Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

愛は惜しみなく奪う

2010年09月29日 | 
「おおきな木」というシルヴァスタインの絵本があります。
息子たちに何度も読み聞かせた本のうちの一冊です。
それが今月、村上春樹氏の訳で新登場したと朝日新聞の書評に出ていました。

何度も読んだので、まだそのフレーズを覚えているくらいです。
もう手元にないのでうろ覚えですが
「昔、りんごの木があって、かわいいちびっこと仲良しでした。」
そんな書き出しで始まるのです。

ちびっこは毎日、木の傍らで遊んで、木は幸せだった。
時が流れてちびっこは大きくなり、木のところに来なくなってしまった。
少年となったちびっこが久しぶりに姿を見せたので、木はとても喜ぶのですが…

「いらっしゃい、ぼうや。
わたしにおのぼりなさい。
えだにぶらさがって、りんごをおたべなさい。
わたしのこかげであそんで、しあわせにおなりなさい」
「もう木のぼりをしてあそぶとしじゃないよ」と少年はいいました。
「ものを買ってたのしみたいんだ。おかねがいるんだよ。
おかねがなくっちゃ。ぼくにおかねをちょうだい」
「ごめんなさい、おかねはないの」と木はいいました。
「わたしにあるのは、はっぱとりんごだけ。
りんごをもっていきなさい、ぼうや。
それをまちでお売りなさい。
そのおかねでしあわせにおなりなさい。」
(村上春樹訳、ネットより)

木は、自分に実ったりんごをすべて与え、少年はお金を手にした。
さらに大人になった男は家を欲しがり、木は自分の枝をすべて与える。
さらに男は船を欲しがり、木はついにその幹を与え、切り株になってしまう。

年月が流れ、惨めな切り株になってしまった木を
かつての少年が老いさらばえた姿で訪れる。
何もかも失くした木が、年老いた男を温かく迎えるところで
物語は終わるのです。


私はこの絵本が大嫌いだったのです。
こんな悲しい話は嫌いだ。
何もかも与え続けて、木は幸せだったのか?
こんな酷い男に与えつくしてすべてを失くしてしまうなんて。
そこまでするほどの価値のある男にはとても思えない…


村上春樹は一体どう訳したのだろう?と興味津々で見てみました。
表紙はまったく同じです。
大体、似たような感じのやさしい文体だと思うのですが
ひとつ、決定的に違うところが。
切り株になってしまうところで、
「And tree was happy.... but not really.」の訳が
「木は それで うれしかった・・・
だけど それは ほんとかな?」
から
「それで木はしあわせに・・・
 なんてなれませんよね」
になっているのです。

ちょっと胸のすく思いです。
どちらにもとれる読者への問いかけから、きっぱりとした否定形に。
村上春樹よくやってくれた、という思いです。
原題は「The Giving Tree 」といいます。


「おおきな木」
コメント (6)
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盗人に追銭

2010年09月26日 | 社会
難しいことは分からない。
アメリカが安保の対象にすると言いながら
その裏でどんなやり取りがあったのか私には分からない。

しかし、何をどう言ってみても
結局のところ、
「自宅の敷地内に停めていた車に不審者がいきなり車をぶつけてきたので
捕まえて警察に突き出したら、その家族に自分の家族を人質に取られて
仕方なく不審者を放したら謝罪と賠償を要求された」
という話、という気がしてしまう…


気を取り直してタロウの話。
タロウというヤツは、元気だけが取り得のような犬なのです。
よく遊ぶ、よく食べる、よく眠る…
食欲ときたら年中旺盛で
隙あらば何か食べようと伺っている。
家人が餌をあげたのに気がつかず、うっかり二度あげてしまった時も
いつもとまったく同じスピードで平らげたので
しばらくそのことに気がつかなかったくらい…
車に酔って吐くことはあっても普段はとにかく元気で
多少バカでも(いまだにウレションしても!)元気が一番、と思っていました。

そのタロウが体調を崩しました。
酷い下痢、嘔吐。
しかも3日も4日も。
基本的にタロウの餌はドッグフードで
時々生野菜や人間の残り物などをほんの少々与える程度なのですが
そのタロウの足元に餌を置いても食べない、ということが3年目にして
初めて起こりました。
いつもならガツガツと数秒で完食するのに
食べようとしないで、困ったように私の顔を見ているのです。
あれには参りました。
ほんの少し食べるとすぐに下痢と嘔吐をしてしまうし、
さすがにもう一日様子を見て変だったら、獣医さんに連れて行かなければと思った
次の日くらいから少しずつ元気になり、症状がおさまってきました。
今はもう、すっかり元気に食べています(まだ少なめに与えていますが)。
よかった…

数日前に、公園で遊ばせた時に食べた猫の糞が原因か!?
あるいは、ワンコ仲間に聞くと、犬にも夏バテがあるのだそうです。
友人の所のトイプードルは、最近やはり下痢と嘔吐が止まらず、
獣医に夏バテといわれ、何度も点滴に通ったのだとか。
自力で治ってくれたタロウに感謝です。
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全編がブラックジョーク「下流の宴」

2010年09月20日 | 
面白かった。
426ページ、結構ボリュームがありますが
軽いので一気に読めます。

48歳の福原由美子は都内に住む専業主婦、彼女の悩みは
20歳の息子、翔のできが悪く、高校を中退してしまったこと。
”まさか自分の息子が、中卒になろうとは考えてもみなかった。(中略)
過度の期待をかけた覚えはない。東大などということは考えたこともないが
せめて並みの上レベルの大学を出て、人が聞けばああ、あそこねといわれる程度の会社に行く。
そのくらいのことを息子に期待して何の悪いことがあろうかと由美子は思う。
塾を強制することもなかったし、ゲームを取り上げたこともない。
有名教育評論家の本に書いてあることをなるほどと思い、土日だけ時間を決めてやらせるようにした。
朝御飯は必ず食べさせ、日曜日には博物館や美術館に連れて行った。”

”しかし息子は地団太を踏みたくなるような子どもであった。
小学校中学年になっても、意欲や好奇心といったものがまるで希薄なのだ。”
その息子のお尻を叩き、なんとか私立中堅の中高一貫教育校に入れたものの、
高校をドロップアウトし、ニートになってしまう。
漫画喫茶などでバイトしてその日を過ごし、あげくは
なんとも不器量で下品な女の子と同棲し、結婚すると言い出した…

その女の子、玉緒に向かって由美子が切る啖呵。
”うちは、主人も私も大学を出ています。
主人は早稲田を出て一流企業に勤めるちゃんとしたサラリーマンです。(中略)
私の実家は医者だったんです。父親の兄も、私の妹の主人も医者をしています。
言ってはナンですけれども、沖縄のどっかの島で飲み屋をしているあなたの家とは
違うんです。”

そこまで言われて奮起した玉緒(高卒・バイト暮らし)は、
そんなに医者が偉いのか、それなら私が医者になってみせると宣言するのです…

翔の一つ上の姉、可奈がまた実に嫌な女なのです。
親も驚くほどの見栄っ張りで、自分の美貌を武器にし、
玉の輿に乗ることしか考えていない。
そのために、”名前を聞いてぱっとしない共学の大学より、
偏差値が少々落ちても有名なお嬢様大学”を選んだくらい。
可奈の結婚観は非常に分かりやすい。
”ものすごくいいカシミアのカーディガンをさらっと羽織って、
青山の紀ノ国屋インターナショナルで買い物をしている主婦”
になることが彼女の夢なのです。
そして願い通りの京大卒、”年に億近い給与を取る外資のディーラー”北沢と
結婚して白金のマンションに住み始めるのですが…
どんなオチが待っているのだろうと期待して読み進めていくと
胸のすくようなしっぺ返しが。

全編これブラックジョークのような作品です。
翔の台詞「あのさ、絶対に負け惜しみじゃなくて、オレ、頑張っている人たち見て、
すごい、とは思うけど、憧れたり、そうなりたいって思ったことはないワケ。」
これが翔の性格をよく表わしています。
由美子の悲嘆、焦り、絶望も分かるような気がしますが
ここまで交わらないともうどうしようもないのかも…
母親として読むと、中々切ないジョークでもあります。
最後の〆には大笑いさせて頂きました。

これ、近い将来テレビドラマになりそうな気がします。
その配役を考えるのも楽しみかも…

「下流の宴」
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怖すぎる…

2010年09月18日 | 社会
病室で泣きながら夫の遺体のそばに立ちつくす妻。
そして、死んだ夫の手には食べかけのハンバーガーが…。
そんなCMが、米ワシントン市内限定で放送されて話題になっているのだそうです。

この映像、怖すぎる。
死んだ肥満体の男は確かに食べかけのハンバーガーを握り締めているのですが
これじゃ何処の何だかよく分からないじゃないのと思って見ていたら
最後になんと“I was lovin’ it”というフレーズと
マクドナルドの大きな黄色のMのロゴが。
お馴染みの“I’m lovin’ it”をもじっている…
ここまでやるか!?

医師らで構成される非営利団体『PCRM』が制作したものだそうなのですが
こんなものを作ってマクドナルド社は怒らないのかと思ったら
”マクドナルド側は「なんて失礼なCMだ。人生にとって必要なものを選ぶ権利は
消費者にある」と苦言を呈しています。”と。
そりゃそうでしょう。

ハンバーガーばかり食べ続けたら
身体に悪いことくらい誰でも知っている。
しかし普段しっかり色々なものを食べ、
たまに出先で時間がない時などにハンバーガーを食べる分には
こんな安くて便利なものはないと思うのですが…
映画「スーパーサイズ・ミー」(一日に3回、30日間、マクドナルドのファストフード
だけを食べ続けたらどうなるかを記録した作品)でも思いましたが
アメリカ人、やることが極端すぎ!



情報元 http://youpouch.com/2010/09/18/093029/
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HPの更新

2010年09月12日 | トールペイント
先日の日記「私の愛する隠れ部屋」の時計の写真が小さくて
よく分からないと友人に言われました。
薔薇の鏡も描き上げたことだし、と
時計の写真も含めて久しぶりにHPを更新致しました。
よかったらご覧下さい。



HPはホームページビルダーを使って作っているのですが
何しろ一年に一回くらいにしか更新しないので
こんな簡単なものであってもやり方をその都度、綺麗に忘れてしまう。
今回も困っていたら、大学生の次男がちょいちょいとやってくれました。
普段は無愛想で態度がでかい息子も
こういう時は本当に役に立ちます。

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ようやく…

2010年09月10日 | 家庭
昨日はどうも涼しいと思ったら
夜のニュースで都心の最高気温が28.5℃、一ヶ月ぶりに30℃切れたのだと言っていました。
そしてそれが、今頃の平年の気温なのだと。
今日は30℃を僅かに越えたそうですが、それで時々曇りだったし
一昨日までのことを思ったらよっぽどマシ。
秋ってこんなに涼しかったんだ…

友人で夏が終わるのが寂しいという人がいるが
私にはどうにも理解できない。
特に今年のようにキチガイじみて暑かった夏なんて
一刻も早く去って欲しいばかり。
暑いのはもう沢山!という気持ち。
早く、乾いた空気、澄み渡った空の秋に来て欲しい。

そういえば中学生の頃、芭蕉の
「行く春や鳥啼き魚の目は涙」という句も理解できなかったなあ。
春の終わりを惜しむ気持ちなんて、圧倒的な存在感でやってくる初夏の勢いに押されて
何処かに紛れ込んでしまうのじゃないの?
新緑が生い茂る躍動感に負けてしまうのではないの?と。
でも惜春という言葉もある。
昔の人は、現代人よりもよっぽど季節に対する思いが強かったのだろうなあ…

涼しくなって一番喜ぶのは、タロウかもしれない。
タロウ、散歩に行きたがって仕方ないのですが
暑さですぐにバテてしまう。
夕方、日が翳ってから出ても、アスファルトの路上はまだまだ熱いし
ことにミニチュア・ダックスは足が短いし。
舌をだらりと出し、ハアハア言って動けなくなってしまう。
以前は、おバカ!アンタが行きたがったんでしょう!?と叱りつけて
引きずるようにして帰っていたのですが
最近では犬も熱中症になると聞いて
仕方なく、時には抱きかかえて帰るようになったのでした。
よかったね、タロウ!

写真は最近のニュースから。
京都の動物園のウリボウと子ザル。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100909mog00m040020000c.html
コメント (4)
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正義は勝つ!「ベスト・キッド」

2010年09月08日 | 映画
日経新聞の「シネマ万華鏡」で
「オリジナルを上回る、大成功のリメーク」とまで言い切っていました。

いじめられっ子のアメリカ西海岸の高校生が、日系の空手の老師匠と出会い、
修行を通じて心身共に成長していく姿を描いた1985年の「ベスト・キッド」。
私はこの作品が大好きだったのです。
今回は、主人公はアメリカ黒人の小学生(ジェイデン・スミス)、舞台は北京、
師匠はカンフーのジャッキー・チェンと変わっている。

どの世界にも壮絶ないじめがある。
只でさえ異文化に馴染めず、孤独な思いをしている転校生ドレが受けるいじめは、
男の子の母としては正視できないほど酷いものです。
暴行を受けている最中に通りかかって、見事なカンフーの技で助けてくれるハンは
普段はさえないアパートの管理人。
その二人の師弟愛と友情、凄まじい修行を通して成長していくドレ、
そのドレによって救われる、妻と息子を亡くした孤独なハン。
まさに娯楽映画の王道、「正義は勝つ」を高らかに叫ぶ作品です。

しかし、こういう作品があってもいいのではないかと思うのです。
元々映画なんて娯楽品なのだし、真っ直ぐに夢と勇気を与えてくれるものが
あってもいいのではと。
強い者は威張り、弱い者はいじめられるという分かりやすい世界。
何くそ!と歯を食いしばっていじめられっ子が修行に耐える姿には
それだけで感動してしまう。
そして終盤、カンフー大会の決勝戦。
結果が分かっていても、私は鳥肌が立ってしまいました。
決勝戦の後、あれだけ執拗にドレを苛めていた悪ガキたちが
ハンに深々と敬礼をするシーンは、涙なしでは見られない。
確かに2時間半弱は長すぎる気もするし、中だるみもありますが
紫禁城、万里の長城、武当山、北京の下町など景色も飽きさせない。
北京の武道学校で、何百人という子供達が赤一色の武道着で練習をする光景は圧巻です。

ああスッキリした!
大雨の中、観に行った甲斐があったというものです。
惜しむらくは、台風が気になって私は作品が終わり次第出てしまったのですが
エンドロール、舞台裏のスナップ写真で綴られていたのですってね。
しまったことをした…

☆4

公式HP
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東京JAZZフェスティバル2010

2010年09月06日 | Weblog
昨夜、国際フォーラムで行われた東京JAZZに行って来ました。

ジャズは夫が好きなのです。
で、よく週末などにリビングでCDをかけているので
私も何となく聞き馴染みはあるのです。
が、あくまでもBGMとして聞き流しているので
いつまでたっても、ミュージシャンや曲の名が覚えられない。
たまに夫に誘われると、喜んで聴きに行ってはいるのですが…

今回は
ハン・ベニンク、ジョシュア・レッドマン・トリオ、渡辺香津美TOCHIKA2010、
そしてクルセイダーズ!

ジャズに疎い私は、渡辺香津美と共演したマーカス・ミラーが
ベースの神様と呼ばれていることも知らない。
クルセイダーズは昔から聴き親しんではいるのですが
実物を見たのは初めて。
驚きました。
ジョー・サンプルという人を私は、そのファンキーなピアノの音色から
なんとなく「マンハッタンの夜」というイメージで捉えていたのです。
マンハッタンの高層ビルのジャズバーで、きらめく夜景を眺めながら楽しむ、というイメージ。
あんなずんぐりした短身満躯(なんていうのか?長身痩躯の反対のつもり)の
ごま塩、四角い頭のおじいちゃんだったなんて…
ウエイン・ヘンダーソンに到っては、もう一人では歩けないようで
バンド仲間二人に支えられるようにして、舞台に現れました。
小太りの身体に、白黒のストライプにゴールドをまぶした、
美川憲一も真っ青のキラキラド派手服に、三角の黒いサングラスして。
座ってトロンボーンを吹き出したら、魔法のような音色が現れましたが。
気合の入れ方が半端でなく、もう圧倒されるばかり。
最後の方は観客総立ちで拍手していました。
今回、クルセイダーズの創設メンバーでもあるウィルトン・フェルダーが
病気の為、急遽来日できなくなったのだそうです。

帰宅して調べてみたら
ジョー・サンプルは1939年生まれでもう71歳。
1952年、高校仲間とバンドを結成、1960年に『ジャズ・クルセイダーズ』の名で
デビューしたのだそうです。
そんなお歳だったなんて。
病気になるのも無理もないかも。

前回の東京ジャズでも、ボブ・ジェームスが小柄で白髪の老人だったのに驚きました。
以前から聴き親しんできたビッグネームの数々、今のうちに聴いておかないと
聴けなくなっちゃう人も多いのかもしれませんね。

東京JAZZフェスティバル2010
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日本の犬とアメリカの犬は会話できるのか

2010年09月03日 | 社会
昨日の朝日新聞の全面広告に息を呑みました。
ど真ん中のページ、見開きでワンコ2匹の写真。
「日本の犬と、アメリカの犬は、会話できるのか。」
というキャッチコピー。
ちょっと困ったような顔のレトリバーと、利発そうな柴犬の写真。
一体何が言いたいのか!?
さーっぱり分からない…

左下に小さく「この広告は本日付けのニューヨークタイムズ及び
ワシントンポストにも同時掲載いたしました」
益々意味不明…

右下に「宝島社」とそのURL。
HPを訪れて「企業広告」のページから
ようやく見つけた「広告意図」。

”コミュニケーションの大切さ。
これが今回のテーマです。
外交問題や政治、経済の問題、そして最近目につく殺伐とした事件まで、
いま日本が抱えている課題の根本にはコミュニケーションの問題が見え隠れしている
のではないでしょうか。
こんなご時世だからこそ、「伝える」ことと「伝わる」ことの間にあるものは何なのか、今回は、これをあらためて問い直してみたいと思ったのです。
相手を思いやる気持ちがあればこそ、自分の思いもしっかり伝わるようにしたい。
みんながそんな風に思えるようになれば、前向きでいいエネルギーが、
対話の中からきっとどんどん生まれてくるはずです。
世の中を明るく元気にしていくのは、やっぱりコミュニケーションの力だと、
わたしたちは思っています。”
製作スタッフはアサツーディ・ケイ。

そういう意味だったのか…
しかし、世の中のどれだけの人が
この広告からそこまで読み取れるのだろう!?
インパクトを与えたかっただけか?
日本の主要六紙とアメリカの二紙に全面広告を出すって
一体幾らくらいかかるものなの?
ちなみに夫と次男にこれを見せて感想を訊いてみたら
「意味不明」
「金の無駄」
でありました。

宝島社企業広告 
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「瞳の奥の秘密」

2010年09月02日 | 映画
この映画、朝日新聞の「銀の街から」で沢木耕太郎氏が
激賞していたのです。
「映画らしい映画を見た。」と。
「ここで私が映画らしい映画というとき、素朴に”次はどうなるのだろう”という興味で
先に先にと引っ張っていってくれるもの、という意味が込められている。」のだと。

確かに先が読めない展開に、ハラハラドキドキしっ放し。
アルゼンチン映画って殆ど観たことないように思うのですが
こんな佳作があったなんて…
第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞というのも納得。
監督はファン・ホゼ・カンパネラ。

刑事裁判所を引退した下級官吏のベンハミンは、25年経っても忘れられない
残虐な暴行殺人事件を元に小説を書き始める。
その事件の真相に迫ること、そして
かつて愛しながら別れたイレーネへの気持ちに決着をつけること。
この2つの要素が実に複雑に絡み合い、過去と現在が交錯しながら
話は進んでいきます。
殺人事件の意外な展開にドキドキしながら、
根底に流れるベンハミンの純愛に打たれる…
沢木氏に言わせれば
「ミステリーとラブロマンスがないまぜになることで、
さらにはそのラブロマンスも妻を殺された若い夫の”失われた愛”と
ベンハミンの”報われなかった愛”とが複雑に絡み合うことで、
鮮烈なカタルシスを得ることができるようになっている。」

ベンハミンの部下、酔いどれパウロの友情にも泣けました。
狡猾な上司の判事ロマーノの、(日本でいう)キャリア組のイレーネと
高卒のベンハミンに対するあからさまな差別、
70年代のアルゼンチンの体制の腐敗ぶりには目を見張りました。
Aの文字を打てない壊れたタイプライターが
最後の告白の伏線になるなんて。
“TEMO(怖い)”のEとMの間に“A”を手書きで入れると
“TE AMO”(愛してる)になるって…
お見事!としか言いようがない。

本当に映画らしい映画です。
最後は少々後味が悪いが
B級娯楽大作だと思えば、こんな面白い物はない。
都内でも日比谷シャンテ一館でしかやってないのが残念です。

公式HP
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