一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

青野九段、800勝なるか(5)

2024-02-22 09:22:13 | 目を考える
20日に全国的な報道があったのだが、青野照市九段が20日のテレビ棋戦(第74回NHK杯予選)で勝利し、公式戦通算800勝を達成した。瞬発力が要求される早指し棋戦で勝利したのは見事である。
今回の達成は異例づくめだった。まず、71歳での達成はもちろん最年長。棋士生活49年10ヶ月も最長だ。引退が決まってからの達成も初。通算で負け越しも初の椿事だった。
これずべて、青野九段が成績が悪いときでも粘り強く指し、順位戦で踏ん張ったからにほかならない。
青野九段で将棋栄誉敢闘賞は26人目。ではここで、過去の達成者を記しておこう。

大山康晴十五世名人
加藤一二三九段
中原誠十六世名人
二上達也九段
有吉道夫九段
内藤國雄九段
米長邦雄永世棋聖
谷川浩司十七世名人
桐山清澄九段
大内延介九段
羽生善治九段
森雞二九段
佐藤康光九段
森下卓九段
森内俊之九段
丸山忠久九段
高橋道雄九段
郷田真隆九段
深浦康市九段
南芳一九段
島朗九段
阿部隆九段
屋敷伸之九段
中村修九段
久保利明九段
青野照市九段

錚々たるメンバーだが、石田和雄九段、勝浦修九段、田中寅彦九段あたりの名前がない。それだけ、800勝達成は大変だということだ。
青野先生、おめでとうございます。
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青野九段、800勝なるか(4)

2024-02-13 23:30:30 | 目を考える
公式戦通算800勝を目指す青野照市九段は、8日に第82期C級2組順位戦10回戦で横山友紀四段と戦い、敗れた。これでマジック1から2連敗となった。
これで残るチャンスは4局。竜王戦とNHK杯の相手が分からないが、なかなか微妙なことになってきた。

第74期王将戦一次予選1回戦 渡辺和史六段
第82期C級2組順位戦11回戦 安用寺孝功七段
第37期竜王戦6組昇級者決定戦
第74回NHK杯予選

次の対局はNHK杯だろうか。
テレビ棋戦の結果は通常、のちに知らされるのだが、区切りの勝利はその限りではないので、もし勝った場合は、すぐ私たちに知らされる。
もし何もないようだと、負けている。やはり、順位戦の安用寺七段戦が大一番になるのだろうか。
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青野九段、800勝なるか(3)

2024-01-27 00:03:31 | 目を考える
公式戦800勝を目指す青野照市九段は、25日に第50期棋王戦予選で塚田泰明九段と対戦したが、敗れた。そう簡単に、偉業は達成できないのである。
ところで塚田九段といえば、先日の将棋フォーカスでも特集されていたが、私たちの世代では、大いなる天才のひとりである。
中学2年でアマ名人戦準優勝。奨励会は2年4ヶ月で抜けるスピード四段。高校時代には専門誌に楽しそうな学園生活が掲載され、当時「男クラ」で底辺をさまよっていた私は、塚田四段がまぶしく見えたものである。
デビュー6年目には公式戦22連勝を記録。22歳で王座を獲得した。翌年、A級八段。「花の55年組」の出世頭で、永久に塚田王座の時代が続くと思ったものである。
ところが塚田九段の栄華も適当なところで終わった。順位戦A級7期、竜王戦1組9期は誇れる成績だが、実は青野九段はA級11期、1組6期で、合計すると塚田九段より1期多い。
しかも塚田九段は現在フリークラスで、2030年、65歳での引退が決まっている。なんと、青野九段よりリタイヤの年齢が低いのである。
青野九段は「細く、長く、頑張った」と述べたが、長く頑張ることこそ難しい、と教えてくれる。
さて、青野九段の残るチャンスは5回。

第74期王将戦一次予選1回戦 渡辺和史六段
第82期C級2組順位戦10回戦 横山友紀四段
第82期C級2組順位戦11回戦 安用寺孝功七段
第37期竜王戦6組昇級者決定戦
第74回NHK杯予選

渡辺六段と横山四段は若手で、簡単には勝たせてくれないだろう。よって、順位戦C級2組で現在0勝8敗の安用寺七段が狙い目だが、どうなるか。
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青野九段、800勝なるか(2)

2024-01-23 22:54:16 | 目を考える
第82期順位戦C級2組で不本意な成績を取り、引退が確定してしまった青野照市九段。ここまで798勝で、将棋栄誉敢闘賞まであと2勝と迫っている。
そして19日には第74期王将戦一次予選ぶら下がり1回戦で富岡英作八段と対局し、勝ち。通算799勝となった。
ここまでくれば800勝はもう確定だろう。一応、残りの対局を記しておく。

第50期棋王戦予選1回戦 塚田泰明九段(25日)
第74期王将戦一次予選1回戦 渡辺和史六段
第82期C級2組順位戦10回戦 横山友紀四段
第82期C級2組順位戦11回戦 安用寺孝功七段
第37期竜王戦6組昇級者決定戦
第74回NHK杯予選

王将戦の次回、渡辺六段戦は1勝1敗。ただ、ここ数年の渡辺六段は充実しているので、勝つのは容易でない。というか、これでもう、対戦成績で勝ち越している相手はいなくなってしまった。
私は、800勝は達成したも同然、と安心したが、意外と大変かもしれない。
ちなみに青野九段は893敗。よって、最大敗数は899となる。
また、800勝の達成者は過去25名いるが、今回青野九段が達成すると、初の負け越し者となる。それはそれで偉大なる記録と思うのだが。
次は25日の塚田九段戦である。
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青野九段、800勝なるか(1)

2024-01-13 21:19:07 | 目を考える
きのうの記事に関連するが、青野照市九段は現在798勝で、「将棋栄誉敢闘賞」まで、あと2勝に迫っている。では、残る6局を調べてみよう。

第74期王将戦一次予選 富岡英作八段(19日対局)
第50期棋王戦予選1回戦 塚田泰明九段
第82期C級2組順位戦10回戦 横山友紀四段
第82期C級2組順位戦11回戦 安用寺孝功七段
第37期竜王戦6組昇級者決定戦
第74回NHK杯予選

富岡八段と塚田九段はフリークラス、横山四段と安用寺七段はC級2組所属である。階級的には同程度だが、それぞれの対戦成績はどうだろう。

富岡八段…2勝0敗(○○)
塚田九段…1勝3敗(●●●○)
横山四段…初顔合わせ
安用寺七段…2勝3敗(●○●●○)

富岡八段とは2勝0敗なので、青野九段が死力を尽くせば、勝てると思う。勝てば、次は渡辺和史六段と戦う。
塚田九段には2つ負け越しているが、直近の1局は持ち時間4時間の王位戦予選で、青野九段が勝っている。ここで勝つと、次は中村亮介六段と戦う。
横山四段とは初対戦だが、横山四段は現在、順位戦が3勝5敗である。18日の9回戦では佐々木大地七段と当たるが、そこで敗れると3勝6敗となり、青野九段との将棋が鬼勝負となってしまう。
そうなると、青野九段もそこまで本気を出せないのではないか。
安用寺七段とは2勝3敗。安用寺七段は人柄がいいので、青野九段相手にそこまで本気は出さない気がする。
こうしてみると、スンナリと2勝を挙げられそうな気もするのだが、ここで、青野九段の過去5年の成績を見てみよう。

2019年度…6勝19敗
2020年度…8勝18敗
2021年度…9勝22敗
2022年度…4勝20敗
2023年度…4勝17敗

前年度は4勝で終わっているので、今年度も4勝止まりの可能性はある。区切りにあと1歩で涙を呑んだ棋士は、桐山清澄九段(996勝)、真部一男九段(598勝)など。青野九段には800勝を達成してもらいたいが、いずれにしても今後の対局を見守るしかない。
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