Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

サンドイッチ考

2009年10月15日 | イギリス旅行2009
イギリスで、意外に美味しかったもののひとつに
サンドイッチがあります。
朝、ホテルのフル・イングリッシュ・ブレックファーストを頂くと
少食の私などは、昼時になってもあまりおなかが空かない。
そういう時天気が良かったりすると、具をたっぷり挟んだサンドイッチを
公園やオープン・カフェで食べるのも楽しいものでした。

写真は、フランスパンっぽい細長いパンに具をたっぷり挟んだサンドイッチ専門店。
このサンドイッチは30cm位あって、私には大きすぎたのですが
カフェテリアなどに入ると、このハーフ・サイズもありました。
ロースト・ビーフ、ツナ、ゆで卵など、具は選り取り見取りだったのですが
中でも私が気に入ったのは、生ハム・バジル・トマトを挟んだシンプルなもの。
このシンプルなのは、日本ではあまり売ってないような気がする。
それでは自分で作ろうと、休日の朝食に挑戦してみたのですが…

具は、生ハム、バジル、トマト、ゆで卵、キュウリ。
ベーカリーで買ったフランスパンで作ってみたら、我家の男たちには
非常に評判が悪かった。
「パンが硬すぎる!」
「具がはみ出て喰いにくい!」
確かに、イギリスで食べたパンは、フランスパンのようでありながら
もっとずっと柔らくて食べやすかった。
で、次にカンパーニュという、バゲットよりは柔らかい丸パンで作ってみたのですが
やはり評判はよくない。
結局、サンドイッチにはいつもの薄い食パンの方がいいと口を揃えていう…

だけど、サンドイッチ用の12枚切りの食パンでは
あのイギリスで食べた味は再現できない。
あのパンは日本には売っていないのかしら?
ちなみに、日本で「イギリスパン」という名前で売っている
あの上がちょっと膨れ上がった山高帽のようなパンは
外がパリッとして中はふんわりして、私は結構好きなのですが
イギリスでは見かけませんでした。

湖水地方からロンドンに戻る時、電車が大幅に遅れて
ミュージカルに遅れそうになったことは、前に書いた通りです。
その時、夕食を取る時間もなくなりそう、でもおなかを鳴らせながらミュージカルを
観たくないということで、電車の中でサンドイッチとカプチーノを頂きました。
ローストビーフのサンドイッチと生クリームたっぷりのカプチーノは
£4~5ほどで、まあまあ美味しかった。
そういえば、以前知り合いのアメリカ人が、新幹線のサンドイッチが
あまりに薄くて少なくて高いと驚いていました。
あんな不味いもの、私は長年食べたことないのですが
今でも昔のままなのかしら?
日本の誇る正確無比な新幹線の、あの薄いサンドイッチは、ちょっと恥ずかしいなあ…
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イギリスのワンコ

2009年10月09日 | イギリス旅行2009
イギリスではいたるところで、ワンコを見かけました。
"He cannot be a gentleman that loves not dog"
(犬を愛せない人は紳士ではない)ということわざがあるのだそうです。
そのせいかどうかは知りませんが
男の人とワンコの組み合わせが非常に多かった気がする。
犬好きの私としては思わず
わあ可愛い!(大きい!勇ましい!)などと声をかけると
飼い主も相好を崩して、いやコイツはでかいんだけれども甘ったれでねなんて
話してくれたりする。
ワンコの写真を随分撮らせて貰いました。

写真はニューファンドランド・ドッグ。

そして驚いたのは、グレート・デンです。
私は本物を初めて見ました。
まさに子牛のような大きさです。
一体何kgあるの?と訊くと、93㎏ですと。
その凛々しさ、頼もしさ、色艶のよさ、堂々とした姿、
只々圧巻です。
写真がボケてしまってお見せできないのが残念ですが
このニューファンドランド・ドッグが45㎏と言ってましたから
この倍以上の体重となります。
こんなのがいたら、どんな夜道をあるくのも怖くないだろうなあ…
私はミニチュア・ダックスのタロウのバカさ加減、愛らしさ加減に未だに
毎日感動しているので、ワンコは小さい方がよいなんて思っていたのですが
瞬時に趣向変え。
やっぱり大きい方がいい…

しかし、93㎏を飼うには、
それだけの食糧、手間、そして何よりもスペースがいるのでしょうね。
マンション住まいには、とても無理な話です。

あちらではまた、ワンコの躾の行き届いていることに感心しました。
電車にもそのまま乗せていいようで
大小様々なワンコを車内でも見かけましたが
一度も吠えたり、粗相する場面には出会いませんでした。
電車の運行はどうしようもなくだらしないけれど
その中に乗っているワンコの躾は、非常にしっかりしているようです。
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知の殿堂か泥棒市か?

2009年10月05日 | イギリス旅行2009
大英博物館。
英語では「Great Britain ナントカ」と言うのかと思ったら
単に「The British Museum」なのですね。
でも、これを大英博物館と訳した人は凄い。

だって本当に大きい。
外見はまるでギリシアの神殿、
中の案内図をざっと見ただけでも、90以上の展示室がある。
しかも、もっと古色蒼然とした所かと思っていましたが
しょっちゅう改装がなされているようで、内部は明るく新しく、
トイレやカフェテリアなども非常に快適なものでした。
”世界最大の博物館のひとつで、古今東西の美術品や書籍など約700万点が収蔵されている。”(Wikiより)
しかし、別名「泥棒博物館」。
”収蔵品には大英帝国時代の植民地から持ち込まれたものも多く、今日では文化財保護の
観点や宗教的理由から国外持ち出しが到底許可されないような貴重な遺物も少なくない。”(Wiki)

例えば、ロゼッタストーン、パルテノン神殿の彫刻群、ミイラ、
この3つは、大英博物館の3大お宝と呼ばれているらしいのですが
いずれも、エジプト政府やギリシャ政府が返還を求めているのだそうです。
「クサントスの遺跡」なんて、幾つもの像が立つ、神殿風の廟なのですが
下手な日本の民家よりも大きい!
一体全体こんなもの、どうやって運んできたのか!?
そして現地クサントスには今、遺跡の跡と、看板しか残ってないのだそうです。
そりゃ、取られた方は怒るでしょう…?

ただ、
”大英博物館の収蔵品は多くが個人の収集家の寄贈によるものである。
また創設以来、入場料は無料である。”(Wiki)
という面も。
階級社会イギリスのいやらしい面と良い面の両方を
見せつけられた気がします。
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あったらいいなあ

2009年10月03日 | イギリス旅行2009
海外に行くと、色々な点で日本の便利さを痛感することが多いのですが
たまに、こんな便利なのが日本にもあったらいいのに、と思うことがあります。

今回イギリスで一番羨ましかったのが写真のもの。
”Dog Waste Bin”つまり、犬のウンチ箱。
公園や街角など、いたるところにありました。
さすがに愛犬家の国らしい。
こんなのがあったら、ワンコとの散歩がもっと楽しくなるだろうなあ…

それと、ミルク・ポーション。
私は昔から、コーヒーや紅茶には、生クリームより牛乳を入れる方が好きなのです。
でも、日本にあるいわゆるコーヒー・フレッシュと呼ばれるのは
植物性の生クリームばかり。
イギリスでは、紅茶には牛乳と決まっているようで
ホテルの部屋には、必ず紅茶のティー・バッグとミルク・ポーションが置いてありました。
常温保存できるところから、多分LL牛乳の類と思われますが
日本のポーションより一回り大きく、牛乳がたっぷり入っていました。

それから、正式名称を知らないのですが
ホテルのバスルームに必ずあった温熱式タオル・レール。
ステンレスのタオル掛けが熱々に温まるようになっていて
分厚いバスタオルでも、一晩ここに掛けておくと翌朝には乾いています。
これがあるとバスルーム自体も温まって、非常に快適でした。
場所を取らなくてこんな便利なものはないと思うのですが
どうして日本では普及しないのかしら…?
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グニャグニャではなかった!

2009年10月01日 | イギリス旅行2009
「この世の不幸とは?
日本の家に住み、アメリカの女性をめとり、中国の給料をもらい、
イギリスの料理を食べること」
というジョークがあります。
(ちなみに幸福は、「アメリカの家に住み、日本の妻をめとり、
イギリスの給料を貰い、中国の料理を食べること」となります)
イギリスが、かつて日の沈まない大帝国を築くことができたのは、
何でも食べられるその鈍感な味覚があったから、というジョークもあります。 

林望氏の「イギリスはおいしい」がベストセラーになったのは
今からもう20年ほど前のこと。
これは当然、「イギリスの料理はまずい」という社会常識を前提にした上での
だがしかし、それは本当だろうか?そうとばかりも言えないのではないかという
イギリス通の氏の、独特の英国料理観が書かれているのです。
ここまでボロクソに言われているイギリス料理、
果たして本当に不味いのかどうかを検証したい、というのが
今回の旅行の大きな楽しみでもあったのです。

五つ星ホテルのレストランでの不愉快なサービスの後、
もっと庶民的なレストランやカフェにも、随分行きました。
イギリスには有名なパブというものがあり、
ここはお酒を飲むだけではなく、結構美味しい食事ができるのです。
一階は陽気で騒がしいパブ、2階は落ち着いたレストランという店あり、
日射しを浴びながらのテラス席つきあり、一階の騒がしい中でそのまま食べる店あり。
そうした所で食べたのは例えば、
ローストビーフ(写真)、舌平目のムニエル、舌平目のレモン風味ソテー、
スカンピ(小エビ)のフライ、ステーキ&エール・パイ(牛肉と野菜の煮込みをパイに包んで焼いたもの)、
シェーパーズ・パイ(ラムにリークやマッシュドポテトを乗せて焼いたもの)、フィッシュ&チップス等々。
こうしたディッシュには普通、メイン料理の他に
つけ合わせが山ほど盛られています。
フライドポテトやベイクドポテトやマッシュドポテト(何しろイモがこれでもか!と出た)
ブロッコリー、カリフラワー、ニンジン、グリンピースなど。

メインが何であろうとどんな店に行こうと、つけ合せの種類がたいして変わらないのは
残念でしたが、しかし、リンボウ先生が言うほどグニャグニャにまでは煮込んでなかったし
まるで味付けがなくもなかった。
私は、彼が名指しでボロクソにけなした大英博物館のカフェテリアでも
きっちり検証してみたのです。
”…それは、途方に暮れるくらいまずかった。(中略)ろくに塩も入れずに、
形がへたって緑の色がすっかり抜け、口に入れるとグニャッと崩れるくらい煮込むのである。
(中略)これほど凄まじく不味いものがまたと有るだろうか、と
その時つくづくイギリスに来たことを後悔しかかった程である。」(「イギリスはおいしい」より)

しかし、私が大英博物館のカフェテリアで試した軽食は、
決してそんなひどくはなかった。
この10年ほどでイギリスの料理は、飛躍的に美味しくなったという説もあるようです。
(一国の料理がそんなに変わるものだろうか?という疑問も私は持っているのですが)
更に、今回の旅行の前半は、イギリス在住の友人が一緒で色々アドバイスしてくれたこと、
どうせ食べるならと、ホテルのコンシェルジェやB&Bの主人に美味しいお店を聞きまくったことなども
加味しなければならないかもしれませんが
結論から言うと、10日間食べてみた限りではイギリス料理は、
結構、そこそこ、どうしてどうして、思ったよりもずっと美味しかったのです。

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どこまで脱ぐの!?

2009年09月28日 | イギリス旅行2009
ロンドンでは、友人二人はバース、ウインザー城への一日ツアーに行ったりして別行動だったので、
一人で市内をうろつきました。
ザ・ホテル・ラッセルは、かの大英博物館から歩いて数分という好立地だったのですが
博物館が開くのは朝10時から。
待ちきれない私は、地下鉄の一日券を買って、朝早く他の所から攻略。

ロンドンの地下鉄のチケットというのは
慣れない人間にとっては非常に分かり辛い。
片道料金が£4からで、£が250円と高い時期には、地下鉄の初乗りが千円もする!と
評判になったようですが
色々と割引システムがあって、オイスターカード(デポジット制の日本のスイカのようなもの)
を作ると、それがなんと£1.5になる。
更に、「ワン・デイ・トラベルカード」(一日券)や朝9時半以降の「オフピーク券」などを
上手に利用すると、もっと安くなる。
詳細を調べて上手に利用すればいいのでしょうが
ビジネスや旅行でちょっとだけロンドンに立ち寄ったという人には
そんな余裕がない場合もあるでしょうし…
どうも、何も知らない外部の人間からぼったくるという姿勢に見えて仕方ありません。

と私は密かに怒りながら、一日券を使って乗りまくったのでした。
一日目はイギリスに来て以来の素晴らしいお天気で、最高気温27度の快晴、
この日だけは、一度も曇ることも雨が降ることもなかったのでした。
そうしたら、あちらの人、脱ぐわ脱ぐわ…
公園などの芝生の上で、盛大に脱ぎまくって日光浴している。
老いも若きも、男も女も。
ヨーロッパに行く度に思うのですが
日本では近年、UVケアは大変な騒ぎで、日傘・帽子・手袋・ストールなどで防御している
人も多いのに、向うの連中ってそういうの全然ないのですね。
日焼けや皮膚がんなんて心配しないのかしら?

しかし、裸で寝転びたくなるような公園が多いことは
羨ましい限りです。
バッキンガム宮殿の隣のセントジェームズ・パーク、ベーカー・ストリート近くの
リージェンツ・パークなどに行きましたが、何しろ広い!
どのくらい広いって、リージェンツ・パークに着いた時、丁度お昼頃だったので
私は公園入口にあった地図を見て、その中にあるカフェでランチをしようと歩き出したのです。
しかし、行けども行けども到着しない。
30分ほど歩いて再び地図を見て、自分が目的地までの半分も進んでいないことを認識して
あきらめたのでした。
なんたって、公園内に動物園(ハリポタのロケ地にもなったロンドン動物園)もあり、
カレッジもあるというのですから…
そして、有名な「ハイド・パーク」はそれよりも更に広いというのですから
推して知るべしです。

この日私は、バッキンガム宮殿、ビッグ・ベン、ウエスト・ミンスター寺院、
ロンドン・アイ、テート・ブリテン、ロンドン塔、タワー・ブリッジ、
最後に大英博物館を廻ったのでした。
よく歩いたものです。
夜は、友人の友人であるイギリス人と食事をし、イギリスに来て以来の
疑問に思ったことなどをぶつけ、また相手は根気よくそれに答えてくれて
おおいに溜飲を下げたのでした。

写真 バッキンガム宮殿
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そしてロンドンへ

2009年09月26日 | イギリス旅行2009
湖水地方に二泊し、午後2時ウインダミア発の電車でロンドンに帰る予定になっていました。
5時頃ロンドン・ユーストン駅着、予約したホテルはそこから近いので
7時半開演のミュージカル「オペラ座の怪人」をピカデリー・サーカスで観るのに
ドレスアップして、軽く夕食を取る時間はある筈だったのです。
それにはまた、途中の乗換駅でダッシュしなければならないと心構えしていたのです。
ところが…

ウインダミア発の電車が来ない。
10分経っても20分経っても。
しかし、前もって切符を手配してくれた友人から
この切符は時間指定特別料金チケットなので、万が一これに乗り損なうと
他の電車には乗れないから気をつけてと念を押されていたのです。
当然、次の乗り換え電車も。

一体どうなるの?とあせる中、30分ほども遅れてようやく電車が来て、
次のオクセンホルムでも待つこと40分くらい。
結局ロンドン・ユーストン駅に着いたのは、6時をはるかに廻ってから。
(件の時間指定特別チケットについては、訊かれもしませんでした)
タクシーでホテルに駆け付け、荷物だけ預け、
ホテルの前を走っていたダブル・デッカー(二階建てバス)に飛び乗ったのでした。
ホテルのコンシェルジェが、ピカデリー・サーカスに行くならバスの方がよいと教えてくれたのですが、
そのバスから予定外の処で降ろされてしまい、
散々迷って「ハー・マジェスティズ・シアター」に着いたのは開演の直前。
この日のためにせっかくお洒落着持ってきたのに
TシャツにGパンのまま…(泣

「オペラ座の怪人」はしかし、素晴らしかった。
私はこれは映画で観たことがあったのですが、やはりナマのオーケストラと
舞台で観るミュージカルの迫力は、銀幕にはとても敵わないところです。
ただこの劇場、 外観も内部も豪壮で素晴らしいのですが、座席が意外に狭い。
中の方の席の人が出ようとすると、その列の人全員がでなくちゃならないような感じ。
大体、日本でミュージカルというと女性客が圧倒的に多いように思うのですが
あちらは男性客が多くて…それで余計に狭く感じたのかもしれません。
終わってからも中々興奮冷めやらず、夜のロンドンを徘徊しました。
ピカデリー・サーカスからすぐ近くのトラファルガー・スクエア、ビッグ・ベン,
ウエスト・ミンスター寺院辺りをずっと歩いて。
ライトアップがとても綺麗。

「ザ・ホテル・ラッセル」(四つ星)に12時頃帰ると
ツインとダブル(シングルユース)の部屋を頼んだ筈なのに、ダブル2部屋になっている。
ネットで予約する時に、ダブルではなくツインを頼んだつもりでも、
行ってみたらダブルだったということは、イギリスではあり得ることのようです。
しかし、夫婦ならともかく、友人と二人でダブルベッドというのはちょっとつらい。
という訳でフロントで交渉し、なんとかツインに変えてもらうと
ダブルの倍ほどの広々とした部屋でした。
やはり言ってみるものです。

写真 ダブルデッカーの二階席から見た街並み
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湖水地方とピーターラビット

2009年09月24日 | イギリス旅行2009
リバプールから湖水地方のウインダミアまで
電車の乗り換えも含めてほんの2時間ほどで行ける筈なのに
遅れに遅れて、4時間ほどかかってようやく着いたのでした。
イングランド北部だけあって、駅に降り立つと空気が冷たい。
私たちが過ごした日々、大方天気はよかったのですが(イギリスのことだから
しょっちゅう曇ったり降ったりはしましたが)
湖水地方で一日だけ、本当に寒い日がありました。
(その日は、人によっては防寒コートにマフラーにブーツといういでたちでしたが
片やTシャツに短パンという人もいる…)
私はオックスフォードで買ったトレーナーを着て、
中に半袖のTシャツを3枚くらい着込んで凌ぎました。

憧れの湖水地方、本当に綺麗!
緑の丘陵、連なる山々、点在する湖、そしてレンガ造りの素朴な家々。
ただ計算外だったのは、意外に交通量が多く、
田舎の細い道を凄いスピードで飛ばしている車が多いということ。
レンタカーにしなくてよかった。
私たちは小さなB&Bに二泊し、ここも交通の便が非常に悪いので
地元の小さな旅行社の一日ツアーに参加したのですが
そのミニバンに揺られながらつくづく思いました。

とにかく道が悪い!
狭くて曲がりくねっていて視界が悪い。
山の中に入ると、車一台でやっとという細い道が延々と続くのに
そこを凄いスピードで飛ばしていく。
ごくたまにですが対向車が来ると、どちらかがギューンとバックしたり、
横の茂みや木にバキバキとぶつかりながら進んでいく。
おまけに道の標識はろくにないし…
湖水地方をレンタカーで廻るなんて
はっきり言って我々には到底無理な話でした。

ピーター・ラビットの作者ビアトリクス・ポターがその半生を過ごした
「ヒル・トップ」(写真)は、思ったよりもずっと小さな家でした。
ピーター・ラビットは私が幼い頃親しみ、息子たちが小さい頃にも
散々読み聞かせた絵本であり、その作者の半生を描いた「ミス・ポター」という映画も
まだ記憶に新しいところです。
ロンドンの裕福な家に生まれた、ばあやつきのお嬢さんが、こんな田舎に家を買い取り、
執筆しながら農婦として過ごし、ナショナル・トラスト運動にその身を捧げたということは
考えてみればすごいことです。
「ビアトリクス・ポターズ・ワールド」という博物館があり、
ピーターラビットやリスのナトキン、あひるのジマイマなどの人形が微笑みかけ、
しかも彼女の生涯についての詳細な解説がありました。

その頃のイギリス裕福な家の子弟は、男の子は全寮制の学校、女の子は
家から出して貰えず家庭教師について勉強する、ということに決まっていたようです。
同世代の友だちとも遊べず、家に閉じ込められた多才な少女ビアトリクスは
さぞ不満だったのではないかと思っていたのですが
そこに引用してあった「Thanks God…」で始まる彼女の言葉に驚きました。
詳細は忘れましたが、要するに、画一的な集団教育ではおそらく潰されてしまったであろう
自分の才能が、伸びやかに花開いたのは学校に行かなかったおかげである、と。
そういう考え方もあるのかと思ったのでした。

The World of Beatrix Potter
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イギリスの電車

2009年09月23日 | イギリス旅行2009
イギリスの電車で驚いたのは、どのプラットホームから乗るのかということが
直前まで決まらないということです。
そんなことってあり得る?
みんな私に意地悪して教えてくれないだけのじゃないの?と最初思ったのですが
イギリス人にも分からないらしい…

ではどうやって自分の乗りたい電車を見つけるかというと
駅の電光掲示板で、行き先・発車時刻・鉄道会社の名前を探し出すということになる。
しかし大きな駅ともなると、巨大な電光掲示板に何十という電車の案内が出ているし、
行先も、例えば○○行きに乗って××駅で乗り換えるということもあるし、
この後、発車時刻というのも当てにならないということが分かってきて…
非常に非合理的なシステムです。

リバプール駅で湖水地方行きの電車に乗り込むのは簡単だったのですが
問題は、その次の乗り換え。
オクセンホーム駅での乗り換時間が、10分しかない。
トランクを引き摺り、正しいプラットホームを探し当てるのが果たして10分でできるか!?

散々心配しながら乗っていたのですが…
リバプールを出て15分もした頃、小さな駅に止まった電車、一向に動き出さない。
???と思っていると「We apologize…ナントカカントカ」という車内放送が流れ、
乗客がぞろぞろと降りてゆく。
隣の乗客に、何故?何が起こったの?と訊いても
肩をすくめて首を振るばかり。
小さな駅の薄ら寒いプラットホームで待たされること1時間ほど。
しかし、誰も文句を言おうともしないで
ただ悄然と待っているのです。

次の乗り換え電車の予約切符はどうなるのだろう?
せっかく指定席も取ってあったのに、どうなっちゃうんだろう?
心細い思いをしながら待っていると
ようやく次の電車が現れて、人々は何ごともなかったように乗っていく。
予定の電車と違ってしまって、予定の指定席に座っていいかどうかも分からずに
うろうろしていると、好きな所に座っていいんだよ、と。

この後の乗換駅でも、当然の如く電車は遅れてきましたが
親切なイギリス人男性が、乗り換えるべきプラットホームまで連れて行ってくれました。
(この人は日本に来たことがあるとかで、楽しげに色々話してくれ、
妊娠しているという娘さんの胎児の超音波写真まで見せてくれた)
この後電車に乗る度、散々遅れたり来なかったりしましたが
その度に親切な人々が色々と助けてくれました。
電車の中でも、ドイツから来てイギリスでバイトをしているという青年と話したり、
スコットランドに行く途中だという男性は自分の旅行計画を熱く語り、
イチゴまでくれました。
大きな犬(レトリバー)を連れて乗っていたオバサンがいたのですが
このワンコ疲れてしまったのか、飼い主が降りようとしてもへたり込んでしまって
押しても引いても動こうとしない。
そうすると、あちこちの席の乗客がCommon!と声をかけたり、オヤツを差し出して
ワンコを誘導しようとする。
ゴルディという名のそのワンコが、ようやくやっと、よろよろと動き出すと
車内から拍手が起きたのでした。

私、日本の新幹線で隣の乗客と喋ったことないなあ…
正確で速いけれど無機質で愛想のない日本の電車、
まったく当てにならないけれど素朴で暖かいイギリスの電車、
どっちがいいか…?
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ペニー・レイン

2009年09月22日 | イギリス旅行2009
6日目。
せっかくリバプールに来たのだからビートルズゆかりの地を
あちこち訪ねたい。
しかし、12時発の湖水地方行きの電車の切符が買ってある。
午前中だけで何処まで廻れるか?
しかも、歩いては行けないし、トランクもあるし、電車もバスもないところばかり…
困り果ててホテルのコンシェルジェに相談。
年配の英国紳士を絵に描いたようなコンシェルジェと話し合った結果、
8時半にタクシーを廻し、ペニーレイン、ストロベリーフィールズ、ジョンとポールが出逢った教会、
その辺りを廻ってビートルズ・ストーリー(博物館)で降ろす、
11時にそこでピックアップしてリバプール駅まで送る、〆て£35でどうか?と。

やったあ!
3人で割れば£35は安いもの。
コンシェルジェが綺麗な英語を話してくれてよかった…

早速迎えに来たタクシー運転手ゲイルは、赤ら顔、腕に刺青の陽気な土地っ子。
車を飛ばしながら色々解説してくれるのですが
残念ながら酷い訛りで…
ペニー・レインというのは、そういう名の小さな通りで、
歌に出てくる床屋や街角の銀行は今も健在です。
ジョンが幼い頃よく遊んだという孤児院ストロベリーフィールズは
今は、その赤い門(写真)が残っているだけ。
中は草が茫々に生い茂っています。
しかし未だに、世界中からそこを訪れるフアンが絶えないのだとか。
ビートルズというと、リバプールの貧しい下町出身の若者達という
イメージを私はずっと持っていたのですが
実際廻ってみると、それほど汚くもない、小さなレンガ造りの家が並んだ
静かで綺麗な住宅街でした。
ジョンが育ったというお姉さんミミの家も、こじんまりした二階屋でした。

ビートルズ・ストーリーというのは、近年出来たビートルズの博物館で
これがよくできていて、彼らの生い立ちから出会い、デビューから活躍ぶりが
様々な資料と共に再現されている(しかも日本語の音声ガイドつき!)。
実物大の人形や、彼らが実際に使ったギターやピアノが所狭しと展示してあって
フアンだったら、一日いても飽きないようなところです。

11時にゲイルが再び迎えに来てくれ、
リバプール駅で荷物と共に降ろしてもらい、湖水地方行きの列車に乗り込んだのでした。
それから15分後に列車が止まってしまうとは思わずに…

ビートルズ・ストーリー
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