白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

今年を振り返る(囲碁界編)

2017年12月31日 20時59分29秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は指導碁を2局打ち、今年の仕事納めとなりました。
と言っても、実際には溜まっていた仕事を片付けていたりします。
小学生の夏休み最終日のようなものですね(笑)。

ともあれ、今年もあと数時間となりました。
今年の出来事を振り返ってみましょう。

<Master、出現!>
今年一番の衝撃と言えば、私にはこれしか考えられません。
結果も内容も、とても信じられないようなものでした。
AIのレベルが人間とは別の次元に行ってしまったことを、まざまざと見せつけられましたね。

<井山七冠、LG杯決勝進出!>
日本最強棋士の井山七冠が、国際棋戦のLG杯で決勝進出しました!
決勝戦は2018年2月5日、7日、8日に日本棋院で行われます。
久しぶりの日本勢の世界一に期待しましょう!

<杉内雅男九段、死去>
現役棋士として長年活躍されてきた杉内九段が、97歳で亡くなりました。
若い頃にはタイトル戦出場などで活躍されましたが、それ以上に大きな足跡を残されたと思います。

<若手の時代>
3棋戦でのタイトル挑戦を決めた一力遼八段、竜星戦や新人王戦で優勝、名人戦と本因坊戦ではリーグに入った芝野虎丸七段、阿含桐山杯優勝の六浦雄太七段など、若手が大暴れした1年でした。
一時のものではなく、この流れは今後も続いていくでしょう。
時代は変わっていきますね。


他にも大きなニュースは沢山ありますが、時代の変化という意味では、これらのニュースが特に印象的でした。
驚き、がっかり、感動・・・とにかく心を動かされることが多かったですね。
業界で生活する人間としては、昨年に引き続き人生観が変わるほどの1年でした。
思うところは色々とありますが、ともかく今後も精一杯生きていかなければいけませんね。

皆様、今年は大変お世話になりました。
よいお年をお迎えください。
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今年を振り返る(仕事編)

2017年12月30日 23時06分27秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日はいつものお店で先日の金星を祝って頂きました。
勝ち星1つで祝って頂けるとはありがたく、また驚きでもあります。
囲碁界のレジェンドのネームバリューは流石ですね。

さて、本日は対局以外の仕事全般について振り返ってみたいと思います。

<白石囲碁教室>
五反田の教室も、早いものでオープンから1年と9か月になりました。
お客様も当初からは大分増えましたが、まだ採算ラインは遠いですね。
来年どこまでいけるか、勝負の年になりそうです。

なお、今年は31日、来年は2日から営業します。
年末年始は予約のみの営業となっておりますので、ご希望の方は前日までにご予約ください。

<著書>
前作「やさしく語る 碁の本質」に引き続き、「やさしく語る 布石の原則」が出版されました。
本来はもっと早く出る予定でしたが、内容に悩み抜いた結果ずいぶんと遅れてしまいました。
その代わり、難しい理論は極力省いて重視すべきポイントだけをお伝えするという、私の指導法の基本に立ち返れた点は良かったと思います。
この経験をまた次に生かしていこうと思います。

<入門・初心者指導>
今年もイベントなどで入門・初心者指導を行いました。
今後私がどんな仕事をメインでやっていくべきかは、様々な選択肢があります。
ですが、やはり囲碁を職業にしている以上、入門者にルールを教えることぐらいはできなければいけません。
まだまだ未熟ではありますが、今後も頑張っていきたいと思います。

<解説>
毎月日本棋院情報会員向けサービスで、また不定期ですが新聞や幽玄の間でも解説を務めました。
難しい参考図ではなく、どなたにも対局者の考え方をご理解頂けるような内容を目指しています。
内容についてご意見・ご感想などありましたら、ぜひお知らせください。

<その他お仕事>
教室で講師を務めたり、各所の碁会所などで指導碁を行いました。
囲碁ファンの皆様と直接交流できる機会は、精神衛生上非常に良いですね。
今年私が頑張れたのも皆様のおかげだと思います。
ありがとうございました。

また、雑誌で講座を連載することもありました。
来年も各媒体で予定しておりますので、お楽しみに!

<ブログ・SNS>
仕事ではありませんが、今年もブログは頑張って更新しました。
30日ほど休みましたが、その多くは著書の執筆に頭を抱えていた時期ですね。
毎日更新は謳わなくなりましたが、それでも多くの方にご覧頂けて感謝しています。
来年も色々と工夫しながら続けていこうと思います。

FacebookやTwitterには以前ほど時間を割かなくなりましたが、今後も活用していきます。
主にFacebookの方では囲碁ファンの方との会話を、Twitterの方では短文の投稿やニュース記事の紹介などを重視しています。
そちらもよろしくお願いいたします。


今年も色々な仕事をしてきましたね。
課題としては、各仕事のレベルアップということももちろんありますが・・・。
なんと言っても、一番は時間の管理ですね。
ダラダラしていては仕事が回りませんし、頑張るばかりでは心と体が持ちません。
メリハリを付けてキビキビと働き、休む時はしっかり休む!
来年はこれを第一に考えていきたいと思います。
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今年を振り返って(対局編)

2017年12月29日 23時25分13秒 | 対局
皆様こんばんは。
今年も残り僅かとなりましたね。
印象的な出来事が多い年でしたが、まずは自分のことを振り返ってみましょう。
今年の対局の結果は・・・。

01/12 第42期棋聖戦FT※1   松原大成六段    〇黒番1目半※2  ※1.ファーストトーナメント
01/26 第43期碁聖戦予選C   笠井浩二七段    〇白番中押し   ※2.手番は全て私から見たもの
02/02 第42期棋聖戦FT    鈴木嘉倫七段    〇黒番半目
02/09 第73期本因坊戦予選A  堀本満成四段    ●白番中押し
02/23 第43期碁聖戦予選C   木部夏生二段    〇黒番中押し
02/27 第24期阿含桐山杯予選B 森田道博九段    ●白番中押し
03/16 第42期棋聖戦FT    河野貴至八段    〇白番3目半
04/17 第42期棋戦戦Cリーグ  瀬戸大樹八段    ●黒番中押し
05/04 第66期王座戦予選C   下地玄昭七段    〇黒番中押し
05/25 第43期名人戦予選B   向井千瑛五段    ●黒番中押し
06/08 第42期棋聖戦FT    髙嶋湧吾二段    〇黒番中押し
06/12 第43期碁聖戦予選B   藤沢里菜三段    ●白番中押し
06/19 第27期竜星戦予選B   田原靖史七段    〇白番1目半
06/19 第27期竜星戦予選B   信田成仁六段    〇白番中押し
06/22 第66期王座戦予選C   姚智騰四段     〇白番6目半
06/29 第44期天元戦予選C   宮崎龍太郎七段   〇黒番中押し
07/06 第42期棋戦戦Cリーグ  大竹優初段     ●白番中押し
07/17 第27期竜星戦予選A   小山空也三段    〇白番中押し
07/20 第44期天元戦予選B   井澤秋乃四段    〇白番中押し
07/27 第42期棋戦戦Cリーグ  安達利昌四段    ●白番半目
08/03 第66期王座戦予選B   大西研也三段    〇白番中押し
08/24 第66期王座戦予選B   林子淵八段     ●白番中押し
08/31 第44期天元戦予選A   三谷哲也七段    ●黒番中押し
09/07 第57期十段戦予選C   菅野尚美三段    〇黒番中押し
10/16 第27期竜星戦本戦    富士田明彦六段   ●黒番中押し
10/19 第57期十段戦予選C   田尻悠人四段    〇白番中押し
11/09 第57期十段戦予選B   石倉昇九段     〇白番1目半
11/29 第43期棋聖戦FT    二十四世本因坊秀芳 ●黒番中押し
12/14 第57期十段戦予選B   趙治勲名誉名人   〇白番中押し

計18勝11敗 黒番7勝5敗 白番11勝6敗

このようになりました。
過去に17勝10敗という成績が3回もありましたが、今回ようやく更新できました。
勝率はむしろ下がりましたが、そこは気にしない方向で・・・

実際のところ、今年どれだけ頑張ったのかは単なる勝ち負けだけでは測れません。
そこで、今年対局した29人と総当たりのリーグ戦を打ったとして、何勝期待できるかを考えてみました。
例えばA棋士とは良い勝負なので0.5勝、B棋士には少し苦しいので0.3勝、といった計算ですね。

結果は15勝14敗でした。
期待勝率は勘で適当に算出したので、甘いと言われるかもしれません(笑)。
ただ、自分の実力からすれば今年は上出来であったことは間違い無さそうです。
幸運に感謝しつつ、来年も頑張りたいと思います。

ところで、十段戦予選Aの組み合わせが発表されていまして・・・。



ふむふむ、私はここですね。
1回戦の相手は、と・・・おや?

( ゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ

( ゚д゚) ・・・

どうやら運を使い過ぎたようです。
来年は私の散り様を全国の皆様にお届けすることになりそうですね。
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紀尾井町こども囲碁道場3日目

2017年12月28日 23時59分59秒 | 囲碁について(文章中心)
皆様こんばんは。
本日は紀尾井町こども囲碁道場、3日目が行われました。
3日間で私がやらなければならないと思っていたことは、子供たちが対局をスムーズに行えるようになることです。
その点は2日間で大体できており、3日目は安心して見ていました。

ということで、講座は当日の様子を見てのアドリブでした。
内容は子供たちの対局を見て気になったところで、それは石の連絡です。



黒△と黒×は完全につながっていて、黒〇と黒□のつながりはナナメなので不完全です。
これは最初に教わることですね。





ところが、実戦では黒がこのようにつながっていない形を沢山作ってしまい、白Aと切られて取られてしまったりします。
ナナメの石がつながっていないということは、理屈では分かっても視覚的にはなかなか気が付かないのですね。
本日はここに気を付けて打つように指導しました。


3日間を終えて、子供たちのレベルは確実に上がったと感じました。
石を取られてばかりだった子は石同士をしっかりつながれるように、元々強かった子は石の生き死にまで分かるように・・・。
年齢などによって成長速度は様々ですが、沢山対局していけば必ず強くなれます。
今回参加した子供たち全員が囲碁にはまってくれたなら、棋士としてこれ以上の喜びはありません。
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紀尾井町こども囲碁道場2日目

2017年12月27日 21時11分30秒 | 囲碁について(文章中心)
皆様こんばんは。
現在、ナショナルチームの合宿が行われています。
七大タイトル経験者も数多く参加する合宿で、碁漬けの毎日・・・。
若手棋士にとってこれ以上なく素晴らしい環境ですね。
ナショナルチームの活動は、囲碁ファンの皆様からの応援で成り立っています。
ありがとうございます。
なお、一部の対局は幽玄の間で中継されているのでぜひご覧ください。

さて、本日は紀尾井町こども囲碁道場の2日目でした。
2時間の中で時々講座なども挟んでいきますが、メインは対局です。
20局分記入できる成績表が、2日目にして埋まりかけている子もちらほら・・・(笑)。
なんと言っても実戦が一番の上達法ですから、沢山打つのは良いことですね。

ちなみに、本日の講座では2眼欠け眼について説明しました。
ここでご紹介する図は、実際に使ったものとは違いますが意味は同じです。





各所の黒はどんな状態でしょうか? という問題です。
答えは、左と右の黒は1眼しかないので死に、中央の黒は2眼あるので生きですね。
打てる場所と打てない場所の区別が付いていれば、2眼あれば生きという概念自体はそう難しくはないでしょう。





もう1つは欠け眼の説明ですね。
図のA~Cが全て欠け眼であり、各所の黒は全て死んでいることを説明しました。
欠け眼についても、概念自体は難しいものではありません。





ただ、2眼や欠け眼について実戦で判断できるかどうかはまた別です。
最初は単純な形でも見逃してしまうものですし、例えばこんな複雑な形をしていたなら、難易度は跳ね上がります。
欠け眼を教わってすぐにこんな形を正しく判断できたら、間違いなく天才ですね。

どうすれば分かるようになるかですが、これも結局は数をこなすしかありません。
沢山対局したり問題を解いていく中で、自然と身に付いてくるものです。
囲碁を楽しむ環境さえあれば全く問題無いでしょう。

明日は最終日です。
子供たちには、3日間で囲碁がますます好きになって帰ってくれたら嬉しいですね。
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