白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

永代塾囲碁サロンについて・その2

2020年07月31日 23時59分59秒 | 永代塾囲碁サロン

皆様こんばんは。
本日は永代塾囲碁サロン(以下サロン)の新しい料金やシステムについてお話ししたいと思います。

そもそも、サロン開業以前から永代塾という教室がありました。
探していたら、2011年のこんなイベントが出てきましたが、懐かしいですね。
兄弟子の髪型が気になって仕方ありませんが、当時罰ゲームか何かがあったのでしょうか?
そして、2015年6月のこれがサロンオープン直前のイベントです。
数か月後には、私もサロンで毎月指導碁を打つことになりました。

さて、話を戻しますと永代塾は元々教室や碁会、イベントの会場として運営されてきました。
例えば、毎週これらの教室や永代教室が開かれていますし、他にも定期的に開催される指導碁会や研究会(対局中心の会)などがあります。
今後はこの方針を強化し、さらに多くの教室や会を開催、誘致していくつもりです。
そのため、サロンの利用料を税込1000円に引き下げることにしました。
ぜひ多くの方にご利用頂ければと思います。
ご興味をお持ち頂けた方は、お気軽にお問い合わせください。
私の連絡先はこちらです→wsbo@r.wind.sannet.ne.jp

もちろん、教室や会に所属せず、フリー対局にお越しになる方も歓迎です。
ただ、運営の都合上今までフリー対局にはあまり力を入れてこなかったので、いつでも対局相手がいるという状態ではありません。
ですから、まずは教室等を増やし、常にお客さんがいる状況を作りたいと考えています。
人が多くなれば、自然と交流が生まれてくるでしょう。

現在の状況ですが、このスケジュール表をご覧頂くと、やたらと白石プロという表記が目に付くかと思います(笑)。
これは決して、私の指導碁で独占しようというわけではありません。
なるべくサロンの休業日・時間を減らすために、隙間を埋めているのです。
専属の席亭を置かない方針なので、私がいれば都合が良いというだけのことです。
ですから、会やイベントで部分的に使いたい、あるいは貸し切りたいという方がいらっしゃれば、そちらを優先します。

なお、私の指導碁のシステムについては、こちらをご覧ください。
サロンのスケジュール表に無い時間帯でも、事前にご予約を頂ければ受付できます。
受付可能な時間帯については、こちらのTwitterアカウントも活用してお知らせしていく予定です。

ちなみに、サロン経営への参画にあたり、自宅も近所に引っ越しました。
このような軽い動きが可能な人は限られており、密かな強みではないかと思っています。
少々無茶な注文にも対応できるかと思いますので、どうぞダメ元でお問い合わせください(笑)。



明日から月が替わり、新料金に移行します。
私にとっては、ここからがサロン運営の本番ですね。
今まで以上に良いサロンにしていきたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

永代塾囲碁サロンについて・その1「共同経営者になった経緯」

2020年07月30日 22時29分53秒 | 永代塾囲碁サロン

皆様こんばんは。
既にお知らせしている通り、7月から永代塾囲碁サロンの共同経営者になっています。
8月からは料金なども刷新されるということもあり、このタイミングで改めてご説明したいと思います。
まずは私が共同経営者になった経緯からお話しします。

そもそもの始まりは、2016年1月27日まで遡ります。
中国出身プロである樊麾二段が、AlphaGoなるAI囲碁ソフトに負けたという衝撃のニュースがありました。
その棋譜を見て、遠からず人間がAIに勝てなくなることを確信しました。

そしてそれから1か月半、樊二段との五番勝負から数えるなら約5か月。
Alphagoは、当時人類最強クラスだった李世ドル九段を4対1で破ってしまいました。
このニュースにも囲碁界は震撼しました。
既にプロレベルに達していたAIが、たった5か月でここまで進化するとは・・・。

それまでの棋士生活でも苦労が多く、将来についても思い悩んできたものですが、28か9の頃には囲碁で生きていくしかないと結論付けていました。
しかし、AlphaGoの台頭を見て、これは大変なことになったと思いました。
どう考えても、自分はあと10年程度しか生きていけそうにありません。
李九段が負けてから1週間か2週間後には指導碁用に五反田の部屋を契約し、ほどなくしてこのブログも開設しました。
商売などしたこともなかったのに、我ながら思い切ったものです。

五反田自体は商売としては成功していませんでした。
ただ、様々なお客様との出会いがあり、経験も積むことができました。
なにより、本の出版につながったことが大きかったですね。
活動の幅が広がり、少なくとも10年は寿命が延びたと思っていました。



これが昨年までの話です。
ところが、ここにきて新型コロナウイルスという、想定外の脅威が襲いかかってきました。
棋士の世界では多くの対局が中止や延期、あるいは形式の変更を余儀なくされています。
アマチュア向けのイベント等も同様で、やはり棋士としても大きな打撃を受けています。
そして、教室や囲碁会も運営が難しくなっていますし、そもそも会場となる碁会所・囲碁サロンが休止や閉鎖に追い込まれています。

これまでも、バブル崩壊以降の不況や趣味の多様化、日本棋院や棋士の努力不足などにより囲碁人口は減少してきました。
しかし、囲碁を打つこと自体が制限されてしまうということは、これまでにない緊急事態と言えます。
他の業界と比べてどうかは分かりませんが、少なくとも囲碁人口は今までに無いスピードで減少する危険があります。
個人的にも、将来が全く見えなくなりました。

そんなとき、20数年来の友人である永代和盛さんから思わぬ提案がありました。
「You、碁会所やっちゃいなよ!」と(意訳)。
私が教室移転のための契約をした直後とも知らずに・・・(笑)。
それはともかくとして、流石に迷いもありましたが受けることにしました。

最も大きな理由は、やはり碁会所・囲碁サロンが次々に閉鎖されている状況です。
囲碁が打てなくなる人、始められなくなる人が増えることが想定されますが、私が経営者として加わることで、その受け皿を作りやすくなると考えました。
もう1つの理由としては、自分自身で仕事を生み出せることに魅力を感じています。
毎月安定した給料を貰える身分ではない以上、ただ仕事が来るのを待っているという状態には大きなリスクがあります。
五反田もそれが理由で始めました。
まずは小さく始めて、ゆくゆくは囲碁サロンを開いて・・・という構想を持っていたのです。
五反田がまだまだの段階で永代塾囲碁サロンの話がくることは想定外でしたが、考えてみればこれ以上のタイミングはありません。
後は覚悟を決めるだけでした。



以上、私が共同経営者になった経緯でした。
次回はサロンの料金やシステムについてお話ししたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女流立葵杯第2局感想

2020年07月29日 23時34分47秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
相変わらず外の仕事がほとんど無い状況が続いています。
しかし、永代塾に週4日以上いますし、新たなビジネスの準備もしているのでなかなか忙しいですね。
コロナに負けず頑張りたいと思います。



皆様こんばんは。
本日は会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負第1局が行われました。
早速振り返っていきましょう。
なお、この対局はYoutubeの日本棋院囲碁チャンネルや日本棋院ネット対局幽玄の間(解説・安達利昌七段)にて中継されました。

1図(実戦)
藤沢里菜女流立葵杯(21)の黒番です。
ここまで互角の形勢でしたが、白1は緩着でした。
黒2の絶好点に回られて左辺黒模様が膨れ上がり、形勢も傾いています。
白1ではAの一手でしたね。
鈴木歩挑戦者(36)らしからぬミスだと思いますが、大勝負ならではのプレッシャーによるものでしょうか。



2図(実戦)
遅ればせながら、白は左辺に踏み込んでいきました。
そして白△とはきつい手です。
ここから乱戦に突入するかと思いましたが・・・。



3図(実戦)
黒3~7と、初級者のようにペタペタとくっつけていき、黒×と白×の振り替わりになりました。
右辺白が弱かったので、黒×を捨ててしまうのは勿体ないように感じますが、これで優勢とみたのでしょう。
かつての小林光一名誉棋聖のような、勝利一直線の打ち方ですね。



4図(実戦)
鈴木挑戦者も必死に逆転の手がかりを求めます。
しかし、藤沢女流立葵杯は全く隙を見せませんでした。
結果は黒8目半勝ちとなり、藤沢女流立葵杯の4連覇が決まりました。

本局は藤沢女流立葵杯が正確な読みと判断力でがっちり勝ちきりました。
鈴木挑戦者としては、序盤の出遅れが悔やまれる一局だったでしょうか。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後の担当日は8/12(水)、8/26(水)、9/11(金)です。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。今後の活動拠点となります。

白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。

上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女流立葵杯第1局感想

2020年07月27日 23時53分11秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
名人戦リーグの張栩九段(40)-井山裕太棋聖(31)戦は、井山棋聖の半目勝ちでした。
値千金の半目で、リーグ7連勝となりました。
挑戦権に大きく近付きましたね。



皆様こんばんは。
本日は会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負第1局が行われました。
藤沢里菜女流立葵杯(21)と挑戦者の鈴木歩女流棋聖(36)の対決ですが、両者共に読みが正確なことで知られています。
好勝負が予想されました。

1図(実戦)
鈴木挑戦者の黒番です。
黒1のノゾキに対して、白2、4と切って反発したのには驚きました。
黒5の切り以下、下辺がぶっ通しの黒地になることが目に見えていますからね。
しかし、藤沢女流立葵杯としては中央の戦いで主導権を握りたかったのでしょう。
両者の強みは似ていますが、棋風は大分違う気がします。
堅実無比な鈴木挑戦者に対して、藤沢女流立葵杯はしばしば冒険します。



2図(実戦)
その後コウ争いが起こりましたが、黒△まで形勢はほぼ互角でしょう。
コウ争いでは形勢判断が重要になりますが、流石に両者隙がありませんね。



3図(実戦)
しかし、寄せに入って黒1のつなぎは堅すぎたようです。
白2、4と目一杯の形を作られ、形勢は一気に白に傾きました。
これで決まったかと思いきや、白Aの抜きを決め損ねたために思わぬ波乱が・・・。



4図(実戦)
黒1~5!
まさか、どう見ても脈の無さそうな黒×が動き出すとは・・・。
この手が成立しては形勢逆転したようです。

しかし、黒も決め損なって半目勝負へ・・・。
結果、勝利の女神が微笑んだのは藤沢女流立葵杯でした。

第1局からぎりぎりの勝負を見せてくれましたね。
第2局は7月29日(水)に行われます。
お楽しみに!



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後の担当日は8/12(水)、8/26(水)、9/11(金)です。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。今後の活動拠点となります。

白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。

上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。


☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徐奉洙-仲邑菫 第3局

2020年07月26日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
明日会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負が開幕することは既にお知らせした通りですが、名人戦リーグの張栩九段(40)-井山裕太棋聖(31)戦も注目ですね。
復調した井山棋聖が、このまま突っ走ってしまうのでしょうか?
どちらの対局もYoutubeの日本棋院囲碁チャンネルや日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されますので、ぜひご覧ください。



皆様こんばんは。
本日は仲邑菫初段(11)と徐奉洙九段の三番勝負の第3局をご紹介します。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されました。

1図(実戦)
徐九段の黒番です。
白1~11(白5は6の左)と動き回りました。
最近の仲邑初段は、捌きも以前より積極的になった気がします。



2図(実戦)
白が順調に捌いていたと思いますが、白×を捨てたのには驚きました。
黒1には白3とつないで危険はありませんが、黒2、白Aとなって形が崩れることを嫌ったのでしょう。
仲邑初段ならではのこだわりですが、もったいなかった気もします。



3図(実戦)
白1とつなぎましたが、これには悪い意味で驚きました。
考えすぎが生んだミスでしょうね。
白8の下がりに回っていれば、好勝負が続いていたと思います。
黒8、10のハネツギが大きすぎました。



4図(実戦)
白1の置きから、隅がややこしいコウになりました。
これはチャンスかと思いましたが、実際には逆転は難しかったでしょうか。
結果は黒中押し勝ちとなりました。

本局も良い勝負をしているように見えましたが、結果は及びませんでした。
仲邑初段はどう感じたでしょうか。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後の担当日は8/12(水)、8/26(水)、9/11(金)です。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。今後の活動拠点となります。

白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。現在は永代塾囲碁サロンでの指導碁情報をお知らせするページになっています。

上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。五反田会場は閉鎖しました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする