北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和六年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2024.06.01-2024.06.02)

2024-05-31 20:00:08 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 明日からいよいよ六月という事で梅雨の気配と共に今年はそれ程気温が高くないのが助かるなあと思う今日この頃ですが、今週末の行事紹介です。

 上富良野駐屯地創設69周年記念行事、6月2日には今週末戦車行事として最も注目行事が執り行われます。第2戦車連隊、第3地対艦ミサイル連隊、第2特科連隊第4大隊、第1特科群第131特科大隊、第3施設団第14施設群、つまり90式戦車に10式戦車と99式自走榴弾砲にMLRSから88式地対艦誘導弾まで一式揃う重装備の記念行事です。

 北宇都宮駐屯地創設51周年記念行事、6月1日に行われます。SUBARU宇都宮製作所と隣接する飛行場には陸上自衛隊航空学校宇都宮校と第12ヘリコプター隊第1飛行隊が駐屯していまして、TH-480練習ヘリコプター、UH-1J多用途ヘリコプター、UH-60JA多用途ヘリコプターが配備、編隊による祝賀飛行と飛行展示などが行われるとのことでした。

  第1施設団創設63周年古河駐屯地祭、施設団の記念行事が6月2日日曜日に行われるとのこと。第1施設団は東部方面隊直轄の施設部隊で、ただ隷下の施設群は第4施設群が座間駐屯地と第5施設群が高田駐屯地に駐屯しているので古賀には団本部と施設器材隊やダンプ中隊が駐屯、 このほか第2高射特科群第337高射中隊のミサイル部隊も居ます。

 入間基地ランウェイウォーク2024、入間基地の一般開放が6月1日土曜日に行われます。滑走路を自由に歩くことができるといい、飛行展示は行われないのかとよく聞かれますがいや滑走路に人が入っているんだから、と。退役が年度内というC-1輸送機などが綱引き大会に登場するという。事前応募などは必要なく、行けば歩ける行事とのこと。

 大宮駐屯地創設67周年記念行事、6月2日日曜日に執り行われます。化学学校が置かれるとともに中央特殊武器防護隊の中央特殊武器防護隊本部中隊と第102特殊武器防護隊と第103特殊武器防護隊、1999年から市ヶ谷駐屯地より移駐した首都防衛を担う第1師団隷下の第32普通科連隊が駐屯、ここでしか見られない装備、というのが意外と多い。

 第43回横浜開港祭護衛艦ゆうぎり一般公開が6月1日と6月2日に予定されています。みなとみらい地区一帯で行われる祭事の一環として護衛艦が一般公開されるといい、土曜日は1300時から1600時まで、日曜日は1000時から1600時まで公開されるとともに岸壁での装備品展示も行われる。会場は大さん橋、いずも一般公開が行われたところ。

 奈良基地航空自衛隊創設70周年記念祭が明日6月1日に行われます。航空自衛隊幹部候補生学校が置かれている、奈良県では唯一の自衛隊基地です。滑走路はなく術科学校ではないので地対空ミサイルやレーダーなどは置かれていませんが、例年、白山分屯基地などの装備が展示されるほか、F-15戦闘機の展示飛行がおこなわれるとのことでした。

 徳島駐屯地創設12周年記念行事が6月2日に予定されています。第14旅団隷下の第14施設隊が駐屯、2個施設小隊と器材など2個小隊基幹、陸上自衛隊で最初に07式機動支援橋を装備した部隊として知られている。徳島駐屯地ですが徳島市徳島空港に在るのは北徳島分屯地であり、徳島駐屯地はもっと南の阿南市にありますのでお間違えなきよう。

 防府北基地航空祭2024、日曜日の6月2日に予定されている、飛行場が置かれている方の航空祭です。基地にはT-7初等練習機を運用する第12飛行教育団と第13旅団隷下の第13飛行隊が駐屯する防府分屯地とがありまして、T-7練習機などによる編隊飛行や機動飛行が行われる。C-2輸送機やF-2戦闘機にF-15戦闘機やAH-1Sヘリコプターが飛ぶ。

 防府南基地創設70周年記念行事が明日6月1日に行われます、こちらは航空基地ではないほうの防府基地ですのでご注意ください。防府南基地には航空教育隊司令部が置かれています。防府南には第1教育群の第1教育大隊と第2教育大隊が展開、なお先日行事を行いました熊谷基地には第2教育群が。この二つの基地で自衛官候補生の教育を担う。

 湯布院駐屯地創設68周年記念行事、6月1日に行われる。例年は冬の寒い季節に行われるのに、と思われるかもしれませんが今年は忙しかった、それは3月に西部方面特科隊が第2特科団に拡大改編され創設されたためで、そう、第2特科団が創設されて最初の駐屯地祭でもある。このほか湯布院には水陸機動団特科大隊も駐屯しています。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・6月2日:上富良野駐屯地創設69周年記念行事
・6月1日:北宇都宮駐屯地創設51周年記念行事
・6月2日:第1施設団創設63周年古河駐屯地祭
・6月1日:入間基地ランウェイウォーク2024
・6月2日:大宮駐屯地創設67周年記念行事
・6月1日6月2日:第43回横浜開港祭護衛艦ゆうぎり一般公開
・6月1日:奈良基地航空自衛隊創設70周年記念祭
・6月2日:徳島駐屯地創設12周年記念行事
・6月2日:防府北基地航空祭2024
・6月1日:防府南基地創設70周年記念行事
・6月1日:湯布院駐屯地創設68周年記念行事

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-岐阜,岐阜大学前-新しいNATO!?ではなくイタリアンのお店

2024-05-31 17:12:41 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 洛西と似ている雰囲気があるのかここは。

 岐阜大学学生街、とはいうもののこの岐阜大学というのは岐阜市山間部に隣接した郊外の田園地帯に広大な、これこそがキャンパスだ、という風情とともに広がっていまして、ふと桂のほうに来たような広々差に錯覚を受ける様な自由な気質に溢れているのですね。

 ジンジャーエールで先ずのどを潤す、のですが先ず昨年の五月と比べると暑さ、昨年は暑さでおととしはもう五月の内に仙台市とかで気温40度を超える熱さで参ったものですが、今年はのどを潤す程度の、涼しさというべきなのか、過ごしやすい気候で助かります。

 トマトのカプレーゼを。先ずはアンティパスト、そう前菜、小皿にお行儀よく深紅のトマトと醍醐味のチーズが、香味をたくましく湛えた酸味或るオリーブオイルにバジルを散らして添えられてテーブルを飾ります、が、いろいろあってワインとウィスキーは断念で。

 NEONATOさん、北大西洋条約機構とは恐らく関係ない、けれどもNEOとNATOが並ぶと不思議な印象を受けるお店は昔、西岐阜駅の近く、有名なホビーショップTAMTAM本店の隣にあったという歴史がありまして、TAMTAMといえば昔は値引きで有名だった。

 電動ガン、TAMTAMはその昔45%値引きとかいう凄い安値で有名でしたが、それもこの十五年間ほどは日本製電動ガンが中華製電動ガンの品質向上とともに仕入の難しさで他のECHGOYAやファーストに後れを取り、TAMTAMさんは総合ホビーショップへ転向する。

 ペンネアラビアータがやってきた。ペンネをどのように味わいある逸品へ和えるかというのは文字通り腕の見せ所で、京都にも美味しいお店があるのですがその京都の美味しい店というのが舞鶴市のほうでして、実は京都から岐阜駅と東舞鶴駅は運賃が同じ遠さ。

 アラビアータ、トマトベースに少し赤唐辛子を利かせた、人によっては辛口とも思うかもしれない、けれどもそれが香辛料の刺激とともにトマトの酸味を愉しめるのが嬉しい逸品で、ロングパス他のようにフォークで撒かずに、挿すか載せるかして頂いてゆくのだ。

 ペンネ、イタリアンなお店では定番なのですけれども、美味しいお店を探すというのは単にパスタの美味しいお店を探すよりも少し努力が必要となってきます、だから美味しい店を見つける、いや探すよりは気になったお店に入るだけですので、めぐり合うのは貴重だ。

 マルゲリータピザ、そう、このパスタとピザを併せるというのはちょっと満腹過ぎるのかもしれませんが、NEONATOさんのピザは薄い、ミラノ風というのかな、軽い口当たりですので不思議と重すぎず、考えれば全部トマトベースだなあ、とおもいつついただく。

 ピザには炭酸飲料ですよねえ。とまあこう表現しますと健康とか心配されてしまうのですが、熱い深煎りの珈琲も実はピザには合う。どちらにするのかは気分次第なのですが、ビールも合うのだけれども、ちょっと、ということで炭酸飲料で誤魔化しているのだけれど。

 六等分して一気に熱々のままに楽しむか、八等分してまあときがすすむとともに冷めるのは物理だから仕方ないよねとおもいつつ、文庫本を手に炭酸飲料を少し口に含みピザを一切れ齧る様な時間の過ごし方のような頂き方をするか、迷うところですが、さてさて。

 岐阜大学前、のどかな田園風景に大学キャンパスが広がる様子は洛西を思い出すようで、そう思い起こせばこの先には西国三十三札所巡礼の谷汲山はじめ多くの寺院が並ぶところも重なりまして、その静かな山手に換気の良い学生街がこう、ひろがっているのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-岐阜,岐阜大学前-モーニングが食パン丸ごとやってきた

2024-05-31 07:01:41 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 5月31日という一日の始まりに今朝はひとつ薫り高いコーヒーの話題といたしましょう。

 岐阜大学学生街特集、と唐突に始めるのですが岐阜大学周辺のグルメについてちょっといろいろ出会いというものが有りまして数回に分けて紹介してみましょう。岐阜大学は岐阜駅から徒歩、三時間では難しいか、ちょっと郊外にあります広いキャンパスが印象の。

 しょぱん、という喫茶店です。要するに“岐阜モーニング”という、コーヒーなど飲み物の代金だけで様々なサービスを受けられるという岐阜県の繊維問屋街発祥の食文化ですが、しょぱん、というのは岐阜市を中心に数軒展開しています珈琲チェーンの大学前店という。

 食パンのようなものが見えるかもしれませんが、しょぱん名物の食パンです。決して過度に大きなものではないのですが一斤のコンパクト版のような食パンが、しかも焼き立てのあつあつでふかふかの食パンが、珈琲一杯注文するとひとつ丸ごとついてくるのですよ。

 熱々の食パンにはバターが載せられると共に十字の切込みが刻み込まれていまして、そっと片隅を持ち上げるだけでバターは熱々のパンの内部に滑り込み、溶けて滋味しょっぱい醍醐味を醸してくれるのですが、ここに付け合せのメープルシロップを注ぐ事もできる。

 ソフトクリームをオプションで付けてみました、熱々だからやってみたいのは、ソフトクリームを載せて溶ける前にさっと頬張ってしまう、熱い中で甘みが冷たさがと、なんともいえない美味しさというか悪戯のような甘みを食パンで愉しめるかなあと、この思い付き。

 モーニングはレーズンパンやトーストや食パンから選べまして、ドリンク料金だけで頂ける。そしてオプションでこのソフトクリームのようなものを点けたす事も出来ます、焼き立てパンは噛んで弾むような不思議な食感と香がとてもよく、珈琲とも良く合うのだ。

 岐阜大学正門前の道路を一つ信号で西に曲がった先に直ぐありますのはしょぱん、田園風景の中に浮かんでいます。その先の十字路の向かい側にはコメダコーヒーもありまして、このほかに個人経営のお店が数軒、モーニングサービスを行っていて、朝の賑わいがあるのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【G3X撮影速報】練習艦隊江田島出航二〇二四【3】近海練習航海部隊・外洋練習航海部隊(2024-03-16)

2024-05-30 20:01:12 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■堂々の艦隊出航
 高田港からこの高台までは兎に角毎年のようにこんなに上り坂きつかったかと思う苦労が有るのですが、近海練習航海部隊と外洋練習航海部隊が動き出すとともにこの撮影位置に陣取ってよかったと思う。

 かしま出航、続いて護衛艦さわぎり出航とつづいています。超望遠ズームレンズの特性というべきなのでしょうか、かしま、さわぎり、全長ではあまりかわらない大きさなのですがレンズの圧縮効果により護衛艦の方がかなり大きく見えていますね。

 さわぎり、かしま後方にはいりまして単縦陣を構成してゆきます、江田島基地の幹部候補生学校では、そうこの撮影位置からは4kmちかく離れているのですが、多くの見送りに並ぶ、教官と家族の方でしょうか、人垣がここからでも確認できるほどの賑わい。

 艦隊出航、この数年で艦隊出航におけるおおきな課題はヲタ船とよばれる好事家のチャーター船による航路妨害でしょうか、このために単縦陣でも急制動をかけることがありますので、さわぎり航行がちょっと離隔に留意している航跡がみえてしまうのです。

 幹部候補生学校を背景に、2隻の艦艇とともに。撮影位置を考える際に難しいのは単縦陣をうまく構図にいれることで、それは必ずしも標高の高い場所で撮影することは最適解ではないのかもしれませんが、低い撮影位置では、ヲタ船が紛れ込んでしまう。

 うらが出航、海軍兵学校校舎を背景に掃海母艦がゆっくりとうごきだします、海軍兵学校校舎ですので軍艦を模した校舎の設計となっていまして、実際に戦艦陸奥搭載の41cm艦砲が海を向いている様子がはっきりとみえまして、これが生きている歴史、と。

 海軍兵学校校舎、毎年といいますか毎日一般公開されている幹部候補生学校校舎なのですが残念ながらこの卒業式の一日は関係者のみの公開となっています、けれども。今年は此処撮影位置まで例年通り広島からではなく呉から江田島にわたり、ここに至る。

 呉からここ高田の撮影位置まで、路線バスにて江田島基地のまえをとおりましてそして出航準備を行う艦艇を車窓からみたのですが、陸上からみているのですよ、それでも、こんなに大きいのか、と舞鶴の岸壁でみるよりも存在感を大きく感じ不思議でした。

 うらが、さわぎり後方から続きます。圧縮効果とかいろいろ説明しましたが、うらが満載排水量は7200tありまして、あさぎり型護衛艦である護衛艦さわぎり満載排水量は5900tですので、実感するのはやはり掃海母艦は母艦というだけあっておおきいなあ。

 単縦陣、近海練習航海部隊3隻が並んだ様子です。ここに外洋練習航海部隊の1隻がくわわるのですが、ヘリコプター搭載護衛艦が練習艦隊旗艦を臨時でつとめていた年度の出航は、後ろにもう少し護衛艦型の参加艦艇が並び、なかなかに壮観だったもの。

 くらま、練習艦隊臨時旗艦に出航したときなどは、はつゆき型、あさぎり型と一昔の護衛隊群をおもわせる編成でした。いせ近海練習航海参加のときはもっと期待したのですが満載排水量19000tは江田内には大きすぎたのか呉基地で待機だったのは残念でした。

 むらさめ、動き出したのが見えました、こちらが外洋練習航海部隊を構成する一隻のみの護衛艦でして。しかし部隊を名乗るからには、ここにもう一隻、護衛艦でも訓練支援艦でもなんでもいいから加わってほしいなあと思うのは、わたしだけなのだろうか。

 江田内から広島湾にむけて、かしま、ややゆっくりとですが確実に進路を進めています。写真に仕上げるとながながとしていても、実はすばらしいと納得できる構図は一瞬でもあるので、カメラを構え続け、三脚持ってくるべきだったかと今更気づくのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢-黒海安全回廊660万tの穀物輸出とセヴァストポリのコルベットツイクロン撃沈

2024-05-30 07:01:30 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ情勢です。アメリカからの支援再開の成果が有る程度見通せ始めているのですがいまひとつ日本の姿勢についても再考してほしい所です。

 ウクライナは2024年4月に660万tの穀物を輸出した、ウクライナ経済についてイギリス国防省が5月22日付ウクライナ戦況報告において情報をまとめていて、660万tの輸出は一ヶ月の輸出成果としては2022年2月のロシアウクライナ戦争開戦以来最大規模に上ったとし、その背景には黒海安全回廊が確保されたということが大きい、と。

 黒海安全回廊は世界の穀物輸出量の10%近くを占めるウクライナ産穀物をアジア中東アフリカ地域へ輸出するために周辺国とロシアが協力したもので、2023年8月に設置されていらい船舶1600隻が4500万tの貨物を輸送、穀物以外には鉄鉱石と鉄鋼などが含まれているといい、これはウクライナ経済の回復にも大きく寄与することでしょう。■

 ロシア軍はハリコフ侵攻部隊の再編成を開始した、ISWアメリカ戦争研究所5月22日付戦況報告によれば、ウクライナ軍軍事オブザーバーのマショヴェッツ氏の発言としまして、ハリコフ州のリプシ周辺に侵攻したロシア軍第7自動車化狙撃連隊を交代のためにウクライナ領内から撤収させ、ベルゴロド州とクスルク州で再編中、とした。

 防空装備の枯渇が苦戦の背景にあるというウクライナ軍ですが、ドネツク州を防衛するウクライナ軍旅団が過去2週間で4機のロシア軍Su-25攻撃機を撃墜したと18日に発表したとISWは紹介しています。この戦闘には広域防空システムではなく個人携帯用のMANPADを使用、ロシア軍はMANPADの射程内まで攻撃機を前進させている証左です。■

 ウクライナ軍はセヴァストポリ軍港停泊中のコルベットツイクロンを撃沈しました。5月23日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍は19日、自爆用無人機とアメリカが供与したATACMSを組み合わせて実施、このツイクロンは対地攻撃用のカリブル巡航ミサイル運用能力をもつカラクルト級コルベットです。

 ロシア黒海艦隊にはカラクルト級コルベットが4隻装備されていますが、セヴァストポリ軍港への相次ぐ攻撃をうけ2023年11月に1隻が大破していて、また2隻は安全なカスピ海へ退避しているとされています。カリブル運用可能という水上戦闘艦はほかにも存在しますが、ロシア軍は黒海を正常に運用することが厳しい状況でしょう。

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【京都幕間旅情】西来院,経文と歴史は庭園美超える哲学との融合求められる寺院の庭園

2024-05-29 20:23:16 | 写真
■天井は近すぎた白龍
 物事には融合といいますかそれそのものとの調和こそが大事であり調和が無ければ均衡を欠いて物事は崩れてしまうのです。

 西来院には新しく白竜も描かれているのですが、天井が低すぎてちょっと見えない、押しかかってくるというよりも描く場所を間違えたという感じさえして、法堂で小泉画伯の双龍図を見上げた後だけに、拝観する順番を間違えたかなあ、と少し考えてみた。

 天井画については、ちょっと、考えているのかなあ、とも思いまして。いや考えた末ではあると思うのですが、絵画としては美しいといいますか素晴らしいものがあるのですけれども、ちょっと天井の高さを考えずに書いたのかなあ、という印象が否めない。

 龍の、雲龍でも蒼龍でも、今を生きる芸術家としてもっとも尊敬するとともに、京都の寺院にもたびたび壮大な龍の絵図を、多くは襖絵というかたちなのですけれども寄進してくれていますのは、元総理大臣で細川家当主の細川護熙氏、このひとにはかなわない。

 細川護熙さん、建仁寺にも襖絵を、こちらは龍ではないのですけれども本坊のほうに描かれていまして、ちょっと進歩的過ぎやしないか細川内閣のように、とおもえるのですがじっと腰を据えて新緑の季節に景色の一つとしてみていますと、不思議と調和していて。

 龍については龍安寺がもっとも印象深いところではあるのですが建仁寺も、新緑の季節はもちろんなのですが、紅葉の季節を超えて真冬の寒さの中に見ますと、同じ色彩だろうか季節により変えているのだろうかと思うほどに春夏秋冬、溶け込んでいます。

 小泉淳作画伯が法堂に描いた天井画などは息をのむような迫力とともに語り掛けるような、なにか人を超越したものを、こういうのを畏敬というのだろうなあ、知らせるような構図に感動しましたこともありまして、ゆえにわたしは新しいものがダメではない。

 小泉博氏の実兄というのも好感度を底上げしているのかもしれませんが、モスラとモスラ対ゴジラの印象が強いのですがサザエさんのマスオさんというイメージも何か懐かしく、日本のいちばん長い日では和田信賢アナウンサー役が印象深かったのですが。

 寺院の美術というのは難しいのですが、まず調和しているのか、ということが重要になるように思う。しかし、謂れと歴史と哲学に調和さえしているならば、意外と突飛なものであっても風景の一部に、つまりそれは歴史の一部なのだ、溶け込んでしまう。

 法堂に守るように描かれた双龍は、龍という存在が欧米でいうところのドラゴンではなく龍という人知の先にある畏敬の対象としての存在なのだ、という事を、信仰の守り手という印象で見せてくれるのですが西来院の白竜は何処まで行っても竜なのです。

 幡龍図、実はどの程度、迫真に行っているかよりも調和というものが重要だと学ばされたものがありまして、いっけん、こんなものかあ、と思いつつしかし華美を排して法堂の情感と寺院の立地に見事に調和している事例が、場所は妙興寺、名前で行った。

 妙興寺という、いきなり愛知県一宮市の話題なのですが、有名な画家の友人が天井に描画したという法堂の幡龍図があります、こちらは優美化といえば少し滑稽のような、しかし存在感のある天井画となっていて、調和とはこういう事なのだと前に感心して。

 みょうこう、という山号は妙高ではなく妙興寺なのですけれどもイージス艦のような名前だなあと遠く拝観に行きました際に、調和というものの大切さを学んだように思う。西来院の龍も、しかし時が場面と調和させてくれるのか、と願い拝観を了としました。

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【京都幕間旅情】西来院,躑躅が美しい季節に拝観へ歩み進めた再興なった寺院庭園

2024-05-29 20:01:21 | 写真
■蘭渓道隆の世界
 百年以上にわたり拝観できなかった荒廃から再興成った寺院があるということで半分好奇心を押えつつ拝観へ歩み進めました。

 建仁寺の塔頭、ということで、しかも山内塔頭というのだから本坊とは文字通り指呼の距離にあるのですが、ちょうど躑躅が美しい季節でしたので、そういえば下志津駐屯地のツツジ祭も長いこと行っていないなあ、と少ししんみりしてしまいました次第でして。

 西来院、開基は蘭渓道隆という13世紀の建仁寺のかたによるもので、当初は清本院という小さな庵であったということですけれども、のちに短期間で荒廃することとなりまして、しかし応永年間の、西暦では1394年から1428年のころ、再興することとなります。

 道隆四世の法孫大宗が清本院を再興するさいに山号を西来院と改めたことで今の位置に。今の位置と書きましたのはやはりといいますか応仁の乱で全焼してしまい、そして再建成るも天文法華の乱でまたしても全焼、江戸時代の慶長年間以降に再建され今に至る。

 再興ではなく再建としましたのは、いまの令和時代がまさに再興の時代と言えるからでして、具体的に言えば庭園が整備されて一般公開となりましたのがまさに今年の2024年という。落慶法要が3月といいますので、第10偵察戦闘大隊と同じくらいあたらしい。

 寺院の作庭というのは、難しい。重森三鈴さんの策定などは新しいのだけれどもなにか仏教哲学との不思議な融和があって説得力があるもので、それは画家を志したあとでの挫折を出家という一段落置くとともに環俗の際に改名した出自とかかわりがあるのか。

 重森三鈴の作庭は仏教庭園に関する造詣というものが付け焼刃ではなく、それこそ枯山水庭園はもともとの意匠をいしきしつつ、自分の作品を寺院に策定するという自己満足ではなく、あくまで寺院の歴史を説得させる納得の出来というのがかんしんします。

 中根金作、20世紀に活躍した作庭の大家といえば、維持するのは大変だろうなあ特に百年二百年後、と危惧するものの世界からは日の本いちの庭園、と名高い島根県の足立美術館庭園を作庭した作庭家のかたの、お孫さんが西来院の作庭を手掛けたという。

 中根行宏と中根直紀、中根兄弟として中根庭園研究所という中根庭園の維持とともに新しい時代の造園を手掛けているとともに研究しているという。新しい時代に策定する、となりますと、寺院の意匠がそのまま策定に反映される岡垣になります。

 寺院といえば、なにしろ作家の自己満足のようなプロジェクションマッピングを夜間拝観の際にやられてしまいますのを目の当たりにしていることも多く、この点、これが寺の解釈なのか、どうしてもこういうはやり物は京都駅とか東京都庁とかでやってほしい。

 建仁寺の末寺のひとつ、あえて名前は伏せるのですが、夜間特別拝観に合わせて枯山水の白洲にスプレーで染色した事例がありまして、それもおおざっぱといいますか、素早くやらなければ構想が飛ぶということなのか、速さだけの粗い仕事の展示をみたことが。

 二度とやらないところをみますとやはり拝観者、というよりも檀家さんかなあ、評判が悪かったのでしょうか、寺院の庭園ではなく自己表現の場に選んだのがたまたま寺院であったので仏教的な言い訳を適当に考えたような展示にちょっと怒り覚えたことも。

 しかし、ここ、西来院の作庭は開山の蘭渓道隆がかつて大陸に渡り修行したという中国の峨眉山を再現するべく、なんと峨眉山から庭石を取り寄せての作庭といいますので、いまは現場の岩を持って来れるのか、と現代物流の規模の大きさに妙に感心しました。

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ウクライナ情勢-ロシア軍アフリカ軍団ウクライナ侵攻と東部戦線チャシブヤール・ポクロフスク・クラホフ

2024-05-29 07:00:56 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 本日は記事文章は兎も角として合せるそれらしい写真も無いので舞鶴に過去親善訪問しましたロシア艦の写真で代用です。

 ロシア軍はアフリカ傭兵部隊による肉弾攻撃を攻撃準備段階で行っている、ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告5月21日付発表によればウクライナ軍軍事オブザーバーであるマショヴェッツ氏の発言を引用するかたちで、ロシア軍アフリカ軍団と呼ばれる傭兵部隊がウクライナのリプシ近郊における戦闘に投入されているとした。

 アフリカ軍団に関する情報はこのほかにもレニングラード軍管区第44軍団の内部情報を調査するウクライナ義勇情報部隊"アテシュ"がアフリカ諸国出身のアフリカ系戦闘員をハリコフ州北部で戦闘に投入している情報を入手しているとISWは紹介しています。このアフリカ軍団はアフリカでの戦闘経験を有する戦闘員で構成されているという。

 アフリカ軍団の戦闘員による攻撃はロシア軍が攻撃を加える前に肉弾突撃をおこなう要員として充当されている、ISWはハリコフ州北部の匿名ウクライナ軍人の発言も紹介しており、アフリカ軍団の行動は局地的なものではなく広範に行われ、また使い捨てのように、損耗をかなり前提とした運用が為されているとも分析しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ゼレンスキー大統領の発言です。

 チャシブヤールとポクロフソクに注意を払うべきだ、ウクライナのゼレンスキー大統領がロイター通信の取材に応じた際の発言をISWアメリカ戦争研究所が5月21日付ウクライナ戦況報告において紹介しました。これは、ハリコフ州での情勢はここ一週間にわたり安定しているが危機的となっている東部戦線を世界はみるべきだ、という。

 ロシア軍の攻撃は東部戦線の三カ所で強化されている、三カ所とは、バフムト近郊のチャシブヤール、アウディイフカ近郊のポクロフスク、ドネツク西部のクラホフ、としています。一方、ハリコフ州のリプシ近郊での戦闘はロシア軍が最初の急激な前進ののちに急激に減速したとしており、逆に東部戦線の攻撃が強化されているとした。

 ハリコフ州での戦闘はエコノミスト誌がロシア軍攻撃計画閲覧を報道していて、ISWが引用したところによればロシア軍の目的はハリコフ市内を砲撃できる位置まで72時間以内に前進、それはハリコフ市の北東20km地点、国境からは16kmの距離にあるボルショヴァと、国境から50kmのヴォフチャンスク南方にあるペチェニヒを占領するという。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【防衛情報】オーストラリア原潜計画とカナダたいげい型潜水艦輸出案,ブラジルプロサブ計画

2024-05-28 20:24:58 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 今回は各国の潜水艦関連の最新情報を纏めてみました。

 オーストラリア海軍が暫定貸与を受けるヴァージニア級潜水艦の建造が大幅に遅延する可能性が出てきました。オーストラリア海軍は当初フランスからバラクーダ級潜水艦、原子力潜水艦を通常動力推進方式に転換するという無理を押し通した潜水艦を導入する計画をイギリスやアメリカから原子力潜水艦を導入すると一転させています。

 ヴァージニア級攻撃型原潜をアメリカから2030年代半ばに借用し運用の実績を積むとともにイギリスより技術供与を受けオーストラリア国内に既存のASU造船施設を利用するか新しく潜水艦造船所を建設し2050年代に独自の原子力潜水艦を建造するという計画でした。しかし今回、ヴァージニア級のアメリカでの建造が大幅に遅れるという状況が。

 バイデン政権が発表した2025会計年度の海軍計画では2024年度起工予定のヴァージニア級攻撃型原潜が2隻の予定を1隻に半減させたことでオーストラリアに回す潜水艦よりもロスアンゼルス級攻撃型原潜後継艦を優先した場合、オーストラリアに回す潜水艦が遅れるとともに次期攻撃型原潜への移行期と重なる懸念が出てきてしまったのです。■

 カナダ海軍の次期潜水艦について日本の潜水艦たいげい型が候補の一つとして想定されているとのこと。これは昨年夏に韓国国内報道としてカナダ海軍次世代潜水艦に日本製潜水艦と韓国製潜水艦の二つが有力視されている旨の報道があったのに続き、3月29日に日本経済新聞が報道したもので、日本案が浮上しているという程度の報道ですが。

 たいげい型潜水艦輸出案は、通常動力潜水艦としては航続距離や行動半径の大きさと静粛性やオホーツク海などの低温海域から沖縄以南の高温海域まで対応可能という適合性の高さ、そして稼働率の高さが利点となります。難点として、技術移転と機密保持の難しさ、毎年1隻の建造という建造能力の限界、教育訓練支援能力の限界などがある。

 韓国製潜水艦としては、弾道ミサイル潜水艦を既に韓国海軍へ納入するなど要求に応じた多彩な設計能力とともに今回韓国はイギリスのBAE社と共同でカナダなどに潜水艦を提案しており、BAE社との協力により様々な技術支援や整備支援などを行うことが可能、ということ。カナダ海軍は稼働率低下が著しいアップホルダー級の後継を模索中です。■

 インドネシア海軍はフランス製スコルペヌ級改良型潜水艦の導入を計画しています。この計画は既に2022年に技術移転及びインドネシア国内での建造に関する覚書を、フランスのナーバルグループとインドネシア海軍との間で交わしていますが大きな進捗が無く、しかし2024年に入り、具体的な建造契約へ進む道筋が見えてきたとのことです。

 インドネシアは国有PT-PAL造船所での建造を希望しており、インドネシアには韓国からのドイツ設計209型潜水艦発展型技術移転を受けた際の施設が既に東ジャワ州スラバヤで稼働中です。ただ、課題はインドネシアもすべての技術移転を受けた場合でも国内生産部品だけでの自己完結した建造ができず、また仕様変更をどこまで盛り込むかでした。

 ナーバルグループによればスコルペヌEvolvedというリチウムイオン電池採用型の最新型が提案されており、これにより水中高速性能が改善、搭載燃料により8000浬の航続距離を有し80日間の連続航行が可能となり、また計画では2隻で21億ドルの調達計画となる見通しですが、三分の一は建造等でインドネシアに還元されるとのことでした。■

 ブラジル海軍が導入する新潜水艦トネレロが進水式を迎えました。フランスのナーバルグループが現地建造を進めていたもので、リオデジャネイロ州のイタグァイ海軍施設において行われた進水式には関係両国首脳であるブラジルのルイスイナーシオルーラダシルバ大統領とフランスのエマニュエルマクロン大統領が揃って臨席しました。

 プロサブ計画としましてブラジル政府は潜水艦の建造能力を独自に保有することを強く希望しており、今回の潜水艦建造は2008年にナーバルグループとの間で結ばれたスコルペヌ級潜水艦改良型建造契約として建造、スコルペヌ級潜水艦を初期にはフランスで建造し、続いてノックダウン生産に移行、最終的に完全な建造能力獲得をめざす。

 トネレロはブラジル海軍向けスコルペヌ級潜水艦では3番艦にあたり、また4番艦としてアンゴスチュラが2025年に進水式を迎える計画です。トネレロ進水式は3月27日に行われましたが、2025年には竣工を予定しており、ブラジル海軍は今後進水した潜水艦の艤装工事を進めるとともに早い段階で公試に移行するものと考えられます。

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ウクライナ情勢-NATO派遣エストニアカジャカラス首相発言とハリコフ国境周辺のロシア軍部隊動向

2024-05-28 07:01:51 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 NATOとロシアの距離が短縮する事はそのまま次の大戦に展開する懸念が生じますのでどうしても関心事となってしまいます。

 エストニアのカジャカラス首相はNATO加盟国を含む複数の国が訓練要員を既に派遣していると発言しました。ISWアメリカ戦争研究所5月20日付ウクライナ戦況報告ではアメリカのフィナンシャルタイムズ紙の報道を引用するかたちでカラス首相の発言を紹介していて、ウクライナ軍への訓練支援のために現地派遣が既に為されている、と。

 カラス首相発言では、派遣した国の詳細については避けながらも、危険な地域でのウクライナ軍訓練支援を行うことによるリスクは想定済みとしたうえで、ほかのNATO加盟国についても、こうしたウクライナ領内への派遣によりロシアとの関係が悪化し戦争が拡大するなどといったリスクをおそれるべきではないとしました。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 部隊の充足率については自衛隊もなかなかここでは書けないことを知っている故になんともいえないのですが。

 ハリコフ国境周辺のロシア軍部隊動向について、ISWアメリカ戦争研究所5月20日付ウクライナ戦況報告ではハリコフ州北部を防衛するウクライナ軍旅団副旅団長の発言を紹介しており、ロシア軍はさまざなか部隊から集成した部隊をスミ州国境付近に集結させているものの、目的は越境攻撃ではなくウクライナ軍誘引と分析しています。

 ウクライナ軍を国境警備に張り付けさせることでほかの戦線が手薄となることを目的とした誘引と副旅団長の分析を裏付けるように、ロシア軍はヴォフチャンスクではヴォフチャ川に沿って中心部へ浸透を開始、クリシチフカ南部やネタイロフ西方、そしてクラスノホリフカなどで一定程度の前進を続けているという概況があるとのこと。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 現時点では陽動であるのだけれども次の段階をロシアが想定していないとも思えないのですよね。

 アウディイフカ周辺での戦闘概況について、イギリス国防省は5月21日付戦況報告においてロシア軍が高速道路E50号線を起点にその両側に向けて浸透をつづけていると報告しました。ロシア軍のハリコフ州での新しい攻撃軸展開はやはり主攻撃ではなく、ロシア軍攻撃が活発であるのは東武地域であるとイギリス国防省は分析しています。

 高速道路E50号線はロシア軍が制圧しているドネツクとウクライナ軍防衛拠点のおかれたポクロイシクを結ぶ高速道路で、この72時間でロシア軍はかなりの損耗を容認しながら前進しており、この背景にはポクロイシクからドネツクに掛けてのウクライナ軍戦線に突出部を形成させ、そこから分断することが目的とイギリス国防省は分析する。

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