一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第82期名人戦第4局1日目

2024-05-19 00:36:04 | 男性棋戦
藤井聡太名人に豊島将之九段が挑戦する、第82期名人戦第4局である(主催:毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟)。
ここまで藤井名人の3連勝。豊島九段はあとがないが、最近の豊島九段は、王位リーグ1勝4敗に代表されるように不調で、今年度は0勝6敗。本局もまったく、勝てる雰囲気がない。よって本局、藤井名人の防衛劇を淡々と見せつけられそうな気がした。
余談だが、もし藤井名人が何かのタイトル戦で0勝3敗になったとして、それでも私は藤井名人の防衛に乗る。藤井名人の強さは、そのくらいのものである。
対局場は大分県別府市。言わずとしれた日豊本線の主要駅である。同線は特急がバンバン走り使い勝手がよいが、実は1日に数本しかない普通列車に乗るのが、風情があってよい。藤井名人ならこのよさを分かってくれると思う。
豊島九段の先手で対局開始。角道を開け、藤井名人が飛車先の歩を突いたところで、豊島九段が端の歩を突いた。不急の手を指すことで、あえて後手番になる。私も用いたことがあるが、それが名人戦で現れるとは思わなかった。
ここで藤井名人は端の手を突く手もあったが、角道を開ける。やはり名人は、こうでなければならぬ。
そして豊島九段の作戦は、「横歩取らせ」だった。先日の王位リーグ・石井健太郎七段戦でも後手番でこの作戦だった。結果は敗れたが、豊島九段なりに何か手ごたえを掴んだかもしれない。
豊島九段、一手角を上がったのに、自ら角を換わった。3手目の端歩はともかく、これは完全な2手損で、その真意が分からぬ。ただ、こうした急戦調の将棋は、駒を動かさないほうがスキがない意味がある。
豊島九段、敵陣に角を打つ。藤井名人は角を合わせる。豊島九段がこの角を取ってしまうと、千日手の可能性すらある。
よって豊島九段は金のほうを取り、その金で敵飛を詰ました。藤井名人は飛車を切るしかないが、豊島九段は大駒を取り返した。
ここで藤井名人が飛車打ちの傷を消すべく8筋に歩を謝ったが、これは相当な葛藤があったのではなかろうか。
ここで駒割りを見ると、飛金と角銀の交換で、豊島九段がよい。藤井名人は馬を作っているが、前述の通り、8筋に歩を打っているのが痛い。総合して、ABEMA AIは、豊島九段微差でよし、の判断だった。私も、先手を持って指したいところである。私としては、序盤から藤井名人がリードを広げるもんだと思っていたから、この展開は意外だった。ま、これが将棋の面白さである。
39手目を豊島九段が封じた。私にはまったく指し手の予想がつかないが、ここまで豊島九段が健闘しているのは何より。2日目が楽しみだ。
コメント (2)
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