが、ジョナサン駒込店はホントに「将棋の聖地」だった。
ドアの前には夜10時まで営業、の但し書きがあった。Kaz氏の話では、席料は1,500円とのことだった。
ドアを開けると、左右2列に盤が置かれほぼ満席、ほとんどの客が囲碁を打っていた。私は帰りたかったが、席主と思しき人が入口手前に3人席をこしらえてくれた。
私は着座して周りを見るが、これはふつうの囲碁将棋サロンである。一応食事メニューはあったが、食事を摂っている客はなく、私のイメージは大きく崩れた。
食事メニューは豊富だったが、相応の値段だったが注文するのをやめ、私とKaz氏はドリンクを頼んだ。しかしこれも失敗で、お茶はセルフサービスの無料だったから、これで済ませばよかった。
ともあれ対局である。振ってもらって私の後手。Kaz氏の横歩取り志向で、▲2四同飛まで。ここで△2三歩が私の好きな手だ。
Kaz氏はもちろん▲3四飛と取り、私は角を換わって△2五角。ここで▲3六飛がイヤだったが、Kaz氏は定跡通り▲3二飛成。ここで先崎新手の△3二同飛もあったが、私は△同銀と応じた。
Kaz氏は角成りを防いで▲3八銀。ここで私は誤算に気付いた。
本譜は△3三銀▲1六歩△4四歩。実はこの手で△1四歩と突き、▲3五金に△1六角という手を見たのだが、それはさすがに無理。それならこの局面に誘導すべきではなかった。
以下数手進んで第1図。

第1図以下の指し手。▲3四金△同角▲同角△3三金▲5六角△3五銀▲6三角(第2図)

囲碁客には女性が多い。というか、女性のほうが多い。将棋がどんなに頑張っても囲碁に勝てないもの、それは女性のプレイヤー人口だろう。
局面は▲2四歩と打ち捨て、△同銀まで。ここで▲3四金が厳しかった。次に▲2三金があるので私は△同角と取るよりない。▲同角にもったいないようだが△3三金と打った。ここ、形は4三だが、2三の地点も補強したかった。
「6一金が(タダ)…」とKaz氏がつぶやく。
「3一飛がいる」
「アッ…。失礼しました」
むかし芝浦サロンで某氏と似たような局面になり、某氏が▲6一角成とやったことがあった。本局もKaz氏が黙って金を取ってくれれば、私も駒損を取り返すことができたのだが…。
ともあれ▲5六角に△3五銀となり、いろいろあったが私の1歩得。これは十分になったと思った。

第2図以下の指し手。△5二金▲8三角成△6三金▲8二馬△同銀▲5二飛△4二角▲8二飛成△2八角▲3四歩△同金▲5二竜△1九角成▲4三銀(投了図)
まで、49手でKaz氏の勝ち。

Ok氏が入店して、私たちの横に座っている。
▲6三角には△3六歩として退路を塞ぎたいが、▲2七銀で無効。そこで△5二金と角に当てたが、Kaz氏は「こういう席だから…」と▲8三角成とやった。
大野教室のリーグ戦なら▲2七角成だが…の意だろうが、これが決め手級の一着だった。繰り返すがKaz氏、会心の一手だろう。私は1秒も考えておらず、ここで負けを覚悟した。
▲5二竜に受けもないので△1九角成。Kaz氏は「急転直下…」とつぶやいて▲4三銀と打った。これで私は投了。

感想戦。
「▲6三角に△3六歩がイヤでした」
「それは▲2七銀があるでしょ」
「そこで△6二金で…」
「あっ!!」
これで角が死んでいる。以下の検討では、▲3六銀△6三金▲3五銀△5四金▲3四銀打△4五歩▲同銀△5五金(参考図)で後手十分。

最近実戦から遠ざかっているとはいえ、▲2七銀に△6二金ぐらいは読まないといけない。おのれの弱さが情けなかった。
(つづく)
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11月の検索キーワード

2016-11-26 22:03:15 | プライベート
goo恒例の「無料アクセス解析」が、21日から始まった。
これは2か月に一度行われ、ふだんは有料のアクセス解析(閲覧の時間帯、訪問者の時間帯、検索キーワード、ページごとの閲覧数、閲覧元URL、ブラウザリスト)が10日間、無料で見られるというものである。例えば初日だと、その前の10日分のデータも見られるので、実質20日近くのデータが見られることになる。
今回は「検索キーワード」の11月13日分と19日分を転載してみよう。

・11月13日
1 橋本梨菜 抜いた 5PV
2 将棋一公 3PV
3 竜王戦 三浦九段 2PV
4 櫛田 フリークラス 真相 2PV
5 一公のブログ 2PV
6 一公 2PV
7 高橋和 1PV、以下同じ
8 羽生に対戦勝ち越し
9 竹部さゆり 毒舌
10 渡部愛女流初段
11 渡部愛 モデル
12 森内俊之 18世名人 将棋
13 普及指導員 将棋
14 岡本真夜 似てる 女優
15 山本梓似の姉
16 将棋 連勝
17 将棋 タイトル戦 遅い
18 室谷由紀ビキニ姿
19 女流棋士 高橋和
20 加藤一二三 引退
21 佐世保商業 バトン
22 伊藤沙恵 ブログ
23 丸山忠久九段 twitter
24 一公将棋
25 ミスdj イベント
26 アンデルセンマスターから結婚予言
27 アンデルセン 長崎県

・11月19日
1 高橋和 4PV
2 一公ブログ 4PV
3 将棋一公 2PV
4 中野博文将棋 2PV
5 高橋やまと 1PV、以下同じ
6 羽生善治 に勝ち越し騎士
7 羽生が負け越している棋士
8 羽生 タイトル100期
9 熊倉紫野 ブログ
10 島鉄フリーパス 着駅 購入
11 将棋ー一公
12 将棋トーナメントのアシスタント女流棋士
13 宮坂久美子 ミスdj
14 女流棋士 やまと
15 大沢一公
16 伊藤明日香
17 丸山忠久
18 一公将棋
19 一公
20 ミスDJ
21 シマテツ1000円
22 カロリーナステチャンスカ

記憶が定かでないが、11月13日の「18」は、私が検索したような気もする(違うと思うのだが…)。
この時、私のブログ記事が候補に挙がったとして、それだけでカウントされるのだろうか。それとも該当記事をクリックした時はじめて、カウントされるのだろうか。
この辺がちょっと、分からない。
コメント (2)
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