Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

登る鯉

2023年06月30日 | お出かけ

81歳のストリート・ペインター、木村英輝氏の展覧会「大人のストリートアート」@ポーラ美術館アネックス。
別名「京都が生んだロックな壁画絵師」という木村氏は、「美術館に飾られる絵よりも街に輝くPOPな絵」をテーマに描き続けているのだそうです。



とにかく明るくて綺麗で元気な絵!
入り口を入ると、青、紺、金色の鯉が踊る巨大なのぼりのような絵が何枚も。



その裏は、極彩色の天女や猿や虎の絵。

 
(こんなに大きい)

こちらは今回初公開の、樹木希林邸の板戸「Lotus Revives」。



樹木希林氏の「アクリル絵の具というのがいいですね。古いものを大事にするのも素敵だけれど、その時代その時代に応じた描き方、材料の使い方もあるなあ、と思いました。『岩絵の具代は凄く高いし、尾形光琳だって、現代に生きていたらこういう絵の具を使ったやろな』これは彼の言葉ですが、そんな思い切りの良さ、大胆さが好きです」という言葉が絵の近くにありました。



銀座一丁目、遠音近音(おちこち)の鯛茶漬け。
テニスボールの半分位の小さな摺鉢で胡麻をゴリゴリ、摺り立ての胡麻でタレを作り、左上の土瓶の中の熱々の出汁をかけて頂きます。

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「ウーマン・トーキング 私たちの選択」

2023年06月29日 | 映画

自給自足で生活するキリスト教一派の村で、女たちが眠っている間にたびたびレイプされる。男たちはそれを悪魔の仕業、作り話だと言っていたが、ある女性が性的暴行の現場を目撃する。家畜に使う麻酔薬をスプレーして、女性達を眠らせて犯していたのだ。男たちは町の警察に引っ張られて行き、その二日間の留守の間に女たちは集会を持つ。これからどうするか?
「1.何もしない 2.戦う 3.村を出る」の3つの案の内、女たちが選んだのは…

アカデミー賞で作品賞、脚色賞の2部門にノミネートされ、脚色賞を受賞。
「アウェイ・フロム・ハー」「テイク・ディス・ワルツ」のサラ・ポーリー監督というので、楽しみにしていました。



全編、モノクロのような暗い色調。
女たちはみな暗い花柄のロングドレス、男たちはチェックのシャツにサロペット。
舞台はほぼ納屋の二階、或いは何処までも広がる田園。
学校に行くのは男子だけ、女たちは読み書きすらできない。
これは19世紀?何処の国の話かと思って観ていると、突然モンキーズの「ディ・ドリーム・ビリーバー」を大音響で流し、「2010年の国勢調査にご協力ください」とアナウンスする車がやって来て驚愕する。

この信じられない話は、2010年にボリビアのメノナイトの集落で実際に起きた事件を基にしているというのです。
メノナイトというのは、「キリスト教アナバプテストの教派。ブレザレン、クエーカーと共に歴史的平和教会の一つに数えられ、非暴力、暴力を使わない抵抗と融和および平和主義のために行動している」(Wikiより)
「刑事ジョン・ブック目撃者」は、メノナイトの一派アーミッシュの村を舞台とし、あの人々も電化製品や車を拒否し、ランプや馬車の生活をしていました。



今まで盲目的に男に従ってきた女たちが、初めて自分の考えを出張する。
「赦さないと村にいられなくなるし、天国に行けなくなる」いう意見を聞くと、宗教のマイナス面が強調されて悲しくなる。
文盲であっても、自分の考えをきちんと主張する女たちの姿は堂々としているし、民主主義の原点を見せられた気がする。
「女性を虐げても当然と教育された男性も被害者」という考え方は感動的ですらある。

しかし出て行くと言ったって、読み書きすらできない女たちが、村の外でどうやって生きていくのか?
何処で寝泊まりし、何処で生活の糧を得るのか?
レイプする男がいることは事実だが、まともな男もいる筈、そうした夫や息子たちをも捨ててしまうのか?
などと俗物の私は些末なことが気になってしまいましたが、衝撃的な作品であることは間違いないと思います。

公式HP 

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「百万本のバラ」

2023年06月28日 | 社会

読売新聞の「時代の証言者」は今、加藤登紀子氏を取り上げています。
新宿のロシア料理店「スンガリー」には何度か行っていますが、加藤氏の父親が始められたと聞いていました。
登紀子は、ハルピン学院を経て関東軍や南満州鉄道に勤務していた父親の関係で、1943年満州生まれ。
敗戦後に家族で命からがら引き揚げてきたそうですが、昨日はその高校時代についての記事。


登紀子が都立駒場高校2年の時、兄が一橋大で学生運動をやっていたことから、安保条約を巡るデモに制服のまま参加。途中で高校生は帰るように言われ帰宅すると、学生と機動隊が激突したというニュースが流れ、東大生の樺美智子さんが死亡したと。
そして法案は可決され、脱力感にさいなまれたそうですが、母親はこう言ったそうです。
「あなたたちは、国の恐ろしさを理解していない。国やその後ろにいるアメリカを相手にして、勝てるわけがない。でも大義のために声をあげ、戦ったこと自体が素晴らしい、それを誇りにしていい」
その言葉は、その後の彼女の人生の指針となったのだと。



加藤登紀子といえば、東大卒の反戦歌手というイメージを持っていました。
彼女の歌で私が好きな「100万本のバラ」は、元はラトビアの歌を原曲とするロシア語の歌なのだそうです。
そして愛を歌う日本語版とはまるで異り、大国にその運命を翻弄されてきたラトビアの苦難を暗示するものなのだと。
ラトビアをウクライナに言い換えても、ぴったり嵌ってしまうのが悲しい。
写真は、玉川高島屋の薔薇。


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なんと精巧にできているのか

2023年06月25日 | 社会

先週の人間ドックで、聴覚は正常と言われて(詳細は後で送って来ますが)とりあえず安心しました。
随分昔、20年ほども前になりますが、私は突発性難聴に襲われたことがあるからです。
ある日突然、左耳に耳鳴りが始まり、それがどんどん激しくなって、遂には聞こえなくなった。
でも結局それは数日間で納まり、大学病院でMRIなどで検査しても脳に異常は見られず、原因は分からなかったのです。
そしてその後は何の異常もなく、今日に至る訳ですが。
でも一度でもそんな目に遭うと、聴力も絶対のものではないのだとつくづく思います。



母は晩年、非常に耳が遠くなり、怒鳴るように話さないと聞こえませんでした。
使用している補聴器に満足できず、新調したいというので何度かお店に付き合いましたが、最初にするのはまず聴力検査。
検査する人が読み上げる音声を答えるのですが、横で見ていて驚いたのは、小さな音が聞こえないというだけではないということでした。
例えば「は」が「あ」、「む」が「う」と母には聞こえるらしい(その反対だったかもしれない)。
その他、とんでもない聞き間違いが多々あり、これでは話が通じない筈だと思ったものです。
音を脳に伝達する聴覚神経が劣化したからだと、説明を受けたような。
体質が遺伝するとしたら、私にも決して他人事ではない。



今は精巧な補聴器が沢山できていて聞こえなくなっても大丈夫かと思っていましたが、そう簡単な話ではないようです。
補聴器を付けると、目の前のコーヒーカップをソーサーに置く音が飛び上がる程に大きく聞こえて、肝心の人の声は聴きとりにくかったりするらしい。
それでも無論、補聴器を付けないよりは付けた方がずっとマシなようですが。
聞きたい音をちゃんと聞き分ける人間の耳というものは、何と精巧にできているのかと思います。



写真は玉川高島屋のコンロンカと紫陽花

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 「母の声」

2023年06月23日 | 社会
亡母の留守電記録のことを日記に書いたら、5年前に母親を亡くしたという友人が、音声が残っていて羨ましい、自分は声の記憶が曖昧になってきたと言っていました。
ああ、そうか。
写真は山ほどあっても、声の記録というのは確かに少ないのかもね。
実は私は、まだその録音記録を聞けないでいます。
もう少し時間が経ってから聞こうと思っています。



堀口大學の「母の声」という詩を思い出しました。

「母よ
 僕は尋ねる
 耳の奥に残るあなたの声を
 あなたが世に在られた最後の日
 幼い僕を呼ばれたであろうその最後の声を
 三半規管よ
 耳の奥に住む巻貝よ
 母のいまはの その声を返せ」


悲しい詩です。
堀口大學は4歳の時に母を亡くしたのだそうです。
4歳じゃ、憶えてないよねえ…



写真は二子玉川公園の紫陽花と、その近くのジャカランダの樹。



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「怪物」

2023年06月22日 | 映画

是枝裕和監督、坂元裕二脚本、この春に亡くなった坂本龍一音楽の話題の作品。
先頃のカンヌ映画祭で脚本賞受賞。
ネタバレありますので、未見の方はご注意ください。


郊外の町でシングルマザーの早織(安藤サクラ)は、クリーニング店で働きながら一人息子を育てている。
小学校5年生の息子、湊の様子がどうもおかしく、ある日耳から血を流して帰って来た。
湊から担任の保利(瑛太)にやられたと聞き、学校に乗り込んで訴えるが、保利は挙動不審で形だけの謝罪をし、校長(田中裕子)はもっと酷く、事なかれ主義に終始する。
これだけを観たら、息子を持つ母としての私は、こんな学校や教師は許せない!と怒りに震えます。



ところが教師、保利の視点から捉えると、話はまるで違って来る。
保利は少々不器用だが子供思いの優しい教師で、勿論子供に暴力などふるっていない。
しかし早織が抗議してくると、その場を収めるためにとにかく謝罪しろと周りに言われ、不本意ながらそうする。



そして湊。
同じクラスの依里がいじめられていることを知っているが、自分が次の標的になることを恐れ、表立って庇うことができない。
しかし学校の外ではどんどん親しくなり、廃電車を秘密基地として、二人だけの世界を作る。
ある日湊は自分の中の感情に気づき、依里も同種であり、そのことから父親に虐待されていることも知る。

一つの時系列を、3人の視点によって3度繰り返す。
同じ事象が、視点が変わることによってこんなにも違って来るのかと、観る側は驚く。
「怪物だ~れだ」のフレーズが、全編に渡って低く重く、繰り返される。
悪気はなくても思い込みや先入観が、誰かにとっての怪物を作り上げてしまう。
早織は子どもを愛する母親であるが、男は男らしく、ラガーマンだった父親のようになれと、息子を追い詰めているというように。



脚本賞を取っただけあって、緻密に練られたストーリーだとは思いますが、小さな疑問も幾つかあります。
保利が早織に謝罪するあの場面で、飴を食べるかな?
依里の父親は息子を虐待していますが、10歳やそこらの息子の性的志向が分かるものなのか?
保利は依里の作文の鏡文字から依里と湊の関係を察しますが、あれだけでそこまで分かるものなのかな?

等々小さな不満はありますが、人間の嫌な部分、できたら気が付きたくない部分をぐりぐり抉り出した感動作だと思います。
ラストの草原を走るシーンの解釈は観る側に委ねられているのでしょうが、私は、二人が土砂に埋められて亡くなって、あちらの世界で自由に駆けているのかと思いました。
亡き教授の静かな音楽に彩られたあのシーン、輝いていました。

「怪物」公式HP 

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悲しい記録

2023年06月20日 | 家庭

私の携帯に残っている、母からの留守番電話の記録。
着信記録ではなく、留守電記録なのです。
「お母さんだけど電話ちょうだい」というだけの内容なのですが、一日に4回入っていることも。
いい加減うんざりしたものですが…


「携帯電話」と「(赤)」と二種類あるのは、スマホとガラケイと2台持っていたからです。
なんとかスマホを使っていたのですが、90歳を超えた辺りから怪しくなっていたので、ガラケイも。
以前はメールのやり取りもしていたのですが。
ここ何年も帰省する度に携帯の使い方を教えるのが、私の仕事でした。
教える傍から忘れて、同じことを何百回も繰り返し、その忍耐力が要ることといったら。


今はもう私の携帯は、まったく鳴らない。
友人たちとは随分前からLineのやり取りが主となって、通話することは滅多になくなったので。
まったくかからなくなると寂しいものです。


(白山神社)

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紫陽花寺、タロウの変遷

2023年06月18日 | お出かけ

先月の終わりから、母の見舞い、そして死去、告別式と、10日間ほど岐阜にいました。
その間タロウは夫が、夫がいない時は次男が面倒を見てくれたのですが(告別式には次男は日帰りで来た)、何と言っても二人とも昼間は会社に行っているし、週末は雨が降ったりして、ろくに散歩に行けなかったらしい。



久しぶりに私が散歩に連れて行こうとしたら…
なんと動かない!
玄関から、一歩も歩かないとばかりに足を踏ん張っている。
タロウは目がよく見えなくなってきたせいか、ここ半年ほど、散歩をあまり喜ばないようになっていたのです。
それでも近くの公園に朝行けば近所の犬仲間が集まっていて、オヤツが貰えるのを楽しみになんとか行っていたのに。
足取りは重く、トボトボとですが。
以前は散歩が大好きで、散歩に行こうと言うだけで、部屋の中を走り回って喜んでいたのにねえ。
抱っこしてエレベーターに乗り、ちょっと歩いたらオヤツをという感じで、このところなんとか近くの公園まで連れて行っていたのですが…



夫に話したら、じゃあ週末リハビリに行こう、と。
紫陽花を見に行こうということになり、私は近所の公園を想定したのですが、いや白山神社に行こう!と。
夫が学生時代、その付近に住んでいた、文京区の懐かしい場所なのです。
でも今SNSで評判になってるから、凄い人出だよといっても、聞く耳を持たない。
その辺りの犬連れ可のカフェを検索し、播磨坂の「ペッシェ」というイタリアンを見つけて、テラス席でランチ。
こちらのお店、「孤独のグルメ」にも登場したらしい。
ドリンクは「乙女のはにかみ」という名前の、グラデーションを楽しむアプリコットネクターのソーダ割。
その近くの駐車場に車を置き、そこから歩いて25分ほどの白山神社に。



行ってみたら、凄い人!
昔の、住宅街の中のしっとりした小さな神社の面影は何処にもない。
外国人も多く、紫陽花の花びらの数と人の数と、どっちが多いかというくらい。
それでもタロウ、何度も休ませながら抱っこしながらですが、よく歩きました。
昔から出かけるのは好きな子だったので、車に乗り、夫も一緒ということで、スィッチが入ったようです。
8761歩、5.5㎞。
また出かけようね、タロウ。


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「ほおや京都、行こう」

2023年06月16日 | 社会

人間ドックの後、夫は会社に行き、私は一人で散策。
日比谷公園をうろつき、国際フォーラムを経て東京駅まで歩きました。
東京駅の八重洲コンコースに今、空也上人が47体集合しています。
「そうだ京都、行こう」キャンペーンの一環ですって。



なぜ、口から6体の仏像なのか。
なぜ、こんなに粗末な衣なのか。
ポスターのその問いかけに、私は答えられませんでした。



答え。
口から出ているのは、小さな阿弥陀仏6体。
南無阿弥陀仏と唱えれば極楽往生できるという、空也上人の教えを体現したものだそうです。
そして、衣は鹿の皮。
鞍馬山での修行中に、可愛がっていた鹿が漁師に射殺されたことを悲しみ、角と皮をもらい受けて生涯身に着けていたのだそうです。

 

「そうだ京都、行こう」が、各地の方言で書かれています。
私の郷里の岐阜版は「ほおや京都、行こう」でした。
間違ってはいませんが…微妙💦


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短いサイクル

2023年06月15日 | 社会

帝国ホテルで人間ドックを受けて来ました。
人間ドックは毎年夫が申し込んで私は嫌々一緒に行くのですが、ここの接客はやはり断トツに素晴らしい。
ロビーの花は、真っ白なアルストロメリア。
これだけの大きさを白一色でまとめるなんて、なんと潔いこと!(私の背丈より高い)

ドックの後のサンドイッチ・ランチは、ランデブー・ラウンジで。
こちらのティーポット、こんなに繊細で優雅な形だったのね。
私が扱ったら、洗う時に手を滑らしたりぶつけたりして、たちまち何処かを欠けさせてしまいそうです。



近年都心には、マンダリン・オリエンタル、リッツ・カールトン、ペニンシュラなど高級外資系ホテルが次々にできてやや影が薄くなった感がありますが、帝国ホテル、やはり落ち着きますね。
しかしこちら、もうすぐ建て替えるのだそうです。
2024年から2036年にかけて、部分的に営業しながら大々的に建て替えるのですって。
まだこんなに綺麗に見えるのに?

改めてこちらの歴史を確認してみたら、1890年(明治23年)竣工。1919年(大正8年)失火から全焼。
フランク・ロイド・ライト設計で1923年(大正12年)竣工。1968年(昭和43年)新館建設のため解体。
現在の本館は、その後1970年(昭和45年)に竣工されたもの。
なんとまだ、50年位しか経ってないのに。
ホテル・オークラも近年建て替えましたね。


欧州などには何百年も建っている石造りの建物が多々あるのに、日本はどうしてこんなにサイクルが短いの?
地震国だから?
どなたか教えてください。



日比谷公園のアメリカディゴの真っ赤な花は、もう盛りを過ぎていました。


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