山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ワクワクドキドキ!N沢筍採り

2024年06月10日 | 山菜採り

 「ところで、何時ごろ出発する?」

「まだ、そんなに人も多くないから,ちょっとゆっくりで(午前)2時過ぎぐらいか。」

「OK、じゃあ、よろしく。」

 いよいよ今年初、N沢でのタケノコ採りになる。

 この沢への入渓では、同行者がA氏になる。

 何度か紹介しているが、ここでの山菜採りは、山菜採りの技術よりも、行って帰るための体力がものを言う世界だ。

 とにかく行程が長い。

 しかも、高低差も大きい。

 さらに加えて、タケノコが採れた時の荷物の重さに耐えなければならない。

 今年は、この難業に耐えられるか、ドキドキする。

 一方で、その苦労の先に待っている月山筍はどんな具合か。ワクワクもするのだ。

 この難業に耐えられる体力を持ち、渓の状況についてもよく知っているA氏は、とても頼りになるパートナーだ。

 検問所で入山料を払い、今日の様子を尋ねる。

「少ないのお。駐車場の真ん中に停められるさげの。」

 最盛期になると、とんでもない数の山師が集う採り場だが、まだ少し早いようだ。

 確かに、駐車場にある車は十数台。

 可愛いものだ。

 身支度を整えているうちに少し明るくなってきたので出発する。

「とにかく、マイペースな。早い時、声掛けるべ。」

「OK」

 逆に言うと、オーバーペースが怖いのだ。

 複数で行動するときはもちろん、この山域のように、前後に別の集団が入っている場合には、特に注意が必要だと思う。ペースが乱れやすいのだ。

 自分の体力に合ったペースで歩くことが、こういう長丁場の山菜採りでは必須なのだ。

 歩き始めてから40分強、N沢の渡渉点に辿りつく。

       沢の流れが見える

 この時期にしては早い方だろう。スノーブリッジが崩れ落ちてしまっている。

       この雪上の汚れ通りに歩いてはいけない

 この状態になってしまうと、雪渓の状態が日に日に変化していくので、安全な場所を自分の目でしっかり確認してから渡らなければならない。

 1時間弱で『小屋跡』と呼ばれる休憩スポットに着いた。

       きれいな清水

 ここには、澄んだ清水が流れているので、水分の補給にはもってこい。

 そして、

       雪の量は少なめ

 山の様子も、ある程度把握できる。

       食べ頃のコシアブラが出てるけど採りません

 一息入れたら、いよいよ道中の後半戦。

 海抜高度を上げるにつれて雪が増えてきました。

       この辺まで来ると歩きやすい

 さて、そろそろですかね。竹林に潜り込む。

       おおっ、出てるじゃないの!

       かなりの高品質ですよ!

       さすがはN沢

 ハケゴが満杯というわけだはないのだが、重たくなって身体が振られるようになってきた。

 2回ほどリュックに詰め替えをしたところで、

「結構採れたね。」

「どうする?」

「上は、出てないみたいだから終わりにするか。」

「あいよ。」

       沢に降りると眩しい日差し

       この辺りはフキノトウが出始め(採りません)

       ミズバショウとリュウキンカも眩しい

 帰り道、下り基調だから楽なはずなのに、スピードが出せない。

 荷物の重さに、体のバランスが保てないのだ。

 というか、それに加えて、右膝に若干の違和感を覚える。

 ここは、慎重に行くべきだろう。

       遥かに庄内平野。ここを下り切れば少し安心

       ムラサキヤシオも間もなく花時を終えそう

       木漏れ日とセミの合唱の中を下る

 午前9時前、無事に駐車場に戻ることができた。

 ああ、よかった。

 そして、楽しかった。

 ドキドキはすっかり治まり、その代わりに喜びでいっぱいだ。

 山の神様、沢山のお山の恵みをいただきました。そして、今回も無事に戻ることができました。

 ありがとうございます。


簡単、美味しい、わらびたたき

2024年06月09日 | 山菜料理

 『わらびたたき』という料理を知っているだろうか。

 当地では『一本漬け』とともに、定番のワラビ料理だ。

 美味しいし、それほど手間もかからないので、時々作って食べている。

 今回は、ワラビの収穫が多かったので、作って楽しませてもらっている。

 とりあえず、今回の作り方をなぞってみますね。

 下ごしらえ・調理の部

 普通にアク抜きしたワラビを使います。

       今回は200g強用意しました

 ・みじん切りにしたら

 ・まとめては切り、また向きを変えて切りと何回か続けるとトロトロになります

 ・味噌40gを量り採って

 ・ワラビと混ぜるために、また寄せてはたたきを繰り返します

 アジのナメロウみたいな感じですな。

 ・顆粒出汁も加えて更に混ぜたら

       出来上がりです

 これをそのまま食べても美味しいんだけど、

       ご飯に乗せると超美味しい!

 山形の郷土料理です。

 調べてみると、秋田あたりでもよく食べられているみたい。

 この料理、ご覧の通り簡単だけど、わらびそのものの美味しさと、たたいた後に出る粘りを楽しめる、とても優れた料理です。

 今回は、味噌と出汁で味を整えたけれど、味噌を焼いて使ったり、山椒をかけたりしてバリエーションも楽しめます。

 もし、わらびが多めに手に入ったら試してもらいたい料理です。

 ほんとに美味しいよ!


ジョーカーが出てしまった 初冷やし中華

2024年06月08日 | 日記とレシピ

 同僚の一人が風邪をひいてしまった。

 いわゆる夏風邪ってやつだ。

 なんだか、コロナでない普通の風邪なんてすごく久しぶりみたいな気がする。

 でも、ここに来て風邪っていうのもよく分かる。

 何と言っても、このところの気温の乱高下が大きな原因ではないかと思うのだ。

 最高気温が10℃台まで下がったと思ったら、真夏日の暑さが来る。

 一日のうちでも、朝と昼の気温差が20℃以上もあったりする。

 これじゃあ身体がびっくりしてパニックを起こしてしまう。

 で、本日は夏日です。 乱高下の『高』の方ね。

 やっぱり、この気温の変化に適応するためには、服装と食べ物ですよ。

 本日のランチは冷やし中華。 何の異論もなく決定した。

 女性陣が出かけるというし、やってみたかったこともあるから、全面的に任せてもらいましょう。

 お昼過ぎ、そろそろ調理に取り掛かります。目標の食事タイムは1時半ごろ。

 それまでに色々遊ばせてもらいます。

 一番に試してみたかったのがメンマ

 メンマそのものは何度か作ってはいるんだけど、この春に冷凍したタケノコをうまくメンマに変身させられるかどうか試したいのだ。

 ということで、

       拍子木型で、だし汁に漬けたタイプのタケノコです

 ・ジップロックごとぬるま湯に浸けて解凍を始めます

 この間に作れるだけの具材を作っておきましょう。

 金糸卵、行ってみます。

 ・卵にお酒と砂糖と塩少々加えて解きほぐしたら、網で濾して

 ・中火で焼くのはいいんだけど

 ・ランディング地点に濡れ布巾を用意しておき、卵が固まってきたらここにジュッとおいて蓋

 ※名手、白ごはんさんの作り方です

       固まり切っていないけど、まあいいや

 ・細く切り分けると、トロっとして美味しそうじゃないの

 一丁上がり!

 続いて、贈答品シリーズ

       何やら由緒ありそうなベーコンを戴いたので使わせていただきます

       薄く切ってチャーシュー代わり

       こちらも戴き物で、刻み海苔

 ・トマトの皮を剥いて8等分に櫛切り 

 ・キュウリ1本千切り

 いよいよタケノコの解凍が済んだようなので、

 ・タケノコ250gに合わせて、中華出汁8g、醬油10g、ごま油に砂糖にラー油はそれなりに入れて(だし汁+水=ヒタヒタも必須)

 ・中火で煮詰めていきます

       出来上がり!(超美味しかったです)

 掘ってきてすぐに冷凍したからかな? 冷凍のだし汁が効いたのかな?

 とにかく大成功です。

 もう、何丁目だか分からないけれど、具材は、これでほぼ出そろいました。

 残るは、麺つゆです。

 ・穀物酢100mlに醤油90g、冷水50gと砂糖27gにごま油5gを混ぜて準備完了

 ぷくっとぷくまるさんのレシピを参考にしました。

       本日の冷やし中華ラインナップ

 ・太めの生麺を時間通り茹でたら、冷水で締めて

 トッピングは各自にお任せ。

       はい、出来上がり

 これ、すんごく旨かったです。

 暑かったからと言うのが一番の理由なんだろうけど、ツユも金糸卵もメンマもチャーシューも稀に見る美味しさ。某メーカーの太麺も、コシがあってツユをよく絡めて非常に美味しい。

 多分今年の夏も、冷やし中華にはかなりお世話になると思うんだけど、冷やし中華との対戦が始まったと思ったら既にジョーカーが出てしまった感じ。

 スポーツで言ったら、試合開始早々の一本勝ちとかノックアウトみたいなもの。

 これを超えるにはどうすればいいんだ?

 かなりレベルの高いハードルです。

 なんだか、早くも今年の夏の目標が一つ決まった感じがします。

 今年の夏の自由研究テーマは、美味しい冷やし中華。

 必ずこの味を超えてみせましょう!

 とりあえず、ご馳走様でした!!

 さあ、ワクワクしてきましたよお!!!


初夏のマイナスイオン散歩

2024年06月07日 | 日記

 6月に入ったということは・・・。

 このワードで連想される風物は、人それぞれだろうし、その軽重も皆違うだろう。

 で、マタギの場合、いよいよN沢のタケノコ採りが始まるというのが最も大きな6月のイメージなのだ。

       赤いダイヤと呼ばれる美しい姿(これは去年の画像)

 類まれなる高品質。

 同じネマガリタケでも、他の山域とは別格なのがN沢の月山筍。

 豪雪のため、半年間閉ざされていた山域にもようやくようやく春が訪れ、タケノコたちが顔を出すのが6月なのだ。

 この山の神様からの恵みを採りたいし食べたいという願いが、『6月』という言葉を聞いただけで湧き上がってくる。

 ただ、同時に浮かんでくるのが、「今年も行けるだろうか?」という一抹の不安。

 年々衰えている体力で、あの難行苦行を乗り越えられるのか。

       延々と続く天国への道

 行ってみなけりゃ分からない話なんだけど、その前にやれることがなくはない。

 自分の体力の点検と、維持増進の試みだ。

 この時期、山菜採りを兼ねるのが最も効率的で、生産性も高いのだが、3日前にY川でワラビ、2日前にS川で夏山菜を採っているので、本日は、収穫を求めずに歩くことにした。

 出かけるのはキノコ山

 秋になったら、必ず訪れる場所だが、この時期に訪れるのもよいと考えた。

 何と言っても、豊かなブナ林と渓水とが出迎えてくれるのだから。

 マイナスイオンに包まれての散歩が身体に悪いはずがない。

 収穫の予定はないけれど、ある程度の荷物を背負い、熊鈴を鳴らしながら歩くことにした。

 そして当日、夜明けとともに登山道に入る。

       気持ちの良いブナ林

 この淡い緑色の空間に入り込んだだけで、山の霊気が体内に吸い込まれてくる感じ。

 気持ちいい!

       遥かな朝日連峰にも朝日が当たり始めている

       足下の渓流は増水気味

 昨日までの雨が渓の水垢を洗い落としている。

       去年倒れた倒木

 昨年よりも苔が増えてきた。 秋にはハナビラニカワタケがいち早く出てくるだろう。

 さて、水平道を終えて登りにかかる。

 無理はしない。

 登っては休みながら徐々に進む。

       名前の分からないツツジ

       癒される

       ガマズミの白も目に優しい

       主峰も朝日に映え始めた

 ここまでで1時間。

 登山としたら、全然大したことはないのだろうけど、それなりに登ったという感触。

 うん。大丈夫かな。

       針葉樹が主体の尾根道を戻り、再びブナ林へ

       茎を伸ばし始めた山葡萄が美しい

       終着の頃、足元まで朝日が届き始めた

 ああ~、気持ちよかった。

 こういう、何の収穫も求めない山歩きっていうのも、いいもんだね。

 山の神様、素敵なひと時をありがとうございました。

 おかげで、自分の体力の現在位置が少しは分かった感じがします。

 さあ、本番は来週あたりかな。

 そっちの方も、マイペースで楽しませてもらおうと思います。


フキはそんなに甘くない

2024年06月06日 | 山菜料理

 今回のS川からの戴き物は、ミズ月山筍、それにもう一つがフキだ。

 正に、夏の山菜のそろい踏みと言ったところでしょう。

 で、そのフキ料理について記録を残しておくことにしました。

 理由は後ほど。

 前回フキを採ってきた時に一つ失敗してしまったんです。

 まずは、そのことから。

 フキの場合、下ごしらえの作業が三段階に分かれます。

 

 ① フキの硬さに合わせてある程度茹でる

 ② しばらく水にさらす

 ③ 皮を剥く

 

 このうち、前回は、②の段階を見誤ったために、アクの強いまま料理してしまい、もう一度アク抜きをし直すことになりました。

 つまり、②の段階は、フキのアク抜きタイムね。

 そこで、今回は、同じ失敗をしないように②にたっぷり時間をかけたんです。

 では、画像を加えて振り返っていきます。

       採ってきた日の午前11時頃にアク抜きを開始しました

 ・10分ほど茹でて、完全に冷めるのを待ちます

 ・その夜、アクの出た水を取り替えたら

 翌朝は仕事に出かけて、夕方帰宅。

 たっぷり水にさらしたからもう大丈夫でしょう。

       きれいなフキです

 ・皮を剥いたら下ごしらえ完了

       寸切りにして、半分を前回好評だった含め煮

 ・水4に対して出汁醤油1の割合で作ったつゆに顆粒出汁を入れて

 ・今回はカツオ節も加えてみました

 ・ある程度煮込んだら火を消して、フキに出汁の味を染み込ませます

 ・こちらも完全に冷めるのを待って

       完成です

 すごく美味しく出来上がりました。

 やったぜ。やっぱりアク抜き時間をたっぷりとってよかったと思ったんです。

 だけど、残り半分がうまくいかなかったんですよ。

       残り半分は、恒例の炒め煮です

 いつもの分量(酒醤油みりん1:1:1)で、いつものように煮詰めていって、

       はい、出来上がり! と思ったら

 フキの味がしない!!!

 特に、先端の細いところ。

 太めの所は、それなりに美味しくできています。

 今回は、全体の中で細めの所を炒め煮に回したんですけど、これが大きな理由みたいな気がします。

 つまり、水にさらす作業と言うのは、アクが抜けるのと一緒にフキの美味しさまで抜けてしまうということなのだろう。

 で、影響の出やすい細い部分の味がぬけてしまったと考える。

 ・・・難しいもんだねえ。

 たかがアク抜き、されどアク抜き。一筋縄ではいかないってことだ。

 まあ、仕方がないべ。

 代わりに、一つ勉強になったぜ。

 ただ時間をかけるだけじゃなくて、フキの太さによって加減をしろってことね。

 山の神様、新たな発見をさせていただきました。

 今回もありがとうございました。