北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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まちセン

2024-06-01 16:25:11 | 函館

 

市電「十字街」停留所から目と鼻の先にある、歴史ある建物。

今日トライアル(実地試験)を受けた「王道コース」は、ここから出発しました。

 

 

この建物の名前は、「函館市地域交流まちづくりセンター」、通称「まちセン」と呼ばれる、「市民活動支援」、「地域情報の発信」、「人々の交流の場づくり」、「移住者支援」という4つの機能を持った施設で、写真や絵画の展示イベントや、各種サークルの会合などでも広く使用されています。

 

 

今日一日でもこれだけの予定が入っています。

 

 

歴史感溢れるこの建物は、大正12年(1923年)に、現在は五稜郭公園近くに移転している「丸井今井百貨店」の函館支店として建築されました。

建築当初は鉄筋コンクリート製3階建てでしたが、当時は、先日紹介した「東本願寺函館別院」が、度重なる大火を受けて日本初の鉄筋コンクリート製寺院として改築されてから8年、函館でも鉄筋コンクリート製の建物が普及の一途を辿っていた時期でした。

昭和5年(1930年)に改築されるも、4年後の同9年(1934年)の大火で焼失してしまいましたが、すぐに再建され、丸井今井の移転後、函館市役所の分庁舎として使用された時期を経て、平成19年(2007年)に現在の形態となっています。

 

 

平成元年(1989年)3月には、函館市の「景観形成指定建築物」の指定も受けています。

 

 

1階のフロアにあるブロンズ像。

 

 

先日紹介した「函館ハリストス正教会」誕生のきっかけとなった、初代ロシア領事、ゴシケヴィッチのブロンズ像です。

 

 

函館をはじめ、道南地域のパンフレットが多数置かれています。

 

 

 

 

施設の歴史を解説しているコーナーもあります。

 

 

 

1階にはカフェスペースもありますが、カフェ利用客だけでなく、休憩のみでも利用することができます。

 

 

歴史ある大理石の階段が今でも残っているので上ってみました。

 

 

上っていて驚きました。

これは、札幌の「丸井今井一条館」にも現存している、滑り止めを兼ねた装飾です。

同じ「丸井今井」ということで、函館でも同じ装飾が施されたのでしょうかね。

 

 

BigOffと一条本館 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

札幌の中心部、大通にある「高桑ビル」という商業ビル。現在は、地下2階から地上4階まで、大型書店「ジュンク堂」が入っており、大通に行ったときには必ずといっていいほ...

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そして、このセンターで一番の見どころと言ってよいのが、この、昭和9年(1934年)に設置された、東北以北最古のエレベーター。

何と手動式で、現在でも、センターのスタッフさんに申し出れば、乗ることができます。

これもまた、観光コースとしてオススメのスポットです。

 

 

手動式エレベーター - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

以前紹介した、「函館市地域交流まちづくりセンター」。外観を紹介しただけだったので、ちょこっと中へ入ってみました。この中にある施設と言って特に有名なのが、このエレ...

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最後に、本日のトライアルの結果ですが、結果から言うと、今月末に、お客様相手にデビューさせていただくこととなりました。

つまりは「合格」ってことなんだけど、自己採点は、正直50点にも達していません。

なのでってわけでもないけれど、当日までの間、二回ほど見学の場を設けていただくことにしたので、そこでしっかりイメージづくりをしたいと思います(本当はもっと見学したいけど、平日は仕事がありますからね・・・)。

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小道具

2024-05-31 19:56:41 | 日々のもろもろ

いよいよ明日となった、ガイドトライアル(実地試験)を受ける「王道コース」ですが、これまで何度か町歩きイベントで解説をしたり、あるいは他の方たちの解説を間近で見てきた経験から、これは拘ってみようと思っていることが一つあります。

それは、言葉だけで説明するのではなく、小道具を用意すること。

 

 

例えばこんなのを用意しました。

津軽海峡を挟んで、北海道と、青森県の津軽半島、下北半島との先端までの距離。

一番短い所では、函館市の「汐首岬」から、マグロで有名な青森県の大間にある「大間崎」まで、わずか17.5kmしかないのです。

 

 

最短地点 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

旅行出発を前に、今日は函館市内のスポットを一つ紹介。函館の市街地から車で約40~50分程度のところにある、「汐首(しおくび)岬」という岬。看板にあるとおり、北海...

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津軽半島の方も、松前町の「白神岬」から、「竜飛崎」までの距離はわずかに19.2km。いかに北海道と青森県が近い距離にあるかを説明できる材料にできるかと思います。

 

 

次はこれ。

「陸繋島(トンボロ)」と呼ばれ、くびれたような地形になっている函館駅周辺で、函館湾と津軽海峡の二つの海に挟まれたエリアのうち、最も距離が短い所が、このとおり約1kmしかないのです。

これも、函館の地形を説明する際のネタとして活用できると思います。

 

 

1km散策 - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

函館市内の、津軽海峡が見渡せる場所から一枚。と言っても、これは、海や海関連の施設の紹介ではありません。同じ場所から、後ろを振り返って一枚。そう、この記事で紹介す...

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そしてこちらが、100万年前の海底火山の噴火でできた函館山が、やがて現在のようにな地形になるまでの過程を記したもの。

「ブラタモリ」函館編が収録されている、書籍第3巻からの引用だけど、そもそも函館山が元々は火山島だったということ自体、あまり知られていないことだと思うので、これをどのような言葉で説明し、興味を持っていただけるかを、自分なりに試行錯誤していきたいと思います。

ここで紹介したのはほんの一例だけど、まだまだ作ろうと思っています。

 

早いもので、明日から6月。

もうすぐ今年も半分が終わりますね。

私も函館に戻ってきて、あっという間に2か月が過ぎてしまいました。

今月は体調を崩してしまったりと色々あったけど、6月も楽しく充実した日々を過ごせればと思います。

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ごみゼロの日

2024-05-30 19:57:20 | 函館

 

 

5月30日は「ごみゼロの日」 函館でごみの削減キャンペーン|NHK 北海道のニュース

【NHK】5月30日は語呂合わせで「ごみゼロの日」とされています。これに合わせて函館市で、ごみの削減などを呼びかけるキャンペーンが行われました。…

NHK NEWS WEB

 

 

今日は語呂合わせで「ごみゼロの日」ということで、函館市内でキャンペーンが行われていました。

 

 

でもって、ニュースでも登場していた、函館市電で最も古い車両、「530系」がこの日に合わせて運行されると知り、今日は午後から休暇を取って乗ってきました。

キャンペーン用の臨時運行ということで、料金は無料でした。

 

 

車内のレトロ感を象徴する木の床。

530系以外でもまだこのような古い車両はあるそうなのだけど、530系に乗ると余計にレトロ感を強く味わえます。

 

 

この古いドア。

 

 

木枠の窓。

 

 

 

ブザー。

どれも本当にレトロ感溢れてますが、個人的に、最もレトロ感が出ていると思うのが、

 

 

 

この、「つり革」ならぬ「つり鉄」。

そう、これは鉄製なのです。

9年前に放送された「ブラタモリ」函館編でも、この電車に乗ったタモリさんが大変興味を示していました。

 

 

そういうことか! - 北の風に吹かれて~独り漫遊記~

先日、念願叶って乗ることができた、函館市電530系。未だ現役とはいえ、他の車両と違って常時運行しているわけではないので、何ゆえこのタイミングで乗ることができたのか、...

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車内には、キャンペーンに因んでポスターが何枚も貼られていましたが、紹介しようと思ったのがこちら。

この「○○して『けれ』」というのは、「○○して『くれ』」という意味の道南地方の言葉です。

昨年札幌に勤務していたとき、別な部署にいた人が、仕事の打合せのときにこの言葉を発していたので、もしやと思って聞いてみたところ、やはり函館出身の人でした。

この言葉を聞くと、「あ、この人は道南にゆかりのある人なんだな」ということがすぐに分かります。

 

 

キャンペーンの一環として、「雑がみ保管袋」というのを頂きました。

新聞やチラシ、その他資源回収に出すような紙を保管しておくための袋です。

 

 

小さいですが、エコバッグも入っていました。

 

 

無料キャンペーンで電車賃が浮いたので、終点の「湯の川」電停近くのカフェで、コーヒーのソフトクリームを頂いてきました。

休暇を取ってまで乗りに行って良かったです。

次はいつ530系に乗れるかな。定期運行はしていないので、情報をしっかりチェックしようと思います。

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聖地巡礼に出ねば

2024-05-29 20:08:22 | 函館

先週土曜日は「名探偵コナン」の劇場版を観てきたけれど、函館は、他にも人気アニメの舞台として登場していて、「聖地巡礼」に訪れているファンが多くいるということを、色々と勉強している過程で知りました。

昨日知ったのは、今一番力を入れている、西部地区の「王道コース」の中に、「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品の舞台になっている場所が沢山あるということ。

「○○という作品」という書きっぷりで察しはつくと思うけど、この作品は、名前だけは辛うじて聞いたことがあったかもしれないけれど、どういう作品なのかは全く知りませんでした。

だけど、ガイドをしていく中で、「聖地巡礼」とまではいかないまでも、お客様からこの作品について話を振られる可能性は十分にあるので、そこはやっぱり、きちんと押さえておかなければいけないんだろうなあと思いました。

コナンの劇場版だって、そういう理由で観てきたわけだから、同じように大人気の作品の舞台になっているのなら、そこは当然だよねということで。

 

 

ラブライブ!サンシャイン!! 函館編、ロケ地巡りガイド | 特集一覧 | はこぶら

<div>スクールアイドルを結成し、数々の予選を勝ち抜いていく女子高校生の青春を描く、話題のメディアミックス作品『ラブライブ!サンシャイン!!』。2017年末に放送さ...

 

 

こちらのサイトをざっと見ましたが、ガイドの基本コースに入っている場所も沢山ありました。これはやはり要学習ですね。

DVD化もされているみたいだけど、TSUTAYAとかGEOで借りられるかな?借りられるのなら、借りて観てみよう。

他にも色々な作品の舞台になっているみたいだけど、気になったのはこちらかな。

 

 

函館で楽しむ、漫画「ゴールデンカムイ」の世界 | 特集一覧 | はこぶら

<div> <div>漫画「ゴールデンカムイ」は、明治時代後期の北海道を舞台に、莫大な黄金を巡る「生存競争サバイバル」を描いた超話題作です。ある目的のために一...

 

 

以前、道外に住んでいる友人から、「ゴールデンカムイを愛読しているのか」という趣旨の質問をされたのだけど、さらっと何巻か目を通したことがある程度で、深く読み込んだことは一度もありませんでした。

サイトを見ると、結構本格的に入り込めそうな気がするので、そうですね、夏のボーナスで何巻か買ってみようかな。

あ、でも、もしかしたら函館の「中央図書館」にあるかも。ちょうど今日から一週間なの休館だけど、再開されたら行って探してみようっと。

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遺愛幼稚園から八幡坂へ

2024-05-28 20:21:02 | 函館

 

これまで「王道コース」を歩む中で、教会やお寺を中心に紹介してきましたが、今日紹介するのは幼稚園。

なんだけど、この解説にもあるとおり、ここもまた、キリスト教系教育の歴史に深く関係しています。

 

 

これがその、「遺愛幼稚園」の建物。

明治28年(1895年)に設立され、同40年の大火で焼失したことから、大正2年(1913年)に再建された建物ですが、日本国内に現存する幼稚園としては最も古い建物となっています。

 

 

現在、五稜郭公園にも近い、市電「杉並町」電停の側に、「遺愛女子中学校・高等学校」という学校がありますが、元々は西部地区の元町にありました。

明治6年(1873年)に開拓使がキリシタン禁制の高札を撤去したことで、布教の手段として、学校の建設、とりわけ女子教育に力が注がれることになり、キリスト教系の女学校が相次いで開校することになりました。

同年、アメリカのメソジスト監督教会の宣教師であるハリス夫妻が函館にやってきて、現在のこの地において、「日々学校」というが開校しましたが、当時この地近くには遊郭があり、女性の地位の低さを憂慮したハリス夫人が女学校の必要性を強く訴えたことから、同15年(1882年)、この地に新たな校舎と宣教師館が完成しました。

その学校は、元ドイツ駐在のアメリカ公使カロライン・ライト夫人の寄付により、ミッションスクール「カロライン・ライト・メモリアルスクール」となり、同18年(1885年)に「遺愛女学校」と改称されました。

同41年(1908年)に遺愛女学校は現在の場所に移り、現在この地に残っている幼稚園は、先程も触れたとおり、同40年(1907年)の大火により類焼したことから、大正2年(1913年)に再建され、現在に至っています。

 

(新旧遺愛女学校所在地の距離感)

 

この幼稚園の卒園生で、函館の歴史に足跡を残している人物の中に、千利休の娘、吟の悲哀を描いた「お吟さま」という作品で直木賞を受賞した「今東光」さんという作家がいます。

キリスト教系幼稚園の卒園生でありながら、後に天台宗のお寺の大僧正となり、かの中尊寺の貫主にもなったという経歴を持つ人物ですが、興味深いエピソードが一つあって、3年前に亡くなられた「瀬戸内寂聴」さんに「寂聴」という法名を授けたのが、この今東光さんなのだそうです。

瀬戸内寂聴さんは函館とは縁もゆかりもない方ですが、その法名を授けたのが、函館に深く関わりのある人物だったというのは、私個人的にはトリビア的な話だなと思いました。

 

 

そしてやって来ました。

函館を代表する知名度の高い坂道「八幡坂」。

現在はここより東側、市電「谷地頭」電停近くにある「函館八幡宮」が、かつてはこの坂を上り切った所にあったということが、坂の名前の由来になっています。

先日見てきた「劇場版名探偵コナン」では、激しい銃撃戦やカーチェイスの舞台として描かれていましたが、ここはこれまでも、映像作品やCMで多く使われていて、特に有名なのが、30~40年くらい前ですかね、洗剤「チャーミーグリーン」のCMで、年配のご夫婦が手を取り合いながら笑顔で踊るシーンで使われていて、そのことから、「チャーミーグリーンの坂」という別名が付いたりもしています。

この坂を上りきった所には、歌手の北島三郎さんの母校としても知られる「函館西高校」の正門があります。その正門の前から坂を見下ろしていると、「♪は~るばる~きたぜ函館へ~♪」と歌いたくなる・・・かな?

 

 

 

 

 

この周辺には、函館を象徴すると言ってもよい、古い造りの「伝統的建造物」が多く残されていて「でんけん地区」という別名が付いていたりもしています。

 

 

 

「環境物件」という指定を受けている建物や工作物もあります。

たくさんあって紹介しきれないのだけど、何軒かに絞って、その歴史や背景を探ってみようと思います。

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