白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

王座戦第4局

2018年11月30日 22時45分54秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
木曜日の対局は負けました。
過去最低の成績がほぼ確定しましたが、今年はひどい碁が多すぎたので仕方ないですね・・・。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日から更新を再開します。
昨日は王座戦第4局が行われていたので、ご紹介しましょう。



1図(実戦)
一力遼挑戦者の黒番です。
黒1~7は、石の張った打ち回しで素晴らしいですね。
出だし好調かと思いました。





2図(実戦)
井山裕太王座の白1には驚きました。
黒×が待ち構えているところに詰め寄っていくとは・・・。
井山王座ならではの打ち方で、皆様は真似しない方が良いでしょう(笑)。





3図(実戦)
黒△と抱えた場面です。
白×が弱く、また左の白大石も不完全な姿です。
どう見ても白が守勢に回っているかと思いましたが・・・。





4図(実戦)
しかし、白△まで、いつの間にかわけの分からない戦いに持ち込んでいます。
この強靭な粘り腰は、流石井山王座と思いました。


この後も難解な戦いが続きましたが、一力挑戦者が勝ちきりましたね。
これで決着は最終第5局に持ち越されました。
第5局は12月13日(木)に行われます。
非常に楽しみです!
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農心杯第9戦

2018年11月27日 23時47分28秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
明日と明後日は投稿をお休みします。
金曜日から再開予定です。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は農心杯第9戦が行われました。
第2ラウンドの最終戦ですが、この時点で中国は無敗、日本と韓国は大将を残すのみ・・・。
韓国の朴廷桓九段(25)は、范廷鈺九段(22)の連勝を止めることができるのでしょうか?





1図(実戦)
朴九段の黒番です。
白1と詰めて黒△にプレッシャーをかけましたが、黒はただ逃げるだけではつまらないとみて、黒2に回りました。





2図(実戦)
ならばと、白は△のボウシで攻めかかりました!
早くも深刻な戦いの気配が漂っています。





3図(実戦)
黒△と切り、黒大石の命がかかったコウ争いが勃発!
怖いようですが、そばコウが多いので、こういう石は死なないものです。





4図(実戦)
結局、黒はコウに勝って生き、白は黒×を取る振り替わりになりました。
白の勢力圏だっただけに、黒が上手く捌いた結果でしょうか?

とは言え、先は長そうでしたが、この後に范九段が珍しく無理をしてしまったように見えました。
朴九段は冷静に凌ぎきり、韓国勢初の1勝を挙げるとともに、優勝への望みをつなぎました。
2月18に行われる第3ラウンド初戦では、日本の井山裕太九段と対戦します。


これで残りの選手は中国4、日本1、韓国1となりました。
日本が優勝するためには、井山九段が5連勝するしかありません。
毎度のことながら厳しい状況で回ってきますが、なんとか頑張って欲しいですね。
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農心杯第8戦

2018年11月26日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
女流名人戦準決勝、青木喜久代八段と小山栄美六段の対局は小山六段が勝ちました。
ベテランもまだまだ頑張っています。
決勝は謝依旻女流本因坊か奥田あや三段と当たりますが、世代対抗戦の感もありますね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は農心杯第8戦が行われました。
日本代表の一力遼八段(21)と中国代表の范廷鈺九段(22)との対局です。



1図(実戦)
序盤は黒番の一力八段が積極的に仕掛けていきましたね。
白も反撃して、ここから戦いが激しくなっていきました。





2図(実戦)
こういう手はなかなか見かけませんね。
読みの入った手です。





3図(実戦)
白△の切りで、黒大石の命がかかったコウに持ち込まれています。
いかにも黒が苦しく、形勢は絶望的かと思いました。





4図(実戦)
しかし、そこから一力八段は猛烈に粘りました。
黒△まで、白×を大きく飲み込む態勢を築いては勝負に持ち込んだ感があります。

ですが、范九段も流石のものでしたね。
中央も上辺も凌ぎ、勝ちを決めました。


これで范九段は今回7連勝、通算で17勝目とのことです。
強すぎますね・・・。
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農心杯第6戦

2018年11月25日 23時51分37秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
本日、王冠戦挑戦手合一番勝負が行われました。
棋譜と解説は日本棋院ネット対局幽玄の間をご覧ください。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は昨日行われた農心杯第6戦、日本代表の許家元八段(20)と中国代表の范廷鈺九段(22)の対局をご紹介します。
なお、農心杯の棋譜も幽玄の間でご覧頂けます。



1図(実戦)
許八段の黒番です。
今となっては全く驚かない、三隅での三々入りです。
個人的にはあまり面白くないと感じますが、国際棋戦では内容は二の次です。
何より結果が求られます。





2図(実戦)
黒が左下で攻撃を仕掛けましたが、白は×の5子を捨ててかわしましたね。
黒石のの多いところですから、正しい判断でしょう。





3図(実戦)
そして、今度は白×を捨てました。
左右の黒が強いですから、これもカス石という判断ですね。





4図(実戦)
さらに、白×まで捨てる体勢に・・・。
柔軟なものですね。
しかし、許八段も頑張っているように見えましたが、どうだったのでしょうか?
見た感じでは、この後に一瞬の隙を衝かれてやられてしまったかと思いました。


それにしても、范九段は流石の強さですね。
本日行われた第7局でも、李世ドル九段を力でねじ伏せて勝利しています。
これで第18回での7連勝に迫る、6連勝目となりました。
明日は再び日本選手が出場しますが、なんとか連勝を止めて欲しいですね。
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女流本因坊戦第3局

2018年11月24日 23時42分55秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
大阪万博開催決定!
東京オリンピックも開催されますし、時代が一回りしている感がありますね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日、女流本因坊戦第3局が行われました。
早速振り返っていきましょう。



1図(実戦)
藤沢里菜挑戦者の黒番です。
左辺の戦いは、どうも黒の動きがちぐはぐな感じがしました。
謝女流本因坊が軽快に捌き、白△に回っては一歩リードしたと思います。





2図(実戦)
しかし、左下では黒のパンチが入りました。
白×を取っては黒優勢でしょう。





3図(実戦)
ですが、本局の謝女流本因坊は実に落ち着いていましたね。
じっくり打ってチャンスを待っていたと思います。
そして、白1が渾身の勝負手!
ここから白が主導権を奪い返しましたね。





4図(実戦)
藤沢挑戦者も簡単には引き下がりませんでした。
右下で黒△と、万年コウを仕掛ける勝負手!

コウには様々な種類がありますが、その中でも万年コウは特に「頭が痛くなる」ものです。
本局もここから、形勢判断とコウ争いの絡んだ難解な終盤戦に突入していきました。
なお、万年コウについてはまた別の機会に説明することにします。


結果は白の謝女流本因坊が勝ち、角番をひとつ凌ぎました。
やはり簡単には終わりませんね。
12月5日(水)に行われる第4局もぜひご覧ください!
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