Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

ギリシャ旅行①青黴の生えたパン

2015年06月22日 | ギリシャ旅行2015
何処かの国に行くとなると、私はその国にまつわる本を多少なりとも読み漁るのが常なのですが
ギリシャに関しては中々適当な本が見つからなかった(amazonで探した限りでは)。
ようやく旅行記数冊に、ギリシャ経済についての本やギリシャ神話を読む始末。
その中でも印象的だったのは、村上春樹の「雨天炎天」や「遠い太鼓」。
(これらは昔読んだものの読み直しなのですが、中身を綺麗に忘れていた)

「雨天炎天」はかなり特殊な旅行記で
ギリシャ正教の聖地と言われるアトス半島の奥地を、著者は訪れるのです。
20の修道院があり、2千人の修道僧がいるというアトス。
二千年前から今に至るまで女人禁制であり、家畜でさえメスは駄目なのだそうです。
ホテルも飲食店も一切なく、宿泊するといったら修道院しかない。
交通機関というものも一切なく、険しい山地を自分の脚で進まなくてはいけない。
その修道院の食事というものも所によっては悲惨極まりなく、
例えばカフカリヴィアという修道院での食事はこんな感じ。
”まずパン。これが無茶苦茶な代物である。
いつ作ったのは知らないけれど、石みたいに固くて、
おまけに一面に青黴が生えている。
それを洗面器に放り込んで水道の水でふやけさせる。
そしてザルで水を切って出してくれるわけだ。
それから、冷めた豆のスープ。
そこにどくどくと酢を注いで出す。
そして壁土みたいにぼろぼろしたフェタチーズ。”

それに比べるとロバート・ハリスの「幻の島を求めて」という旅行記は
同じギリシャの小さな島を訪れるとはいえ、様子がまるで違う。
著者はそこら中で友人を作り、金持ち(MOMAの副社長とか)の別荘などに招かれ、
美食三昧、リゾート三昧、バックギャモンやり放題。
美味しそうな食べ物の描写、ロックやジャズの音楽、ビーチで遊ぶ情景などで溢れている。 
これが同じ国の旅行記なの?と思ってしまうくらい。

という訳で、あんまり役に立つ本は見つけられなかったのですが。
しかもギリシャは今、債務協議で決定的に追い詰められており、
そのIMF支払い期限は6月30日という、丁度その恐ろしい時期なのですが。
明日から10日間、ギリシャ旅行に行って来ます。
何事もなく、無事に帰って来られますように。


タロウ、そんな目で見ないで…
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「うちの親にも深く反省するよう」

2015年06月19日 | 社会
内科医の内海聡氏が数日前、FaceBookで障害児誕生は親の責任というような発言をし、
ネット炎上したのだそうです。

内海氏といえば自らを「キチガイ医」と名乗るだけあって過激な発言で知られていますが
医者ともあろう人が本当にそんなことを言ったのか?
FBでその問題の発言を探してみました。

この人、一日に何本もの投稿をされていて、中々その記事まで
辿り着けなかったのですが、見つかりました。
シンガポール講演での安産祈願のデモンストレーションの話に始まって
何故か突然、帝王切開の話に。
”帝王切開だった自分を反省し生まれた子供を全身全霊をかけて守りましょう。
障害の子どもも同じです。障害の子どもさんが生まれるというのは、いかに産む前妊娠前に
両親が食と生活が乱れているかの証、それは一生かけて反省しなければなりません。
それを抱えてその子を一生守り続けていくことが、
真の親に課せられた試練なのです♪。”(原文のまま)

ううむ。
こんなことを公に発言する人が、未だにいるのですね…
それに対する乙武洋匡氏のTwitter上の発言がふるっている。
「うちの親にも深く反省するよう、よく言っておきます(笑) 」



乙武洋匡氏 内海聡氏の「障害児の出産は親の責任」との発言に一言
http://news.livedoor.com/article/detail/10245486/
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5フィートの穴

2015年06月16日 | 社会


FBで見かける動物虐待の写真には、時に言葉も失くすようなむごいものがあります。
血まみれのものとか、あまりに酷いものは正視できないし、
取り上げる気にもなれないのですが、上の写真にはまた、違った意味で息を呑みました。

南アフリカのケープタウンで、道路や校庭をうろついていた野良犬を
学校の校長が迷惑だから埋めて始末しろと、二人の守衛に命じたというのです。
犬が生きたまま埋められるさまを見ていた調理室の掃除人が動物の保護団体に電話し、
5フィートもの深い穴からその犬が救出されたのは、
埋められてから20分も経ってからだったと。


(穴の下の方にかすかに顔が見える)

その後犬は獣医に治療してもらった後、ジャーナリストの女性に引き取られ、
ようやく安住の家を得たのだそうです。
リリーと名付けられ、今ではすっかり元気になったのですと。



生きたまま地中に埋めるなんて…
どんなに苦しかったことだろう?
どうしてそんな酷いことができるのだろう?
しかも校長が命じたって?



リリー、つらかったね。
今度こそ幸せになるんだよ。

Buried Alive Because She Was A Nuisance This Stray Dog Has Become An Inspiration
http://www.reshareworthy.com/lily-dog-buried-alive-an-inspiration/#D12Gv57PGM
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ボズ・スキャッグス東京ライブ

2015年06月13日 | 劇、オペラ、コンサート


80年代前半、AORの帝王と言われたボズ・スキャッグス。
当時私は散々聴き、武道館のコンサートにも行ったことがあるのですが
その後すっかり遠ざかってしまったので、彼が今も活躍し、
最近もアルバムを出しているとは知りませんでした。
11日、オーチャードホールでの東京公演に行って来ました。

71歳のボズは今もすらりとしており、白髪を綺麗に撫でつけた
初老の紳士となって舞台に登場。
曲目は新作アルバム中心かと思いましたが
「Jojo」「Georgia」「Harbor Lights 」など昔の名曲も多くて感動。
そしてやっぱり「We're All Alone」には泣けます。



80年代前後、私は青春真っ只中の大学生だったので
彼の歌を聴くと、あの頃の思い出がみずみずしく蘇って来る。
網タイツの女性の脚に頭を乗せたセクシーなジャケットの「Middle Man」を
何度繰り返して聴いたことだろう?
そういえば当時話題になった、田中康夫の「なんとなくクリスタル」の中で
We're All Aloneの"all"はその直後の"alone"を強調しているのだから
「みんな一人ぼっち」という意味ではなく、「二人っきり」というような
意味だと言っていたような…(その本は手元にないので不確かですが)。

30年以上前の武道館の熱気、隣に座っていた男の子の息遣い。
あの頃の切ない恋愛感情、将来への漠とした不安、自分へのどうしようないもどかしさ、
そしてニューヨークへの憧れ。
そうした感情を久しぶりに思い出した夜でした。

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バレエ「白鳥の湖」

2015年06月12日 | 劇、オペラ、コンサート


新国立劇場でバレエ「白鳥の湖」を観て来ました。
あまりにも有名なこの演目は若い頃から何度も観てきたのですが
昔は、優雅な白鳥の美しさ、王子様のカッコよさくらいしか印象に残っていなかったような。
この歳になって観たら、多少感想も変わって来たような気がします。

今回のプリマドンナは米澤唯。
王子はワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤルバレエ・プリンシバル)。
指揮はアレクセイ・バクラン。
悪魔によって白鳥に姿を変えられてしまった姫オディットと
王子を魅惑しようとす黒鳥オディールの対比もさることながら
これは、王子の成長物語でもあるように見えてくる。
成人式の祝宴で少年時代に別れを告げ、オディットと恋に落ち、
まんまとオディールの虜となり、そして終盤オディットに永遠の愛を誓う。
二人の女性の間で揺れながらの、男としての自覚と成長。

バレエのストーリー性など二の次という向きもあるでしょう。
夢のように美しい衣装、豪華な背景、白鳥たちの群舞、
そして王子と姫の見事なグラン・パ・ド・ドゥ 。
ファゴットとオーボエの旋律に乗った、有名な4羽の白鳥の踊りが私は大好きなのですが
あれは小さな白鳥が悪魔に縛られながらも必死に踊る様子を表しているのだそうです。

3分でわかる!『白鳥の湖』|新国立劇場バレエ団
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痩せ衰えた、しかし

2015年06月08日 | 社会


FBでこの写真を見た時、驚きました。
異様に膨らんだ乳房を持った、痩せ衰えたピットブル。
何かの病気じゃないかと思うくらい、乳房はパンパンに膨らんでいる。

動画を見て納得しました。
ニューオーリンズのこの犬は、出産直後に仔犬たちから引き離されてしまったらしい。
路上でこの犬を見つけたレスキュー隊は、その後をついて行ったのですが
辿り着いた家の住民は、そいつはオレのルームメイトの犬だと。
そしてそのルームメイトは今、刑務所にいる、仔犬はオレが世話をしているから
放っておいてくれと言って、ドアを開けようともしないのです。

後日、レスキュー隊はなんとかその仔犬たちを手に入れ、
母犬と一緒にさせることができたのですが…
昔、息子たちを出産した後の自分の体の変化に驚いたことがあります。
乳房がパンパンに張って痛いほどになる、
それに赤ちゃんが吸い付いたときの快感と安堵感。
ああ自分は哺乳類なんだと、つくづく実感したものです。
長男は飲みが悪くて母乳がたまってしまい、私は乳腺炎を繰り返しました。
熱を持って膨らんだまま固まってしまい、どんなに痛かったことか。

大きく張った乳房を持った母犬は、歩くのも辛そうにヨロヨロしている。
子どもたちを探してどんなにつらく、切なかったことか。
母子を引き離すなんて、どうしてそんなむごいことができるのだろう?
無事に再会できた仔犬たちが夢中で母犬に吸い付く、
最後のそのシーンに救われます。




Emaciated Mother Dog Asks Rescuers For Help With Her Puppies
http://www.reshareworthy.com/emaciated-pit-bull-and-puppies-rescu
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この1000年間の世界の人物100人

2015年06月07日 | 社会


先日「百日紅」を観た際に北斎について少々調べてみたところ、
米国ライフ誌が企画した「この1000年間に偉大な業績をあげた世界の人物100人」
(Life's 100 most important people of the second millennium)に
日本人でただ一人、彼が選ばれたということが分かりました。
1998年という、少々古い企画ではありますが
ではトップ10というのはどういう人たちなんだろう?と見てみたら

1. トーマス・エジソン (アメリカ)
2. クリストファー・コロンブス (イタリア)
3. マルティン・ルター (ドイツ)
4. ガリレオ・ガリレイ (イタリア)
5. レオナルド・ダ・ヴィンチ (イタリア)
6. アイザック・ニュートン (イギリス)
7. フェルディナンド・マゼラン (ポルトガル)
8. ルイ・パスツール (フランス)
9. チャールズ・ダーウィン (イギリス)
10. トーマス・ジェファーソン (アメリカ)

発明王エジソンが1位であったか。
アメリカ大陸発見のコロンブスが2位というのは、まあ米国の雑誌の特集だから仕方ないとして、
あとはもう、ルターだのガリレオだのダ・ヴィンチだのニュートンなど
歴史で習った偉人や天才たちがずらりと並んでいます。

ちなみに北斎は86位。
”At the age of 74, Hokusai, one of the greatest artists of the millennium,
bemoaned his lack of talent. "Of all I drew prior to the age of 70 there
is truly nothing of any great note," he wrote,
predicting that at 100 I shall have become truly marvelous.(後略)”
と紹介されています。
「74歳のとき、偉大な芸術家の北斎は
70歳以前に描いた自分の絵はカスばかりだと嘆いた。
100歳まで生きれば素晴らしい画家になっているだろう、と。」

さすが日本が誇る天才!!

Top 100 People of the Millennium
http://www.tostepharmd.net/hissoc/top100people.html
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「サンドラの週末」

2015年06月04日 | 映画


カンヌ映画祭パルムドールを2度受賞したベルギーのジャン=ピエール・ダルデンヌ、
リュック・ダルデンヌ兄弟による社会派ドラマ。

鬱病で休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)がようやく回復し、
仕事に戻ろうとした矢先、クビを言い渡される。
彼女が職場に復帰するには、同僚のボーナス1000ユーロの全額カットが条件。
同僚16人のうち過半数がそれに同意したら、復帰を許すと。

なんという条件。
自分が職場に戻りたいから、あなたのボーナスをあきらめて?
そんなこと私には絶対言えない。
そしてサンドラも決して強い女性ではない。
クビを言い渡されただけで泣き崩れるくらい。
その彼女が、夫や友人に励まされながら薬(おそらく安定剤)を飲みながら
土日の二日間、16人の同僚を説得しに廻るのです。
居留守を使われたり、露骨に嫌な顔をされたりして何度も挫けながら。



言うまでもなく、1000ユーロのボーナスを簡単にあきらめてくれる人などいない。
君を応援したいけど、生活にはお金が必要。面倒を持ち込まないでくれ。
誰しもそれが本音でしょう。
そして同僚の誰もが、生活に大変そうなのです。
こんな嫌な役目を病み上がりのサンドラがどうこなし、同僚はどう答えるのかと
ハラハラしながら観て行くと…

ダルディンヌ監督にしては、捻りが少なかったのではないかとも思います。
ずっと悪役の主任が実はよい人だったとか
どんでん返しがあるのではと期待しましたが、それもなく。
最後に救いはありましたが、正直に言えば私には少々物足りなかった。
それでもあの二日間があったからこその
最後のあの笑顔を、サンドラは見せることができたのだろうと。
原題「TWO DAYS, ONE NIGHT」通りの、2日と1夜のサンドラの闘いは
生活のためだけでなく、自分が生きる自信を取り戻すためのものであったのです。



それにしても一人のリストラを、従業員同士に話し合わせて決めさせるなんて。
日本では考えられないことです。
こんなことが向こうではあり得るのかと思いますが
プジョー社で実際に会った不当解雇問題に着想を得た、と監督は語ったのだそうです。
マリオン・コティヤールが、すっぴん、タンクトップ、Gパン姿で熱演。
音楽もなく、ひたすら淡々と彼女の二日間を描いた、ドキュメンタリーのような映画です。

http://www.bitters.co.jp/sandra/
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「百日紅~Miss HOKUSAI~」

2015年06月02日 | 映画


葛飾北斎の浮世絵制作を陰で支える娘のお栄(後の葛飾応為)、その父娘の交流や
江戸に生きる町人たちの人間模様を描いた杉浦日向子の原作を映画化。

北斎の人となりについて以前読んで、驚愕したことがあります。
「超ずぼらな奇人」であり、生涯になんと93回引越ししたのだそうです。
その理由は、要するに絵を描くことのみに集中し、部屋が汚れる度に転居したということらしい。
”炊事や洗濯もせず、煮売屋(惣菜屋)でおかずを買って家で食べ、 包み皮や入れ物はその辺に放置した。
面倒くさいのか、箸も使わず手づかみで食べていたという。
(中略)コタツ布団はシミだらけとなり、部屋もゴミが積もって不潔極まりなく、足の踏み場もなくなる。
こうなると、北斎は転居するわけだ。”(歴史研究家河合敦)



その北斎をアニメでどう描くのか興味があったのですが
長編の原作を2時間の映画にするということで、さらっとまとめてありました。
それでも北斎の変人ぶり、冷めた娘・お栄との毎日、弟子との漫才のようなやりとりなどが楽しめます。
特に、盲目で体の弱い末娘・お猶へのそれぞれの可愛がり方(北斎は殆ど無視するのですが、
実は…)が興味深かった。
お前の描く枕絵には色気がないと言われて、実際に男娼と寝てみようとするお栄は
さすが北斎の娘と言うべきか。
加えて、電気というものがなく夜が長かったあの時代の闇への恐怖、
死後の世界のおどろおどろしさが、龍やろくろ首や地獄絵図などで表されていたように思います。
江戸の風俗に興味のある方にはよいかもしれません。



http://sarusuberi-movie.com/index.html
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