白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

SGW杯予選その4 柳澤理志-大木啓司

2022年08月26日 23時59分59秒 | 幽玄の間

学校囲碁授業の普及補助枠に空きがあります。
囲碁授業は普及に大きな効果があると思います。
ぜひご申請ください。



皆様こんばんは。
本日はSGW杯予選2枠の準決勝、柳澤理志六段(黒)と大木啓司八段の対局をご紹介します。

1図(テーマ図)
黒番です。
AとBに傷があるので、黒BかCと守るのが形です。
他の選択肢は無いようにも見えますが・・・。



2図(実戦)
実戦は黒1のカケツギ!
これでは2の所の傷を守れていませんが、辺の白への当たりの強さを十四しています。
黒5までとなり、白×が宙に浮きました。
その代わり、白4まで突き出された形は相当ひどいのですが・・・。



3図(実戦)
白1~5とダメを逃げることになりました。
すると返す刀で黒6と右下白に迫り、今度は白7、11という低空飛行を強いることができました。
黒はこの流れを作りたかったのですね。



4図(実戦)
そして最後には、包囲網を破られた右上白への攻めも狙いました。
普通には飽き足らず、攻めに拘った打ち回しを見せてくれましたね。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名人戦第1局封じ手予想

2022年08月24日 20時40分14秒 | 囲碁界ニュース等

皆様こんばんは。
本日は第47期名人戦挑戦手合七番勝負第1局の1日目が行われました。
久しぶりに封じ手を予想したいと思います。

1図(打ち掛け局面)
芝野虎丸挑戦者の黒番です。
井山裕太名人の白30(白×)には驚きました。
左辺白が弱い状況で、逆に黒への寄り付きを狙うとは厳しい着想ですね。

さて、黒△と打った局面で打ち掛けとなりました。
次の白の手が封じ手です。



2図(封じ手予想)
型通りに白△と受ける手を予想します。
他にどうしても打ちたい場所も無いので、この一手でしょう。

現状は白の地合いリードがはっきりしています。
黒としてはどこかで一発パンチを入れたいですね。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SGW杯予選その3 寺山怜-黒瀧正樹

2022年08月23日 23時57分10秒 | 永代塾囲碁サロン

皆様こんばんは。
先日の藤田怜央さんの最年少プロ入りのニュースには驚きました。
試験碁の一局しか見ていませんが、相当なレベルであることは間違いありません。
いずれ仲邑菫二段の年下のライバルにもなるでしょうか?
将来が楽しみですね。

さて、本日はSGW杯予選7枠の準決勝、寺山怜六段(黒)と黒瀧正樹六段の対局をご紹介します。

 

1図(テーマ図)
黒番です。
黒4子が弱いので、黒A、白B、黒Cと頭を出すのは素直な打ち方です。
しかし、ただ逃げているだけという印象もあり、やや物足りません。
そこで実戦は・・・。



2図(実戦)
黒△のツケ!
白×は強く、白〇は弱いという状況ですから、強い石にツケるのは理にかなっています。



3図(参考図)
白1~7まで受けさせれば、戦力が整って黒8のカケが成立します。
これは白いけません。



4図(実戦)
実戦は白3、5と逃げましたが、黒6まで目一杯の形を得ることができました。
白7の打ち込みには黒8と絡み攻めを狙い、黒好調です。

「やさしく語る 囲碁・石の攻め方」で解説した棋譜にも、本図とそっくりな場面が現れました。
モタレ攻めの良いお手本ですね。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SGW杯予選その3 寺山怜-黒瀧正樹

2022年08月23日 23時36分51秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
先日の藤田怜央さんの最年少プロ入りのニュースには驚きました。
試験碁の一局しか見ていませんが、相当なレベルであることは間違いありません。
いずれ仲邑菫二段の年下のライバルにもなるでしょうか?
将来が楽しみですね。

さて、本日はSGW杯予選7枠の準決勝、寺山怜六段(黒)と黒瀧正樹六段の対局をご紹介します。

 

1図(テーマ図)
黒番です。
黒4子が弱いので、黒A、白B、黒Cと頭を出すのは素直な打ち方です。
しかし、ただ逃げているだけという印象もあり、やや物足りません。
そこで実戦は・・・。



2図(実戦)
黒△のツケ!
白×は強く、白〇は弱いという状況ですから、強い石にツケるのは理にかなっています。



3図(参考図)
白1~7まで受けさせれば、戦力が整って黒8のカケが成立します。
これは白いけません。



4図(実戦)
実戦は白3、5と逃げましたが、黒6まで目一杯の形を得ることができました。
白7の打ち込みには黒8と絡み攻めを狙い、黒好調です。

「やさしく語る 囲碁・石の攻め方」で解説した棋譜にも、本図とそっくりな場面が現れました。
モタレ攻めの良いお手本ですね。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SGW杯予選その2 向井千瑛-宮崎龍太郎

2022年08月15日 23時59分59秒 | 幽玄の間

皆様こんばんは。
本日はSGW杯予選5枠が行われました。
今回は準決勝の向井千瑛六段(黒)と宮崎龍太郎七段の対局をご紹介します。

1図(実戦)
ここまで白が打ち回しており、明らかに優勢です。
黒はどう挽回するかというところですが、力自慢の向井六段は攻めを選択しました。
黒1で左右を切り離し、黒3~7で下辺にもつながらせません。

この攻めには直接的な得が無く、むしろAやBの弱点が残るマイナスがあります。
リスクの大きい攻め方ですが、躊躇せず行けるのが向井六段ですね。





2図(実戦)
白1、3と進出されて、Aの断点もあれば右上黒も薄いという状況ですが、とりあえず取られはしないということで黒4と切っていきました。
さらに戦線拡大しています。



3図(実戦)
白1の反撃から白9まで、黒×が取られました。
しかし、黒の本当の狙いは下辺ではなく別にあります。
一本黒10と左辺の白にジャブを打っておいて・・・。



4図(実戦)
黒1、3の切り!
黒は最初から右辺白を取りにいくことを考えていたのですね。
この切り方にも全く得がありませんし、白10、12と黒×を抜かれたのは大きなマイナスです。
しかも周囲の黒に薄みが残っており、取れなければその時点で終わってしまいます。
何が何でも取るという凄い気迫です。

実際、黒は全ての障害を乗り越えて白を取りきりました。
それでも勝負は分かりませんでしたが、やはり向井六段の気迫が優ったでしょうか。
結果は黒中押し勝ちとなりました。



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
現在、「やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 「やさしく語る 棋譜並べ上達法」の4冊を出版しています。
5冊目も出ました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする