えみくり情報

日常と日記
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ブラツケン・ムーア~荒野の亡霊~見てきた

2019-08-31 | 芝居
半端無く美しい岡田将生くんをまた見に行って来ましたお
見るたびに上手くなっていきます。顔だけやないねんでー

1937年、イギリス・ヨークシャー州。裕福な炭鉱主のハロルド・プリチャード(益岡 徹)の元に、ある日エイブリー一家が訪ねてくる。かつては家族同士で仲良くしていたのだが、10年前にハロルドの一人息子・エドガー(当時12才)が、ブラッケン・ムーアという荒野の廃抗に落ちて亡くなった事故をきっかけに疎遠になっていた。それ以来、エドガーの母親・エリザベス(木村多江)は家の中でふさぎ込んでおり、彼女を励ますためにエイブリー一家はプリチャード家に数日、滞在する予定だった。エリザベスはエドガーの親友であったエイブリーの一人息子、テレンス(岡田将生)と再会すると、亡き息子への思いを溢れんばかりに話し出した。
しかしその日から毎晩、うなされたテレンスの恐ろしい叫び声が、屋敷中にこだまするようになる。テレンスはエドガーの霊が憑依し、何かを伝えようとささやいてくると言う。やがてエドガーの霊に憑りつかれたテレンスは、事故現場であるブラッケン・ムーアに向かう。そして事故当時の知られざる真実が、少しずつ明らかになっていく――。

ブラッケン・ムーアはいかにもイギリス戯曲でとても暗くじめじめしているんだけど、それでもとても面白かったです。
一人息子を事故で亡くしてしまった夫妻がかわいそうでかわいそうで。
暗い田舎のお屋敷で死人のような生活を十年以上も続けている夫婦。
彼らをある意味救う役が岡田くんです。彼は異物であり天使です。

妻はどうなったか。そして夫は。
このふたりがすごく上手くて木村多江さんってこんなに演技のうまいひとだったんだと驚きました。か弱く、しかし目覚めてからのりんとして美しいこと。
そしてなんといっても旦那役の益岡徹さんです。天才のおじさんだと思います。

旦那さんは目覚めるのですが、それでもあえて自らの意思で目覚めず、暗い屋敷で生きていくのでしょう。
炭鉱会社の社長さんです。時代は第二次世界大戦の前。ヒトラーが台頭しだす頃です。裕福ではありますが、この先エネルギー革命が起こることは芝居の中でも時々匂わされています

このまま彼はじっと黙ってあの暗いくらい屋敷で過去を悔いながらも死んだように生きていくのかしら。息子の日記帳を胸に抱きながら。涙や悲しみは見せてはいけないと自らを戒めながら孤独に。

もう彼の「当時の責任ある大人の男」としての生き方に泣けてしょうがなかったです。彼はどこにもいけない。彼だけが救われない。なぜなら彼だけが古い時代の地位ある大人の男だからです。

岡田君とカーテンコールで何度も何度も握手していました。素晴らしい芝居でした。

芝居後観劇した七人でお茶しながらあれこれ話し合ってわかりにくかったこととか解釈とか語り合いました。これが楽しい。

もしかして死んだ息子はゲイだったのでは、と語り合いました。許されない時代ですよ。それで父さんはすごく息子にきつく当たってしまったのではと思います。せっかくの楽しいハイキング中、「女みたいな仕草はやめろ」と怒鳴り怒り狂ったお父さん。理由のわからぬお母さん。
もちろん芝居の中にはゲイという単語は出てきません。けど多分。
妻はそのときのことを思い出してついに旦那を責めます。あのこがかわいそうだったと。あのあと死んだのよと。
夫に従順で物静かな妻が初めて夫に激昂します。
息子が死んで十年たってやっと。

けど父としては時代的にそれは怒らずにはいられなかったのですね。
近いうちにゲイはユダヤ人と同様収容所に送られるような狂った時代がはじまります。

事故だったのかしら。それとも。
ホラーかミステリか、社会派っぽさもあります。もう一度最初から見たいです。

アニメ三国志

2019-08-30 | 読書
連続のアニメでなく、前後編単発のアニメ。大昔の話。
曹操が金髪だったり、于 禁 が女で曹操に惚れてたり大きな蝶に乗って空飛んだり、もうめちゃくちゃなアニメだったけど三国志ってもう演義のほうなんかSFみたいなものなのでここはこれ、と大いに面白がって見たのでした。
同人誌も作りました。
とにかく蜀の軍師孔明先生が美しくて可愛くてね。アニメでは目元涼やか白皙の美青年でしてね。もちろん髭などありません。動くたびに青白い龍が舞う。

若き日の故・富山敬さんがそりゃあ甘く静かな賢そうなお声でばんばん敵を策略にかけましてね。そのくせ劉備玄徳どのーーーーっっっには犬っころちゃんみたいに懐きましてね。曹操のナンパをすげなく断ったりね。
萌えるったらありゃしない。
前後編あわせてたった三時間半くらいのアニメです。あの!三国志を!よくもまあ三時間で描こうとしたものです。まあ赤壁をメインに持ってきてましたがそれでもね。

私はまあごりごりの劉備×孔明だったな、と思ってたのですが記憶を掘って掘って掘ってたらこっそり「趙雲→孔明」書いてたわ。すんまっせん。
昔から年下攻がやっぱり好きなもので。受不動で。
でも孔明先生は死ぬまで劉備殿一筋なのよ。純粋にね。

三国志はいろんな人が「俺の三国志」を書いていますが
孔明先生の描写が一番美しいのは柴田錬三郎先生の「英雄ここにあり」ではないかと今でも思っています。
初登場のシーンの息を呑むような静けさと美しさよ。
好きだったんだろうな、シバレン先生。
どんな美女より孔明先生の描写が狂おしく熱烈です。

AMAZONの評見てたら上記の本に対して

(以下引用)
あえて誤解を恐れずに言えば、孔明以外は(曹操すら)全員引き立て役。この孔明のストイックで神仙のごとき活躍ぶり、たとえぜんぜん史実と違うとわかっていても、ついつい引き付けられること請け合い

(引用終わり)
ってあってみんなわかってますよね、って思ったです。孔明先生好きは必読の書ですよ。

毛羽立つシューくん ぬいぐるみのお手入れ

2019-08-29 | 日常とクラシカロイド
シューベルトぬいぐるみ。一句詠む。

そもそもぬいぐるみを手入れしようなどと生まれてからこの方考えたことも無いんですよ。
ぼさってきててよごよごしてきてどうしようどうしようってね。なんなのこの悩み。
検索したら、フェルト製のブツは水に浸けたり洗ったりすると縮むこともあるそうなの
型崩れするの可哀想だゆ。

どこにでも連れて行くのをやめればいいんですよね。
もとより。元よりですね、この子以外はいらないので、新しいのを手に入れるつもりもない。
紛失したら悲しすぎるし、もう「よっぽどのことがない限り連れ歩くのはやめる」を選択します
箱入り息子にする。

人形劇三国志

2019-08-28 | 日常
歴史秘話ヒストリアで、もうものすごく久しぶりに川本先生の人形劇三国志の再演を見て涙涙。当時のスタッフでまた一からシーンを再現されたそうです!!!!

三顧の礼
あー水魚の交わり…

白帝城での別れ「殿下ー」
五丈原での孔明先生の死「劉備様のもとへ参ります」

正直に言うが私は劉備×孔明でバリバリ固定だったので、どれもこれも好きなシーンばかりです。

当時の声の二人はさすがに年取ってたけどやっぱオリジナルでなければ。
久しぶりに動く孔明先生の華麗で可憐なことよ、ううううう。

途中で出てきた解説の先生が
「白帝城での二人の間には緊張があったのではないか、劉備は自分の死後孔明が息子をないがしろにして政権を乗っ取るのではないかと疑ったので死ぬ間際、あんなことを言って試したのではないか」
とか言ってた。

そんなのありえない!!

孔明先生は一度たりとも殿を裏切りはしませんでしたよ。
巨大な魏や、西方の蛮族とも蜀のために戦って戦って戦いましたよと。
全部殿の国のためにではないですかーーーーーーーそれでもう最後はぼろぼろになっちゃって。もうぼろぼろで。ああ涙です

中国の大河ドラマ三国志のキャストはもう良すぎて震えますね
孔明先生役のひとの聡明そうな長身美男子っぷり。


すごく見たいです。
弟が以前CSでやってたのを録画して見てるとか言ってたと思うので聞いてみよ。←ものすごい三国志マニア



公式サイトより↑
うほ、すごく好きな「十万本の矢」のあれもちゃんとあるみたいです。
正史には孔明はおらんかったとか今日の放送でも言われてたが気にしない。面白いエンターティナメントとして三国志は楽しむのだ。
孔明先生のかっこよさきわまれり!!

↓ついでに私が今使ってるマウスパッド。弟がくれたもの。


えみこからメール来た

2019-08-28 | 日常とクラシカロイド
楽しかったのでもう一回ウィーン展行ってもいいよねってメール来た

嬉しい、私ももう一回行きたい。二回三回行きたい。
次はど平日の三時過ぎ狙って城田くんの解説聞きながらゆっくりじっくり見たい。
そして絶対に歩きやすい低いヒール靴厚底で周るべし

シューくんの眼鏡、記憶で復元できるくらい眺めてきたい。
美術品の展示というより、いわゆる時代風俗の展示って感じで実に面白かったんですよ。当時の絵画だけでなく当時のデザイン工房が作る洋服や帽子、食器に椅子や部屋の中とかが面白い。テキスタイルも素敵なの。
そしてフランツヨーゼフの「街づくり」。これ楽しいの。どんどん町を機能的に綺麗にして行く王様。
フランツが仕事している部屋の壁にエリザベートの肖像画が掛けられてる絵とか、可愛いの。
精神病院の中に教会作る。綺麗なきれいな教会。
へーって思う。


「この絵のここは作者のこういう感情を表しているのねー」って美術品見るのも大好きなんだけど、その必要がないって言うのもある意味とっても楽で楽しいですね。

エゴン・シーレとかね、大層なゲージュツというよりあれ一種萌え絵のカテゴリじゃないのかなって思うの。好き嫌い良い悪いは別にしてポルノはいろんなものを進化させるでしょう。
正直早死にしてよかったかもって思う。
あのまま大成功してたら巷で噂のエプスタインじゃないけど稀代の犯罪者になってたかもしれん危うさ。そしたらあの素敵な絵も見られなくなっちゃうかもしれない。実際誘拐容疑で逮捕された時は焼かれたりしたらしいし。

自画像異常なくらい大量に残してるところも闇深くて面白いっちゃ面白い。





ウイーン・モダン クリムト シーレ世紀末への旅

2019-08-27 | 日常とクラシカロイド
やっと大阪に来たので我慢できず初日に行って来ました。
目指すはシューベルトのあの眼鏡です。もちろん他の展示物も楽しみですが大本命はアレですの。

無事見ることが出来ました。今日は初日だったので講演もあり国立国際美術館に入るや否や大行列。とはいえ展示の方はゆっくりゆったり見られました。

シューくんの眼鏡は意外に小さくて、右側のレンズが割れているのも愛おしいーーー。
「意外に小さい。シューくん実は小顔だったのかな」
って言ったら
「いや、当時の眼鏡の掛け方がこうきゅーっと内側において耳側のつるをひっぱるのよ」
とえみこにクールに返されてしまいました。

シューベルトの有名な肖像画とシューベルティアーデの絵、そしてハイキングに出掛けるシューベルトとたくさんのお友達、の絵がありました
同人誌で東京のレポート本出されている方がいて、その本にはもう一枚、シューくんがお友達と室内ゲームをきゃっきゃしている絵があったそうなのですが、大阪には来てなかった…
ただでさえ稀少なシューベルト関連が減ってしまってくりちゃんショックで立ちすくむ。

クラシカロイド的には
モーツァルトのとっても歪な肖像画一枚とフリーメイソン入会の儀の絵画に「実はこれモーツァルトじやね?」って入り込んでいるのを楽しく鑑賞し、

ウイーン分離派展の第14回ポスターを目にしっかり焼きつけました


大変たのしゅうございました。もちろんクリムトもエゴンシーレも堪能いたしましたことよ。クリムトのポスターのちん●修正にふふふってなりました。
同人印刷所の方々令和もがんばってください。



眼鏡のトートとポケットサイズの図録を買いました。
レジ袋が可愛いです。えみこは手ぬぐいを買っていました。シューくん時代のティーポットや調味料入れが図柄になってるおしゃれなのをです。

そしてお楽しみの館内カフェです。
そこでウィーンモダン特製ランチをいただいてきました。

デザートはウィーンコーヒーゼリーと紅茶。
確か展示に「ウィーンのコーヒー工場」の絵もありました。
「ああ、それで」
と呟いたら、ウェイトレスのおねえさんが
「あ、見てこられたんですね😊 」ってニッコリ。
シューくん人形と。

シューくん毛羽立ってきました。あまり撫でたり触ったりしないようにしているのですが、持ち歩くとどうしても。

「でも毛羽立ってもまたそれがより可愛いから」
って撫でながら言ったらえみこに
「結局それが言いたいのね。ほんとは毛羽立ったりよごよごしてるのが自慢なんでしょ」
って言われました。そのとおりだ。

この年になってぬいぐるみを持ち歩く痛さくらいは自覚してますがな。
それを補って余りあるシューベルトですよ。
村上春樹もシューベルトびいきと知って俄然好意を高めましたからね。←えみこが教えてくれた。
彼のシューベルトに関する記述全部すっごいわかりみ強くて大好きですーーーーーほんと村上春樹様、貴方と貴方の考え方、とても素敵です

いだてん「独裁者」

2019-08-26 | いだてん
菊枝ちゃんとまーちゃんのプロポーズのシーンが好きすぎて何度もリピートしました。ウエディングドレスは清楚で綺麗だし、眼鏡をはずしているところだけはちょっとと思ったけどまあいい。

あとまーちゃんの「アレ」
「アレ」食べたかったですよね。
なんて美味しそうな大きなおにぎり。

鮮やかな黄色のセーターと新婚エプロンの菊枝ちゃん。くーまーちゃんの幸せもの!!

それにしてもバーローズのママいいわ。紫基調の着物がモダンだわ。多分電気パーマ当ててる。かっこいいババア。憧れます。

前畑さんたち、日本に帰ってきたらあまり面白くないパジャマ着てあまり面白くない寮の無機質な狭い部屋。なんとなく可愛くて若い娘さんでいる間はきれいなところにおいてあげて欲しいのです。スポーツ少女にも可愛いものを!

ねこがかわいいだけ展行ってきた

2019-08-26 | 日常




猫が可愛いだけの写真展でした。千匹以上のいろんなとにかく可愛い猫
写真は撮っていいところといけないところがあり鱒。
この子が好き。太った茶虎猫。茶太郎君

この子も好き。あーぶれちゃった。私写真下手すぎる
黒猫大好きです
あー可愛すぎる。この子も好き
けどみんな可愛かった
毛の長い子も短い子も
太ってる子も痩せてる子も
赤ちゃんも年取った子も
おとなしい子も暴れん坊な子も

猫はその存在だけでよいものです。
犬も好きだけどーー。動物みんな好き。もちろん人間もね。
平和に生きて行きたいです。

癒されました


コラボカフェ。コラボと言えばクラシカロイドのも行きたかったけど東京は無理だ。その代わり明日からウイーンモダンが大阪で始まる。

大阪スーパーシティに友達のお手伝いで行きました

2019-08-25 | 日常
いやー自分で本も出さずただ売り子するだけで行くイベントは気楽で気軽で楽しいなー

お友達は進撃の「エレン×リヴァイ」で若いのに凄くうまい人です。
とてもとても人気があるのに新刊の搬入部数が少なくて、朝、
「え、こんだけ? なんで?」
って聞いたら
「売れ残るのが嫌なんです」
って言う。
新人類だなー。
もちろん一時間もせぬうちにあっというまに売り切れて、
あとから来る方には「とらのあなで買っていただけますか」と言い通しでした。
すごく面白いんですよ。けど欲の無いことったら。かっこええ。

おぢろうちゃんとこに遊びに行ったら隣がうぐいす姉妹ちゃんだったので
ひさしぶりーと喜びの再会。
いっぱい本をいただいてしまいました。山賊のような私


おぢろうちゃんには時々会ってそのたびに本はくれるので少なめ。それでもHIDEKIは64冊目ですよ。すごいよ!!
スケート本もいただきました。可愛いグッズも生で見せてもらった。すごく可愛いです。もうほぼ完売してた。Tシャツも色合いがとっても可愛いでした。着用モデルは里中守さんがいつもしてる。
うちのこのブログとは相互なので興味ある方はおぢろうリゾートも見てみてね。

うぐいすちゃんは久しぶりなので「何年会ってないーーー?」ってきゃーきゃー言ってテーブルの上のを大量に大量にいただいてしまいました。
身辺雑布は103号ですってよ、奥様。


俺の友達すげえ。

すげぇはつづく。昨年お友達になった方の進撃グッズです。刺繍なの。可愛いでしょ。
ケニーおいたんが素敵です。



E×Lはエルヴィン×リヴァイだそうです。私は基本はエレン×リヴァイなのですが、だんちょとへーちょもわりといいと思います。おいたんとへーちょもわりといいと思います。けどまあ他ジャンルで主張は一切いたしません。
みんな楽しそうでした。
イベントはときどき遊びに行きたいですね。

大阪フェスティバルホールのレリーフ

2019-08-22 | 日常とクラシカロイド
シューくんと大阪フェスティバルホールのレリーフ↓
音楽と演劇の王様二人よ。
この二人は大昔のこのフェスの前身の旧フェスのその前の大阪朝日会館の時から掲げられているそうです。


シューくんはベートーヴェン先輩をとっても尊敬していて、
シェークスピアの詩もいくつか作曲しているので多分ちゃんとリスペクトしています。驕らない君が好き。しゅきだーー。



償いの雪が降る

2019-08-22 | 読書
「償いの雪が降る」
母子家庭で育ったジョーは実家を出て念願の大学進学を果たす。授業で身近な年長者の伝記を書くことになり、祖父母も父親もいないため介護施設を訪れたところ、末期がん患者のカールを紹介される。カールは三十数年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、病気のため仮釈放され、施設で最後の時を過ごしていた。カールは臨終の供述をしたいとジョーのインタビューに応じる。話を聴き、裁判記録を読むうちにジョーは事件に疑問を抱くようになり、真相を探り始めるが……。


一気読みしてしまった。やたら評判の良いミステリー。評判どおりです。

ええもん読んだわーーー


読み出したらやめられませんでした。
すっきりとした文章。
まとまっていてだらだらせずキレイに収束へ向かうのがよかった。姑息な誘導や引き伸ばしのない、どの章も絶対に必要だけど過剰ではないシンプルな筋立て。
美しくて悲しくて、けど読後感のいいこと。タイトルが最後ずしんと来る。
The Life We Bury

主人公のジョーがめちゃくちゃいい。とにかく好きにならずにはいられない大学生。
とても普通。スーパーマンでもやれやれなろう系でもない、とにかくただ普通なんだけど、凡庸なんだけど、考え無しなところもあるんだけど、でも優しくて弟思いで、そして一対一なら、なんとか勝てるくらいには強い。そしてとんでもない危機を創意工夫で何とかそこそこ乗り切る。そこそこ。そこ大事。
弟も、隣人の女の子もいい。
なんといっても余命いくばくもない仮釈放中の暴行殺人犯のカールのキャラクターが切なくて素晴らしい。
憎たらしい奴はとことん憎たらしい、とくに母親…

推理小説としては、すぐに「あ、こいつ怪しい」ってわかるようになってる。つまりはそこはたいした問題ではないのです。
出てくる人物の埋められていた過去が少しずつ少しずつ浄化されていく、そこが多分作者の描きたかったことなんでしょう。
最後の最後、「あーー、よかった」ってなる。
心配がいくつか消えます。清清しいです。夢中で疾走して走りきった後少しずつスピードが落ちていく気持ちよさが残ります。

脇役である刑事や大学教授など、描写は少ないんだけどやたら魅力的だ、と思ってたら彼らを主役にしたスピンオフ的な続編が枝分かれのように続いているそうです。
訳されるのを楽しみにしてます。
次でたら必ず買います。
アレン・エスケンス。これデビュー作なの?すごい。

訳もいいです。務台夏子さんの読みやすくて硬派な文体が、感傷的にならないぎりぎりのところ保っていて、それがまた素晴らしくてしみじみ泣きたくなります。
この方も好きな翻訳家さんです。
後書きもいい。主人公の彼を「応援したい主人公ナンバー1」とか書いててどこがいいか楽しく丁寧に解説されていて、あー語彙の豊富さ的確さ、尊敬します。追いかけます。ジョーとジェレミーの続きが知りたい。




今から読むー

2019-08-21 | 日常

わくわくわくわく。
実は今年の初めに評判を聞いてなんとなく図書館に予約入れたら180人待ちだったの。
あきらめてもう買ってしまおううかなと思って、日々の雑事に紛れすっかり忘れていたのです。


そしたら図書館からメール来たのでさっそく取りに行って来ました
出版社の方には申し訳ない。ただでさえ翻訳売れないのに。

けど巻末の宣伝に出ていた「コードネーム・ヴェリティ」は必ず買うのでお許しください。←戦争に巻き込まれた少女二人の友情と正義 の物語らしい。これは絶対に絶対に買いますですよ。


いだてん「トップオブザワールド」言い忘れ

2019-08-20 | いだてん

来週前畑さんや選手たちのために東京都のお偉いさんと大喧嘩してくれそうなまーちゃんが楽しみです。
あとまーちゃんと菊枝さんの結婚式楽しみなんだけど
菊枝さんが眼鏡を掛けていない!!
菊枝さんの眼鏡萌えなのにーーーー!!
ドレスに合わないとされたのでしょうか。可愛いのにな。

話は変わりますが
女の子の眼鏡はかつて四つ目とか言われてブスの象徴とか揶揄に使われてたことは知っています。酷い話です。むかむか。

母の遺産

2019-08-20 | 日常とクラシカロイド
水村美苗さんの「母の遺産~新聞小説」を読み終えました。
面白かったし最後涙も出ました。不思議な感じです。

いいなーお金もちは。ってのが来てしまう私のさもしさよ。

私は、私も母がもし死んでしまったら父や母と行った有馬温泉の某旅館に十日ほど泊まってこれからのこととかいろいろ考えたいなとかぼんやり思いました。

まだ死んで欲しくないですけど。
昨日は雷雨だったので、「怖い」「怖い」って電話かかってきた。
「家から出ないでね」と頼んだ。「私も今日は外には出ない。怖いもん私も」って遠まわしに「そちらへはいけないよ」って告げる。
ちょっと可哀想かなと思ったけど、どうせ今日実家に行く日なのです。
じゃがりこでも買っていってあげよう。ジャンクたべない母ですがじゃがりこだけは月に一回くらい欲しがる。



ライオンキングの吹き替え版も見に行くことにしました。

先輩が入っている帽子レゲシューくんの毛糸の帽子なの。そして尻尾にはシュークンの土レッドのアクセサリーです。
それにしても先輩可愛い。先輩ライオンはぐんぐん育ち、トムソンガゼルのシューベルトは大人になったら美味しく食べられてしまうのよ。
やおい的な意味でな。