北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】自走榴弾砲!19式装輪自走榴弾砲配備とMAN-HX-3応用型装輪自走砲,カエサル2自走砲の完成

2022-05-31 20:19:44 | 先端軍事テクノロジー
■特報:世界の防衛,最新論点
 今回は各国砲兵装備の最新動向についてまとめてみました。冷戦後に各国の砲兵削減と共に砲兵の運用上の位置づけと射程延伸が装備の在り方を含め転換点を迎えようとしています。

 日本の陸上自衛隊は富士教導団特科教導隊へ新しく開発した19式装輪自走榴弾砲の配備を開始しました、この19式装輪自走榴弾砲は装備実験隊において評価試験が行われており、2019年には富士総合火力演習へも参加しています。今回配備されたのは特科教導隊第4中隊で、この中隊は昨年度まで最大の火砲である203mm自走榴弾砲を装備していました。

 19式装輪自走榴弾砲は旧式化したFH-70榴弾砲を置換える国産の装輪自走榴弾砲ですが、特科教導隊では第1中隊と第2中隊がFH-70榴弾砲を装備しており、19式装輪自走榴弾砲配備開始ののちにもこの2個中隊の編成は維持されています。なお師団特科連隊に配備されたFH-70に対し、19式装輪自走榴弾砲は師団特科を置換える方面特科連隊へ配備される。

 203mm自走榴弾砲は冷戦時代に旧式化した第二次大戦型の203mm榴弾砲と155mmカノン砲の後継として投入され、方面特科群や特科団などに91両が配備されましたが、方面隊の全般火力は平成時代にMLRS多連装ロケットシステムへ置き換えられ、そのMLRSも部隊再編により廃止される大隊が出ています。特科教導隊改編は象徴的な転換点といえます。
■MAN-HX-3装輪自走砲
 装輪自走砲が従来型の自走榴弾砲を圧倒する時代は近いのかもしれません。

 ハンガリー軍はドイツのラインメタル社が発表したMAN-HX-3応用型装輪自走砲の導入計画を発表しました。MAN-HX-3応用型装輪自走砲はMAN社が開発した新型トラックであり、もともとは戦車輸送車等に用いられる10輪型大型輸送車となっている、ラインメタル社はこの大型の車体であれば自走榴弾砲を車載するよりもそのまま自走砲化したかたち。

 MAN-HX-3応用型装輪自走砲はMAN-HX-3大型輸送車の荷台部分に砲塔を直接搭載していますが、これは本来であれば自走榴弾砲を車載する空間に砲塔を載せる為に事実上、艦砲並の大きさまで許容する冗長性があります。この自走榴弾砲の特筆すべき点は、現在搭載されている火砲は52口径ですが将来的に60口径の長砲身砲搭載も可能となっています。

 MAN-HX-3応用型装輪自走砲は砲塔システムが無人化され、その操砲は車体装甲区画の装甲キャビンより可能となっています。52口径砲の主砲は射程80kmを発揮しいますが60口径砲では100kmに達するという。ハンガリー軍は2019年にドイツよりPzH-2000自走榴弾砲24門を導入しており、野戦砲兵火力の強化を進めている証左といえるでしょう。
■PzH-2000自走榴弾砲
 PzH-2000自走榴弾砲をドイツが捨てるというので飛びついたのがリトアニアです、自衛隊の99式自走榴弾砲と同じ52口径砲だ。

 リトアニア軍はドイツよりPzH-2000自走榴弾砲18門の導入計画を完了しました。バルト三国の一角を占めるリトアニアはロシア軍の軍事圧力に曝されています、それはロシアの飛び地カリーニングラードに隣接する地域、スヴァルキギャップに位置する為であり、この軍事圧力に対応するべく、リトアニアは北大西洋条約機構NATOへ加盟しています。

 PzH-2000自走榴弾砲について、リトアニアは2015年にドイツ連邦軍より余剰となった火砲21両の取得を発表します、そして2両を訓練用とし、更に3両を予備部品として温存する方針としました。ただ、車両そのものは管理するクラウスマッファイ社よりアップデートが必要と伝えられ、訓練用の2両については2018年に譲渡されましたが、その後には。

 52口径155mm砲を搭載する世界でも最有力の自走火砲の一つであり、ドイツよりPzH-2000自走榴弾砲18門の導入は時間を要しましたが2022年に完納となりました。リトアニア軍はこれにより初の自走砲により砲兵大隊を編成する事となり、またリトアニア軍はこの指揮通信用にM-577指揮通信車やBPz2支援車輛なども併せて導入しています。
■カエサル2装輪自走榴弾砲
 19式自走榴弾砲を含めすべてのとトラック自走砲の始祖がうまれかわる。

 フランスのネクスター社はカエサル装輪自走榴弾砲改良型に新たにアルクス社製車体の採用を発表しました。カエサル装輪自走榴弾砲改良型はカエサル2とされ、現在製造されている拡大改良型では車体部分が大型化し戦術輸送機での空輸能力が断念されていますが、カエサル2はアルクス社製六輪トラックを用いる事で軽量化と防御力強化を両立します。

 アルクスは1966年にルノートラックディフェンスとして創業しましたが2001年からはスウェーデンのボルボ社傘下に売却されています、しかし2018年にルノーグループに再度売却され2020年にフランス政府の規制により国防関連企業への外国会社持ち株規制が加わり、この結果としてスウェーデンのボルボからは切り離され、ルノー完全子会社化されました。

 カエサル2はエンジンを460hpへ強化するとともに変速装置などを更新し、またNATO防弾規格レベル2の車体装甲を付与する計画です。フランス陸軍ではカエサル装輪自走榴弾砲の老朽化を受け、2024年までに新たにカエサル2を109両新規生産し置換えるか、既存のカエサル76両を近代化改修しつつ33両の新規調達を行うか決定しなければなりません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G3X撮影速報】大久保駐屯地創立65周年・第4施設団創設61周年記念行事,コロナに打ち勝ち挙行(2022-05-29)

2022-05-31 07:02:43 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■第4施設団創設61周年
 三年ぶりの駐屯地祭というものが全国で徐々に一般公開に漕ぎ付けています。

 日曜日に大久保駐屯地創立65周年・第4施設団創設61周年記念行事が執り行われました。先日の第3師団祭はCOVID-19感染拡大後としては自衛隊初の師団祭再開となりましたが、兵庫県に隣接する京都府でも自衛隊初の施設団祭再開と相成りました次第でいい風向です。

 宇治市は近鉄大久保駅にほぼ隣接する大久保駐屯地は、旧陸軍飛行場予定地として建設が進められ、その滑走路造成予定地はそのまま記念式典の会場となっています。その影響でしょうか、東千歳駐屯地ほど広くは無いもののなにか第13旅団の海田市駐屯地に似ている。

 第4施設団と第3施設大隊が駐屯しています大久保駐屯地は中隊旗ひとつとって非常に数が多く、旗の敬礼動作でも見応えがあります。式典会場では今回、写真の整列部隊の真後ろにも見学者区画が設定されていたのですが式典を撮るには前からしか選択がありません。

 団長兼ねて大久保駐屯地司令坂元秀明陸将補の巡閲、油断なく身に着けているマスクは現在がCOVID-19の緊張が続いている事を示しています、全国の部隊が感染対策から行事を非公開乃至中止としている中に在りまして、いまの時代に自衛隊を見せる決断は頼もしい。

 大久保駐屯地は旧軍飛行場建設予定地となっていましたが、同時にこの地は複雑な問題を抱えていまして、数年前まで駐屯地祭に際してはなかった風景などが、その問題の深さを示していますが、同時にこの光景は2020年代に撮影したことを証明する情景でもある訳だ。

 施設科部隊の駐屯地、その様子は職種を示す海老茶色のマフラーにも示されていますが、なにより工兵たる施設科の装備がずらり並ぶ様子からも垣間見えまして、そして今年度の行事では、この整列している隊員の後ろ側も見学席として開放されていたのはあたらしい。

 三年ぶりの行事、こう実現しました駐屯地祭ですが、一般開放の区間が複雑でして、特に施設科といえば爆破、訓練展示ではかなりの火薬を使用する関係上、一般開放地域が頻繁に完全通行止めとなったり、制限区画が二度に渡り拡大されるなど、色々とありました。

 駐屯地祭、しかし、完ぺきといえる程の準備と共に、なにか“ナウシカの王蟲”のような仮設敵を相手に大暴れする74式戦車、105mm戦車砲は一発で王蟲も吹飛ばすのかという訓練展示、微妙に直撃しない迫撃砲弾、例の大久保名物地雷処理ロケットなど、目白押し。

 観閲行進は南恵庭や勝田や小郡等一部以外では見れない施設機材が次々と行進しまして、豊川の第6施設群始め遠方の駐屯地からの隷下部隊も参加して、なにかこう駐屯地祭に懐かしささえ感じる今日この頃に在って、しっかり日焼けする程に行事の気風を満喫できました。

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【防衛情報】フィリピン軍-アジア最弱軍隊脱却への変革,揚陸艦と自走砲に地対艦ミサイルと水上戦闘艦

2022-05-30 20:12:51 | 防衛・安全保障
■特報:世界の防衛,最新論点
 フィリピン軍はアジア最弱と一時は評価されていましたが相次ぐ危機管理上の問題から変わろうとしている軍隊です、はつゆき型中古艦なども供与を検討すべきだったようにもおもう。

 フィリピン海軍が修理中のフリゲイトグレゴリオデルピラールが海上公試を順調に進めています。フィリピン最大の水上戦闘艦であるグレゴリオデルピラールは2018年に座礁事故を起こしており航行不能となりました、この修理が三年間実施されていて、2022年3月には第二回海上公試を実施したかたちで、今回の修理では合せて部分改修も行われました。

 グレゴリオデルピラールの事故は2018年8月に発生、事故はハサハサショール沖合で座礁、この際にスクリューの可変ピッチプロペラが欠損する損害を受けています、しかし、修理は別の意味で難航しました、2022年からのCOVID-19によるサプライチェーンの崩壊で、2021年に海上公試を実施しましたが、この際にはエンジンから異常排気が確認されました。

 ハミルトン級カッター、グレゴリオデルピラールはアメリカ沿岸警備隊のカッターを中古譲渡されたものです、その満載排水量は3050tでフィリピン海軍では3隻を運用、船体は大型で76mm艦砲や航空機格納庫を有していて、使いやすい事からフィリピン海軍の他、ヴェトナム海上警察やスリランカ海軍、ナイジェリア海軍などでも中古艦が運用中です。
■ブラモス地対艦ミサイル
 政治的制約が少ない分自衛隊の88式地対艦ミサイルより射程が長いのですね。

 フィリピン海兵隊は4月3日、インドから導入するブラモス地対艦ミサイル大隊の運用を開始しました。部隊新編式ではデルフィンロレンザナ国防大臣とインドのブラモス社よりアトゥルディンカーレーン社長が出席しました。ブラモス地対艦ミサイルは189億ペソにて取得、自走式発射装置3基からなる射撃中隊3個を基幹として大隊を編成します。

 ブラモス地対艦ミサイルの取得は2021年1月にフィリピン国防省がインド政府との間で導入契約を結んだもので、速度はマッハ2.8と非常に速く沿岸防衛の切り札として期待されています。インドではブラモスの改良が続いており、フィリピン政府のほか、ヴェトナム政府が関心を示している一方、ロシアの技術協力により開発されており、完成は未知数です。

 フィリピン軍は1992年に自国領域であった南シナ海のミスチーフ環礁を中国当局に不法占拠された際、何もできなかったばかりか、その情報が第三国の商船からの通報と云う形で知るまで打つ手が無く、ミスチーフ環礁はその後中国に人工島化され航空基地となっています。ただ、この厳しい戦訓はフィリピン軍に変革迫る第一歩となったのかもしれません。
■ATMOS-2000自走砲
 置換えなければならない旧式火砲と陸軍師団の数が非常に多いのですがまずは一歩前進です。

 フィリピン陸軍はイスラエル導入したATMOS-2000自走榴弾砲初の実弾射撃訓練を実施しました。これは導入に併せ新編された陸軍王兵連隊第1訓練学校が統括し陸軍フォートマグセイセイ演習場にて4月6日から二日間にわたり行われた集成訓練によるもので、この装備運用にはイスラエル及びアメリカの直接及び間接的支援があったとされています。

 ATMOS-2000はイスラエルのソルタム社が開発した52口径自走砲で射程は41km、車体部分にはドイツのMAN社製トラックが採用されています。フィリピン軍は23億8600万ドル、米ドル換算で4720万ドルを投じて12両を調達しており、2021年12月に12両揃ってフィリピンへ納入、一般公開なども行われていましたが実弾射撃は今回が初となります。

 105mm砲よりも大きな火砲をフィリピン軍が運用するのは今回が初めてであり、またアメリカからの供与ではなく自ら砲兵装備を選定し取得のも今回が初めてです、これは2016年にフィリピンのマラウィにイスラム武装勢力数百名が浸透し、フィリピン軍が全力を投入したものの市街地奪還に半年以上を要した事で、砲兵強化の必要性を実感した為でしょう。
■ターラック級揚陸艦
 輸送艦としては先ず数を揃える点を重視した点は評価されるべきです。

 フィリピン海軍はターラック級揚陸艦の初度作戦能力への評価を実施しました。ターラック級は揚陸艦であると共に人道支援や災害派遣などを想定しており、フィリピン海軍では戦略海上輸送艦と区分しています。これは同時に強力な揚陸艦を装備することにより、緊張が続くものの経済協力も重要とされる中国を過度に刺激しない目的があるのでしょう。

 ターラック級は一番艦が2016年に竣工し二番艦ダバオデルスルが2017年に竣工しています、建造はインドネシアスラバヤのPTPALにて執り行われインドネシア海軍のドクタースハルソ級の准同型艦となています、特筆すべきは満載排水量で11583tあり、フィリピン海軍が初めて導入する一万トンを超える艦艇です。その航続距離は1万7300kmにも達する。

 揚陸艦としての性能は、兵員500名と車両などを輸送できるとしており、ヘリコプター甲板があり、ウェルデッキにはLCM上陸用舟艇2隻か韓国より導入したKAAV-7両用強襲車4両を収納すると共にダビット部分には2隻の複合高速艇や小型方陸用舟艇を搭載可能という。速力は16ノットと抑えられていますが、相応に有力な両用艦艇といえるでしょう。

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ウクライナ-アメリカが供与兵器による戦争拡大懸念を高官協議,ロシア内陸部長距離攻撃リスク回避で一致

2022-05-30 07:02:42 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 キエフ48時間陥落という当初懸念が当面回避され開戦から三カ月を経た今、ウクライナ軍はルガンスク周辺で苦戦は報じられるものの全体的には善戦しています、こうしたなか。

 アメリカ政府はウクライナ政府との間で供与兵器に関する紛争拡大抑止に関する協議を行った、ロイター通信が報じました。実はアメリカは強力な装備供与に対して当初非常に抑制的で、開戦前に大量に供与されたジャベリン対戦車ミサイルの射程は2km、比較軸は変ですがイスカンデル短距離弾道弾と無理に比較すると射程は250分の一でしかありません。

 しかし、アメリカがこれまでに供与したものにはM-777榴弾砲という射程30kmの火砲が含まれており、更にアメリカはデンマーク軍の装備するハープーン地対艦ミサイルを仲介し供与の方針を示しました、これは射程が200kmとなります。ウクライナ政府は戦闘機の供与を希望しつづけ、またアメリカはハープーンの空対艦型供与も検討対象としています。

 懸念されるのは、ウクライナ軍がロシア深部の攻撃に供与兵器を用い、戦争が拡大するという第三次世界大戦に繋がる危惧です。実は、ハープーン供与の際に筆者は、仮に最新のGPS誘導型が供与されれば、現在のウクライナ勢力圏からクリミア半島のセバストポリ軍港に停泊中の黒海艦隊艦艇を正確に照準できると認識、大丈夫なのかと危惧していました。

 デンマーク軍が装備していた冷戦時代の地対艦ミサイル型はしかし若干古く、GPS誘導型はありません、もちろん装填する事やGPS誘導型に改良する事は可能ですが、アメリカはこれを避ける為に敢えてアメリカ軍が運用している型式とは前の型式である点を強調したのでしょう。しかし、武器供与は確実にロシアを刺激している点は認識していると考える。

 NATOからのウクライナへの兵器供与は、先日M-113装甲車や改良型のAIFVの供与数かかなりの数に達した為にウクライナ軍がM-113装甲車主力の機械化師団を編成、T-72戦車の供与も増えていますが、NATOは慎重にCV-90のような装甲戦闘車や第三世代戦車であるレオパルド2供与は行っていません、最大のものでS-300地対空ミサイルの補充くらい。

 M-142-HIMARS高機動ロケットシステム、アメリカでは現在供与の検討対象にHIMARSが挙げられているとロイターは報じています、これは陸上自衛隊も運用するMLRS多連装ロケットシステムの装輪型で、ハープーンとともにHIMARSは台湾が2020年にアメリカから輸入が決定した事でも知られる装備です、このHIMARSは様々な弾薬を使用可能だ。

 HIMARSは戦車に強力な威力を発揮するM-26ロケット弾が射程30kmですが、GPS誘導型のM-31ロケット弾は70kmの射程を有しています、ただ、HIMARSはATACMS陸軍戦術ロケットを発射可能で、この射程は400km以上に達し、勿論アメリカは供与しないという選択肢があるのですが、装填状態では敢えて外見で弾薬が判別できない設計なのです。

 開戦前にロシアは偽旗作戦を展開した際に、ウクライナ領内へTHAAD終末高高度迎撃システムが配備されたという虚偽発表を国防省が行っています、これはロシア国内世論形成に際して、NATOの強力な兵器がウクライナへ装備されているという主張で、THAADは知名度が高い為に、配備する意味のないものであっても危機感醸成へ主張した事がある。

 ロシアの危惧はウクライナ軍の奮戦という結果があるとはいえ、短期間でウクライナが崩壊せず、更にロシア軍による住民虐殺などの人道危機問題が、EU代表団等により判明しますと、ウクライナ支援機運が高まり兵器供与が大車輪で進んでいます。しかし、例えば国連PKO部隊派遣などを通じず、武器だけを供与する事はロシアの危惧を的中させる皮肉な結果ともなっているのですね。

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【日曜特集】第7師団創設56周年記念行事(10)99式自走榴弾砲の第7特科連隊と装甲の第7施設大隊(2011-10-09)

2022-05-29 20:11:53 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■野戦特科と装甲施設の威容
 本日は東千歳駐屯地にて部内及び報道限定での第7師団創設記念行事が行われたところでして、この2011年の師団祭写真にて雰囲気を思い浮かべてくればと思います。

 155mm榴弾砲の射程はどんどん延伸していまして、遠くない将来に100km時代が到来しましょう。100kmの射程、こうなりますと可能となる任務は多い、まず100kmあれば一個大隊10門で2個射撃中隊を分散運用することで先島諸島全域を防衛可能となります。

 99式自走榴弾砲は長砲身の52口径155mm榴弾砲を採用していまして、ここまで砲身の長い火砲は砲身加工に相当な技術が必要なのですが、日本の倍は日本製鋼が連綿と技術を継承してくれましたので維持できています、火砲のほかに艦砲も製造しているのですからね。

 75式自走榴弾砲が30口径砲身を採用した時点でM-109自走砲が22口径でしたので、当時としては長砲身と云われたものでした、が当時のソ連軍火砲よりも射程で劣っており、欧州共同開発にて39口径のFH-70榴弾砲が開発、39口径が西側の標準砲となっています。

 FH-70の39口径、FH-70は自走も可能なのですが重く、米軍は独自にM-198榴弾砲としてV-107ヘリコプターにより空輸可能な火砲を開発しまして採用、逆に野砲王国スウェーデンは3発の自動装填装置を備えたより大型のFH-77榴弾砲を開発、自衛隊も検討した。

 FH-77などはクレーンに三発を釣り上げて装填装置に装填し13秒間で3発を撃ち切ってしまう素早い効力射を発揮します、この39口径砲の後継に南アフリカが45口径のGC45を、スペインも45口径砲を開発し新しい潮流か、ともわれたのですが実はそうは参りません。

 M-777,イギリスなどはUFH超軽量砲としましてアメリカが採用するM-777を開発しますが世界が45口径を迷っている時代に敢えて39口径で、しかし重量をFH-70の半分程度に抑えた牽引砲を開発します、要するに牽引砲は牽引が必要、長すぎると牽引が難しくなる。

 PzH-2000自走榴弾砲、ドイツが52口径の自走砲を開発しますが52口径火砲というのは全長が長くなりすぎますのでどうしても牽引するのは難しく、自走榴弾砲にしなければトラックの中砲牽引車とした場合に道路上でも錯綜地形でも無理な長さになったためという。

 カエサル装輪自走榴弾砲、52口径という火砲はフランスのGIATが逆転の発想としまして、トラックで曳くのが難しいならばトラックに載せるという発想を試しました。これは当時としては非常識ともいえる発想です、何故ならば何故FH-70は自走できるのか、という。

 中砲牽引車は要するにトラックですから遠方からは発見されやすい、だからこそ射撃陣地に進級しますと牽引車は素早く待機位置へ移動します、ただ、カエサルは、39口径火砲の25kmから30km射程は最早古く40km以遠を狙う為、もう大丈夫だろう、という発想へ。

 火砲は52口径が限界なのか。52口径火砲は50km以遠を狙うものとなります、射程延伸弾を用いれば60kmの射程も見えてくるのですが、例えば中国の52口径155mm自走榴弾砲である05式自走榴弾砲は射程延伸弾は39kmですがWS-35砲弾は射程100kmで叩く。

 05式自走榴弾砲のWS-35砲弾が100kmを飛翔したのは2013年でした、驚いたのですがWS-35砲弾の輸出仕様改良型が試験により達成したものといい、詳しく調べるとこの砲弾は滑空砲弾として翼を持ち、ロケット補助推進と併用している、不思議な弾薬なのでした。

 ERCA拡張型火砲、アメリカは58口径の将来火砲を開発していますが、ERCAはM-982A1エクスカリバー誘導砲弾を用いまして70kmを達成します。これは空軍第一で野砲冷遇の米軍ではかなり驚くべき成果といえたのですが、車体がM-109なので砲塔が余りに巨大だ。

 ラインメタルHX-3-155HSP,本命といえる怪物のような自走砲は2021年に構想が発表されました、MAN社製戦車輸送車である新型のHX-3トラックに、ドイツの技師たちは60口径砲を搭載する事を思いついたのですね、60口径砲身は50t級のPzH-2000でさえ長い。

 HX-3-155HSPというのは、要するにPzH-2000を輸送する為の大型トラックに直接砲塔を搭載するならば、52口径火砲よりも遥かに長い60口径砲でも搭載できる、という。巨大な自走砲でも搭載出来ないものをその輸送車ならば搭載できるというまさかの逆転発想です。

 エクスカリバー誘導砲弾、GPS誘導砲弾が開発されています。これは射程延伸弾を兼ねていまして、これにより長い射程と命中精度を両立できる構図です、しかし一発あたりは携帯対戦車ミサイルと同程度の費用、従来の砲弾と比較し格段に高価であることは否めない。

 L-60砲という60口径155mm砲は通常榴弾でも80kmの射程を叩き出しエクスカリバー誘導砲弾を用いれば100kmに達するという。エクスカリバーはM-982は効果でしたが量産型のM-982A1は安価となり、オランダは199発を2000万ドルで購入、10万ドル弱だ。

 100kmの射程というのは、沖縄本島北部と奄美大島、そして鹿児島県大隅半島に配置するだけで、南西諸島を火砲だけで防衛することも不可能ではありません。その上で砲弾にはミサイルにはできない大きな意味と可能性を備えているのですね、その可能性とは。

 ミサイルは射撃してしまえば、命中しなかったとしても不手際はこちらにあり弁解はできません、それは開戦の口実となり、なにしろ誘導弾ですので警告射撃には使えない、相手に開戦の口実を与えてしまうのです。しかし、野砲であればわざと外すことが可能だ。

 警告射撃、これは今後想定しなければならないグレーゾーン事態に際して必要な手段です。ただ、FH-70榴弾砲の射程を考えますと、39km、これでは南西諸島には各離島に配置しなければなりませんし、海峡には火砲が中央部に届かない海域も出てくるわけです。

 火砲の射程が100kmに達するという意味合いは大きいのですね。もちろん、100km先となりますと地球の自転影響等を受けますので、30km先を狙うように誤差40mという精度を維持するのは難しくなるのかもしれません、すると誘導砲弾の時代が来るのでしょうか。

 野砲、地域制圧の時代はすると誘導砲弾の費用というものが終わりをもたらすのでしょうか。一方で、地域制圧なんてものは専守防衛の我が国としましては、制圧する地域に逃げ遅れた非戦闘員、そして国民の財産が並んでいますので好ましい選択肢とはいえません。

 野砲、もちろん日本に侵攻する側に立てば、そこまでの精度を考慮する必要性は必ずしもありません、しかし、迎え撃つ側に立つならば、射程の大きな野砲というものは相手に口実を与えない、過度に民生被害を助長しないという意味で、理想的なのかもしれませんね。

 現実の戦場を見ますと、現在この瞬間も激戦が続くウクライナでは砲兵が威力を発揮しています、ロシア製クラスノポール誘導砲弾のレーザー誘導による正確な照準に対して、アメリカ始め西欧各国が供与したエクスカリバー誘導砲弾が更に正確な照準を長射程で叩く。

 自衛隊も99式自走榴弾砲を元に、先ず必要なのはエクスカリバーの採用か国産GPS誘導砲弾の開発、そして60口径砲という次世代火砲の開発、巨大となりますが今後は本土師団特科は方面特科へ移管される為に運用は可能でしょう、こうした研究は必要と考えます。

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【京都幕間旅情】京阪"ハガレン電車"鋼の錬金術師誕生20周年記念ヘッドマークは3000系電車の快速急行

2022-05-29 18:29:02 | コラム
■京阪-ハガレン電車
 3000系電車といえば新型が定着して見慣れるものですが登場当時はこのライトの形状が怒っているように見えたもの。

 ハガレン電車、鋼の錬金術師誕生20周年を祝うヘッドマークを掲げています。先日の阪急くまのがっこう電車はキャラクター知らないぞ、とジェネレーションギャップを感じてしまったのですが、ハガレンはアニメも知っている。ジェネレーションギャップなのかな。

 エドヘッドマークというかヘッドマークエドリックといいますか、エドワードエルリックをデフォルメした3000系電車のヘッドマークを掲揚しています。3000系電車は中之島線開業用に投入された快速急行用です、特急にも使うがこの列車は快速急行で頑張っている。

 京阪9000系電車、角カクとした思い切った直線が新しいアタラシイとおもっていた電車ですがデビューは1997年といいますのでもう25周年を迎える電車です、車体の電子機器などは7200系の設計を応用していまして、成程遠景ではよく見間違えてしまいますからね。

 急行運行等を想定した9000系は当初転換示威クロスシート車で、この車輛がやってきますと特に真夏などには嗚呼座れるぞ、こう思ったものですが新塗装時代には転換式クロスシート車は特急と当時の快速急行用に限定する事となり、緑の車両はロングシート化された。

 8000系電車は京阪が誇る、テレビカー、と表現したいのだけれどもテレビは撤去されてプレミアムカーとなっています、エレガントサルーンとか京阪は正式に命名しているのですが、考えてみるとわたしにとっては今でも8000系は有無云わずテレビカーなのですよね。

 テレビカーというのは、要するに地デジにも対応したテレビが一両だけ設置されていた、と説明しなくてはならない時代が来るのでしょうが、沿線に家電メーカー工場があった名残というべきでしょうか。それでこの8000系そのものをテレビカーと親しんでいたものです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ロシアカムチャツカ半島ベズィアニィ火山が大規模噴火-噴煙一時1万5000mに到達,日本への直接影響は無し

2022-05-29 07:02:08 | 防災・災害派遣
■臨時情報-ロシア火山噴火
 写真は噴煙を上げる御嶽山と自衛隊機ですが火山噴火は地震と異なりエネルギーに上限が無く時として深刻な影響を広範囲に及ぼします。

 ロシアカムチャツカ半島のベズィアニィ火山が日本時間28日1710時頃、大規模な噴火を引き起し、噴煙は一時1万5000mに達したとのこと。ベズィアニィ火山は1955年から断続的に噴火を引き起しており、2010年頃から山体膨張が確認されていたとのことで、5月24日と25日にも比較的大きな噴火が発生していたということですが、今回はより大規模だ。

 ベズィアニィ火山は標高2882mで、ロシア非常事態省によれば噴煙は南東方向に広がっているという、噴煙柱崩落型火砕流の懸念はありますが、ベズィアニィ火山周辺には民間居住地域は無いとのことで、観光客もいないことから、人的被害の危険は及んでいないと、ロシア非常事態省は発表しています。ただ、現地映像を見る限り山体崩壊等はありません。

 火山噴火について、幾つかの留意事項を挙げますと、火砕流や火山灰被害とともに、大気中の火山性エアロゾルによる旅客機飛行への影響、また微細粒子の成層圏滞留により太陽光照射低下の影響です。ただ、ベズィアニィ火山噴火は噴火から五時間後には噴煙は5000m程度まで低下しているということで、この規模の噴火で終息するならば影響は限定的です。

 ただ、懸念するのは、山体膨張しているともとれるロシア科学アカデミーによる2010年頃からの観測で、山体膨張とも火口溶岩ドームとも受け取れる変化であり、これで噴火は終息に転じるのか、ということです。溶岩ドームの爆発ならば崩落型火砕流を引き起すものですが、噴煙1万5000mの観測と少々矛盾が生じます、山体膨張となるならば話は難しい。

 山体崩壊に至っていないならば噴火は継続する可能性があります。無論、火山噴火の旅にこの種の懸念は常に一定程度ありますので、観測を継続する必要はあります。仮にさらに大きな噴火となった場合は、北半球の気象に影響が生じ、例えば農業生産などに一定程度の影響を及ぼす懸念もあります、ただ、その可能性は現段階では低いのもたしかです。

 大規模噴火ということで我が国気象庁は、トンガのフンガトンガフアパイ火山噴火の際のような遠隔津波の日本到達を警戒していましたが、今回の噴火では顕著な気圧変化は認められないということで、危険は無いと発表しました。なお、カムチャツカ半島は千島列島火山帯を形成しており、こうした地球深部の変動が地震などに間接的に影響しないのかも関心事でしょう。

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155mm榴弾砲-活躍するM-777榴弾砲,52口径長砲身砲時代にロシア軍圧倒する39口径牽引砲の奮戦

2022-05-28 20:20:24 | 先端軍事テクノロジー
■戦訓に学ぶ-日本の防衛
 自衛隊は39口径のFH-70榴弾砲後継に52口径の19式装輪自走榴弾砲を配備してゆく方針ですが、この潮流への一石が投じられたもよう。

 ロシア軍砲兵部隊は何故M-777榴弾砲に苦戦するのか。ウクライナ戦争では侵攻したロシア軍は圧倒的な砲兵火力を発揮する筈が、ウクライナ軍砲兵隊に苦戦を強いられています。稼働状態の火砲でロシア軍の方が有力であるはずなのですが、ウクライナ軍が徐々に建て直し、特にアメリカ製M-777榴弾砲やフランス製カエサル装輪自走砲が供与されると。

 カエサル装輪自走榴弾砲は、非常に優れた装備です、これにロシア軍が圧倒されるならば理解できる、こういうのも52口径砲という長砲身砲は物理的に牽引する事は不可能と判断したGIAT社が、それならばトラックで曳くのではなく荷台に載せてしまえ、という発想で、兎に角52口径の長砲身なので射程が50km近くに上るのですね。しかし、M-777は。

 M-777榴弾砲はイギリスのロイヤルオーディナンス社が1990年代に開発した、105mm砲の重さで155mm砲をという超軽量砲でチタンとアルミを多用し重量は4.2tしか無く、自衛隊も採用したFH-70榴弾砲の9.6tと比較すると驚きの性能です。ただ、M-777は39口径砲で射程延伸弾を用いて射程が30km、通常榴弾の射程は24kmと平均的なのですよね。

 M-777,この最大の長所は軽量である点なのですが、軽量という水準はこの重量ですとUH-60多用途ヘリコプターにより空輸できる点にあります。この為、アメリカ陸軍と海兵隊が注目しM-198榴弾砲の後継として採用したほどです。逆に開発したイギリスはじめ欧州では155mm砲は自走砲へ転換してゆき、この種の火砲の任務は120mm迫撃砲が担う。

 ロシア軍火砲はソ連時代の2A65榴弾砲が射程25kmで射程延伸弾では29km、これは47口径152mm榴弾砲です。そしてロシア軍自走砲の2S19ムスタ自走榴弾砲はこの2A65を48口径に長砲身化したものですので、射程延伸弾では射程が36kmと延伸しています。ただ、これにはもう一つ近代化の遅れというものも差し引く必要があるのかもしれません。

 2S3アカツィヤ自走砲、数の上での主力はソ連時代の1971年に制式化された2S3アカツィヤ自走砲で、これは34口径152mm砲を装備しています、陸上自衛隊の75式自走榴弾砲時代のもので、射程は17kmと射程延伸弾を用いた場合で24kmです。当時としては極めて高性能だったのですが、これに対抗したものがFH-70榴弾砲やM-109の改良型でした。

 しかし、射程は極めて重要な要素ですが射程というものは対砲兵戦装備によりかなり補えるのも事実です、例えば1991年の湾岸戦争では米軍砲兵部隊は火砲射程で完全にイラク軍の後塵を拝していましたが、対砲兵戦装備、相手の座標を標定する技術が圧倒的に進んでいた為、イラク軍はその最大射程を活かす事が出来ず、各個撃破された過去があります。

 対砲兵戦は相手の火砲を数十km先の誤差数十mの誤差で標定しなければなりません、これには地中マイクロフォンと対砲レーダ装置を用いて砲弾を探知した上で逆算し砲弾の弾道から火砲の位置を標定する方法と、通信部隊が電波発信源を標定する方法、ヘリコプターや無人機で直接発見する方法があり、この情報を即時情報処理することが勝敗に繋がる。

 75式自走榴弾砲が自衛隊で開発された時代は此処が徹底されており、1効力射3発30秒と陣地進入から射撃と陣地変換まで3分といい、撃ったら移動し敵の反撃を避けるという運用が徹底されています。2010年代の派米訓練では第7特科連隊の99式自走榴弾砲が陣地変換を200回以上繰り返し米軍に唖然とされるも最後まで生き残った事例があるほどです。

 特科情報装置3型などはその為に開発されたような装備で砲撃受け1分で標定し1分後に効力射を加え1分後に陣地変換するのですが、ウクライナ軍は今回の戦争にGS-Artaという、無人機とGPS座標を電子マップ上に表示し隷下砲兵部隊とを結び、目標発見から射撃まで1分間という運用を展開しています。この水準にロシア軍は対抗出来ていません。

 BTG大隊戦術群、ロシア軍の運用面でもう一つ不確定要素であるのは、歩兵大隊1個に3個砲兵中隊を点けて作戦単位とするロシア軍の運用が、果たして砲兵の火力を充分に生かせる体制なのか、という疑問符にもつなげる事が出来るかもしれません。BTGの編成図を俯瞰すると歩兵中隊2個からなる大隊に3個砲兵中隊と戦車中隊が支援している編成だ。

 恐るべき砲兵の密度だ、とは考えたのですが、3個砲兵中隊が遠距離目標を砲撃している中で歩兵中隊が2個では歩兵の密度が薄くなり簡単にウクライナ軍の戦術機動に翻弄され側面を突かれている構図がありますが、もう一つ、BTGは伝統的な自動車化狙撃連隊を大隊単位に削減した後に構想された編成であり、大隊幕僚の人数が少なすぎる難点があった。

 砲兵の苦戦はこの点に加えて、前進観測班や対砲兵装備などがBTGの編成と任務煮勝ちしていないのではないかと云う事です、対砲レーダ装置は情報中隊が必要で諸兵科連合の大隊ごとに配備できるようなものではありません、そして歩兵中隊が2個では随伴できる前進観測班も規模は限られ、結果、火砲の性能を最大限活かせない側と活かす側の戦いに。

 39口径榴弾砲というは過去の装備と錯覚していましたが、ウクライナでのM-777の運用を見ますと、対砲兵戦データリンクと標定が適格ならば、ここまで充分能力を発揮できるという点に改めて驚かさせれたかたちです。自衛隊は39口径榴弾砲を全廃し52口径砲である19式装輪自走榴弾砲に置換える構想ですが、39口径砲も中々、と考えてしまうのですね。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-京都,御所西のポークな日替わりホテルランチと眺める春の庭園

2022-05-28 14:11:30 | グルメ
■榛名さんの総監部グルメ日誌
 榛名さんの総監部グルメ日誌というにも総監部は府内とはいえ距離的には中部方面総監部の方が近いのは内緒です。

 京都、歴史と伝統の街と称される京都も舞鶴地方総監部、古くは舞鶴鎮守府が置かれ明治建軍の時代から連綿と続く軍都を北辺に戴くもう一つの面持ちを有しています。ただ、歴史と伝統云々の大きな基点は、京都御所、千年間我が国首府となっていた所以がある。

 京都平安ホテルは、その京都御所は蛤御門にほど近く烏丸通を挟んで営々と上京者を迎えているホテルです。さてさて、京都には名所旧跡有れど数多観光客の拝観とともにコロナ禍下でも尚、観光過多の趣きに回帰しつつあるところですが、このホテルは人心地つく。

 Arbois,ホテルレストランは一階ロビー前の少し奥に在りまして、宿泊者以外も気軽に食事を愉しめます。そしてこのホテルは穴場というほどではないかもしれませんが、御所西に在って庭園がこの季節青々として良い、ランチタイムには美しい庭園とともに一時を。

 御所西という一角なのですが、考えてみますとこの周囲には所謂観光寺院の類は無く、ランチタイムにはそれ程混雑しません、こんな色彩鮮やかなサラダのプチトマトもこんな時代混雑している人息れの只中では落ち着いて味わえず、混雑しないのはよい調味料という。

 鹿児島豚のポークステーキ。愉しさというのは偶然も調味料と思う、この日の日替わりランチを注文しましたが、鹿児島豚さんでした。もちろん定番メニューもあるのですが、日替わりは本当に毎日一新されますので、さてなにだろうと思いながら想像するのも愉しい。

 庭園を眺めながら頂く。座席の配置もいろいろ工夫されていまして、もちろんコロナ対策で客同士向かい合わないという視座もあるのでしょうけれども、視線の向かう先が庭園というのも趣き深いものです。太陽の具合もランチタイムを少し外すと順光で緑にて映える。

 珈琲を食後に附けました。そして冷菓もついてきます。であいもん、という和菓子職人さんのアニメが話題という昨今に、少し気軽な友人知人との散策や家族での利用なんかも良いかもしれませんが、京都平安ホテルはもう一つ、この庭園は見るだけではありません。

 京都平安ホテルの庭園は外に出て散策する事も出来るのですね、こうテーブルとイスが並んでいる所を見ますと、いやいっそこの太陽の下でオープンテラス席が有ればなあ、とも思うのですが。立地は京都御所を散策していますと直ぐ、ランチは立地もたいせつと思う。

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経ヶ岬エアーフェスタ2022-八丁浜シーサイドパーク明日実施,入間第2輸送航空隊C-2が航空祭初参加

2022-05-28 07:00:51 | 北大路機関 広報
■明日-京都府の航空祭
 京都でも航空自衛隊の航空祭が行えると説明しますと真剣に基地はあっただろうかと思われるかもしれません。

 八丁浜シーサイドパークにて行われます経ヶ岬エアーフェスタ2022、駐車場が網野中学校など複数個所に設定されまして漁港まで臨時シャトルバスが運行されます、エアーフェスタと云う事は要するに航空祭なのですが、京都で航空祭と云う。経ヶ岬分屯基地が主催するエアーフェスタなのですが立地は京丹後市で近くには浦島太郎出生地があるとのこと。

 経ヶ岬エアーフェスタ2022、飛行展示を調べてみますと案外と盛りだくさんで驚くのですよね。先ず最初に小松基地第6航空団のF-15戦闘機が1015時から1035時まで、航過飛行か機動飛行かは当日のお楽しみですが実施されます、続いての飛行展示は1100時から1120時まで舞鶴航空基地第23航空隊のSH-60K哨戒ヘリコプターが飛行展示を20分行う。

 飛行展示は第三段が小松救難隊のUH-60J救難ヘリコプターとU-125救難機が、U-125救難機は間もなく一ヶ月となる知床沖観光船遭難事故の行方不明者捜索に輪番で災害派遣が継続していますので、多忙といえる中での参加ですが飛行展示は1130時から1150時までで、この所要時間ですと救難飛行展示が割としっかりと実施されます。しかも立地が良い。

 経ヶ岬エアーフェスタ2022の会場は八丁浜シーサイドパークの沿岸100mの沖合と発表されていますので、要するに想定要救助者は会場から海上を眺める形、波しぶきはじめ臨場感は飛行場で行う航空祭とは段違いです。なお、航空自衛隊によればこの実施に際して海上付近には進入禁止海域が設置されるという。航空救難員が海に飛び込む展示を示すもの。

 入間基地のC-2輸送機が航空祭へ初参加、第四の飛行展示は中々に注目です、第二輸送航空隊のC-2輸送機が1300時から1310時まで飛行展示を行います、入間の第二輸送航空隊はC-1輸送機の飛行隊として知られていますがC-2輸送機への機種転換が始まっていまして、始まった頃にCOVID-19が来ましたので経ヶ岬はまさに航空祭初参加となるのですね。

 岐阜基地からも戦闘機が参加するとのこと、飛行開発実験団のF-15戦闘機とF-2戦闘機が1340時から1400時まで飛行展示を行う。こうやってみてみますと、F-15戦闘機とF-2戦闘機に、UH-60J救難ヘリコプターとU-125救難機、ここにC-2輸送機とSH-60K哨戒ヘリコプターが参加するといいますので、プログラム的には堂々たる航空祭といえましょう。

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