Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 6/3夜明け前 月と火星が接近

Sh2-298

2024-04-30 00:02:17 | シャープレス天体アルバム

【Sh2-298】
 赤経:07h18m38s  赤緯:-13゚11' 55"
 星座:おおいぬ座
 視直径:22'
 他カタログNo.:NGC2359
 ニックネーム:トールの兜(かぶと)星雲(Thor's Helmet nebula),アヒル星雲(Duck nebula)
 南中日時(@東京):11月22日03時,1月6日00時,2月20日21時 ※あくまで目安です。


 撮影日時:2019/04/06 19:36
 撮影地:静岡県東伊豆町
 撮影機材:キヤノンEOS60Da+タカハシε-180EDC,アイダスNB1フィルター使用,
             タカハシEM-200Temma2M赤道儀,ペンシルボーグ+QHY5LⅡM+PHDにより恒星ガイド
 撮影条件:ISO1600,露出7分×8コマ
 画像処理:Digital Photo Professional4にて現像,ステライメージVer.8,Photoshop2024にて処理
             トリミングあり
 メモ:おおいぬ座の北東部、いっかくじゅう座との境界近くにある散光星雲です。西側の明るい部分
    が北欧神話に出てくる雷神トールが頭にかぶっている兜のように見えることから、それが愛称
    として付けられています。また、高輝度部の円形領域とその南にある突起部を鳥の頭部と嘴に
    見立て、アヒル星雲と呼ばれることもあります。ウォルフ・ライエ星という特異な星が外層の
    ガスを放出することで形成された星雲と考えられており、複数の元素が異なる輝線で発光して
    いるため、写真では暖色系(主に電離水素の発するHα光)と寒色系(主に電離酸素の発するOⅢ
    光)の対照的な色が混在した姿として捉えられます。それらの輝線波長だけを選択的に透過する
    デュアルバンドパスフィルターを使って撮ると、上の写真のように東側の淡い部分の広がりも
    描出することができます。淡いので小口径望遠鏡での観望対象にはなりませんが、口径40~
    50cmクラスの大きな望遠鏡と、電離酸素の発する輝線に合わせたOⅢフィルターを用いれば、
    眼視確認できるようです。

 星図:


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成


今朝の富士山(2024/04/29)

2024-04-29 09:15:18 | 富士山

酷く霞んでいて、微かに見える程度でした。

<今日のアメダス最低気温>
八王子:14.1℃  富士山:-3.1℃ 

昨日は気温が30℃以上の真夏日になった所が多く、福島県伊達市では32.2℃を記録。
一般人が行ける日本最南端の地である沖縄・波照間島より暑かったという驚きの高温でした。
今日は西から天気が下り坂のようで、暑さは少し和らぐようです。


今朝の富士山(2024/04/28)

2024-04-28 08:50:05 | 富士山

晴れてますが、春霞で濁ったような見え方です。

<今日のアメダス最低気温>
八王子:13.2℃  富士山:-2.9℃ 

花粉飛散量は少なくなっているようで、ようやくシーズン終了が近づいてきた感じ。
週末に飛来した黄砂も去ったようなんですけど、視界が2日前より悪化したのはPM2.5や多湿のせいでしょうか?


【アーカイブ】初めて電動追尾で惑星を撮影した日(1982/05/04~05)

2024-04-27 08:58:37 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第13弾)です。

大学進学で親戚等からいただいたお祝い金と初めてのアルバイトで得た僅かな稼ぎを合わせた軍資金で、赤道儀の
モータードライブ装置(日周運動によってズレていく星を電動追尾するためのアイテム)をゴールデンウィークにGet。
メーカーの当時のカタログや広告等に掲載されていた機材写真と同じ仕立てになりました。


『月刊 天文ガイド』の広告ページより抜粋

ちなみに、購入したのは単2乾電池4本で動作するタイプだったので、いずれ運転免許を取得したらクルマで空の暗い
場所へ行って天の川とかを撮影したいなぁーなどと妄想も広がっていくのでした。

で、入手直後にとりあえず試運転ということで、赤道儀への取付に少し手間取りながらも、自宅前にて2晩に渡って
惑星の強拡大撮影を敢行。まずは木星を狙って何コマか撮った中で最もマシな画像はコレでした。


【木星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or5mmアイピース使用,F180,露出1秒

以前の撮影で拡大率不足を感じていたので、手持ちの接眼レンズで最も焦点距離の短いものを用いて撮影しました。
もちろんモータードライブを動作させた状態で撮りますが、モーターの仕様上、1.6倍速までしか出せなかったんで、
カメラのファインダーを覗いて写野内に目標の天体を導入する時にはクラッチ機構を用いて一時的にモーター駆動を
解除し、手動ハンドルで操作する必要がありました。その辺の操作に煩わしさを感じましたが、写野中心へ導入後に
モーター駆動を再開してからは木星がそのまま真ん中に居座ってくれるので連写が楽になりました。また、高拡大率
の条件で撮影する場合はピント合わせが大変で、モーター無しの時はファインダー視野内から逃げていく星を手動で
頻繁に引き戻しながらフォーカス調整する必要があったので、その操作から解放されたことにも有難みを感じました。

次に撮影したのは火星でした。


【火星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or7mmアイピース使用,F128,露出1秒

火星は木星より暗いので、焦点距離の少し長いアイピースを使って合成F値を低くし、露出時間が短くなるようにして
撮影しました。この年の火星は小接近レベルで視直径があまり大きくなかったため、得られた像は随分と小さくて、
表面の暗色模様が微かに確認できる程度に終わり、火星撮影の難しさを痛感しました。

最後は土星の撮影で締めくくり。


【土星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or7mmアイピース使用,F128,露出4秒

土星は火星より暗く、同じ合成F値で適正露出が4秒でした。モーター駆動無しでは日周運動でブレる露出時間ですが、
環が意外としっかり分かるイメージになってくれて、やっぱり電動追尾の威力は凄いなーって感じたのでした。

なお、共通撮影データは次のとおり。
 カメラ:キヤノンEF
 望遠鏡:タカハシ13cmパラボラニュートン反射
 フィルム:ネオパン400(ASA/ISO400)
 架台:タカハシ90S赤道儀使用(電動追尾)
 ※いずれの画像もトリミングをしています。


今朝の富士山(2024/04/26)

2024-04-26 10:38:50 | 富士山

薄曇りに加えて黄砂が飛来しているにもかかわらず、意外としっかり見えてます。

<今日のアメダス最低気温>
八王子:11.5℃  富士山:0.1℃ 

昨日、富士吉田市が富士山の山肌に「農鳥」が現れたと発表しました。昨年より6日早い確認とのことです。
ウチからは角度が悪いですが、その部分を拡大したのがこちら。

首が長くて足が隠れ気味のヒヨコっぽい感じです🐤


今日の太陽(2024/04/25)

2024-04-25 11:15:01 | 太陽

今月3度目の太陽撮影。


EOS60Da+EF70-300mm F4-5.6ISⅡUSM(@300mm)+ND10000太陽撮影用フィルター(コレ無しでは危険!) 

前回の撮影時に正面で黒点がごちゃごちゃ集まっていたエリアが自転により西の端に移動してしまったので、
少し寂しくなった印象です。んー、なかなかデカイのが現れませんねぇ・・・


What Kind of Fool

2024-04-24 00:58:17 | エバーグリーン

ビー・ジーズのバリー・ギブがプロデュースした曲にはこんなのもありました。

バーブラ・ストライザンドの1980年リリースの全米No.1ヒットアルバム "Guilty" に収録されているデュエット曲で、
同アルバムからの第3弾シングルとしてカットされ、全米チャート最高位は10位でした。日本盤のタイトルは「別離」。
イントロはエレピの音で始まり、左右のチャンネルで揺れ動くような作りで印象度を高めてます。
バリー・ギブと言えばカウンターテナーの高音域ボイスが特長ですが、この曲ではコーラスパートの一部を除いて
男声域で歌うことに徹している感じです。


五島プラネタリウム リーフレット No.263(1979年2月)

2024-04-23 00:07:52 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第16弾は1979年2月配布のものです。

この月の話題は「カナダの日食」。この年最初の日食が2月26日にカナダを中心とした北米で見られることを受けての
テーマ選定だったようです。表紙には皆既日食で見られるコロナの写真を掲載。下のキャプションに表記の日付から
調べてみると、これは1973年6月30日にアフリカ大陸の中央部に皆既食帯が通っていて、皆既継続時間が7分を超える
20世紀で3番目に長い皆既日食だったようです。ちなみに21世紀の日食で最長の皆既継続時間は6分半ほどで、2009年
7月22日に起こったものでした(鹿児島・トカラ列島が皆既帯に入ってましたが、悪天候に阻まれた所が多かった模様)。

2ページ目には日食についての記述があり、皆既日食と部分日食の違いや周期性について説明しています。その中に
出てくる2035年に日本で見られる皆既日食は当時から個人的に楽しみにしてますが、もう11年後に迫ってきてます。
具体的には同年9月2日の午前中に北陸から北関東にかけて観測できるもので、これは絶対に見逃せませんね。

3ページ目の「観望メモ」によると宵の東空に木星と土星が見えていて、観測しやすかったようです。星座に関する
説明では、マイナーな「うさぎ座」を紹介している他、南中高度が低くて見難いカノープスについての記述もあり、
当時、友人達と一緒に居住地界隈の歩道橋にて探したことを懐かしく思い出しました。今は冬になると毎年のように
自宅ベランダから見られる環境にあり、個人的には幸運な長寿星の有難みが薄れてしまった気がします。


紫金山・アトラス彗星の現況(2024/04/14)

2024-04-22 00:02:07 | ほうき星

今年の秋に肉眼光度になると予想されている紫金山・アトラス彗星を2か月ぶりに撮ってみました。


【紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)4/14】
 ZWO ASI585MC+タカハシε-180EDC,F2.8,Gain360,STARRY NIGHTフィルター,
 総露出時間20分(1分×20フレーム,彗星核基準加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,新潟県十日町市にて

画像中央で左(東)方向に尾を伸ばしているのがターゲットの彗星で、まだ火星よりも遠い宇宙空間にいるせいか
CMOSカメラの狭い写野でも小さくしか写ってくれませんが、信頼スジによると光度はもう10等台に達している模様。
参考レベルの話ですが、2020年に大彗星になったネオワイズ彗星(C/2020 F3)は太陽からの距離が同等の宇宙空間に
あった時には未発見で、光度は約20等以下だったと推定されるので、紫金山・アトラス彗星はそれを遥かに凌駕する
明るさになっているんです。
それにしても彗星像が随分と小さいので等倍トリミングすると・・・

尾の伸びた姿が分かりやすくなりました。ちなみに彗星の移動に合わせて画像を加算したので、総露出時間20分間の
モーションが背景の恒星の流れとして現れてます。見掛け上、尾の長さは数分角程度になってますが、問題はその
伸びている方向です。実は星空シミュレーションソフトで表示すると、こんな風になります。


 AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

外惑星が地球を挟んで太陽と正反対の方向に位置する事を「衝」と言いますが、撮影時にこの彗星はその「衝」の
位置に近く、さらに黄道のすぐ近くに見えていた関係で、尾は地球から見て視線方向の奥側に伸びているとみられ、
もし真っ直ぐ伸びていればほぼ見えないんですけど、シミュレーション上の尾の実長をかなり長めの値に設定して、
誇張した表示にしてます。このシミュレーション結果のとおり、尾は右(西)寄りの方向に伸びているはずなんですが、
実際の撮影画像ではほぼ真逆の方向に伸びていて、ちょっと不思議な感じがします。もしかすると尾が少し東方向に
折れ曲がっていたのかもしれません。挙動が面白そうなので、今後も機を見て撮影していこうかと考えてます。


非冷却CMOSカメラASI585MCでの試写【ディープスカイ撮影編-2】

2024-04-21 00:01:28 | 撮影機材

昨年末に入手したCMOSカメラで狙った2つ目のディープスカイ天体は春を代表するこの銀河でした。


【子持ち銀河 M51(りょうけん座)】
 ZWO ASI585MC+タカハシε-180EDC,F2.8,Gain300,STARRY NIGHTフィルター,
 総露出時間24分(3分×8フレーム,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
 口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,新潟県十日町市にて

りょうけん座にある有名な銀河で、当ブログでは何度となく登場してきている個人的に大好きな天体です。
大きめの銀河なんですけど、焦点距離が500mmでは写野全体に対する被写体の占有率が低くて寂しい写りです。
でも、フルサイズセンサー搭載のデジイチと比べたら、画角はかなり狭いんです。星空シミュレーションソフトで
写野比較をしてみたら・・・


 AstroArts社ステラナビゲータにて作成
赤色枠はキヤノンEOS Raで500mmの写野,黄色枠はASI585MCで500mmの写野,水色枠はEOS Raで2000mmの写野)

同じ望遠鏡を使っても、1/1.2型センサーの写野はフルサイズセンサーと比べ面積比で1/9以下になることが判明。
出力画像のアスペクト比(縦横比)が異なりますが、もしフルサイズセンサー搭載カメラで同等の狭い画角で撮ろうと
したら、2000mm近い焦点距離の光学系が必要になる訳で、視直径の小さい天体を拡大して狙うならCMSOカメラの方が
断然有利ってことになります。但し、解像度についてはセンサーのピクセルサイズに依存することに留意する必要が
あります。ちなみに、カメラの画素ピッチを調べると、キヤノンEOS Raは5.4μm、ZWO ASI585MCは2.9μmでしたので、
ピクセルサイズの小さいCMOSカメラの方が解像度的にも期待できるようです。
そこで、銀河部分を等倍トリミングしてみると・・・

500mmにしては割と細部が捉えられた感じ。ゲインの上げ過ぎで両銀河の中心部が白飛びしたのが悔やまれますが・・・
で、参考用として、過去に得られたEOS Raによる撮影イメージの等倍トリミング画像も貼っておきます。

使用望遠鏡は同じですが、こちらは総露出時間が40分と長めのせいかS/Nが良く、階調も良好で淡い部分の写り具合は
上っていう感じがする一方、像拡大率の差は一目瞭然で、細部の解像感はイマイチな印象です。

ということで、視直径の小さい天体を狙うならデジイチよりCMOSカメラの方がベターだと認識しました。
(つづく)