北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

憲法記念日二〇二四(2),改正は必要か?国連憲章二条四項の存在と同じ様に日本国憲法九条を位置づける

2024-05-04 20:20:57 | 北大路機関特別企画
■政治の問題
 統治行為論というと難しく感じる単語がりますが英語をわかりやすく和訳しますと”政治の問題”となる。

 憲法について、一つの選択肢として憲法の精神を動かしたくはないが喫緊の安全保障情勢に対応するならば現行憲法のまま統治行為論、つまり憲法ではなく行政が立法府の代表として行う安全保障政策を現行憲法の範囲内、というよりも憲法の精神とともに安全保障政策を進めるという選択肢は存在します、つまり憲法の存在が防衛政策を抑制的とするもの。

 国連憲章二条四項の存在と同じ様に日本国憲法九条を位置づける、ということです。日本では憲法九条は理解されているしそらんじる事はできるけれども、日本国憲法がぜん部で何条まで存在するかを把握せず九条だけを主張する方が居ます、それと同じように国連憲章二条四項、武力行使禁止原則というものが存在しますが、顧みられているのか、と。

 武力行使禁止原則、当然だと思われるかもしれませんが国際法上の武力行使の定義をしっかり学びますと、日本であっても遵守できていない事が含まれます、それは武力攻撃とは別に武力行使という定義が存在し、二条四項の武力とは強制力という意味合いを含め、軍事攻撃と定義した武力攻撃とは一線を画しているのです、そこに含まれるものとは何か。

 武力攻撃は軍事攻撃を示すものですが武力行使とは、経済制裁を含む相手に対する圧力を示すものであって、国連加盟国は遵守する義務がありますし、国連憲章第43条には国連の支援義務として、国連安全保障理事会が求める加盟国軍隊の派遣に応じる義務というものがあります。日本の場合は自衛隊は軍隊ではないという強弁が成立つのかもしれませんが。

 国連支援義務、明確に軍隊の派遣要請に応じる事が示されていますが、国連軍事参謀委員会は朝鮮戦争以来召集されていない為に各国軍隊の装備統一や訓練体系統一などに踏み込まず、という以前に入り口の部分で国連へ軍隊を派遣することを多くが躊躇する為に、安保理所管の国連軍というものを創設できず、すると支援義務とは何かという議論が生じた。

 支援義務とは、がんばれー、と応援する様な義務という視点も含むものではないかということとなり、結局この条文は無視されているものでもある、けれども国連憲章を改正していない事もまた事実であり、二条四項については、結局各国が有志連合であれ様々な軍事行動を起こす際にその正当性に総会決議や安保理決議を応用、援用している事実がある。

 憲法九条についても、例えば日本が必要に迫られ台湾海峡有事や台湾有事、南シナ海危機やフィリピン有事と朝鮮半島有事、中東有事というような非常事態に対して、自衛隊を派遣しなければならない状況を想定した場合でも、憲法九条の範囲内において、と憲法を意識した上で武力行使の先にある武力攻撃を行う選択肢は、あり得るのかもしれない、と。

 空文化というならば。自衛隊の前身となる警察予備隊が創設された1950年は、6月25日に朝鮮戦争が勃発しており、しかし事実上の再軍備であるとしてソ連は極東委員会を通じて抗議するところとなりました。既に警察予備隊の時点で105mm榴弾砲やM-24軽戦車の供与が開始されていましたが、当時の吉田政権は装備は貸与装備と強弁したこともあった。

 憲法は実定法ではない為に冗長性がある、ならば憲法を改正せずとも、国会決議とともに司法府が統治行為論の範囲内であると付随的違憲審査権を行使するか、憲法裁判所のような枠組みでもフランス憲法裁判所のように政治問題には判断を行わず行政裁判所、つまりフランスの場合は議会、判断されるならばこちらを支持するならば、改正する必要はない。

 冗長性といいますと、軍隊ではない自衛権のための実力集団という曖昧なかたちで創設された自衛隊ではあるのですが、結局、自衛隊法を国権の最高機関である立法府が民主的選挙により選ばれた代議士の過半数賛成をもって成立させたものであり、統治行為、つまり政治問題として立法府が選んだ行政府の決定ではあるのです。故に選挙は慎重に、と。

 軍隊ではない自衛権のための実力組織としての自衛隊、こういう位置づけではあるのですが、憲法の冗長性を活用する形で創設された自衛隊は年々近代化を、いや戦車と火砲とヘリコプターの縮小を目の当たりにしますと一概に近代化とはいいたくはないのですが、まあ装備や増大する任務への対応能力は順次整備されてきまして。しかし敢えて建前主義を。

 専守防衛、今後大きな議論となりますのは2020年代初頭まで日本の防衛はダウンフォール作戦の続きを考えていたものでした、具体的には防衛計画の詳細は発表こそされないのですが、ソ連軍の夏季北海道北部侵攻という高い蓋然性のもとに、道東地区や石狩湾上陸、新潟侵攻による首都圏全面侵攻など、いわば本土決戦に備えて。なのでした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都中京区下丸屋町-エビスで一考は初鰹と万願寺に合せる清酒

2024-05-04 18:22:11 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 榛名の京都呑み今回はやはり京都市役所ちかく。

 初物、というわけではないのですけれども、しかし旬のものなのですからいただきたいというものは幾つかありますが、初鰹、というものは一つその筆頭にあげるものなのかもしれません。と格好いいことかきましたがちょっと寄り道で、おお初鰹、と気づいた。

 玉川、冷やで注文です。燗酒がおすすめということでしたけれども、玉川の熟成した琥珀色の深い味わいは実はひやの奥深いところに、しかししっかりと主張する味わいを秘めているように思っていまして、純米酒の奥深さを、ちびり、ちびり、とたのしむ。

 寄せ豆腐がこの日のお通しとなっていて、ちょっと読み直した文庫本をそのままカウンターに裏返して、さて、ごま油に塩味を利かせた寄せ豆腐を、これも一気にかきこまずに匙で少しちょっぴりと崩すように、そしてその都度清酒を口へと運ぶ。

 お醤油がお豆腐、と最初にお豆腐の味で記憶するいただき方が定番ではあったのだけれども、ごま油というのも、強い、胡麻の香りというものが意識されるのだけれども、これも美味しいよね。お通しというのはこの店の名刺、出会いはこの第一印象だ。

 初鰹、やってきました。わたしは鰹のそのものの刺身も大好きなのですが、鰹の場合は薬味にポン酢を利かせた和え物のようなミョウガとカイワレとタマネギといろいろの調和というものを、もうこれも肴としまして清酒をやるのが好きだったりもしますね。

 たたき、不思議なんだこの炙ったところは確かに焼き魚の触感なんだけれども、分水嶺の向こうには確かな刺身の食感が自己主張していまして、もちろん大人ですからちびちびやらずにここは一口でいってしまうのですが、その境目というのが不思議に美味しい。

 白龍、という清酒を、これは単に潜水艦を思い浮かべて注文しようとしたのですが申し訳ない品切れです、という店員さんが申し訳なさそうな顔で戻ってきましたので、まあ、ほかに潜水艦みたいななまえの銘柄の清酒を、やはりひやで一献としました。

 日本酒を楽しむためのお店なのですが、ここ、この最近の、ホテルの再開発が始まったあたりでできたおみでで、隣の居酒屋さんを昔撮影したときには空き店舗だったお店なんですよね。カウンターで日本酒を楽しみたい方にはおすすめの一軒だといえます。

 一合ではなくちょっと小さめのグラスで提供してくれますところですので、あまり飲み過ぎずにいろいろな銘柄をいただけるのですが、しかしもう一つ、初鰹とともに注文したものがあるのですが、炙りものにしてはちょっと時間がかかるのを読み違え。

 鰹とともにもう一品をあわせていただきたかったものですから、冷や酒を相方に、またちょっと文庫本をめくります。そう、この中途半端な時間の凄し方を考えると、周りの友人たちが電子書籍に走ってゆく中でも紙を捲るこの仕草というものは、代え難いなあ。

 万願寺、焼き万願寺を初鰹と合わせる、唐辛子の一種のように見えて辛そうと思われるのですが、万願寺は舞鶴の京野菜はそう辛いわけではなく、苦みの青臭さの奥にある香味野菜の味わいを炙ったものに鰹節が醤油とともにまぶしてありまして。

 焼き万願寺のしゃきしゃきしました食感は、初鰹のやわらかい食感とともに不思議にローテーションを組んでくれるのですけれども、ここに清酒をあわせてゆくのだ。出来立てが美味しいのでしょうけれども、いくつも並べるのも、美味しさを引き立て。

 エビス。中京区下丸屋町の京都市役所から少し南にいきました一角、河原町三条バス停A乗り場から少し高瀬川のほうへ向かったところ。実は最初エビスBARの系列店と誤解していたのですけれどそうではないようでして、晩酌によるにはお勧めなのです。

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【京都発幕間旅情】名鉄6500系電車,昭和時代の省エネ対応-回生ブレーキ採用鋼製車両と2020年代

2024-05-04 07:01:26 | コラム
■昭和と令和の省エネ
 SDGsへの企業としての対応は如何、とは2010年代後半からの就職活動における大学生の企業への定番の問いということですけれども実態は難しい。

 名鉄6500系電車、名鉄が初めて回生ブレーキを採用した電車です。もっとも界磁チョッパ制御方式という、今主流のVVVFインバータ制御よりも前の時代の車両であり、しかしチョッパ装置は機械式である為に清掃作業を励行する事で車体寿命は長いという特性が。

 6500系電車は名鉄ではそれ以前の6000系電車まで基本装備であった貫通扉が廃止されまして、いや阪急や京阪などは貫通扉が全ての車両にありますし、近鉄特急を除くすべての近鉄車輛、南海電鉄も特急以外全ての車両、阪神電鉄もすべてか、貫通扉を有しています。

 鋼製車両である、回生ブレーキを採用してはいるのですが近年流行りのステンレス車輛ではなくこの6500系は鋼製車となっていまして、頑丈ではあり長持ちするのだけれども重量があるために、省エネ、という視点から見ますと良くも悪くも昭和時代の車両という。

 昭和時代の車両ではあるけれどもオイルショック後の車両であるために回生ブレーキなど一応の省エネ構造を採用している。ただ、此処で想うのは古い車両を何十年も使うのか儒数年で新型車両に置換えるのか、どちらが省エネなのかなあ、という素朴な疑問です。

 2200系電車、こちらは2005年に運用開始されまして、軽量ステンレス車輛であるとともに来年で20年を迎えますのでまだまだ現役ですしステンレス車輛が一概に寿命が短いとはいえないのですが、名鉄は勿論、阪急や京阪は鋼製車であれば半世紀単位で使っている。

 頻繁な買い替えでより省エネ性能の高いものを導入するべく工場をフル稼働させるべきなのか、旧型でも大事に運用しつづけるべきなのか、これは実のところ家電にも当てはまりますし自動車についても自家用車で当て嵌まる命題ですが、どう考えるべきなのか、とね。

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