Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 6/3夜明け前 月と火星が接近

【アーカイブ】初めてカラーフィルムで惑星を撮影した日(1982/05/09)

2024-06-02 12:10:00 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第14弾)です。

赤道儀のモータードライブ装置(日周運動によって動いていく星を電動追尾するためのアイテム)を入手後は
惑星の強拡大撮影に勤しみ、ゴールデンウィーク明け後の週末に今度はカラーフィルムを用いた撮影を敢行。
やはり最初のターゲットは木星でした。


【木星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or7mmアイピース使用,F128,露出2秒

2本の縞模様がオレンジ色を帯びて写り、やっぱりカラーはイイなぁーって思ったものです。
細部の描写は全然ダメですけどね。当時はこんなレベルでも満足してました。
同じ露出条件で複数枚撮っていたら、現代の画像処理ソフトでコンポジットしてノイズを平均化したかったんですが、
残念ながら1枚ものでした。

次は火星を撮影。


【火星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or5mmアイピース使用,F180,露出2秒

火星は小さいので、今回は思い切って焦点距離の少し短いアイピースを使って拡大率を上げて撮影。
でもやっぱり小さくて、暗色模様はよく分からない感じ。それでもカラーだと暖色系の中心部と
下方の白っぽい極冠の色の違いがそれなりに確認でき、やっぱりカラーの威力を感じる結果でした。

なお、共通撮影データは次のとおり。
 カメラ:キヤノンEF
 望遠鏡:タカハシ13cmパラボラニュートン反射
 フィルム:サクラカラー400(ASA/ISO400)
 架台:タカハシ90S赤道儀使用(電動追尾)
 ※いずれの画像もトリミングをしています。


五島プラネタリウム リーフレット No.264(1979年3月)

2024-05-26 08:15:00 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第17弾は1979年3月配布のものです。

この月の話題は「太陽と季節」。3月は天文暦上で重要な春分の日があることから選ばれたテーマだったのでしょう。

2ページ目には日出・日没の方向が季節によって変わる理由についての記述があり、太陽の南中高度が季節で変わる
話も出てきます。小学生の頃、真昼に自分の影の長さを測ることで太陽高度の違いを調べたりしたのを思い出します。
投影時の解説では、太陽がいわゆる黄道12星座を動いていく様子(実際の空では絶対見えない光景)を見せていただき、
プラネタリウムならではの説得力のある投影内容だったと記憶してます。

3ページ目の「3月の星座」の説明には、この時期に「北斗七星」が見やすいこと、黄道12星座の1つである「しし座」
は昔から注目されていた話などが出てきます。確かに「しし座」は形が整っていて把握しやすい星座だと思います。

ところで、3ページ下部に誠文堂新光社の広告がありますが、好評発売中の書籍の中の『全天星雲星団ガイドブック』
は自分も当時購入しました。表紙はこんなのです。

内容は双眼鏡や小口径望遠鏡での観望/撮影に適した星雲や星団などの天体についての見え方などを詳しくまとめた
ガイドブックで、天体観望時にはとてもお世話になった本でした。ボロボロになりましたが、まだ手元にあります。
著者の藤井旭(ふじいあきら)さんは1年半くらい前に他界されましたが、お名前を冠したスターウォッチングガイド
『藤井旭の天文年鑑』は2024年版も出版されてます。


【アーカイブ】初めて電動追尾で惑星を撮影した日(1982/05/04~05)

2024-04-27 08:58:37 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第13弾)です。

大学進学で親戚等からいただいたお祝い金と初めてのアルバイトで得た僅かな稼ぎを合わせた軍資金で、赤道儀の
モータードライブ装置(日周運動によってズレていく星を電動追尾するためのアイテム)をゴールデンウィークにGet。
メーカーの当時のカタログや広告等に掲載されていた機材写真と同じ仕立てになりました。


『月刊 天文ガイド』の広告ページより抜粋

ちなみに、購入したのは単2乾電池4本で動作するタイプだったので、いずれ運転免許を取得したらクルマで空の暗い
場所へ行って天の川とかを撮影したいなぁーなどと妄想も広がっていくのでした。

で、入手直後にとりあえず試運転ということで、赤道儀への取付に少し手間取りながらも、自宅前にて2晩に渡って
惑星の強拡大撮影を敢行。まずは木星を狙って何コマか撮った中で最もマシな画像はコレでした。


【木星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or5mmアイピース使用,F180,露出1秒

以前の撮影で拡大率不足を感じていたので、手持ちの接眼レンズで最も焦点距離の短いものを用いて撮影しました。
もちろんモータードライブを動作させた状態で撮りますが、モーターの仕様上、1.6倍速までしか出せなかったんで、
カメラのファインダーを覗いて写野内に目標の天体を導入する時にはクラッチ機構を用いて一時的にモーター駆動を
解除し、手動ハンドルで操作する必要がありました。その辺の操作に煩わしさを感じましたが、写野中心へ導入後に
モーター駆動を再開してからは木星がそのまま真ん中に居座ってくれるので連写が楽になりました。また、高拡大率
の条件で撮影する場合はピント合わせが大変で、モーター無しの時はファインダー視野内から逃げていく星を手動で
頻繁に引き戻しながらフォーカス調整する必要があったので、その操作から解放されたことにも有難みを感じました。

次に撮影したのは火星でした。


【火星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or7mmアイピース使用,F128,露出1秒

火星は木星より暗いので、焦点距離の少し長いアイピースを使って合成F値を低くし、露出時間が短くなるようにして
撮影しました。この年の火星は小接近レベルで視直径があまり大きくなかったため、得られた像は随分と小さくて、
表面の暗色模様が微かに確認できる程度に終わり、火星撮影の難しさを痛感しました。

最後は土星の撮影で締めくくり。


【土星】
 拡大撮影用カメラアダプター+Or7mmアイピース使用,F128,露出4秒

土星は火星より暗く、同じ合成F値で適正露出が4秒でした。モーター駆動無しでは日周運動でブレる露出時間ですが、
環が意外としっかり分かるイメージになってくれて、やっぱり電動追尾の威力は凄いなーって感じたのでした。

なお、共通撮影データは次のとおり。
 カメラ:キヤノンEF
 望遠鏡:タカハシ13cmパラボラニュートン反射
 フィルム:ネオパン400(ASA/ISO400)
 架台:タカハシ90S赤道儀使用(電動追尾)
 ※いずれの画像もトリミングをしています。


五島プラネタリウム リーフレット No.263(1979年2月)

2024-04-23 00:07:52 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第16弾は1979年2月配布のものです。

この月の話題は「カナダの日食」。この年最初の日食が2月26日にカナダを中心とした北米で見られることを受けての
テーマ選定だったようです。表紙には皆既日食で見られるコロナの写真を掲載。下のキャプションに表記の日付から
調べてみると、これは1973年6月30日にアフリカ大陸の中央部に皆既食帯が通っていて、皆既継続時間が7分を超える
20世紀で3番目に長い皆既日食だったようです。ちなみに21世紀の日食で最長の皆既継続時間は6分半ほどで、2009年
7月22日に起こったものでした(鹿児島・トカラ列島が皆既帯に入ってましたが、悪天候に阻まれた所が多かった模様)。

2ページ目には日食についての記述があり、皆既日食と部分日食の違いや周期性について説明しています。その中に
出てくる2035年に日本で見られる皆既日食は当時から個人的に楽しみにしてますが、もう11年後に迫ってきてます。
具体的には同年9月2日の午前中に北陸から北関東にかけて観測できるもので、これは絶対に見逃せませんね。

3ページ目の「観望メモ」によると宵の東空に木星と土星が見えていて、観測しやすかったようです。星座に関する
説明では、マイナーな「うさぎ座」を紹介している他、南中高度が低くて見難いカノープスについての記述もあり、
当時、友人達と一緒に居住地界隈の歩道橋にて探したことを懐かしく思い出しました。今は冬になると毎年のように
自宅ベランダから見られる環境にあり、個人的には幸運な長寿星の有難みが薄れてしまった気がします。


五島プラネタリウム リーフレット No.259(1978年10月)

2024-03-26 14:26:17 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第15弾は1978年10月配布のものです。

この月の話題は「宇宙のすがた」。表紙の掲載画像はM31銀河で、下のキャプションでは「アンドロメダ大星雲」と
表記されてます。今は「アンドロメダ大銀河」と呼ぶことが多いですが、当時は「大星雲」の呼称が一般的でした。
撮影者に関する情報等がありませんが、1970年代にこのレベルの撮影ができるのは著名な天文台しかなかったように
思います。このネタのシリーズ第1弾で紹介した1976年11月のリーフレットにも同一とみられる写真が使われましたが、
もしかすると米・パロマー山天文台で撮られたものかもしれません。

2ページ目には天の川の正体についての記述があり、我々は銀河系という星の大集団の中にいることとアンドロメダ
大星雲は銀河系と同様な天体であって、約220万光年の彼方にあると解説されてます。また、そのような星雲(銀河)
は他にもたくさん存在し、遠方のものほど速いスピードで遠ざかっていることが判明していて、宇宙は膨張している
との記述があります。実際の投影では代表的な星雲(銀河)が写真で紹介され、様々な形態のものがあるということも
説明していた記憶があります。

3ページ目の「観望メモ」によると10月2日に割と深めの部分日食あったようですが、個人的にノーマークだったのか
観望した記憶がありません。ちなみに、まだ手元にある『天文年鑑1978年版』によると日本では北へ行くほど食分が
大きかったみたいです。
星座に関する説明では、毎度お馴染み「夏の大三角形」とともに「秋の大四角形」が出てきます。これはペガスス座
の3つの星とアンドロメダ座の1つの星が形作るアステリズムで、今は「秋の大四辺形」っていう呼び方の方が一般的
な感じです。投影時の解説では、同四辺形の西側もしくは東側の辺を北へ延長していくと、どちらにしても北極星へ
辿り着くという話を聞いた憶えがあります。秋に北極星を探す場合、カシオペヤ座を使う方法が一般によく知られて
ますが、それ以外の見付け方もあるんだなぁーって、深く記憶に刻まれたのでした。


【アーカイブ】拡大率をいろいろ変えて月を撮影した日(1982/03/31)

2024-03-23 00:05:12 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第12弾)です。

大学入学直前の3月末に時間的余裕があったので、様々なアイテムを使って上弦前の月を撮ってみようと思い立ちます。
まずは焦点距離1000mmの反射望遠鏡+一眼レフカメラを接続しただけの直焦点撮影で撮ったのがコレです。


 F7.7,露出1/250秒

続いて、カメラと望遠鏡の間に2×テレコンバージョンレンズを入れて撮ったのがこちら。


 2倍テレプラス使用,F15.4,露出1/60秒

ここまでは撮影難易度があまり高くないので、割としっかり撮れた印象。
さらなる大写しを狙って、アイピースを用いた拡大撮影にチャレンジしたのが以下です。


 拡大撮影用カメラアダプター+K25mmアイピース使用,F32,露出1/30秒


 拡大撮影用カメラアダプター+Or12.5mmアイピース使用,F64,露出1/8秒


 拡大撮影用カメラアダプター+Or7mmアイピース使用,F90,露出1/4秒

拡大率が上がると像が暗くなり、カメラのファインダーを覗いてピント合わせをしっかり行うのが困難となり、
難易度が一気に上昇。また、シャッター速度を遅くしないと適正露出にならないためブレやすくなることもあり、
写真屋さんから上がってきたキレの悪いプリントイメージを見て、ダメだこりゃー😵って思ったものです。
なお、共通撮影データは次のとおり。
 カメラ:キヤノンEF
 望遠鏡:タカハシ13cmパラボラニュートン反射
 フィルム:サクラカラー400(ASA/ISO400)
 架台:タカハシ90S赤道儀使用(追尾なし)

で、この数日前の惑星撮影の時もそうでしたが、日周運動で被写体がファインダー視野内からどんどん逃げていき、
赤道儀の微動ハンドルを操作して元に引き戻しながらの撮影は結構面倒な作業で、いずれは後付けオプションの
モータードライブを装着して電動追尾したくなります。そうやってメーカーの思うツボに嵌っていくのか・・・
にしても、軍拡用資金はそろそろ自力で稼がねばと思うのでした。


五島プラネタリウム リーフレット No.258(1978年9月)

2024-02-22 19:03:08 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第14弾は1978年9月配布のものです。

この月の話題は「中秋の名月と月食」。この年の中秋の名月は皆既月食となったようで、表紙に掲載されたのは
過去に撮られた月食の連続写真でした。当時は銀塩フィルムでの撮影だったんで、多重露出による写真でしょう。

2ページ目に今回の月食の解説があり、9月17日の未明~明け方に中秋の名月が皆既月食になると記されてます。
見える地域が日本全国となってますが、実は月食の始まりから終わりまでの全経過が見られたのは西日本に限られ、
東京では欠けたまま沈む「月没帯食」ってヤツだったようです。ちなみに、日曜日の出来事なので、当日は登校とか
気にせずに観測できたはずなんですけど、個人的に観望/撮影した記録は一切ありません。今調べてみたら台風19号が
接近中だったらしく、どうも天気が悪かったのではないかと思われます。さらに次回以降の月食の日時が一覧表に
なっており、それを見ると1980年代は皆既月食の見られるチャンスが意外と多かったことが分かります。

3ページ目の「観望メモ」によると、水星が月初めに西方最大離角を迎え、夜明け前の東天で観望好期だったようです。
星座に関する説明は、西空に傾いたさそり座から頭上へ辿っていくと、わし座、こと座、はくちょう座、カシオペヤ座
などが見つけられるとの記述があります。但し、月の明るい時期は空が明るくて観望に適さないとも記されてます。
もっともプラネタリウムのある渋谷の夜はこの時代で既に市街光が溢れていて、新月近くでも1等星しか見えなかった
と思います。


【アーカイブ】惑星の強拡大撮影に初挑戦した日(1982/03/22)

2024-02-20 14:22:27 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第11弾)です。

1982年3月は「惑星直列」が話題になり、報道等でよく見聞きする流行語みたいになってました。
これは太陽系の惑星が狭い扇形の角度範囲(90゚?)に入る現象のこととされ、全惑星が一直線に並ぶ訳ではありません。
特に重要な天文現象でもないのですが、惑星同士の引力の相互作用により地球上で天変地異が起こるといった噂が
巷で広まり、恐怖心を煽られる人もいたようです。関連性は不明確ですが、同月末にメキシコのエルチチョン山が
大噴火し、多数の死傷者が出ました。日本では大きな事件/事故が目立ち、2月にホテルニュージャパンの大火災と
日航機の羽田沖墜落事故が立て続けに起こったりした時期にあたり、不吉な事の前兆だと関連付ける人もいましたが、
年間を通じて大きな自然災害などはありませんでした。

個人的には某大学への進学が決まって入学準備もほぼ完了した頃で、久々に天体撮影に勤しむ機会が作れました。
話題の「惑星直列」は、天文ファンにとっては外惑星が同一の夜空にまとめて見える観測チャンスということで、
惑星のクローズアップ写真を撮ってみようと思い立ったのでした。ちなみに、当夜遅くの夜空はこんな状況。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

この時期、南東天に昇ってきたおとめ座に火星と土星、隣のてんびん座に木星が輝いていたんです。
それらの3惑星を反射望遠鏡+アイピース拡大撮影用カメラアダプター+一眼レフカメラを用いて上から順番に
撮影していきました。

まずは火星から。


【火星】
 キヤノンEF+タカハシ13cmパラボラニュートン反射+Or7mmアイピース,コダックTri-X(ASA/ISO400),
 F66,露出1/30秒,タカハシ90S赤道儀使用,トリミングあり,都内某所にて

約2週間後に衝(太陽と正反対の方向に来る状態)となる時期で観測好期を迎えてましたが、この年は小接近だったため
あまり大きく見えず、とりあえず面積体には写りましたけど模様などは全く確認できないイメージでガッカリでした。

次は土星。


【土星】
 キヤノンEF+タカハシ13cmパラボラニュートン反射+K9mmアイピース,コダックTri-X(ASA/ISO400),
 F43,露出1/8秒,タカハシ90S赤道儀使用,トリミングあり,都内某所にて

火星よりも暗いので拡大率を少し抑えてF値を小さくし、シャッタースピードは遅めに設定して撮りました。
環が何とか確認できるイメージが得られましたけど、眼視で覗いて見た姿よりも劣る感じで、これにもガッカリ・・・

最後は木星です。


【木星】
 キヤノンEF+タカハシ13cmパラボラニュートン反射+Or7mmアイピース,コダックTri-X(ASA/ISO400),
 F66,露出1/15秒,タカハシ90S赤道儀使用,トリミングあり,都内某所にて

木星は明るいので拡大率を元に戻して撮影。縞模様が分かるので、まあ満足できるレベルかなっていう印象でした。

惑星の拡大撮影は月の拡大撮影とほとんど変わらないって舐めてた自分が間違いだったことを痛感しました。
まずは拡大率をもっと上げないとダメだなぁーって思ったのでした。


五島プラネタリウム リーフレット No.257(1978年8月)

2024-01-24 13:51:08 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第13弾は1978年8月配布のものです。

この月の話題は「宵の明星」。つまりは金星のことで、表紙(1ページ目)にはその三日月状になった姿の写真が掲載。

2ページ目の解説では、当時のソ連と米国による金星探査の歴史についての記述がメインで、
この年にNASAが打ち上げた金星探査機「ヴィーナス1号&2号」(文面ではA,Bと記載)のスケジュールに触れています。
ちなみに、同年12月にヴィーナス1号(オービター)が金星周回軌道に投入され、レーダー高度計による観測データから
金星表面の広域地形図が初めて作成されました。ヴィーナス2号(マルチプローブ)は4つの観測機を分離・放出し、
本体(バス)も含めて全てが大気圏に突入するとともに温度・気圧・大気組成・雲の粒子サイズなどを観測しました。
4つの観測機は最終的に金星表面の別々の地点に到達(ほぼ衝突)し、壊れるまでデータを取り続けたようです。

3ページ目の「観望メモ」にはその金星が月末に東方最大離角を迎え、夕空高くに位置して観測好期になると説明。
近くには火星も見えていたようです。月が上弦の頃に極大を迎えることになったペルセウス座流星群についての記述は
少し控えめな感じでした。「8月の星座」には夏の代表的なアステリズムである「夏の大三角」の記述があり、
南の空に見えるさそり座と1等星アンタレスや、その北を辿って見つけられるへびつかい座やヘルクレス座についても
紹介していました。


五島プラネタリウム リーフレット No.252(1978年3月)

2023-11-06 11:03:57 | タイムマシンにお願い

シリーズで紹介している五島プラネタリウムのリーフレットの第12弾は1978年3月配布のものです。

この月の話題は「春夏秋冬の太陽」で、表紙(1ページ目)には日の出時に撮られた「だるま太陽」の写真が掲載。
写真下のクレジットにある撮影者・佐藤教仁さんは、昨年に開館50周年を迎えた都内最古のプラネタリウム施設である
「なかのZEROプラネタリウム」で初代解説員をされていた方のようです。

2ページ目の解説では、日本のような中緯度地域で四季がある理由と、春分・夏至・秋分・冬至における日出/日没や
太陽の南中高度、および昼の時間の長さが季節ごとに異なることについて記述されてます。それらのデータは暦上は
今も変わらないですけど、当時と比べて地球温暖化が進んだせいなのか、春と秋については体感的な期間が何となく
短くなったように感じますねぇ。

3ページ目の宵の空の星座図を眺めていたら、この年の春は土星と火星と木星が同じ空に見えていたようです。
個人的にまだ望遠鏡を手にする前だったので、木星の縞模様や土星の環をいつか自分の網膜に焼き付けたいなぁーと
考えていた時期にあたります。
なお、「今月の観望メモ」の最後に記述されている皆既月食は個人的に初めて撮影にチャレンジした月食でした。