一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3年振りの、冬の北海道旅行・6

2023-12-10 00:11:42 | 旅行記・北海道編
運転手さんはすべてを聞いていて、「終点の深川まで行ったら、営業所まで乗って行ってください」と言った。ありがたいことである。
ルオントからの乗客も私ひとり。まあ、平日に深名線に乗る旅人は相当珍しい。
定刻の5分より早い14時53分、バスは幌加内バスターミナルに到着した。ここで15分の時間調整があり、その間に旅行貯金をする。幌加内には幌加内郵便局があるのだ。ここも何回か貯金したことがあるが、やむを得ない。私が運転手さんに断ると、「ちょっとくらい遅れても待ちますから」と、ありがたいお言葉だった。
郵便局は、ここから徒歩3分くらいのところにあった。「幌加内郵便局」213円。これでひとつの課題がクリアされた。
交流プラザ(バスターミナル)内の蕎麦屋「雪月花」は、もう本日の営業を終了していた。私は2階に上がり、深名線資料館に入る(無料)。ここは冬期間、平日ではなく土日祝が休館日になる、不思議なシステムである。でもそれゆえ、きょうは見学できるのだ。
ここにはもう何度も入っているが、いつも複雑な気分になる。私は鉄道の深名線に乗ったのは1回だけで、代替バスのほうに十数回も乗っているからだ。鉄道よりバスのほうが好きなのか、と言われても仕方ない。
幌加内15時13分発。さてここからが問題である。このバスは深川に16時30分に着く。深川から旭川まではふんだんに特急が走っているが、こんな短距離で特急料金は払いたくない。幸い16時46分に普通列車があるので、その列車に乗りたい。しかし終点深川から営業所までは、どのくらい時間がかかるのか、また、すぐにスマホを返してもらえるのかも問題だった。
雪景色を愉しみながら、バスは16時28分に深川に着いた。最後まで、乗客は私ひとりだった。
「このまま乗っていてください」と運転手さんが改めて言い、私はお言葉に甘える。営業所があまり遠いところにあると面倒だが、バスはいま来た道を戻り、JRの路線を越えると右折した。ふだんは通らないルートに乗車できたから、不思議な体験だ。バスは、わりと駅舎に近いところに止まった。
すると営業所から年配の職員氏が現れ、スマホを差し出してくれた。私はありがたくいただく。書類上の手続きもなかった。
「あのピンクの屋根のところ、あそこにエレベーターがあります。自由通路を通って駅側に出られますから。電車には間に合うでしょう」
至れり尽くせりである。私は日本人だが、日本人の親切が身に沁みた。
深川駅には余裕で着いた。改札口の横にはかつてキオスクがあったが、数年前に撤退し、いまはガランとしている。深川も深名線が廃止され、いくつかレールが剥がされた。深川駅が徐々に衰退しているのが分かる。
旭川行きの普通列車は、3両編成だった。快速エアポートに使用される733系で、ちょっと得した気分になる。旭川には、定刻を6分遅れの17時15分に着いた。
改札を抜けたコンビニキオスクで、道内時刻表を買う。あらかた旅の行程が終わったので必要はないが、旅の記念である。自分自身へのお土産、といえようか。
さて、このあとどうするか。旭川空港からの上りは19時40分である。駅前からの空港連絡バスは、18時06分発・空港着18時45分のに乗ればよい。
買物公園の氷像をゆっくり鑑賞するもよし、シャレた喫茶店で時間を潰すもよし。でも私は、家族亭のそばを食べたかった。早足で店に入り、もりをたぐるくらいならクリアできるのではないか。私はちょっと、勝負に出てみた。
ライトアップされた氷像を横目に、ズンズン歩く。
家族亭には、17時34分に着いた。ここまで約15分かかった。家族亭はもちろん開いていて、私は大もりを頼んだ。ただの「もり」でいいのに、この期に及んでも私は意地汚い。
大もりは17時41分に出された。薬味に天かすが添えられているのが旭川流で、むかし買物公園の近くにあった蕎麦屋も、天かすを付けてくれていた。



私はさっそくかっ食らう。紅花会館のそばほどの香りはないが手打ちの味があり、そばもゆでたてでこしがあって美味い。
4~5分で平らげ、会計である。520円は激安である。
「ここのそばが食べたくて来ました。これから東京に帰ります」
私はなじみの店に行っても無口だが、たまにこんなことを言うのだ。
ここから全力の早歩きで、バスの時間には間に合った。私は勝負に勝ったのだ。
が、肝心のバスが来ない。結果、7分遅れの18時13分に到着した。
それはいいのだが、出発したバスは渋滞に巻き込まれ、なかなか進まない。飛行機に間に合わない、ということはないが、焦ることは焦る。結果、バスは18分遅れの19時03分に到着した。ここから手続きをしなければならないから、けっこうギリギリだった。
と思いきや、運航掲示板にお知らせがあり、積雪の影響で、出発が20時15分になっていた。
スマホのメールにも同様のお知らせが来ていた。これが分かっていれば、この後の最終バスに乗っても大丈夫だったのだが、まあ、早く着いたに越したことはない。
Air Do 88便に搭乗する。ANAを選択しなかったのは大失敗だが、仕方ない。今回はさっぽろも旭川もなよろもスカで、せいわ温泉にも入れなかった。そばだけ食べに行ったようなものだが、リフレッシュできただけでも佳しとしようか。
(おわり)
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3年振りの、冬の北海道旅行・5

2023-12-09 00:18:27 | 旅行記・北海道編
深名線バスは、始発の名寄駅前から2つめの停留所に、市立病院前がある。少しでも名寄から離れたほうが、バス代の節約になる。そしてその病院が、セイコーマートから引き返した左手にある気がするのだが、もし深名線がその道を通らなかったからアウトだ。
私は西3条南6丁目のバス停まで戻ったが、時刻はまだ8時30分にもなっていない。深名線の深川行きは08時53分である。あまりにも寒いので、よろーなに戻った。
暖房が利いた待合室で、おにぎりを頬張る。これはこれで贅沢な朝食である。
深名線代替バスが来た。しかし車体は前回と同じくステンレス製で、JR仕様ではない。これでは旅の楽しみが半減だが、しょうがない。
乗車したが、客は私だけだった。私はバス回数券を2冊買う、これで、2,000円で2,200円分乗れるのである。
深名線バスの楽しみは、雪山の景色と、その過疎っぷりである。ヒトがいないということは、ある意味贅沢な旅ということだ。むかしの札沼線もそうだったが、バスを貸し切ったと思えば気分がいい。
途中でおっちゃんがひとり乗ったが、すぐ降りてしまった。バスは山奥をコトコト走る。この沿線を列車で味わえたら最高だったが、この過疎っぷりでは廃止もやむを得ない。
深名線の主要駅があった朱鞠内を通過した。この後私は政和で降り、政和簡易郵便局で貯金をするつもりである。そこは以前も貯金をしたことがあり、原則的には同じ郵便局で貯金はしないのだが、何事にも例外はある。
私はリュックからスマホを取り出し、繰ってみる。
10時29分、政和で降りた。旅行と思しき若い女性2人と入れ替わる形になったが、彼女たちはここらで何をしていたのだろう。
バスを見送り、もしいまのバスにスマホを置き忘れたら、大変なことになるだろうなと思った。
私は、バス停に隣接している建物の裏側に回る。そこに郵便局があるのだ。ところがそこに、貼り紙があった。「政和簡易郵便局休業のお知らせ」とあり、それが2月13日(月)から3月10日(金)までとなっていた。



郵便局が休業するとは初耳で、私はあんぐりである。しかもそれがきょうからとは、何とツイてない。今朝のすき家もそうだったが、またきょうも予定通り行っていない。
……あれ? あれ!? スマホがない!! あっ!? さっきバスの中に置いてきちゃった?? そうか、スマホをリュックから取り出して見たとき、そのまま座席に置いてしまったのだ!
さっきのバスは終点深川まで行く。電話をすれば、どこかで受け取れるのだろうか?
いずれにしても、ここにいてもしょうがない。せいわ温泉ルオントまでは徒歩圏内である。ゆっくり歩いて、30分くらいでルオントに着いた。だが、自動ドアのところに、またも貼り紙があった。
な、なにイ!? なんと、せいわ温泉ルオントも、改修工事で休みだった。
ルオントは3年前に来たときも、改修工事で休みだった。ここは年中工事をしているのか!? 工事好きなのか?!
まったく、今回の旅行はすべてにおいてうまくいかず、自己嫌悪に陥るばかりだ。
ただ、ルオントは「そばの里」などの店舗は営業していたので、そのまま入る。とりあえずはJR北海道バス深川営業所に電話をしなければならないが、肝心の公衆電話がない。
私はスタッフさんに工事の文句を言い、公衆電話のありかを聞く。するとそれはやはりなく、レジ横の電話を貸してくれた。電話だって利用すればおカネはかかるから、そこを無償で使わせてくれたことには、感謝の2文字である。
深川営業所には繋がり、私は事情を説明したが、そこまでである。
ところがしばらくすると、折り返しの電話がきた。今走行中のバスに私のスマホが確認できたそうで、それを私が深川の営業所まで取りに行くことになった。日本人の親切が身に染みるが、私は今日中に旭川空港から帰京しなければならない。果たして間に合うのだろうか。
このあとのバスは14時36分で、あり余るほど時間がある。とりあえず、そばの里でブランチである。
ここへ来れば「おろしそば」が定番で、それを頼む。出てきたそれは、以前より見た目が豪華になった気がした。
幌加内のそばは味が濃く、本当のそば好きには堪らないと思う。今回も美味しくいただいた。
このままルオントを後にしてもいいのだが、電話の件でお世話になったので、そば粉が入っているカップアイス「いつもそばに」(300円)も購入した。
バスの待合室で「そばにいるよ」を食べる。ここでバス待ちをするのが至福の時間なのだが、今回はあらゆる意味で落ち着かない。帰京する前にスマホを取り返すという、大仕事ができてしまったからだ。
「いつもそばに」は、さっぱりした味で、美味かった。
ここから幌加内方面の郵便局に徒歩で行くには、距離がありすぎる。とりあえず南下し、深名線第3雨竜川橋梁を訪ねた。橋梁は今年も健在だった。このあたりも積雪は少なく、例年より橋梁がよく見える。





待合室に戻ると、本当にもう、やることがなかった。私はボーッとするのみだが、ここで今後の人生を考えるとか、有意義なことをするか否かが、デキル人とできない人の差なのだろう。私は明確に後者、できない人だった。
しかしなんだなあ。結果論をあえて書くが、せいわ温泉が改修中なのが分かっていたら、それこそ留萌本線に乗るとか、旧十津川駅跡を訪ねるとか、いくらでも代替案はあった。それを怠った私が悪いのだが、何においても、下調べは大事だということだ。
定刻を1分遅れ、幌加内(深川)行きのバスが来た。乗る間際に私は「1本前のバスにスマホを忘れてしまった者ですけど」と言った。
(つづく)
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3年振りの、冬の北海道旅行・4

2023-12-08 00:09:40 | 旅行記・北海道編
どうせ明日は、深名線バスに乗るつもりだ。もう、このまま名寄まで行ってしまおう。
私は1890円の切符を買い、快速なよろ号に乗り込んだ。あぁこの区間も、以前は1,600円だった。地方交通線は、幹線より値上げ幅が大きいような気がする。
そして、東横インはまたもおあずけとなった。またの機会である。
快速なよろ号は多くの客が乗っていた。宗谷本線だって大赤字だから、乗客が多いのはいいことだ。
私はそのまま立って行く。その間、名寄のビジネスホテルを調べたが、宿泊料に制限を掛けたからか、該当がなかった。ちょっとヤバい感じである。
そこで宿泊料に糸目をつけずに繰ると、名寄バード・インがヒットした。1泊6,930円は私の辞書にはないが、凍え死ぬわけにはいかない。こちらで予約をお願いした。
16時17分、名寄に着いた。名寄駅舎は日本の名駅舎ベスト100に選んでもよいと思う。今年も威風堂々とそびえていた。
さて、現在南広場で「なよろ雪質日本一フェスティバル」が開かれているはずだが、観賞はライトアップされた日没後でよい。
まだ時間があるので、駅前の交流プラザ「よろーな」に寄る。よろーなは2013年4月の開設。いままではバスの待合室がなく(名寄本線や深名線があったときは駅の待合室を使っていたから、なかったのも当然だ)、この施設は重宝する。
名寄といえば南広場近くで、うまいそばを食わせてくれる店があったのだが、その次からその店は見つからなかった。私にとって、幻の店である。
係の人に蕎麦屋を聞いたら、ランチマップなるリーフレットをくれた。係の人のオススメは、駅から徒歩13分、「紅花会館」だった。ちょっと妙な屋号だが、期待はさせる。夜の部は17時開店でまだ時間があるが、ゆるゆると歩いていく。
途中、以前1回だけ入った寿司屋が、別の店に変わっていた。2度目に入ろうとしたとき、「シャリがなくなったから」という理由で断られた。寿司屋でシャリがなくなったとは思えず、私はテイよく断られたと理解した。
この店が閉店したのもむべなるかな、である。
紅花会館に着いたが、店は当然ながら準備中である。私は時間をつぶすため、あたりをうろうろ歩く。いったい自分は何をやっているのだろう。
17時きっかりになり、開店した。もちろん私が一番乗りである。私のオーダーは決まっていて、もりそば一択である。600円はちと高いが、期待できるともいえる。これを大盛り(180円)で注文した。
そばは更科で、つやつやしていた。もうこの時点で、美味なのが分かる。一口すすると、香りが高く、美味かった。喉ごしもよく、スルスルと喉を通ってゆく。ここまでの観光は大したことがなかったが、ここで少なからず挽回した感じだ。
何年か前、札幌市の中島公園近くの「福住」で食べた大もり(800円)も美味かったが、紅花会館も相当に美味い。この店に来られただけで、名寄に来た甲斐があった。
あたりはすっかり暗くなり。南広場に向かう。着くと、あたりは閑散としていた、人がほとんどおらず、マルシェの類もない。もう、店じまいしてしまったのだろうか。それより何より、私が最も楽しみにしていた国際雪像彫刻大会の雪像が、たった3基しかなかった。ここの規模縮小もすさまじい。コロナ禍につき、外国からの招待選手が来なかったのだろう。







あたりにはイルミネーションが輝いているが、オッサンひとりの旅では空しいだけだ。
ステージもあるが、とても上に上がる気がしない。



もうやることもないので、名寄バード・インに向かう。スマホの地図に従い、見つけることができた。
名寄バード・インは新築っぽかった。部屋は1階を案内され、広く、ツインベッドだった。旅行をしていると、稀にツインベッドの部屋をあてがわれることがある。それは得をした気分になるが、隣りに連れ合いがいるわけでなく、ツインベッドも2つ使うわけではないから、虚しい。ひとり旅はいい、なんてひとり者の強がりにすぎない。
それにしても腹が減った。だけどよく考えたら、きょうはしっかり3食を摂っているのだ。ただし、朝から食事以外のときは立ち放しだ。旅はけっこう、カロリーを消費する。
ドライブルーベリーを携行していたので、それを夜食代わりにする。
そうして室内にいると、バスは広いし、かなり寛げていることが分かった。やはり広い部屋はいい。これなら6,930円の価値はあると思った。

さて、3日目の13日(月)である。もう冬まつりの類は終わり、きょうは純粋な観光となる。だけど私の行程はいつも決まっていて、今年も旧深名線をバスで回る。ルオント温泉に入り、旭川空港から帰るということだ。
ホテルをチェックアウトし、まずは朝食である。名寄にはすき家がある。広い通りに出て歩いていくが、すき家が見えない。セイコーマートで聞くと、その先にある、とのことだった。
ようやくすき家を見つけたが、どうも様子がおかしい。なんと、開店は9時からだった。以前はこの時間も開いていたはずだが、これも経費節減だろうか。
しかし9時、は外出先の朝食としては遅い気がする。もう1時間早く開店して、朝食客を取り入れようとは思わないのだろうか。
仕方ないから、セイコーマートで鮭ほぐしおにぎりを2個買う。〆て216円は安かった。さすが北海道コンビニの雄、セコマである。
(つづく)
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3年振りの、冬の北海道旅行・3

2023-12-07 00:37:36 | 旅行記・北海道編
さて、2日目・12日(日)である。きょうはとりあえず旭川へ向かう。例年は札沼線(学園都市線)に乗り新十津川駅まで行くのだが、札沼線は北海道医療大学以北が2020年4月17日をもって廃止されてしまった。残念無念である。新十津川の廃駅跡も確認したいが、いまは生々しくて行く気になれなかった。
さて旭川を往復するならSきっぷを購入すればいい。が、片道なので、JRの普通列車か高速バスを利用することになる。しかし普通列車は朝6時台なので、いまの私には肉体的に不可。本数の多い高速バスを利用することにした。
ネットカフェをチェックアウトし、地下街に向かう。吉野家に入って並を注文した。福岡に行ったときもそうだが、旅先の朝は牛丼である。
08時40分発の高速あさひかわ号に乗る。乗車率はいいが、窓際に座れた。
高速バスはJRの夢空間より劣るが、乗ったら確実に座れ、目的地まで乗り換えなしで行ける。ホッと安心できるのである。
しかししばらく経つとやることもないので、スマホを繰り、旭川のネットカフェ・コミックバスターコンパ3.7店の状況を見てみる。
すると様子がおかしい。なんと、このコロナ禍で閉店してしまったようだった。
札幌のネットカフェが楽しかったので旭川でも、と目論んだが、アテが外れた。コンパ3.7も毎年利用していただけに、残念極まりない。
もっとも日曜日なので、宿泊場所には事欠かない。旭川の東横インにはまだ泊まったことがない。というか、東横イン自体がここ数年ご無沙汰なので、そこを利用しようと思う。
タイム2時間25分で、あさひかわ号は旭川駅前に到着した。
ここから河畔会場までシャトルバスが出ているが、タッチの差で出られてしまった。仕方がないので、買物公園通りの氷像を鑑賞しながら、河畔会場に向かう。
ここ旭川も雪の量は少なく、歩きやすかった。旭川の氷像は札幌と違い立体的なので、力作が目立つ。しかしここも、ライトアップされた夜がいい。
河畔会場の常磐公園側に到着したが、なんとなく閑散としている。全盛期はここでもイベントをやっていたのだが、だんだん縮小し、今年はなし。3年振りに集客開催にこぎつけたことで、佳しとしなければならない。
河畔会場に入ると、あるべきものがなかった。タブロイド判のプログラム表が、用意されていなかった。経費削減、ここに極まれり。しかし、削減していいものと悪いものがあると思う。
もっともプログラムは、そこここに掲示してあった。このプログラムもさびしく、日曜日は旬の芸能人が出場するのが目玉だったが、今年はなし。急遽集客イベントに方針転換したからか、ゲストの調達が間に合わなかったのだろうか。ちなみに地元出身の柳ジュンは、前日に登場していた。
ゴングショーの何組目だかに、8人組のチアリーダーが登場した。地元旭川南高校のそれである。これは絶好のビデオ撮影タイムだが、私はそれを持ってこなかった。ああああ、ここか!! ここでビデオカメラを使うことになるのか! やっぱり携行すべきだった!!
しかし冷静に考えると、ふらっと来たオッサンが、女子高生チアを夢中で録り始めたら、周りが引いてしまうだろう。
それに昨今では、録画はもちろん、写真撮影も禁止するイベントがある。被写体が芸能人だと、100%ダメだ。
このゴングショーもダメとは思わぬが、いらぬトラブルを避けるため、むしろビデオ撮影をしなくてよかったと思った。
よってカメラ撮影になるが、これも「せっかくだから撮影しときます」というテイで遠慮がちに撮る。なんだか神経を遣ってしまった(スマホやデジカメで録画できるではないか、と言ってはミもフタもない)。













正面の大雪像は、旭川市のイメージキャラクター、あさっぴーとゆっきりんが彫られている。しかしいかにも大味で、作りこみが薄い。桜木稔画伯が存命のころは緻密なデザインが多かったが、氏の死後は、単純なデザインになってしまった。
マルシェに向かう。しかしここも出店が少なく、若干萎える。ラーメン屋は出店していたが、みそラーメンが800円になっていた。悪いが、立ち食いそばの類でこのカネは出せない。
いくつかあるブースの中には、初音ミクの赤い羽根共同募金もあった。ここには10種類のクリアファイルが置いてあり、10種全部を購入した。これで2,000円は安いというべきだろう。
13時からは「ASAHIKAWA WINTER FES 2023(歌謡祭)」だ。こちらは多少名の知れた歌手が登場するが、16時までやるから、到底全部は聴けない。



私は常磐公園内の旭川美術館に寄るのを忘れ、常盤橋側に出る。この沿道の古本屋に寄るのもルーティーンだが、店は閉まっていた。
そのまま買物公園に戻る。2019年に閉店した「三代目京ラーメン」は、ハコが取り壊される予定だったが、まだ残っていた。この買物公園だけを取っても、なじみの店が何店か閉店している。ウチの仕事もそうだったが、代替わりは難しい。
「家族亭」でそばを食したいが、まだ準備中だった。よって、「敦煌」で昼食とする。ランチBは、マーボードーフ、ザンギ、春巻、サラダがある豪華版。950円はまずまずの値段である。
むかし、ここで晩飯を摂っていたとき、ある女流棋士からメールが来たことを思い出した。あのころは、まだ私の人生もマシだった。
美味しく昼食をいただき、これからどうするか。19時からは河畔会場で「雪とあかりのナイトショー~Final~」があるが、それまで時間を潰していられない。
とりあえず旭川駅に戻る。北海道のJRは壊滅状態でまったく期待できぬが、ここ旭川は、まだ各地に路線が伸びている。
函館本線の深川駅に戻り、留萌本線で留萌まで行ってみようか。ただ、留萌まで行ったら、増毛まで足を伸ばしたい。留萌―増毛間は、2016年12月5日に廃止されてしまったが、増毛駅がまだ残っている。それに、現存している留萌本線だって、いつまで残っているか分からない(註:2023年4月1日、石狩沼田―留萌間が廃止された。残る深川―石狩沼田間も、2026年4月1日に廃止予定)。
だが、留萌・増毛までの乗車料金も時間も、けっこうかかる。そしたら旭川へ19時までに戻ってこられるのか。
駅の掲示板を見ると、15時04分発の快速なよろ号があった。時刻は15時ちょうどである。どうしようか。
(つづく)
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3年振りの、冬の北海道旅行・2

2023-12-06 00:11:38 | 旅行記・北海道編
小樽運河の温度塔は1.6℃を示している。道理で「暖かい」わけだ。
実はきょうが「第25回小樽雪あかりの路」初日で、これから開会式が始まるのだった。こんなことを毎回やっているとは知らなかった。
お偉方が集まり、ものものしい雰囲気である。その道のプロの女性の進行で、開会式が始まった。しかしいつまでもごちゃごちゃやっていて、全然「撮影スポット」が空かない。いまが黄昏時で、これから絶好の撮影タイムになるのに、まったくイライラする。
しょうがないから、脇の歩道を通り、西側に進むことにする。ここの地面も当然、雪が薄い。
左の壁際には、市民手作りのアイスキャンドルがある。ただ初日なので、まだ制作中のところもある。
辺りはすっかり暗くなり、私は撮影スポットで何枚か写真を撮る。だけど例年に比べると、漆黒の闇だ。要するに周りの灯りが乏しいのだ。あいや、それとも私がカメラのフラッシュを焚いていなかったからだろうか。



もうやることがないので、小樽駅方面に向かう。その途中に旧手宮線会場があり、こここそ、地元民の工夫を凝らしたアイスキャンドルが鑑賞できる。
ところが、そこはまだ開場していなかった。奥まで真っ暗である。ここで有志による焼き餅やじゃがいもをいただくのも楽しみだったのだが、やってなければしょうがない。どうも今年は、すべてに悪い目が出ている。



まあよい、時間が空いてもやることはいっぱいある。私は18時00分発の快速エアポート186号に乗った。
タイム34分で札幌に着き、再び大通会場へ出向いた。雪像鑑賞は、昼は明るすぎるので実は適さない。ライトアップされた夜がいいのである。
西2丁目には、ライトアップされた初音ミクが浮かび上がり、ミクファンが集っている。前回までは会場の西、10丁目前後でひっそりとやっていたから、大躍進だ。



そして初音ミクといえば専用グッズが有名だが、私はちょっと外れて、赤十字制作の初音ミククリアファイルを購入している。オリジナルモノは数百円するが、赤十字版は1枚200円だ。ただ「募金扱い」なのでお釣りはもらえず、ちょうどの金額を払わなければならない。今年は6種類残っていたので、全種類を買った。
市民の広場は、サッカーの長友祐都像もライトアップされている。昨年「ブラボー」の流行語で有名になっての起用だが、この雪像は似ているのだろうか。







「すすきの氷の祭典」にも行く。ここの氷像も毎回おなじみで、鮭、昇り竜、、暴れ馬、ワシあたりが定番である。そして女性像も多いのだが、今年はほとんどなかった。
あとは大通公園に戻りオフィシャルグッズを買うのみである。現地に着いたが、缶バッジは300円に値上げされており、買う気が起こらなかった。公式絵ハガキは500円から550円に値上げされたうえ、内容量も16枚から8枚に半減した。雪像が少なかったこともあるが、これはあんまりである。
もっとも絵ハガキは、若いころなら旅先で知り合った女性に送ったものだが、いまはハガキを使うわけでもなく、実行委員会への寄付の意味合いがあるから、まあよい。1冊購入した。
各丁目ではプロジェクションマッピングが花ざかりだ。これは事前にプログラミングすれば手間が掛からないわけで、総合的に見て経費の節約になる。いつも壇上に誰かがいたひと昔前とは、隔世の感がある。どうも、味気なくなってしまった。
とはいえこの、何を見ても感動しない我が虚しさを、何と言ったらいいか。自身の未来に、何の希望もないからだろう。いままでだらけた生活をしてきたツケがここできた。
Natsumi&BRIGHTのコンサートがないので、今年のさっぽろ雪まつりはここまでである。また来年もこの地に来られればうれしい。
私は宿泊処に向かう。宿はおなじみ、アイ・カフェの札幌センチュリーロイヤルホテル店(ネットカフェ)である。
受付でフラットスペースの部屋も取れ、一安心である。晩御飯がちょっと早めだったのでアレだが、そこは無料のコンソメスープで腹を満たすしかない。
さて、現在私はPCを修理に出しており、ブログの更新を休止している。しかしここにはPCがあるから、記事を書くのは可能だ。
だけど面倒臭いので、何も書かない。あぁ、ブログを書かないことは、なんと負担の軽くなることか。せっかく羽根を伸ばしているのだから、しばしブログのことは忘れよう。
久しぶりに、マンガを読んでみる。ビッグコミックはずいぶんボリュームがあり、そのぶん価格も高くなった。注目すべきは、さいとう・たかをが亡くなった「ゴルゴ13」で、いまはほかのスタッフで作画されている。ゴルゴの顔は、ちゃんと描かれているのか。
見ると、ゴルゴの顔はしっかり描かれていた。ただしこれが妙で、あまりにもさいとう・たかをのタッチにそっくりである。これは過去の作品から、それらしき角度の顔を、切り貼りして使っているのではないか?
さいとう・たかをはかねてから、自分が死んでもゴルゴの顔が描けるスタッフが出てくるよう、願っていた。しかし結局、ゴルゴはさいとう・たかをしか描けなかったのではないか。
そういう目で見てみると、ページのコマ割りも大きく、ゴルゴ以外の人物の作りこみも浅い。スタッフは過去の作品を精査し、さいとう・たかをテイストを継続しなければならない。
ネットカフェ定番の、いかがわしいビデオも見てみる。新人女教師の集団身体検査モノが面白かった。あの恥じらいがいい。
…と、こんなものをいつまでも見ていると、翌日に障る。適当な時間でシャワーを浴び、就寝した。
(つづく)
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