『一枚の絵画と詩』
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『アヌシー湖』 1896年
ポール・セザンヌ (1839~1906)
セザンヌは、19世紀の芸術概念から20世紀初頭に発生した新しく過激な前衛美術の架け橋を築いた画家として評価され、特にキュビスムにおける芸術概念の基礎として、現代絵画の生みの親のひとりとされています。
セザンヌの作品は、繰り返し用いられる試験的なブラシストローク(勢いのある筆の動き)が大きな特徴で、それは見た目ではっきりと認識でき、平面的な色使いと小さな筆致を使って複雑な画面を生成していると。
この一枚の絵画『アヌシー湖』ですが、本物を見たわけでなく印刷物ですが、その緑と青の美しさに吸い込まれます。セザンヌ独特の筆使いの一枚の絵画作品ですが、いつのまにか、その深い森のなかの静かなアヌシー湖に私自身が佇んでいるようです。
実際、この『アヌシー湖』の本物に出会ったら、どんな思いに包まれるのでしょう・・・・。